プログラムPROGRAM

JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉

JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉 vol.8
山川直人の時代/山川直人と時代 1978-1983

2019年9月14日(土)大阪・プラネット・プラス・ワン、15日(日)神戸映画資料館

→CO2 シネアスト・オーガニゼーション大阪

1970年代の8mmや16mmフィルムなどによる自主映画製作の興隆は、撮影所が機能不全に陥りつつあった日本映画におけるニューウェーブとして注目を浴びた。山川直人という映画作家は、その時代を牽引した最も重要な存在である。早稲田大学シネマ研究会在籍中に発表された『ビハインド』がオフシアターフィルムフェスティバル’79に入選。室井滋をヒロインに、その後も文芸坐と共に製作した『アナザ・サイド』、村上春樹原作の『パン屋襲撃』、『100%の女の子』などを発表し、同時代の作家たちに多大な影響を与えた。そして、86年には『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』で劇場映画デビューを果たす。山川直人が手掛けた自主映画の傑作群を通して、現在に至るインディペンデント映画の歴史の夜明けを回顧したい。

9月15日(日)神戸プログラム

13:00 Cプログラム
「アナザ・サイド」(1980/112分/16mm)文芸坐+早大シネ研提携

16mmで山川が挑んだ長編作品。高度成長の時代に育った大学生たちが、恋愛の葛藤や仲間の自死に直面するなか、人生の「もう一つの側面」を渇望する。

 

15:15 山川直人トーク 無料(要当日の映画チケット半券)
聞き手・田中晋平(神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

山川直人
1957年愛知県生まれ。早稲田大学でシネマ研究会に所属し、78年に処女作『A子のカラス』を発表。同年製作した『ビハインド』がオフシアターフィルムフェスティバル’79に入選、自主映画界の旗手として注目を浴びる。86年に劇場映画デビューを果たし、『SO WHAT』(1988年)、『時の香り リメンバー・ミー』(2001年)などを監督。現在、東京工芸大学芸術学部映像学科教授。

 

16:10 Dプログラム
「100%の女の子」(1983/13分 20分/16mm)

原宿の裏通りですれ違ったある女の子をめぐるイマジネーションが、コマ撮り映像で縦横無尽に展開していく。村上春樹原作の第2弾。

「自己と他者」(1979/50分/8mm[Blu-ray上映])早大シネ研

帰郷した男が駅で女を待ち続ける様子と、男女の決して交わらない対話によって織り成された作品。主演を山川映画の常連の室井滋と里亮弘がつとめる。
 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1500円 学生1000円 会員1300円

主催:CO2 共催:プラネット・プラス・ワン、神戸映画資料館
大阪市助成事業


JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉 vol.6
越境する自主映画 -高岡茂特集−

2018年7月28日(土)神戸映画資料館 29日(日)大阪・プラネット・プラス・ワン

→CO2 シネアスト・オーガニゼーション大阪 JISYU vol.6

淀川長治と宮川一夫の対談をおさめた『映画の天使』などの自主映画を監督する一方、劇団維新派のプロデュースにたずさわってきた高岡茂。1980年代の大阪を舞台にした初期作品から35mmの代表作『ベイビークリシュナ』、松本雄吉のドキュメンタリー作品まで、28日(土)は神戸映画資料館で、29日(日)は大阪プラネット・プラス・ワンで上映し、その軌跡を検証する。

7月28日(土)神戸プログラム

13:30 Aプログラム
「映画の天使」(2000/42分/16mm)
監督:高岡茂 撮影:広内捷彦 音楽:佐原一哉
監修:太田米男 プロデューサー:景山理
出演:宮川一夫、淀川長治、岡本健一

1989年に京都朝日シネマで行われた宮川一夫と淀川長治の対談の記録中心に、溝口作品などの宮川の仕事が回顧される。
宮川一夫(1908-1999)は、溝口健二の『雨月物語』や小津安二郎の『浮草』、黒澤明『羅生門』など、名監督の現場で撮影監督をつとめた、日本を代表する映画カメラマン。今年4月には、ニューヨークのジャパン・ソサエティ、MoMA、フィルムフォーラムで、その業績を回顧するイベントが開催され、代表作が上映された。

上映後 高岡茂監督ミニトーク

 

 

15:00 Bプログラム
「ベイビークリシュナ」(1998/87分/35mm)
監督:高岡茂 製作:カトウタイジ 原案:飛来はゆく
撮影:浅井竜雄、朝倉義人 美術:磯見俊裕
出演:加藤賢崇、サンジャイ・ディヤコ、藤田はな子、利重剛

遺跡の発掘調査をしている考古学者が、ネパールから来た青年と出会い、ひと夏の間彼に振り回されるなかで人間性を取り戻していく。
主人公の佐々木を、黒沢清らの映画でも異様な存在感を放った加藤賢崇が演じる。美術は、是枝裕和や瀬々敬久らの映画を手がけてきた磯見俊裕。20日間の撮影期間に加え、ネパール・ロケも敢行された。

 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1500円 学生1000円 会員1300円

主催:CO2 共催:プラネット・プラス・ワン、神戸映画資料館


JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉 vol.4
映画王と早大シネ研特集
(1980年代東京)
2017年12月9日(土)神戸映画資料館、10日(日)大阪・プラネット・プラス・ワン
 
