プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2021

上映+講座 ジガ・ヴェルトフ『熱狂:ドンバス交響曲』 
2021年8月28日(土)13:30〜18:00

『カメラを持った男』(1929年)で広く知られ、ゴダールにも多大な影響を与えたソ連の映画作家ジガ・ヴェルトフ。彼の初のトーキー作品『熱狂:ドンバス交響曲』を取り上げ、上映と講座を実施します。

今回は新たな試みとして、レクチャーを間に挟んで、映画を2回ご覧いただきます。
まず上映し、その後、東海晃久氏によるレクチャー、そして2回目の上映、最後に丹生谷貴志氏と東海氏のトーク、という構成です。

 

「熱狂:ドンバス交響曲」 Энтузиазм (Симфония Донбаса)
(ソ連/1930/65分/16mm)製作:ウクライナフィルム
監督:ジガ・ヴェルトフ 助監督:エリザヴェータ・スヴィーロヴァ 撮影:ボリス・ツェイトリン
音響:ピョートル・シュトロ 音楽:ニコライ・チモフェーエフ、ドミートリー・ショスタコーヴィチ
 

レクチャー(50分)
講師:東海晃久(ロシア文学)
ドキュメンタリー映画の金字塔『カメラを持った男』(1929)撮影の翌年、ヴェルトフは世界初の同時録音による3部構成からなる新作に挑む。折しも、ソ連は戦後の国家再建を目指す新経済政策(ネップ)から第一次計画経済へと大転換を図り、これを機に各方面では集団化が開始される。本作においても俳優というプリズムを介しては見えてこない現実、カメラの眼(キノグラース)にしかとらえられない真実を映し出すことこそが革命的映画のあるべき姿なのだと、ヴェルトフは90年後の私たちに訴えかけてくる。
 

トーク(50分)
丹生谷貴志(美学)+東海晃久

 

協力:神戸芸術工科大学、橋本英治

《料金》 入替なし(1日通し)
一般:2000円 ユース(25歳以下)・会員:1800円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。希望される日時とプログラム名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


第59回 くにづか月イチ上映会 映像で見る昭和の生活文化
2021年9月4日(土) 13:30〜  

神戸映画資料館が所蔵するフィルムの中から、昭和の暮らしを写し出す映像を、毎回3〜4本(計約60分)上映していきます。

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


フレデリック・ワイズマンのすべて vol.11
2021年9月11日(土)・12日(日)

神戸映画資料館は、2019年秋の「フレデリック・ワイズマンのすべて in 関西」で3作品を上映しました。この続きとして、月1回程度のペースでシリーズで上映していきます。

1967年の『チチカット・フォーリーズ』以来、“現代社会の観察者”として独自の映像表現を展開し続けているドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン。
50年以上にわたり、学校、病院、警察、軍隊、裁判所、図書館、議会など、アメリカの様々な施設・組織を撮り続けてきました。ワイズマン自身が “〈われわれの生活様式の博物誌〉を紹介するドキュメンタリー・シリーズ” という作品群には、悲劇的であると同時に喜劇的、深刻でありながら滑稽でもあり、複雑であると同時に素朴(ナイーブ)、絶望の中にもユーモアが光る、矛盾に満ちた魅力的なアメリカの姿が映し出されています。

「BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界」 Ballet

(1995/170分/16mm)撮影:ジョン・デイヴィー
ニューヨークに拠点を置くアメリカを代表するバレエ団「アメリカン・バレエ・シアター」の1992年の活動を記録。前半はスタジオでのリハーサル風景やバレエ団の運営に関わる活動を、後半はアテネとコペンハーゲンでの公演を追う。振付家とダンサーたちのリハーサルの様子や、アクロポリス、コペンハーゲン国立劇場という荘厳な舞台での華麗な公園風景は見るものを魅了する。

 

