新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸
最後のプログラムピクチャーと呼ばれて
〜滝田洋二郎監督と異色のフィルムメーカーたち〜 vol.3
2021年4月3日(土)・4日(日)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中断していたシリーズの再開です。今回は、1990年代に作家性が評価され「ピンク四天王」と呼ばれた佐藤寿保監督の『痴漢電車 いやらしい行為』と、瀬々敬久監督作『本番レズ 恥ずかしい体位』の2作品をお届けします。
「痴漢電車 いやらしい行為」
(1993/54分/35mm)国映
監督:佐藤寿保 脚本:五代響子 撮影:稲吉雅志 編集:酒井正次 助監督:今岡信治
出演:林由美香、今泉浩一、伊藤清美、石原ゆり、川崎浩幸、金子真一郎、小林一三
二十歳の誕生日に死ぬと決めている少女と心を病んだ家族に捨てられた青年の瑞々しくもろいガラスのような交流。「血と暴力」の映画作家佐藤寿保があえて日常的な感情の交錯のなかで社会の病理を映し出した一風変わったラブストーリー。2005年に急逝した林由美香の代表作の一本。
「本番レズ 恥ずかしい体位」
(1994/62分/35mm)国映
監督・脚本:瀬々敬久 撮影:中尾正人 照明:西久保維宏 助監督:今岡信治
出演:智恵子、深谷真琴、辻斬かりん、山口博之、小林節彦、藤島紺
女子高生の瞳は大人びた同級生えり子に惹かれ同性愛関係を結ぶ。やがて瞳は奔放に生きるえり子に導かれるまま自らの身を汚してゆく。瀬々敬久監督がテレクラ強盗やレズ心中といった実際の事件をモチーフに、オカルトの要素なども取り入れながら思春期の不安定な少女の心理を力強く描出した。
協力:ぴんくりんく
《料金》1本あたり
一般1200円 ユース1000円 会員900円
《割引》当日2本目は200円引き
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
『地獄の警備員』 デジタルリマスター版
2021年3月26日(金)〜4月6日(火)[水・木休館]
『地獄の警備員』 デジタルリマスター版
(1992/97分/HD[ブルーレイ上映])
監督:黒沢清 製作:林俊安
プロデューサー:宮坂進、生駒隆始
脚本:富岡邦彦、黒沢清 撮影:根岸憲一
照明:須永裕之 録音:鈴木昭彦
美術:清水剛 編集:神谷信武
音楽プロデュース:岸野雄一
助監督:佐々木浩久
演出助手:青山真治、小川智子
制作担当:小宮義宏
配給:アウトサイド
出演:松重豊、久野真紀子、大杉漣、諏訪太郎、由良宣子、内藤剛志、大寶智子、洞口依子、岡村洋一、下元史郎、田辺博之、長谷川初範
『スパイの妻』でヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した
黒沢清監督の傑作が29年ぶりに蘇る!!
1980年代に生まれた伝説的映画制作会社”ディレクターズ・カンパニー”(通称ディレカン)。その最後期の作品が黒沢清監督によるバイオレンス・ホラー『地獄の警備員』だ。
現在活躍中の監督たちがスタッフに名を連ね、松重豊が凶暴で謎めいた警備員を演じるほか、2018年に急逝した名優大杉漣や長谷川初範、内藤剛志などが若々しくも個性的な存在感を放っている。
バブル景気で急成長を遂げる総合商社に二人の新人がやってきた。ひとりは絵画取引を担当する秋子(久野真紀子/現 クノ真季子)。そしてもうひとりは巨体の警備員・富士丸(松重豊)。元力士の富士丸は兄弟子とその愛人を殺害。しかし精神鑑定の結果無罪宣告されていた要注意人物だった。秋子が慣れない仕事に追われる日々の中、警備室では目を覆うばかりの惨劇が始まっていた。恐怖の一夜を支配する警備員の影が迫る!