→CO2 シネアスト・オーガニゼーション大阪 JISYU vol.4

今年、オムニバス映画『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』で監督をした島田元は、1980年代の自主映画を牽引した映画作家の一人だった。島田たちが所属した早大シネマ研究会や卒業後に高田馬場TomTom倶楽部が制作した映画、また季刊誌『映画王』の発行などの活動は、立教大学のパロディアス・ユニティを巻き込み、東京の映画シーンに大きな足跡を残した。神戸映画資料館での『LOCO DD』公開に合わせ、神戸・大阪で早大シネ研出身の作家たちによる8ミリ作品を上映する。

12月9日(土)神戸プログラム

13:15 Aプログラム

「どてらワルツ‘81」(1981/50分/8mm)監督:高城千昭
女子高校生に痴漢をした青年とそれを止めに入った男が奇妙な同居生活をはじめる。神代辰巳を通過した、独自の映画世界が展開。

「ついのすみか」(1986/35分/8mm)監督:井川耕一郎
失踪した姉の恋人と妹が、都会の一軒家で逢瀬を繰り返す。静かに言葉と身体を互いに突きつける二人。

15:00 Bプログラム
「リトル・ウィング」
(1981/70分/8mm)監督:島田元
ジミヘンに浸り、つげ義春に憧れる漫画家志望の主人公が、東京の恋人や友人たちから離れ、旅先である女と出会う「青春妄想映画」。

16:20 島田元監督トーク
参加無料(当日の映画鑑賞者対象) 
聞き手:田中晋平(神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

 

12月10日(日)大阪プログラム(会場:プラネット・プラス・ワン)

17:00Cプログラム

「殺人教室」(1983/60分/8mm)監督:島田元
殺し屋を養成する殺人塾に通っていたまちこが、卒業後に初仕事を終えるまでを描いた娯楽アクション映画。

「ハーケンクロイツの男」(1988年/30分/8mm)監督:高橋洋
整形手術を繰り返して逃亡を続け、日本に潜伏していたナチスドイツ残党の夫婦のもとに、ナチスハンターの男がやってくる。

18:30 島田元監督トーク
参加無料(当日の映画鑑賞者対象)
聞き手:田中晋平

19:30Dプログラム
「サメロメ」
(1982/70分/8mm)監督:竹藤恵一郎
ある病院で医者と患者たちの記憶が交わり合う無言劇。2014年にリニューアルされたが、今回はオリジナルの8ミリフィルムを上映。

 
 
 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1500円 学生1000円 会員1300円

主催:神戸映画資料館、プラネット・プラス・ワン、CO2、一般社団法人神戸映画保存ネットワーク


JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉 vol.1
万田邦敏とパロディアス・ユニティ
(1970年代東京)
2017年9月16日(土)神戸、17日(日)大阪

日本における自主制作映画、学生映画、個人映画の歴史は長く、戦前より作られてきた。製作された映画のフォーマットは16ミリ、9.5ミリ、8ミリのフィルムから始まり、1990年代にはヴィデオそして2000年代にはデジタル・ヴィデオへと移っていく。そんな中で、フィルムを中心にかつて製作され、忘れ去れられんとする作品を中心に〈自主映画〉の歴史を隔月で発掘し、上映していく。
この企画により、自主映画(実験映画、個人映画を含む)には、反商業的なあるいは実験的なあるいはテレビや商業映画、娯楽映画ではけっして扱わない野心的なテーマや題材を扱った作品が多数あり、その時代によって映画を志した若者たちが何を表現しようとしたかを発見することになる。

9月16日(土)神戸プログラム

13:30〜15:50
追悼ジョナサン・デミ 万田邦敏特別講演+参考上映
ジョナサン・デミは変身と変化にこだわり続けた映画作家です。それを検証することで、デミを追悼したいと思います。(万田邦敏)

16:05〜18:40
3作品上映+トーク

「西風」

『西風』(1977年/20分/8mm)
愛人だった男の死の真相を探る女が、バザン、ゴダール、メカスという人物たちを訪ね歩く。

『四つ数えろ』 (1978年/30分/8mm)
ヌーヴェル・ヴァーグの時代に間に合わなかった、『スパイ大作戦』と『タイムトンネル』の世代の映画。

『大回転』(1990年/32分/8mm)
前作から12年を経て製作された作品。カフカの『失踪者』が原作。故郷を追われた男が、東京でひたすら仕事や居場所を転々とし続ける。

万田邦敏監督トーク
聞き手:田中晋平(一般社団法人神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

 

9月17日(日)大阪プログラム

18:00〜20:30
4作品上映+トーク

「SCHOOL SOUNDS」

『メイド・イン・76』(1977年/12分/8mm)
万田邦敏処女作。愛についての独白と対話。

『SCHOOL SOUNDS』(1978年/30分/8mm)
70年代末の大学を舞台に、学食の値段の不確かさやかつての時計台をめぐる闘争などが語られていく。

『女の子はみんな双子である』(1980年/35分/8mm)
女の子たちを映画が増殖させる。双子の恋人の姿に翻弄され続ける男の子の悲喜劇。

『逃走前夜』(1982年/8分/8mm)
前半を万田邦敏、後半を黒沢清が演出している。学生運動をパロディ化した活劇。

万田邦敏監督トーク
聞き手:田中晋平(一般社団法人神戸映画保存ネットワーク客員研究員)
 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1500円 学生1000円 会員1300円

主催:神戸映画資料館、プラネット・プラス・ワン、CO2、一般社団法人神戸映画保存ネットワーク

関連企画
9月17日(日)・18日(月・祝)
CO2俳優×監督ワークショップ2017 万田邦敏の演出術
(大阪)
*詳細はCO2ホームページ(近日リニューアルオープン)をご覧ください。


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。