プログラムPROGRAM

ロシア・ソヴィエト映画 連続上映

[お詫びとお知らせ]
『貴族の巣』と『ワーニャ伯父さん』はカラー作品ですが、上映プリントがかなり褪色していることがわかりました。確認が遅くなり申し訳ありません。
通常の鑑賞料はいただけないと判断しカンパ制とさせていただきます。楽しみにされていた皆様にご迷惑をおかけすること、心よりお詫び申し上げます。(2020年1月24日)

ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第29回 アンドレイ・コンチャロフスキー特集 後編

2020年1月25日(土)・26日(日)

アンドレイ・コンチャロフスキーが連続して手がけた文芸作品の映画化。新境地を切り開き、映画作家としての地位を世界的にも不動のものとした。

「貴族の巣」ДворянскоеГнездо
(1969/110分/35mm)モスフィルム

監督・脚本:アンドレイ・コンチャロフスキー
原作:イワン・S・ツルゲーネフ
撮影:ゲオルギー・レルベルグ
音楽:ヴャチェスラフ・オフチンニコフ
出演:イリーナ・クプチェンコ、レオニ―ド・クラーギン、ベアタ・トゥイシケヴィッチ、ヴィクトル・セルガチョフ

19世紀中葉のロシア貴族社会を背景に、理想に燃えながら夢破れるインテリ貴族の悲劇を描く。愛と信仰にひたむきで、永遠に純真さを失わないヒロイン、リーザ役には、当時、演劇学校在学中の新人イリーナ・クプチェンコが抜擢され、次回作『ワーニャ伯父さん』にも続けて出演している。

 

「ワーニャ伯父さん」Дядя Ваня
(1971/104分/35mm)モスフィルム

監督・脚本:アンドレイ・コンチャロフスキー
原作:アントン・チェーホフ
脚本:ユーリー・クレピコフ
撮影:ゲオルギー・レルベルグ、エフゲニー・グスリンスキー
美術:V・ラッポポルト
音楽:アルフレッド・シニートケ
出演:インノケンティ・スモクトゥノフスキー、セルゲイ・ボンダルチュク、イリーナ・クプチェンコ

痛風病みの老教授と若く妖艶な後妻エレーナ、宗教的な忍従と暖い愛の心を持った教授の娘ソーニャ、ソーニャとともに教授のために一生を領地の経営に捧げてきたワーニャ伯父さん、19世紀末の頽廃した時代にあってもなお、未来に希望を繋いでいる医師アーストロフらの登場人物が、たがいに交錯しあって結ぶことのない愛を織りなし、空しく孤独感を燃焼させる。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

[お詫びとお知らせ]
『貴族の巣』と『ワーニャ伯父さん』はカラー作品ですが、上映プリントがかなり褪色していることがわかりました。確認が遅くなり申し訳ありません。
通常の鑑賞料はいただけないと判断しカンパ制とさせていただきます。楽しみにされていた皆様にご迷惑をおかけすること、心よりお詫び申し上げます。(2020年1月24日)

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 ユース(25歳以下)1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第28回 アンドレイ・コンチャロフスキー特集 前編

2019年12月7日(土)・8日(日)

タルコフスキー『アンドレイ・ルブリョフ』(1967)の脚本共同執筆者としても知られ、後にハリウッドに進出し、『暴走機関車』(1985)などを手がけるアンドレイ・コンチャロフスキーの初期作品2本を上映。

「最初の教師」Первый учитель
(1965/102分/35mm)キルギスフィルム、モスフィルム

監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
原作:チンギス・アイトマーノフ
脚本:チンギス・アイトマーノフ、ボリス・ドブロデフ、アンドレイ・コンチャロフスキー
撮影:ゲオルギー・レルベルグ
出演:ボロト・ベイシャナリエフ、ナタリア・アリンバサロワ
 
コンチャロフスキーの長篇第一作。ソビエト政権樹立後、コムソモール(共産主義青年同盟)は各地に教師を派遣した。本作はキルギスの村で古い慣習や偏見、不公平や貧困に直面する若い男性教師を描く。