「ボクシング・ジム」 Boxing Gym

(2010/91分/ブルーレイ上映)撮影:ジョン・デイヴィー
舞台はテキサス州オースティンのボクシング・ジム。元プロボクサー、リチャード・ロードが16年前に開いたロード・ジムである。ここには年齢・人種・職種・性別などの違う様々な人々がやってくる。大人も子供も男も女も、プロを目指す者もスポーツ好きなアマチュアも体力をつけたい青少年も、医者、弁護士、裁判官、ビジネスマン、移民、それにプロボクサーも。ボクシング・ジムは、人々が出会い、話し、鍛える、人間のるつぼ……。まさにアメリカそのものだ。

 

《料金》
一般:1500円 ユース(25歳以下):1000円 会員:1200円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

→公式サイト(コミュニティシネマセンター)

共催:コミュニティシネマセンター
協力:アテネ・フランセ文化センター、山形国際ドキュメンタリー映画祭
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


特集上映
濱口竜介 物語る人びとの記録 
2021年9月18日(土)〜20日(月・祝)、24日(金)〜26日(日)

©ENBUゼミナール

 

新作『ドライブ・マイ・カー』がカンヌ国際映画祭の脚本賞を、公開が待たれる『偶然と想像』がベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞するなど、世界的な映画監督となった濱口竜介監督。

そこに至る転換期の重要作品、『親密さ(short version)』と「東北記録映画三部作」を上映します。

 

 

濱口竜介監督からのメッセージ
この度、神戸映画資料館で上映される「東北記録映画三部作」(共同監督:酒井耕『なみのおと』『なみのこえ 新地町』『なみのこえ 気仙沼』『うたうひと』)と『親密さ(short version)』の共通点は、それが「記録映画」であるということです。それ自体「記録映画」と銘打たれている三部作は兎も角として、見た誰もがフィクションとしての物語構造を把握できる『親密さ(short version)』までそう呼ぶのは違和感を持たれる方もいるかもしれませんが、ここに記録されている演劇「親密さ」の舞台演出はロングバージョンとも言うべき255分版の主演でもある平野鈴と佐藤亮(現在は佐藤秋)で、公演は実際に観客を入れて2011年3月2日に行われました。私は彼女らに脚本を渡したうえで、一体どこから、どのようにこの演劇を記録するかに腐心しました。映画『親密さ(short version)』はその公演と前日のリハーサルを組み合わせる形で構成されています。私は当時、自分のやっていることを完全にはわかっておらず、これをフィクションの映画作りの一環と考えていました。ただ、その9日後に地震・津波・原発事故が起き、その約2ヶ月後に、「東日本大震災後」を記録するために東北に赴くにあたって奇妙に「準備ができている」ような感覚を持ったのは、『親密さ』の撮影経験を経ていたからだと思います。
観客の皆さんもおそらく、これらを見ていると「何を見ているんだかわからなくなる」のではないかと思います。現実と虚構のあわいというものを見出すはずです。ただ「虚か実か」という問いとともにこれらを見ることは、これらの映画を取り逃すことです。ここに確かに記録され、映っているのは「物語る」人びとです。その表情や身体の動きを隈なく見たり、その発声に耳を澄ましてその源に思いを馳せる機会と考えれば、これらに勝る体験はそう多くはないだろうとも思います。それは何より、自分たちが撮影現場で驚き、そこに居られることの喜びを感じていた当のものです。それらを受け取っていただけたら、幸いです。

 

©ENBUゼミナール


「親密さ(short version)」

(2011年/136分/HD[Blu-ray上映])
製作:ENBUゼミナール
監督・脚本:濱口竜介 撮影監督:北川喜雄
編集:鈴木宏 舞台撮影:飯岡幸子、加藤直輝、長谷部大輔 劇中歌:岡本英之
出演:佐藤亮、伊藤綾子、手塚加奈子、新井徹、菅井義久、香取あき

『親密さ』完全版(2012年|255分)に先立ち完成・上映された作品。映画内の舞台劇、それも映画『親密さ』内の演出家役・平野鈴に演出を託した舞台劇が、完全な映画として成立している。

