プログラムPROGRAM
2018 6

高橋洋監督最新作
『霊的ボリシェヴィキ』
2018年6月1日(金)〜10日(日)[水・木休館]

それは、
あの世に触れる
〈恐怖の革命〉

Jホラーの巨匠、高橋洋が切り拓く、
かつてない “心霊映画”

 

「霊的ボリシェヴィキ」
(2017/72分/ブルーレイ上映)
監督:高橋洋 撮影:山田達也 照明:玉川直人
録音:臼井勝 音楽:長嶌寛幸 製作:映画美学校
配給・宣伝:『霊的ボリシェヴィキ』宣伝部
配給・宣伝協力:プレイタイム

出演:韓英恵、巴山祐樹、長宗我部陽子、高木公佑、近藤笑菜、河野知美、本間菜穂、南谷朝子、伊藤洋三郎

集音マイクがそこかしこに仕掛けられた奇妙な施設。呼び集められたのは、かつて “あの世に触れた” ことがあるという “ゲスト” と呼ばれる男女たちだった。その中の一人、由紀子には、幼い頃 “神隠し” に遭遇した過去があった。強すぎる霊気により一切のデジタル機器が通用しないこの場所 で、静かにアナログのテープが回り始める。やがてテープに記録されてゆくのは、人間の領域を踏み越える禁断の心霊実験だった……。

脚本家として『女優霊』『リング』でJ(ジャパニーズ)ホラーというジャンルを確立させた高橋洋。前監督作『旧支配者のキャロル』(2011年)から6年ぶりに監督、脚本を務めた最新作は、かつてないスタイルの心霊恐怖映画となった。
『霊的ボリシェヴィキ』という衝撃的なタイトルは、神道霊学研究家の武田崇元氏が70年代に提起して以降、ディープ・オカルトの世界でのみ密かに語り継がれた言葉である。20年以上前からこの言葉に取り憑かれた高橋は、商業ベースでの実現を試みながら果たせず、今回、最もオリジナルの構想に近い形で、映画による “霊的革命” を実現へと導いた。
高橋が一貫して追求してきた「恐怖映画」の要素と、前作『旧支配者のキャロル』からさらに深化した「人間ドラマ」が組み合わさり、新たなる恐怖の地平が切り拓かれる!
その最初のホン読み(シナリオの読み合わせ)は、「まるでそれ自体が降霊実験のようだった」とスタッフは証言する。『霊的ボリシェヴィキ』は観客を直接映画の中へと巻き込み、スクリーンに漂う“霊気”を体感させる、まったく新しい形の “霊的エンターテインメント” である。

→公式サイト

《料金》
一般:1700円 学生:1000円 シニア:1100円 会員:1000円
*初日サービスDAY 一律1100円
 *招待券のご利用不可

 


『霊的ボリシェヴィキ』公開記念
高橋洋監督作品集
2018年6月2日(土)・3日(日)、9日(土)・10日(日)

『ソドムの市』『狂気の海』『旧支配者のキャロル』に加え、映画美学校で制作されたコラボ短篇を一挙上映。

Aプログラム
「ソドムの市」
(2004/104分/DVCAM)©2004ホラー番長製作委員会
監督・脚本:高橋洋 撮影:小暮洋輔 美術:山本直輝 音楽:長嶌寛幸
出演:浦井崇、小嶺麗奈、中原翔子、園部貴一
「ホラー番長」シリーズの一本として撮られた高橋洋長編デビュー作。盲目の極悪人「ソドムの市」こと爼渡海市郎(浦井崇)は、最悪の破壊計画をたくらんでいた。発端は18世紀、市郎の祖先、領主市兵衛によって身に覚えのない罪で責め殺された腰元のテレーズ(小嶺麗奈)とキャサリン(宮田亜紀)。それがまったくの濡れ衣だったと判った途端、爼渡海家一族に、二人の女の呪いが襲いかかる。そして現代、呪われた血を受け継いだ市郎はキャサリンそっくりの妹を斬り殺し、悪逆非道を繰り返していた。そこに立ちはだかる復讐の女刑事はテレーズと瓜二つ。市郎は二人の女が呼び寄せる地獄の呪いに絡め取られ、この世を混乱の淵に叩きもうとする。特撮、マブゼ、井原西鶴…高橋洋が好きなものを全部ぶち込んだ、時空を超えた地獄絵巻!