 

「愛していたが結婚しなかったアーシャ」История Аси Клячиной, которая любила, да не вышла замуж
(1967/99分/35mm)モスフィルム

監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
脚本:ユーリー・クレピコフ
撮影:ゲオルギー・レルベルグ
美術:ミハイル・ロマージン
出演:イヤ・サーヴィナ、アレクサンドル・スーリン、ゲンナジー・エゴルィチェフ

コルホーズで炊事をするアーシャは、身勝手なトラック運転手の男を愛して子供を身ごもっていた……。1960年代、ヴォルガ沿岸の農村を舞台に、農村に暮らすさまざまな人びとを、ときにドキュメンタリーを交えて描く。製作当時は当局に疎まれて公開禁止となり、20年後の1987年に、当初カットされた部分も含めて再公開された。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第27回 ゲオルギー・ダネリヤ追悼

2019年6月15日(土)・16日(日)

ゲオルギー・ダネリヤ監督が今年4月、88歳で亡くなった。日本では『不思議惑星キン・ザ・ザ』(製作1986年、日本公開1991年)の監督として知られてきたが、近年、『モスクワを歩く』などが上映される機会が増えたことにより、再評価の声が高まっている。

 

「モスクワを歩く」Я шагаю по Москве

(1963/73分/35mm)モスフィルム
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
脚本:ゲンナージ・シュパリコフ
撮影:ワジム・ユーソフ
出演:ガリーナ・ポリスキーフ、アレクセイ・ロクテフ、ニキータ・ミハルコフ

1960年代前半の自由な空気のなか、青春を謳歌するモスクワの若者たちの一日を瑞々しいタッチで描く。当時18歳だったニキータ・ミハルコフが出演、撮影はタルコフスキー作品を多数手がけるワジム・ユーソフ。

 

「嘆くな!」Не горюй!

(1969/94分/35mm)モスフィルム、グルジアフィルム撮影所
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
脚本:レヴァス・カブリアゼ
撮影:ワジーム・ユーソフ
音楽:ギア・カンチェリ
出演:ヴァフタング・キカビッゼ、セルゴ・ザカリアッゼ、アナスタシヤ・ヴェルチンスカヤ、ソフィコ・チアウレリ

人々の営みから滲むユーモア、そして死が、歌と踊りの宴会とともに描かれる。舞台は19世紀末のグルジアの小さな町。ペテルブルグで医学を修めた主人公・ベンジャミンが故郷で開業するも患者は集まらない。それを苦にせず呑気に暮らす彼を、姉のソフィコは心配し、裕福な町医者の娘との結婚を画策する。

 

「秋のマラソン」Осенний марафон

(1979/94分/35mm)モスフィルム
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
脚本:アレクサンドル・ヴォローヂン
撮影:セルゲイ・ヴロンスキィ
音楽:アンドレイ・ペトローフ
出演:オレーク・バシラシヴィーリ、ナターリヤ・グンダレヴァ、マリーナ・ネヨーロヴァ、エヴゲーニィ・レオーノフ

舞台は70年代末のレニングラード。大学教員である主人公ブズィーキンはタイピストのアーラと不倫。妻ニーナと別れる勇気のない彼はいつもの優柔不断さから二人のあいだで引き裂かれ続ける。ソープオペラ的題材を用いながらも、ダネリヤは主人公を同僚や隣人たちとのあいだをピンボールのように弾いていっては、自らの得意とするシチュエーションの虜に仕立て上げる。

 

