プログラムPROGRAM

青丘文庫研究会

青丘文庫研究会 映像を通して視る! 『まだ視ぬアーカイブを可視化する!』
2021年11月14日(日)13:00〜
会場:在日韓国基督教会館(KCC会館5階ホール)

『家なき天使』

青丘文庫研究会の上映会! 第5弾!
約1年ぶりの上映会はかつての猪飼野、大阪市生野区の在日韓国基督教会館(KCC会館)にて開催することとなった。題して、―映像を通して視る―『まだ視ぬアーカイブを可視化する!』!!! 貴重な3本のアーカイブ映像を上映する。
1本目はかつての猪飼野在住の亡き高仁鳳さんが製作した「幻のフィルムでつづる建国の60年」。2本目は朴壽南監督の復元プロジェクト『日韓100人が語る歴史の証言映像』の中から復元されたアーカイブ映像の一部をダイジェスト版で。3本目は韓国映像資料院の協力により1941年製作『家なき天使』(崔寅奎監督)を上映し、水野直樹氏に解説をしていただく。
「青丘文庫」は神戸長田のケミカル産業に従事していた韓皙曦(ハン・ソッキ)が朝鮮史関係文献を集め1969年に開設したもので、1997年に神戸市立中央図書館内に再オープン。今回の上映会は、そこで定期的に行われている「青丘文庫研究会」の例会として位置づけられている。
 

第1部 「幻のフィルムでつづる建国の60年」
2005年9月、白頭学院建国学校(建国)校友会の事務所の古い段ボール箱から、学校の草創期を記録した貴重な16ミリフィルム7本(1946年~1957年撮影)が発見された。フィルムには解放後の建国生の希望に満ちた表情が生き生きと映し出されていた。故高仁鳳さんは建国創立60周年(2006年)事業の一環として、この貴重なフィルムを後世に伝えていこうと、ドキュメント映画『幻のフィルムでつづる建国の60年』(30分)を製作する。
高仁鳳さんは1941年、大阪で生まれ、1947年に全羅北道裡里に帰国。1957年、日本に戻り、白頭学院建国中学校、高校卒業。プラスチック関連業界紙の仕事をしながら大阪経済大学経営学部を卒業。1968年、印刷会社僑文社を継承。1989年、ケイビーエス株式会社に改組し代表取締役、その後会長。白頭学院建国学校理事、校友会副会長を務めた。常にカメラを持ち、様々な行事・日常の出来事などを撮影し、膨大なビデオテープの記録を遺す。2012年12月12日12時、永眠。
トーク:林芳子(故高仁鳳夫人)  聞き手:石川亮太(立命館大学教授)
 

第2部 復元されたアーカイブ 朴壽南監督のまなざし
「語る言葉のない沈黙の表情は映像でしか描けないんです。」文筆の人から映画の人になった朴壽南監督が30年前からフィルムに刻んだ日韓の証言者は約100名、50時間におよぶという。一昨年6月、神戸映画資料館でその一端を垣間視た。映写機が廻ると唐突に軍艦島が現れた。別撮りのために音声は無く、フィルムを回す音だけが響いた。1985年に撮られた軍艦島がスクリーンに朦朧と漂い、玄海灘に揺れていた。小船に乗り込み軍艦島に向かうのは朴壽南監督と徐正雨さん。徐正雨さんは14歳で軍艦島の海底炭鉱へ連行され長崎の三菱造船所で被爆され、強制労働や被爆による病苦に苦しみながら、2001年に急逝され鬼籍に入られた。残念ながら証言されたほとんどの人々が鬼籍に入られてしまった。
今回、特別に「軍艦島」「徴用工」「被爆者」などをテーマに復元されたアーカイブ映像の一部をダイジェスト版として上映する。
ビデオメッセージ:朴壽南監督 朴麻衣(プロデューサー)
 