 

Bプログラム
「狂気の海」
(2007/34分/DVCAM)
監督・脚本:高橋洋 撮影:山田達也 録音:臼井勝 音楽:長嶌寛幸
出演:中原翔子、田口トモロヲ、長宗我部陽子
時まさに現代、国会での圧倒的な議席数を背景に日本国首相・真壁晋太郎(田口トモロヲ)は日本を「普通の国」にするべく憲法改正に着手しようとしていた。しかし、首相夫人(中原翔子)はあまりにも憲法九条を愛し過ぎてしまっていた。明らかに狂った形で……。そんな緊迫した事態の中、合衆国大統領が何者かによって呪い殺されるという事件が起きる。動き出す〈FBI霊的国防部〉。捜査官のライス(長宗我部陽子)は、強力な軍事力を背景に首相夫妻を追い詰める。やはり日本は核武装して対抗するほかないのか!? しかし、アメリカすらも思い及ばぬ、言語を絶した人々が日本の地下には潜んでいたのだった……!!映画美学校フィクション・コース第9期高等科コラボレーション実習作品。

併映
「おそらく悪魔が」(2009/9分/DV)
監督・脚本:高橋洋 出演:伊野紗紀、渡辺あい
『恐怖』を撮り終えたばかりの高橋洋がまたもや撮った「姉妹物」。インチキ霊媒師の姉の言いなりになっている妹。妹は愛する男と叛逆を決意するが……。出演は後に『反駁』を撮る伊野紗紀と『愛∞コンタクト』の渡辺あいの監督コンビ。映画美学校フィクション・コース第13期初等科ミニコラボ実習作品。

「続・おそらく悪魔が」(2011/11分/DV)
監督・脚本:高橋洋 出演:きむらゆき、八幡みゆき
Jホラーシアターで流れた企画『デアボリック!』を高橋洋が無理やり短編化。霊能姉妹の血の相克に呪われた屋敷。訪れた撮影隊の前に超常現象の嵐が! 出演は『海街diary』のきむらゆきと今や演劇界の大型新人、八幡みゆき。映画美学校フィクション・コース第15期初等科ミニコラボ実習作品。

「炎の天使」 (2012/9分/HD)
監督・脚本:高橋洋 出演:きむらゆき、中川智明
前作の霊感女優まどか(きむらゆき)は演劇集団を率いていた! 「人としてどーなんですか?」が禁句の過酷なオーディション! あまりの罰当たりな所業についに戦車の砲撃が始まった! 高橋洋がこだわる「邪教集団物」の一本。映画美学校フィクション・コース第16期初等科ミニコラボ実習作品。

「代理人アイリーン」(2015/15分/HD)
監督・脚本:高橋洋 出演:奥崎愛野、的場裕美、山田雄三
高橋洋がカナザワ映画祭「映画の生体解剖」トークで着想を得た「邪教集団物」。神の代理人を名乗る女に森で救われた恋人たち。二人を待ち受けていたのはタコ踊りをする狂った教団だった! 映画美学校フィクション・コース第19期初等科&アクターズ・コース俳優育成ワークショップミニコラボ実習作品。

 

Cプログラム
「旧支配者のキャロル」
(2011/47分/HD)
監督・脚本:高橋洋 撮影:山田達也 録音:臼井勝 音楽:長嶌寛幸
出演:松本若菜、中原翔子、津田寛治、本間玲音、伊藤洋三郎
ホラーから一転「真の人間ドラマ」に初めて挑んだ一作。映画学校の卒業制作の監督に選ばれたみゆき(松本若菜)。彼女は講師であり、憧れの女優、早川ナオミ(中原翔子)に出演を依頼する。監督という大役に熱が入るみゆき。だが、ナオミが科す試練はあまりに過酷だった。「現場では心にスタンガンを持て!」ナオミの言葉を反芻する現場にただならぬ緊張感が走る。プレッシャーと戦うみゆきは、クラスメイトで出演者でもある村井(津田寛治)に支えられながら撮影を続けるが、現場は熾烈を極めていく……。映画美学校フィクション・コース第13期高等科コラボレーション実習作品。

併映
「画廊」(2017/8分/HD)
監督:高橋洋 脚本:平野未来 出演:古内啓子、高木公佑、浅田麻衣
高橋洋が初めて他人の脚本で監督。絵が一枚も飾られていない画廊にさまよい込んだヒロイン。やがて暗がりに次々と投影されてゆくのは自分がかつて見た悪夢だった。悪夢の前で審問が開始される…。『霊的ボリシェヴィキ』の髙木公佑が学外からゲスト出演! 映画美学校脚本コース第6期高等科映像化演習作品。