 

 

「東北記録映画三部作」
濱口竜介が酒井耕と2年の歳月をかけてつくりあげた東日本大震災についてのドキュメンタリー。
しかしここに、被災の風景はほどんど現れない。あるのはただ、語ること、そして聞くことだ。

naminooto01「なみのおと」
(2011/142分/HD[Blu-ray上映])
製作:東京藝術大学大学院映像研究科
プロデューサー:藤幡正樹、堀越謙三
監督:濱口竜介、酒井耕
撮影:北川喜雄 整音:黄永昌

2011年7〜8月に撮影された岩手県から福島県沿岸部の、津波被災者6組11人への対話形式インタビューの記録。

 

kesennuma01「なみのこえ 気仙沼」
(2013/109分/HD[Blu-ray上映])
製作:サイレントヴォイス
プロデューサー:芹沢高志、相澤久美
監督:濱口竜介、酒井耕
実景撮影:佐々木靖之 整音:鈴木昭彦

2012年1月から2013年3月に行われた宮城県気仙沼市に暮らす7組11名への対話形式インタビューの記録。

 

shinchimachi01「なみのこえ 新地町」
(2013/103分/HD[Blu-ray上映])
製作:サイレントヴォイス
プロデューサー:芹沢高志、相澤久美
監督:濱口竜介、酒井耕
実景撮影:北川喜雄 整音:鈴木昭彦

2012年1月から2013年3月に行われた福島県新地町に暮らす6組10名への対話形式インタビューの記録。

 

utauhito01「うたうひと」
(2013/120分/HD[Blu-ray上映])
製作:サイレントヴォイス
プロデューサー:芹沢高志、相澤久美
監督:濱口竜介、酒井耕
撮影:飯岡幸子、北川喜雄、佐々木靖之
整音:黄永昌

宮城県に暮らす語り手による東北地方伝承の民話語り。これは同時に彼らを訪ね続けた聞き手の記録でもある。

 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1500円 ユース1000円 会員1200円
《割引》当日2本目は200円引き
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


第60回 くにづか月イチ上映会 映像で見る昭和の生活文化
2021年10月2日(土) 13:30〜  

神戸映画資料館が所蔵するフィルムの中から、昭和の暮らしを写し出す映像を、毎回3〜4本(計約60分)上映していきます。

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


フレデリック・ワイズマンのすべて vol.12
2021年11月6日(土)・7日(日)

神戸映画資料館は、2019年秋の「フレデリック・ワイズマンのすべて in 関西」で3作品を上映しました。この続きとして、月1回程度のペースでシリーズで上映していきます。

1967年の『チチカット・フォーリーズ』以来、“現代社会の観察者”として独自の映像表現を展開し続けているドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン。
50年以上にわたり、学校、病院、警察、軍隊、裁判所、図書館、議会など、アメリカの様々な施設・組織を撮り続けてきました。ワイズマン自身が “〈われわれの生活様式の博物誌〉を紹介するドキュメンタリー・シリーズ” という作品群には、悲劇的であると同時に喜劇的、深刻でありながら滑稽でもあり、複雑であると同時に素朴(ナイーブ)、絶望の中にもユーモアが光る、矛盾に満ちた魅力的なアメリカの姿が映し出されています。

 

「パナマ運河地帯」 Canal Zone

(1977/174分/ブルーレイ上映)撮影:ウィリアム・ブレイン
永年、事実上アメリカの植民地だったパナマ運河地帯。1977年にカーター大統領は、将来的に運河地帯を返還すること、新運河条約を締結し、運河を米パ両国で共同管理することを決めた。政府関係者、軍人、ビジネスマンなど、この地帯で暮らす様々な“アメリカ人”の生活が描かれる。同地帯は1999年12月31日にパナマに完全返還された。

 