追悼 特別寄稿
 今更確認するまでもなく、ダネーリヤ作品が作られたのはブルジョア社会よりも「成熟しているはず」の社会主義の時代であり、未だ完全な「大人ではない」にしてもいずれは「大人になるはず」の社会であった。ところが、彼の主人公たちはいつも「大人げない」。ほんの軽はずみや意固地さのせいで取り返しのつかぬ状況に巻き込まれてしまう——『モスクワを歩く』では結婚をめぐる狂騒、『嘆くな!』では決闘沙汰、『秋のマラソン』では不倫による板挟み。このコンフリクト(矛盾)は止揚させ、主人公たちは元の鞘に収まるが、その仕儀はあのフーテンの寅次郎とは全く異なる。
 主人公たちはまるで旅の行き先も知らされぬまま暫し空港から出られぬ客のように映画の中に閉じ込められ、喜劇のようにも映るその事態は悲劇の様相を呈し、そこで「大人になる(あるいは、大人しくなる)」ための儀礼を文字通り「トランジット=通過」しなければならなくなる。ただ、もしこれだけを見て早計に自己形成を描くビルドゥングス・ロマンと判断してしまうならば、大いに作品を見誤ることになるだろう。そうではない。そこにわれわれが見るのは、大人になるためのこのトランジットがいつも「徒労」に終わってしまうということ、結局のところ「男」はいつまでも学ばない生き物であるということ・・・等々。またそのためか、ダネーリヤ作品で「女性」が描かれることはほとんどない(例外は1993年の『ナースチャ』)し、これは日本未公開作品であるが、少年が主人公を演じる初監督作品『セリョージャ』(1960年)やハックルベリーものの『どうしようもない奴』(1973年)に登場する「大人の男たち」は子供以上の存在ですらない。
 80年代にはもはや共産主義社会が樹立することを以前から謳っていたソ連社会がその成熟に達せぬまま90年代を迎えてしまった時、映画の外部にあった世界自体がダネーリヤ的神話空間を必要としない資本主義世界に飛躍するための「トランジット」と化す。その歴史的空間によってソ連映画は侵食されてしまう。それを如実に映し出しているのが『パスポート』(1990年)であるし、『コインの表裏』(1995年)であった。ダネーリヤはだがその最晩年において、歴史的成熟を遂に迎えられなかった時代に製作した『キン・ザ・ザ』のアニメ・リメイクに挑むのだが、思うにこれなどは、ソ連崩壊後30年を経てもあらゆる意味で成熟を果たせぬままの外部世界に向けて映画の内側から「キュー!」と叫んでいるように見えてならない。きっとそうに違いない。
 さて、八十八年というダネーリヤの大いなる「旅」は終わりを迎えた。だが、未だに日本で公開すべき作品は数多く残されている。いちファンとしてはこの宝の山を発掘してくれる人が今後大勢現れることを心から願ってやまない。合掌
東海晃久(ロシア文学者)

 
 
主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第26回 ウズベキスタン特集

2019年3月30日(土)・31日(日)

1991年にソ連からの独立を果たしたウズベキスタン共和国。独立前のソ連時代に国営のウズベクフィルムで製作された1960年代後半の2作品を上映する。

 

「タシケントはパンの町」Ташкент – город хлебный
(1968/97分/35mm)ウズベクフィルム

監督:シュフラト・アッバーソフ
原作:アレクサンドル・ネヴェーロフ
脚本:アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー
撮影:ハタム・ファイジエフ
音楽:アリベルト・マラーホフ
出演:ウラジーミル・ヴォロベイ、ウラジーミル・クデンコフ、バフティヨル・ナビエフ
 
体験をもとに書かれた児童文学の映画化。ロシア革命後の国内戦の時期。飢餓に瀕したヴォルガ河一帯の人々は、中央アジア穀倉地帯の豊かな町タシケント(現ウズベキスタン首都)を目指す。主人公の少年もその一人で、家族のためにタシケントに旅立つ。

 

「恋するものたち」Влюбленные
(1969/83分/35mm)ウズベクフィルム

監督:エリヨル・イシムハメドフ
脚本:オデリシャ・アギシェフ
撮影:ガサン・トゥトゥノフ
音楽:ボグダン・トロツュク
出演:ロジオン・ナハペートフ、アナスタシヤ・ヴェルチンスカヤ、ルスタム・サグドゥラーエフ
 