「アウグスト・ストリンドベリ全集 生霊人間」(2018/21分/HD)
監督・脚本:高橋洋 出演:湯川紋子 石山優太 那須愛美 釜口恵太
舞台俳優、石山には秘かな企みがあった。いつも死ぬ役ばかりでウンザリだ。今度は自分がエチュード劇を主宰して、絶対死なない役をゲットしてやる! だが役者仲間の湯川が自身の生霊体験を話し始めたばかりに、稽古はコントロール不能に陥ってゆく……。「ゲーテを越えようとしてオカルトに走った?」北欧の大劇作家ストリンドベリの戯曲が原型をとどめない展開に!映画美学校フィクション・コース第21期初等科&アクターズ・コース俳優養成講座2017ミニコラボ実習作品。

 

《料金》
一般:1400円 学生:1000円 シニア:1100円 会員:1000円
*当日『霊的ボリシェヴィキ』ご鑑賞で200円割引 *招待券のご利用不可


続・新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.1
“A History of Pink~昭和から平成へ~”

2018年6月16日(土)・17日(日)

前回は21世紀にはいってピンク映画デビューした「新人監督」の作品にスポットを当てたが、今回は“A History of Pink~昭和から平成へ~”と題し、昭和40年代から平成にかけて製作された作品群、とくに今年のベルリン映画祭で特集が組まれた国映の朝倉大介プロデュース作品を軸にシリーズでお届けする。

その1回目に選んだのは1984年に製作された滝田洋二郎、周防正行、広木隆一監督の極め付きの3作品。
 

「真昼の切り裂き魔」
(1984/60分/35mm)国映
監督:滝田洋二郎 企画:朝倉大介
脚本:夢野史郎 撮影:志賀葉一
照明:金沢正夫 助監督:片岡修二
出演:織本かおる、中根徹、麻生うさぎ、青木祐子、池島ゆたか、下元史朗
 
女性の下腹部を切りとって殺す残虐な切り裂き魔。雑誌編集者の亜矢はたまたま被害者の死体を発見する。ところがあるカメラ雑誌の投稿ページに掲載された写真には男が女に切りかかる様が写っていて……。異常犯罪の世界を描いた傑作ミステリー篇。若き滝田洋二郎監督の手腕が冴える。

 

「変態家族 兄貴の嫁さん」
(1984/62分/35mm)国映
監督・脚本:周防正行 企画:朝倉大介
撮影:長田勇市 美術:種田陽平
音楽:周防義和 編集:菊池純一
出演:風かおる、下元史朗、大杉漣、山地美貴、麻生うさぎ、首藤啓
 
周防正行監督の名を世に知らしめたピンク映画による小津スタイルの忠実な模倣。単なるキワモノではない充実した内容と完成度がその後の周防監督の活躍ぶりを予言するかのようだ。2月に急逝した俳優の大杉漣氏が30年前に70代の老け役に挑戦した貴重な作品でもある。
 

「白昼女子高生を犯す」(プリントタイトル『欲望の海 義母を犯す』)
(1984/60分/35mm)新東宝映画
監督:広木隆一 脚本:今成宗和
撮影:遠藤政史 照明:森久保雪一
助監督:富岡忠文
出演:首藤啓、甲斐よしみ、沖ようこ、野上正義、ひびき恭子、下元史朗
 
達夫は高校生の久美と典子を海岸でみかける。二人は家出中で久美のボーイフレンドはその海でサーフィン中に波にさらわれ行方不明になったという……。いまや日本を代表する映画監督の一人、広木(廣木)隆一監督の若き日の作品。冬の海の情景を効果的に使ったほろ苦い青春物語だ。

 

協力:ぴんくりんく

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》当日2本目は200円引き
《プレゼント》ピンク映画月刊誌「ZOOM-UP」80年3月号(無くなり次第終了)、または新東宝ピンク映画ポスターをプレゼント。[提供:ぴんくりんく]


第23回 くにづか月イチ上映会
2018年6月23日(土) 13:30〜

第二次世界大戦下のヨーロッパ、スパイの嫌疑に翻弄される人々を描いた西ドイツ映画(95分)。
 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。