「軍事演習」 Manœuvre

(1979/115分/16mm)撮影:ジョン・デイヴィー
東西対立時代に毎年行われていたNATOの秋季大演習に密着取材し、記録した作品。1978年の演習は北極海から地中海までの加盟国全域に渡る大規模なもので、特に旧東ドイツとの国境近くで集中的に行われ、第三次世界大戦を想定したデモンストレーションと見なされ、国際的に大きな波紋を呼んだ。この作品からジョン・デイヴィーが撮影を担当している。

 

《料金》
一般:1500円 ユース(25歳以下):1000円 会員:1200円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

→公式サイト(コミュニティシネマセンター)

共催:コミュニティシネマセンター
協力:アテネ・フランセ文化センター、山形国際ドキュメンタリー映画祭
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


第61回 くにづか月イチ上映会 映像で見る昭和の生活文化
2021年11月13日(土) 13:30〜  

神戸映画資料館が所蔵するフィルムの中から、昭和の暮らしを写し出す映像を、毎回3〜4本(計約60分)上映していきます。

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


青丘文庫研究会 映像を通して視る! 『まだ視ぬアーカイブを可視化する!』
2021年11月14日(日)13:00〜
会場:在日韓国基督教会館(KCC会館5階ホール)

『家なき天使』

青丘文庫研究会の上映会! 第5弾!
約1年ぶりの上映会はかつての猪飼野、大阪市生野区の在日韓国基督教会館(KCC会館)にて開催することとなった。題して、―映像を通して視る―『まだ視ぬアーカイブを可視化する!』!!! 貴重な3本のアーカイブ映像を上映する。
1本目はかつての猪飼野在住の亡き高仁鳳さんが製作した「幻のフィルムでつづる建国の60年」。2本目は朴壽南監督の復元プロジェクト『日韓100人が語る歴史の証言映像』の中から復元されたアーカイブ映像の一部をダイジェスト版で。3本目は韓国映像資料院の協力により1941年製作『家なき天使』(崔寅奎監督)を上映し、水野直樹氏に解説をしていただく。
「青丘文庫」は神戸長田のケミカル産業に従事していた韓皙曦(ハン・ソッキ)が朝鮮史関係文献を集め1969年に開設したもので、1997年に神戸市立中央図書館内に再オープン。今回の上映会は、そこで定期的に行われている「青丘文庫研究会」の例会として位置づけられている。
 

第1部 「幻のフィルムでつづる建国の60年」
2005年9月、白頭学院建国学校(建国)校友会の事務所の古い段ボール箱から、学校の草創期を記録した貴重な16ミリフィルム7本(1946年~1957年撮影)が発見された。フィルムには解放後の建国生の希望に満ちた表情が生き生きと映し出されていた。故高仁鳳さんは建国創立60周年(2006年)事業の一環として、この貴重なフィルムを後世に伝えていこうと、ドキュメント映画『幻のフィルムでつづる建国の60年』(30分)を製作する。
高仁鳳さんは1941年、大阪で生まれ、1947年に全羅北道裡里に帰国。1957年、日本に戻り、白頭学院建国中学校、高校卒業。プラスチック関連業界紙の仕事をしながら大阪経済大学経営学部を卒業。1968年、印刷会社僑文社を継承。1989年、ケイビーエス株式会社に改組し代表取締役、その後会長。白頭学院建国学校理事、校友会副会長を務めた。常にカメラを持ち、様々な行事・日常の出来事などを撮影し、膨大なビデオテープの記録を遺す。2012年12月12日12時、永眠。
トーク:林芳子(故高仁鳳夫人)  聞き手:石川亮太(立命館大学教授)
 