タシケントの寮に住む主人公は消防士。大規模火災の鎮火で出張するうちに、恋人の心は離れていく。一方、寮で同室のギリシャ人は、祖国へ戻って母と妹を見つける。脚本家自身とその周辺の人びとの実際のエピソードをもとに、自由な雰囲気にあふれる60年代の青春群像を抒情的映像で描き出すメロドラマ。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第25回 グリゴーリィ・チュフライ特集 後編

2018年12月15日(土)・16日(日)

「女狙撃兵マリュートカ」Сорок первый
(1956/93分/35mm)モスフィルム

監督:グリゴーリィ・チュフライ
脚本:グリゴーリィ・コルチュノーフ
撮影:セルゲイ・ウルセフスキィ
音楽:ニコライ・クリュコーフ
出演:イゾルダ・イズヴィツカヤ、オレグ・ストリジェーノフ、ニコライ・クリュチコーフ

ロシア革命後の内戦の時代。狙撃の名手の女性パルチザンが、白軍将校の護送中に難破して無人島に二人きりとなる。やがて、二人の間に特別な感情が芽生える。戦場での敵味方を超えたロマンスを描き、ソ連映画の新しい波を感じさせた作品。

 

「人生は素晴らしい」Жизнь прекрасна
(1980/100分/35mm)モスフィルム、クワトロ・ファヴァッリ・チネマトグラフィカ

監督:グリゴーリィ・チュフライ
脚本:グリゴーリィ・チュフライ、アウグスト・カミニート
撮影:ルイジ・クヴェイレル
音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ
出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ、オルネラ・ムーティ

地中海沿岸にある独裁国家。行きつけのカフェが反政府運動の拠点だったため逮捕されたタクシー運転手は、傍観者であることをやめて脱獄を決意する。イタリアとの合作映画。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社、東海晃久

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第24回 グリゴーリィ・チュフライ特集 前編

2018年11月23日(金・祝)・24日(土)

名作『誓いの休暇』を含むグリゴーリィ・チュフライ監督作4本を、2回に分けて上映します。

「誓いの休暇」Баллада о солдате
(1959/87分/35mm)モスフィルム

監督:グリゴーリィ・チュフライ
脚本:ヴァレンチン・エジョーフ、グリゴーリィ・チュフライ
撮影:ウラジーミル・ニコラーエフ、エラ・サヴェーリエヴァ
音楽:ミハイル・ジーフ
出演:ウラジーミル・イヴァショーフ、ジャンナ・プロホレンコ、アントニーナ・マクシーモヴァ
 
戦功で特別休暇を得た少年兵が、母に会うために故郷へ向かうが、道中で出会った人々を助けるうちに時間が失われていく。戦争中の平凡な兵士を主人公にすえた監督の代表作。

 

「君たちのことは忘れない」Трясина / нетипичная история
(1977/128分/35mm)モスフィルム

監督:グリゴーリィ・チュフライ
脚本:グリゴーリィ・チュフライ、ヴィクトル・メレーシコ
撮影:ユーリィ・ソーコル、ミハイル・デムーロフ
音楽:ミハイル・ジーフ
出演:ノンナ・モルジュコーヴァ、ヴァジーム・スピリドーノフ、アンドレイ・ニコラーエフ、ヴァレンチーナ・テリーチキナ、ヴァレーリィ・ノーシク

戦争で夫に死なれ長男も行方不明となった農婦が、前線へ送られる次男を死んだことにしてかくまう。第2次世界大戦中の実話を基に戦争があらわにする人間のエゴイズムを描く。

 

[予告]
第25回 グリゴーリィ・チュフライ特集 後編
2018年12月 「女狙撃兵マリュートカ」「人生は素晴らしい」

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社、東海晃久

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第23回 早世の女性監督ラリーサ・シェピチコ

2018年4月21日(土)・22日(日)

「別れ」

全ソ国立映画大学で学び、アレクサンドル・ドヴジェンコに師事したラリーサ・シェピチコ(1938〜1979)。その死により夫であるエレム・クリモフが完成させた『別れ』と、遺作となった『処刑の丘』を上映する。