→公式サイト
© ダブルフィールド
35ミリフィルム特別上映
『ドレミファ娘の血は騒ぐ』
2021年3月27日(土)・28日(日)
(1985/80分/35mm)監督:黒沢清
脚本:万田邦敏、黒沢清 撮影:瓜生敏彦
出演:洞口依子、伊丹十三、麻生うさぎ、加藤賢崇、暉峻創三
黒沢清監督初期の代表作。心理学の教授が、田舎から上京してきた女子大生を自らの奇妙な理論の実験材料にする異色コメディ。
トーク(参考上映付き) 参加無料(要当日鑑賞チケット半券)
3月27日(土)16:25〜(終了予定18:30)
ゲスト:富岡邦彦(プラネット+1代表)、小川智子(脚本家) 司会:田中晋平(映像学)
『地獄の警備員』の脚本家・富岡邦彦氏と演出助手をつとめた小川智子氏をお迎えします。本作とほぼ同時期に作られた映像作品(約60分)の参考上映もあります。
《料金》
『地獄の警備員』
一般:1800円 シニア(65歳以上):1200円 ユース(25歳以下)・会員:1100円
*前売鑑賞券 1300円 *初日サービスDAY 1100円
『ドレミファ娘の血は騒ぐ』
一般:1300円 シニア(65歳以上):1100円 ユース(25歳以下)・会員:1000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
第55回 くにづか月イチ上映会 映像で見る昭和の生活文化
2021年4月10日(土) 13:30〜
神戸映画資料館が所蔵するフィルムの中から、昭和の暮らしを写し出す映像を、毎回3〜4本(計約60分)上映していきます。
《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈
主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会
フレデリック・ワイズマンのすべて vol.8
2021年4月17日(土)・18日(日)
2019年秋、神戸映画資料館では「フレデリック・ワイズマンのすべて in 関西」の一環として3作品を上映しました。この続きとして、月1回のペースでシリーズで上映していきます。
今回は、ワイズマン自身が、共同体についての映画として関連していると発言する『エッセネ派』と『アスペン』。いずれも関西では久しぶりの上映です。
1967年の『チチカット・フォーリーズ』以来、“現代社会の観察者”として独自の映像表現を展開し続けているドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン。
50年以上にわたり、学校、病院、警察、軍隊、裁判所、図書館、議会など、アメリカの様々な施設・組織を撮り続けてきました。ワイズマン自身が “〈われわれの生活様式の博物誌〉を紹介するドキュメンタリー・シリーズ” という作品群には、悲劇的であると同時に喜劇的、深刻でありながら滑稽でもあり、複雑であると同時に素朴(ナイーブ)、絶望の中にもユーモアが光る、矛盾に満ちた魅力的なアメリカの姿が映し出されています。
「エッセネ派」 Essene
(1972/86分/16mm)撮影:ウィリアム・ブレイン
ベネディクト会エッセネ派の僧院の日常を追う。個人の欲求と組織としての論理の対立、規則、労働、信仰、価値、愛、そして祈り。日々の生活の中で修道士たちが直面する問題は特別なものではなく、“組織”というものが抱え込まざるをえない共通の問題であることが見えてくる。
「アスペン」 Aspen
(1991/146分/16mm)撮影:ジョン・デイヴィー
19世紀には有名な銀鉱山だったアスペン。現在は、風光明媚な、登山、スキーなどのリゾート地、音楽や文化活動の盛んな町、またセレブが住む町として知られる。町の成り立ちを反映するように、自然と人工物、古い価値観とスーパーリッチといった対立がいたるところに見られる。高級ブティックの前で路上演奏する年老いたバイオリン弾き、泥まみれの鉱夫としゃれたウエアで滑走するスキーヤー。ダイエットペプシの自動販売機の絵画のオープニングが象徴するように、対立は文化的な場面にも及ぶ。
《料金》
一般:1500円 シニア(65歳以上):1200円 ユース(25歳以下)・会員:1000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
→公式サイト(コミュニティシネマセンター)
共催:コミュニティシネマセンター
協力:アテネ・フランセ文化センター、山形国際ドキュメンタリー映画祭
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業