第2部 復元されたアーカイブ 朴壽南監督のまなざし
「語る言葉のない沈黙の表情は映像でしか描けないんです。」文筆の人から映画の人になった朴壽南監督が30年前からフィルムに刻んだ日韓の証言者は約100名、50時間におよぶという。一昨年6月、神戸映画資料館でその一端を垣間視た。映写機が廻ると唐突に軍艦島が現れた。別撮りのために音声は無く、フィルムを回す音だけが響いた。1985年に撮られた軍艦島がスクリーンに朦朧と漂い、玄海灘に揺れていた。小船に乗り込み軍艦島に向かうのは朴壽南監督と徐正雨さん。徐正雨さんは14歳で軍艦島の海底炭鉱へ連行され長崎の三菱造船所で被爆され、強制労働や被爆による病苦に苦しみながら、2001年に急逝され鬼籍に入られた。残念ながら証言されたほとんどの人々が鬼籍に入られてしまった。
今回、特別に「軍艦島」「徴用工」「被爆者」などをテーマに復元されたアーカイブ映像の一部をダイジェスト版として上映する。
ビデオメッセージ:朴壽南監督 朴麻衣(プロデューサー)
 

第3部 発掘された植民地期朝鮮映画「家なき天使」
韓国映像資料院は、2004年と2005年に、日本統治時代に作られた劇映画「家なき天使」など4本のフィルムを中国のフィルム・アーカイブで発掘した。「家なき天使」は当時社会問題となった浮浪児教化事業である「香隣園」の実話をもとにした作品で、京城(現:ソウル)の街に溢れる浮浪児を救おうと、ひとり牧師が孤児院で苦闘しながら子どもたちを育てる物語である。「内鮮一体」を掲げた植民地政策が進められていた当時、朝鮮映画への関心が日本「内地」で高まり、「家なき天使」も上映された(のちに事実上の上映禁止となる)。
水野直樹氏のトークでは、「家なき天使」の映画史的意味を考えるとともに、モデルとなった牧師方洙源が1930年代には京都や東京の在日基督教会で活動していたことなどの新しい事実を明らかにする。
『家なき天使』 提供:韓国映像資料院
朝鮮/1941/朝鮮語、日本語/モノクロ/35mm(DVD上映)/73分/日本語字幕版
監督:崔寅奎 撮影:金井成一(金学成) 音楽:伊藤宣二 金駿泳
出演:金一海、文芸峰、洪銀順、金信哉
製作:高麗映画南大門撮影所
トーク:水野直樹(京都大学名誉教授)
 

《資料代》1500円  * どなたでもご参加いただけます
会場:在日韓国基督教会館(KCC会館5階ホール)
〒544-0032 大阪府大阪市生野区中川西2丁目6-10 
■地下鉄千日前線・今里筋線「今里駅」②番出口から南へ徒歩15分 ■市バス:中川西公園前

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止に伴う対応について】
・間隔をあけてご着席ください。
・マスクの着用、咳エチケットへのご協力をお願いします。
・発熱など体調不良のある方はご来場をお控えください。
・ご入場前、ご退出後に会場の消毒、換気を行います。

お問合せ
078-754-8039 info@kobe-eiga.net(神戸映画資料館)
hida@ksyc.jp(青丘文庫研究会)

主催:青丘文庫研究会、神戸映画資料館
協力:韓国映像資料院


連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第12回 小津安二郎と『東京物語』

2021年11月27日(土)・28日(日) *28日は前日の講座の録画

このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。

13:30〜 上映
「東京物語」
(1953/135分/35mm)松竹大船
監督:小津安二郎 脚本:野田高梧、小津安二郎 撮影:厚田雄春
出演:笠智衆、東山千栄子、原節子、杉村春子

 

16:00〜 講座
(終了予定17:30) *28日は前日の講座の録画
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
『東京物語』が小津安二郎の最高傑作であるかどうかはともかく、この映画が多くの人から小津の代表作と考えられていることは間違いないだろう。日本のみならず、海外でもファンの多いこの映画は、小津作品の中でもとりわけ広く観客に受け入れられる内容を持つと同時に、〈小津的なるもの〉が満遍なく散りばめられている作品でもある。その意味では、小津安二郎の映画を知るための絶好の入口となる作品かもしれない。今回の講座では、複数の脚本や小津の日記、関係者の証言など、残された様々な資料も参考にしつつ、小津映画の東京、垣間見える戦争の影、独特の音楽などなど、様々な角度から、いつものように細部に拘ってこの作品を分析してゆきながら、〈小津的なるもの〉とは何かについて改めて考えてみる。時間の余裕があれば、紀子3部作の残り2作『晩春』『麦秋』や、『秋日和』『小早川家の秋』などの原節子のイメージについても触れたい。