第3部 発掘された植民地期朝鮮映画「家なき天使」
韓国映像資料院は、2004年と2005年に、日本統治時代に作られた劇映画「家なき天使」など4本のフィルムを中国のフィルム・アーカイブで発掘した。「家なき天使」は当時社会問題となった浮浪児教化事業である「香隣園」の実話をもとにした作品で、京城(現:ソウル)の街に溢れる浮浪児を救おうと、ひとり牧師が孤児院で苦闘しながら子どもたちを育てる物語である。「内鮮一体」を掲げた植民地政策が進められていた当時、朝鮮映画への関心が日本「内地」で高まり、「家なき天使」も上映された(のちに事実上の上映禁止となる)。
水野直樹氏のトークでは、「家なき天使」の映画史的意味を考えるとともに、モデルとなった牧師方洙源が1930年代には京都や東京の在日基督教会で活動していたことなどの新しい事実を明らかにする。
『家なき天使』 提供:韓国映像資料院
朝鮮/1941/朝鮮語、日本語/モノクロ/35mm(DVD上映)/73分/日本語字幕版
監督:崔寅奎 撮影:金井成一(金学成) 音楽:伊藤宣二 金駿泳
出演:金一海、文芸峰、洪銀順、金信哉
製作:高麗映画南大門撮影所
トーク:水野直樹(京都大学名誉教授)
 

《資料代》1500円  * どなたでもご参加いただけます
会場:在日韓国基督教会館(KCC会館5階ホール)
〒544-0032 大阪府大阪市生野区中川西2丁目6-10 
■地下鉄千日前線・今里筋線「今里駅」②番出口から南へ徒歩15分 ■市バス:中川西公園前

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止に伴う対応について】
・間隔をあけてご着席ください。
・マスクの着用、咳エチケットへのご協力をお願いします。
・発熱など体調不良のある方はご来場をお控えください。
・ご入場前、ご退出後に会場の消毒、換気を行います。

お問合せ
078-754-8039 info@kobe-eiga.net(神戸映画資料館)
hida@ksyc.jp(青丘文庫研究会)

主催:青丘文庫研究会、神戸映画資料館
協力:韓国映像資料院


青丘文庫研究会 映像を通して視る!
「植民地朝鮮と海女の記録、在日映像作家のまなざし」

2020年11月8日(日)14:00〜
会場:神戸学生青年センター(阪急六甲駅より徒歩3分)

青丘文庫研究会の上映会! 第4弾!
今回も神戸映画資料館所蔵のアーカイブに青丘文庫研究会会員の解説を交えて上映する。また、韓国映像資料院の協力により朝鮮総督府制作の戦争広報映画や宣伝映画も上映する。ほかにも戦前戦後の貴重な海女の記録、前回も参加した康浩郎監督が1959年第1回帰国事業の様子を撮影した16ミリフィルムも初めて上映する。同じ海峡を渡った1930年代の日本人の姿と1959年の在日朝鮮人の帰国の様子が同じスクリーンに投影される。また、日中戦争期の朝鮮における「皇民化」の姿を垣間見る。

「青丘文庫」は神戸長田のケミカル産業に従事していた韓皙曦(ハン・ソッキ)が朝鮮史関係文献を集め1969年に開設したもので、1997年に神戸市立中央図書館内に再オープン。今回の上映会は、そこで定期的に行われている「青丘文庫研究会」の例会として位置づけられている。上映場所を来年移転が決まった神戸学生青年センターに移して第4回の上映会を開く。

 

第1部 植民地朝鮮と「皇民化」
植民地であった朝鮮や満蒙、台湾などのアジアへ「視察」「研修」「修学旅行」などの名目で多くの日本人たちが海峡を渡った。旅行を記録したフィルムが残されているが、そのうちの一つを上映するとともに、日中戦争期に朝鮮総督府が「皇民化」を宣伝するために作成した2本のフィルムをとおして当時の社会相を視る
『満鮮のたび』(1932年/19分/DVD上映/サイレント)京都市小学校学事視察団 提供:神戸映画資料館
『朝鮮の愛国日』(1939年/11分/DVD上映) 朝鮮総督府制作 提供:韓国映像資料院
『銃後の朝鮮』(1940年/8分/DVD上映) 朝鮮総督府制作 提供:韓国映像資料院
トーク:水野直樹(京都大学名誉教授)

 