 

「処刑の丘」Восхождение
(1976/110分/35mm)モスフィルム

監督:ラリーサ・シェピチコ
原作:ヴァシーリィ・ブィーコフ
脚本:ラリーサ・シェピチコ、ユーリィ・クレピコフ
撮影:ウラヂーミル・チュフノーフ
出演:ボリース・プロートニコフ、ウラヂーミル・ゴスチューヒン、アナトリィ・ソロニーツィン

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍に占領されたベラルーシ。パルチザン部隊は食料調達のため、占領下の集落に二人の若い男を派遣する。良心をめぐる葛藤の心理を巧みに描くシェピチコの代表作でベルリン国際映画祭金熊賞受賞。

 

「別れ」Прощание
(1981/121分/35mm)モスフィルム

監督:エレム・クリモフ
原作:ヴァレンチン・ラスプーチン
脚本:ラリーサ・シェピチコ
撮影:アレクセイ・ロディオノフ
出演:ステファーニャ・スタニュータ、レフ・ドゥーロフ、アレクセイ・ペトレンコ、レオニート・クリューク、ヴァヂム・ヤコヴェンコ

シェピチコは本作のロケハン中に自動車事故により死去、その後、夫であるエレム・クリモフ監督(代表作『炎628』)が完成させた。ダム建設計画による水没のため、立ち退きを余儀なくされる小さな島の村人たち、それぞれの別れを描く。投影方式の日本語字幕を付して今回が初上映。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社、東海晃久

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第22回 ペレストロイカの時代3

2017年11月18日(土)・19日(日)

「ミスター・デザイナー」

ソ連最後の最高指導者となったゴルバチョフ書記長により進められた改革運動「ペレストロイカ」をテーマにした第3回目は、1988年、1989年に製作された2作品を上映。

 

「ミスター・デザイナー」
Господи́н оформи́тель
(1988/107分/35mm)レンフィルム
監督:オレーグ・テプツォフ
脚本:ユーリー・アラボフ
撮影:アナトーリー・ラプショフ
音楽:セルゲイ・クリョーヒン
出演:ヴィクトル・アヴィーロフ、アンナ・デミヤネンコ、ミハイル・カザコフ

20世紀初頭のロシアのペテルスブルク、デザイナーのプラトンは、等身大の蠟人形制作の依頼を受け、ある少女をモデルにして人形を作り上げた。14年後、プラトンは、新居の装飾を依頼してきた実業家の夫人で、自分がかつて作った蠟人形と瓜二つの女性と出会う。脚本はソクーロフ作品を多く手がけるユーリー・アラボフ、音楽をロシア前衛ジャズの重要人物セルゲイ・クリョーヒン、主演は実験演劇で有名なヴィクトル・アヴィーロフ。

 

「ささやかな墓地」Смиренное кладбище
(1989/103分/35mm)
ドヴジェンコ・フィルム・スタジオ
監督:アレクサンドル・イティギーロフ
原作・脚本:セルゲイ・カレーディン
撮影:I.ラシーニナ
美術:アレクセイ・レフチェンコ
音楽:ウラジーミル・マルティノフ
出演:ヴラジーミル・ゴスチューヒン、レフ・ドゥーロフ、ヴィクトル・アヴィーロフ、レフ・ボリソフ、オリガ・マテイコ、ニナ・ルスラノヴァ、アレクセイ・セレブリャコフ

とある墓地を舞台に、墓掘り人たちの姿を淡々と描く。アルコール中毒の妻を持ち、弟から頭を斧で傷つけられ、検察局への出頭を命じられているというこの映画の中心人物である墓堀り人。その人生とはどのようなものであろうか。セルゲイ・カレーディンが自作の小説を自ら脚本化。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第21回 ペレストロイカの時代2

2017年7月15日(土)〜17日(月・祝)

「宿なしレオニード」

ソ連最後の最高指導者となったゴルバチョフ書記長により進められた改革運動「ペレストロイカ」。今回は同時代に作られ、ソ連の変化を滲ませる3作品を取り上げます。

 