 

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。訳書に『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)、共著に『映画を撮った35の言葉たち』(フィルムアート社)がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

《参加費》 上映付き  一般1800円 ユース(25歳以下)1200円 会員1500円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


フレデリック・ワイズマンのすべて vol.13
2021年12月11日(土)・12日(日)

神戸映画資料館は、2019年秋の「フレデリック・ワイズマンのすべて in 関西」で3作品を上映しました。この続きとして、月1回程度のペースでシリーズで上映していきます。

1967年の『チチカット・フォーリーズ』以来、“現代社会の観察者”として独自の映像表現を展開し続けているドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン。
50年以上にわたり、学校、病院、警察、軍隊、裁判所、図書館、議会など、アメリカの様々な施設・組織を撮り続けてきました。ワイズマン自身が “〈われわれの生活様式の博物誌〉を紹介するドキュメンタリー・シリーズ” という作品群には、悲劇的であると同時に喜劇的、深刻でありながら滑稽でもあり、複雑であると同時に素朴(ナイーブ)、絶望の中にもユーモアが光る、矛盾に満ちた魅力的なアメリカの姿が映し出されています。

 

「モデル」 Model

(1980/129分/16mm)撮影:ジョン・デイヴィー
ニューヨーク市でも最高のモデル事務所であるゾリ・マネージメント社を舞台に、化粧品やデザイナーズ・ブランドのCMやファッション・ショー、広告などの仕事をする男女のモデルたちを追っている。彼らを取り巻くエージェント、カメラマン、撮影スタッフやデザイナーなどの姿を通してファッション・ビジネス界のありさまが描かれる。

 

「競馬場」 Racetrack

(1985/114分/16mm)撮影:ジョン・デイヴィー
世界屈指のサラブレットの競馬場、ニューヨーク・ベルモント競馬場についてのドキュメンタリー。厩舎での馬の出産に始まり、調教師や飼育係、馬主、獣医たちの活動、レースをとりまく人々、観客たち、騎手たち、競馬場の経営を支えるオーナーたちの巨大なパーティとその舞台裏まで、競馬というビジネスのあらゆる側面が映し出される。

 

《料金》
一般:1500円 ユース(25歳以下):1000円 会員:1200円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

→公式サイト(コミュニティシネマセンター)

共催:コミュニティシネマセンター
協力:アテネ・フランセ文化センター、山形国際ドキュメンタリー映画祭
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


第62回 くにづか月イチ上映会 映像で見る昭和の生活文化
2021年12月18日(土) 13:30〜  

神戸映画資料館が所蔵するフィルムの中から、昭和の暮らしを写し出す映像を、毎回3〜4本(計約60分)上映していきます。

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


神戸クラシックコメディ映画祭2022 連携企画
グリフィスとキートン 慈愛と喜劇 第1章『イントレランス』
2021年12月25日(土) 

1月に開催される神戸クラシックコメディ映画祭2022(主催・古典喜劇映画上映委員会)との連携企画。映画黎明期の1910年代に作られ、その製作規模の大きさと、普遍的な人類愛を謳いあげたテーマで映画史に燦然と輝く傑作『イントレランス』を活弁と生伴奏で上映。
 

13:30〜 上映(途中休憩あり)
「イントレランス」
(アメリカ/1916/196分[16fps]/16mm)
監督・脚本:D・W・グリフィス
撮影:ビリー・ビッツァー
出演:メエ・マーシュ、マージョリー・ウィルソン、コンスタンス・タルマッジ、リリアン・ギッシュ他