第2部 海女の記録
康浩郎監督が1965年に撮影した『大都会の海女』、戦前に撮られた『和具の海女』は、いずれも伊勢の海で海女をする女性たちを描いたドキュメンタリーである。海女の研究の第一人者である伊地知紀子さんの解説も交え、貴重な海女の映像記録を上映する。
『和具の海女』(1940年/25分/DVD上映)
演出:上野耕三 提供:神戸映画資料館
『大都会の海女』(1965年/30分/DVD上映)
監督:康浩郎
トーク:伊地知紀子
(大阪市立大学文学部教授)

 

第3部 在日映像作家、康浩郎のまなざし
1959年12月14日、在日二世の康浩郎監督は新潟港から海峡を渡り帰国する在日朝鮮人の姿を16ミリフィルムで撮影した。それから60年以上経った今、その映像を始めて公開する。16ミリフィルムは編集されておらず劣化が進んでいる。済州島にルーツを持つ康浩郎監督みずからその思いを語っていただく。今回、経年劣化した未編集撮影ネガをテレシネしたものをDVDで上映する。
『帰国船』(1959/12分/DVD上映)監督:康浩郎
トーク:康浩郎(映画監督) 聞き手:飛田雄一(神戸学生青年センター)

《資料代》1500円  * どなたでもご参加いただけます

会場:神戸学生青年センター(阪急六甲駅より徒歩3分)
〒657-0064 兵庫県神戸市灘区山田町3丁目1−1
TEL:078-851-2760 FAX:078-821-5878

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止に伴う対応について】
・間隔をあけてご着席ください。
・マスクの着用、咳エチケットへのご協力をお願いします。
・発熱など体調不良のある方はご来場をお控えください。
・ご入場前、ご退出後に会場の消毒、換気を行います。

主催:青丘文庫研究会、神戸映画資料館


青丘文庫研究会 映像を通して視る!
「植民地朝鮮、解放後の在日の運動と済州島出身のハルモニたち」

2019年11月10日(日)14:00〜
 
今年4月におこなった「映像を通して視る! 『朝鮮人強制連行』」の続編として青丘文庫研究会の飛田雄一、水野直樹の解説を交え、そして『大都会の海女』の康浩郎監督も招き、『龍王宮の記憶』(金稔万)も上映する。
 
「青丘文庫」は神戸長田のケミカル産業に従事していた韓皙曦(ハン・ソッキ)が朝鮮史関係文献を集め1969年に開設したもので、1997年に神戸市立中央図書館内に再オープン。今回の上映会は、そこで定期的に行われている「青丘文庫研究会」の例会として位置づけられている。

 

14:00〜15:00
第1部 植民地朝鮮
『TYOSEN』
(1939/13分/DVCAM上映[16mmフィルム])国際観光局(BTI PICTURE)
朝鮮観光を海外にPRするための映画。朝鮮の観光地や文化を描いた後、高速鉄道は満州から北京に向かって出発する。英語版だが日本語字幕を付して上映。併せて、神戸映画資料館所蔵の植民地時代の朝鮮関連映像も数本上映する。

『金剛山』(1928年/15分/サイレント)日活東京撮影所
『北鮮ところどころ』(1928年/5分/サイレント)横浜シネマ商会

トーク:水野直樹(京都大学名誉教授)

 

15:10〜15:50
第2部 解放後の在日の運動
『民族の絶叫』
(1947/8分/DVCAM上映[35mmフィルム])
国民文化映画社作品
提供:在日本朝鮮人居留民団 在日本朝鮮建国促進青年同盟国
2013年に元町高架下で発見された1947年の建青ポスターに記載されていた映画。独立してからおよそ2年、北緯38度線の分割を背景に3千万朝鮮民族の絶叫を描く。李承晩博士、金九主席などの貴重な映像も見どころ。日本語字幕を付して上映。

『特報 国民文化映画 マラソン王、東京に』(1947年/4分/朝鮮語)

参考上映:『66年ぶりに元町の高架下で発見されたポスター(仮題)』(DVD上映)
撮影・編集:金稔万
 
トーク:飛田雄一(神戸学生青年センター)

 

16:00〜17:45
第3部 済州島出身のハルモニたち
『大都会の海女』
(1965/30分/DVD上映[16mmフィルム])
日本映画新社 監督:康浩郎
1965年放送のテレビ番組シリーズ「人間」のうちの一本。大阪の猪飼野に住む韓国済州島出身の海女が、日々大阪湾南端の岬公園の海に潜ってサザエや海藻類を売って生活している様を追う。在日映画監督による初のテレビ・ドキュメンタリー番組。字幕も台本も行方不明のため監督以外のスタッフは不詳。

