プログラムPROGRAM

連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第10回 最も物議をかもしたアメリカ映画──グリフィス『国民の創生』を再考する

2020年10月31日(土)

このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。

13:30〜 上映
「国民の創生」
The Birth of a Nation
(アメリカ/1915/156分[16コマ]/16mm)
監督:デヴィッド・ウォーク・グリフィス
原作:トーマス・ディクスン
脚本:フランク・ウッズ、デヴィッド・ウォーク・グリフィス
撮影:ビリー・ビッツァー
出演:リリアン・ギッシュ、メエ・マーシュ、エルマー・クリフトン、ロバート・ハロン、ヘンリー・B・ウォルソール、ミリアム・クーパー

伴奏:鳥飼りょう

 

16:20〜(終了予定17:50) 講座
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
映画のアルカイックな時代に終わりを告げ、映画芸術の真の誕生を世に知らしめた、アメリカ映画最初の偉大な作品──グリフィスの『国民の創生』。世界の映画を見渡しても稀なことであるが、アメリカ映画において、国民の誕生は、映画の誕生とぴたり一つに重なり合う。それを象徴しているのがこの作品である。だが、この映画は他方で、最も嫌悪すべき人種差別主義的映画のシンボルとして、当時から今に至るまでタブーのように扱われてきたのだった。仮にグリフィスの映画に人種差別主義が存在するとして、それはいかなるものだったのか。『国民の創生』以前と以後のグリフィス作品における黒人やインディアンの描写も参照しつつ、この問題をもう少しニュアンス豊かに掘り下げてみたい。とはいえ、この映画はこの問題だけに収まりきるものではない。バイオグラフ時代からの集大成として作られたこの作品を通して、グリフィス映画の魅力のありかを探り、その映画史的意義についても再検討する。

 

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。訳書に『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)、共著に『映画を撮った35の言葉たち』(フィルムアート社)がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

《映画鑑賞料》 生演奏付き 一般1700円 ユース(25歳以下)1200円 会員1500円
《講座参加費》  一般1000円 ユース(25歳以下)500円 会員700円
予約受付
[先行予約]映画鑑賞と講座のセット予約
[開催一週間前より受付]映画鑑賞、または講座の単独予約
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。