バスター・キートンを初めて劇場のスクリーン上で観たのは、10年以上前の神戸映画資料館でのことだった。この時の番組は長編喜劇『恋愛三代記』と、D・W・グリフィス監督『イントレランス』の2本連続上映。『恋愛三代記』はキートンの初長編作品であるが、異なる時代を並行モンタージュで描く『イントレランス』の構成をパロディした喜劇としても知られている。つまりそれは“元ネタ”とパロディを1日で立て続けに観るというなんとも贅沢な映画体験であった。今回、神戸クラシックコメディ映画祭2022との連携企画として、年末と年始に日を分けての“連続”上映がついにふたたび実現する。まずは“元ネタ”の『イントレランス』を上映する。いわずと知れた映画史に燦然と輝く超大作だが、今回は16fpsの映写速度で1916年の初公開時に近い上映が可能となった。さらにコントラバス奏者の稲田誠率いる小編成楽団によるライブ演奏、そして活動写真弁士・大森くみこによる活弁付きでご覧いただく。本作が日本でメガヒットした1919年当時に近い映画体験に、どっぷりと浸ってもらいたい。映画研究者・堀潤之氏による上映後レクチャーでさらに作品世界を深掘りする。
企画:いいをじゅんこ(神戸クラシックコメディ映画祭実行委員長)

活動写真弁士:大森くみこ
伴奏:稲田誠
(contrabass)、カメイナホコ(keyboard/clarinet)、楯川陽二郎(drums)、柳瀬瑛美(euphonium)

 
17:20〜 レクチャー(終了予定18:00)
講師:堀潤之(映画研究/関西大学文学部教授)

 

《参加費》 一般:2000円 ユース(25歳以下):1500円 会員:1700円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


タマネギと潜水艦
──幻灯、紙芝居、アニメーションにみる戦時統制経済生活──

2021年12月26日(日)16:00〜18:00

国立映画アーカイブ所蔵

タマネギと季節外れの蚊取線香を抱き合わせで売ろうとする八百屋に、未亡人が語った潜水艦で戦死した夫とタマネギとの因縁とは──?
戦時期日本の国家による文化統制の強化には、映画、紙芝居、アニメーション、あるいは幻灯といった、「画像・映像で物語を伝達する」メディアを、公共的な教育・宣伝・広報に積極的に活用していく体制の構築を推し進めた面もあった。これらのメディアは、僻地農山漁村民など、従来は娯楽文化に接する機会の乏しかった人びとに、めまぐるしい戦況の変化や、日々更新される政策をわかりやすく伝達する機能を期待され、こども向けの娯楽や教育だけではなく、隣組常会などのおとなの集まりでも大いに活用された。
この企画では、戦時統制下の国民生活を捉える生々しいリアルタイムの視点と、現代の観客を驚かせる突拍子もない展開を兼ねそなえた戦時期の幻灯と紙芝居を、現物による上映・上演で紹介したうえで、併せて漫画家横山隆一が脚本・演出したアニメーション映画『フクちゃんの潜水艦』を上映する。
企画:鷲谷花(映画学、日本映像文化史)

 

幻灯上映
『無敵海軍』(1942年/約10分)文部省

紙芝居上演
『経済道義昂揚紙芝居 戦ひの村』(1943年/約15分)
原作:朝比奈豊 構成:山口擁器 作画:早川大濤

『経済道義昂揚紙芝居 善兵衛豆腐』(1942年/約15分)
原作:泉谷たけし 構成:山口擁器 作画:南正光

国立映画アーカイブ所蔵

映画上映
『フクちゃんの潜水艦』(1944年/32分/35mm)朝日映画社
原作・演出:横山隆一 演出:関屋五十二
脚本:滋野辰彦 演出:持永只仁
国立映画アーカイブ所蔵

レクチャー(45分)
講師:鷲谷花

 

《参加費》 一般:1000円 ユース(25歳以下):500円 会員:800円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

協力:国立映画アーカイブ
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


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