トーク:康浩郎(映画監督)

 
『龍王宮の記憶』(「龍王宮プロジェクト」製作版)
(2016/51分/DVD上映)
撮影・編集 : 金稔万
龍王宮とは、JR環状線桜ノ宮駅に近い大川(旧淀川)左岸の河川敷にあった済州島出身の一世のハルモニたちがクッ(賽神・巫俗儀礼)を行う祈りの場所であった。惜しくも2010年8月に撤去された。撤去される直前に研究者たちを中心に龍王宮の記憶を記録する「龍王宮プロジェクト」が立ち上がり、かろうじてクッを行う様子など映像の記録が残された。

 

《参加費》1500円
* どなたでもご参加いただけます

共催:青丘文庫研究会


青丘文庫研究会 映像を通して視る! 「朝鮮人強制連行」
2019年4月14日(日)
 
昨年10月に開催した青丘文庫研究会「NDUからNDSへ」に続く第2回目の上映会。今回は在日朝鮮人史に詳しい塚崎昌之氏を招き、青丘文庫研究会の飛田雄一とドキュメンタリー映画作家の金稔万とともに「朝鮮人強制連行」を映像を通して考える。
 
「青丘文庫」は神戸長田のケミカル産業に従事していた韓皙曦(ハン・ソッキ)が朝鮮史関係文献を集め1969年に開設したもので、1997年に神戸市立中央図書館内に再オープン。今回の上映会は、そこで定期的に行われている「青丘文庫研究会」の例会として位置づけられている。

 

『戦争の傷跡 —高槻地下秘密軍事工場—』(タチソ作戦)
(1984/34分/16mm)
戦争の傷跡製作実行委員会
監督:辛基秀 シナリオ:宇津木秀甫
撮影:髙岩仁 録音:佐々木昌彦
戦時中、高槻市成合の山間部に掘削された高槻地下倉庫(軍の暗号でタチソ)の建設にあたって多くの朝鮮人労働者が危険な仕事に従事した。その実態を資料に基づき描いた作品。神戸大学出身で青丘文化ホールを大阪で開設、朝鮮通信使研究で知られる辛基秀(1931〜2002)の監督作品。

トーク:塚崎昌之(青丘文庫研究会、元府立高校教員、関西大学非常勤講師)
 

『解放ニュース』
(1946/計30分/朝鮮語/35mm)民衆映画株式会社
「民映提供、大阪布施」と書かれた缶で発見された解放後のニュース映画。戦後日本の在日社会で上映された以下の4本を一挙上映。ナレーションは朝鮮語で日本語は入っていない。
・特壱號「懸案の左右合作会談、ハージ将軍暴動防止を勧告、都市対抗野球大会」
・特報「特産品展覧会、8.15記念(独立一周年)」
・特弐號「ソウル消防署分列式、農村生活紹介、水魔来襲」
・特参號「軍政長官主催内外新聞記者招待、士官学校第一回卒業式、ハングル記念慶賀ボーイスカウト運動会、ハングル五百年記念、金九総理地方巡察」

参考上映:『在りし日の金慶海さんと「神戸港平和の碑」』撮影・編集:金稔万

トーク:飛田雄一(神戸学生青年センター館長、強制動員真相究明ネットワーク・共同代表)

『オモニと少年』
(1958/48分/16mm)
教育映画配給社・民芸映画社提携作品
製作:松丸青史 企画:岩崎昶 脚本:片岡薫、皆川滉 監督:森園忠 撮影:荒牧正
出演:北林谷栄、下元勉、内藤武敏
炭坑で両親を失った日本人の少年。隣の金おばさんが、自分の死んだ子に似ていると言って引き取って育てる。彼女は戦争中に日本に徴用された夫の後を追ってきたが、事故で夫や子を失っていた。民族や血族を越えた母と子の絆を描く。『にあんちゃん』の北林谷栄が主演。

 

《参加費》1500円
* どなたでもご参加いただけます

共催:青丘文庫研究会


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。