「メッセンジャー・ボーイ」Kuryer
(1986/88分/35mm)モスフィルム
原作・監督:カレン・シャフナザーロフ
脚本:アレクサンドル・ボロジャンスキー
撮影:ニコライ・ネモリャーエフ
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
出演:フュードル・ドゥナェフスキー、アナスタシア・ネモリャーエワ、インナ・チュリコワ、オレーグ・バシラシヴィリ

『ゼロシティ』(1990)で広く知られるようになるカレン・シャフナザーロフ監督の初期代表作で、自ら執筆した同名小説を映画化したもの。大学受験に失敗した少年を通して、新しい時代の青春を軽やかに描く。

 

「悪党」Мерзавец
(1988年/95分/35mm)
アゼルバイジャンフィルム
監督:ヴァギフ・ムスタファエフ
脚本:ラミズ・ファタリエフ、ヴァギフ・ムスタファエフ
撮影:アレクサンドル・イリホフスキー
美術:ラフィク・ナシロフ
出演:マムカ・キカレイシヴィリ、ガサナガ・トゥラボフ、ラリーサ・ボロージナ、ガムレト・ハニザーデ

お人良しで損ばかりしていた男が、ある仕事の成功がきっかけで性格が一変し、あらゆる不正に手を染め出世してゆく。ペレストロイカへの風刺も織り込んだコメディー作品。

 

「宿なしレオニード」Бич божий
(1988年/88分/35mm)キエフスタジオ
監督:オレーグ・フィアルコ
脚本:オレーグ・フィアルコ、ヴァレリー・トドロフスキー
撮影:エドワルド・ティムリン、アレクセイ・ゾロタリョフ
出演:ヴィクトール・プロスクリン、アレクサンドル・マルティノフ、イヴァン・ヤンチュック

刑務所帰りの泥棒レオニードは、キエフ駅で高級官僚から盗みを働くが、相手が中学時代の同級生だと気づく。二人の少年時代であるスターリン死後の1950年代末とペレストロイカの現代が行き来しつつ描かれる。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第20回 ペレストロイカの時代1

2017年3月25日(土)・26日(日)
ソ連最後の最高指導者、ゴルバチョフ書記長により進められた改革運動「ペレストロイカ」は映画界にも大きな影響を与えた。タブーとされてきたテーマを扱った作品や検閲による上映禁止からようやく公開にいたった作品を上映する。

「テーマ 田舎の出会い」Тема
(1979/98分/35mm)モスフィルム
teme02 teme01
監督・脚本:グレーブ・パンフィーロフ
撮影:レオニード・カラシニコフ
出演:ミハイル・ウリヤーノフ、インナ・チュリコワ、エフゲーニー・ヴェスニク

体制に迎合した作品により名声を得てきた劇作家が、友人と女子学生を伴い休暇に田舎を訪れる。その「テーマ」や亡命のエピソードにより検閲でお蔵入りとなり、ペレストロイカが始まった1986年にようやくオリジナルが公開、そして翌年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した作品。

 

「自由はパラダイス」СЭР
(1989/78分/35mm)モスフィルム
paradise02 paradise01
監督・脚本:セルゲイ・ボドロフ
撮影:ユーリー・スヒルトラーゼ
美術:ワレーリー・コストリン
音楽:アレクサンドル・ラスカトフ
出演:ヴォロージャ・コズィリョフ、アレクサンドル・ブレーエフ、スヴェトラーナ・ガイタン、ヴィタウタス・トムクス

カザフ共和国の首都アルマアタの少年院。13歳の不良少年サーシャは、まだ見ぬ「自由」と「父」にあこがれる。その父が極北アルハンゲリスクの刑務所にいると知り脱走する。「自由はパラダイス」の頭文字“СЭР”の入れ墨は少年を見つける目印。出会った人びとの好意に支えられ少年の旅は続く。ソヴィエト版『大人は判ってくれない』と言われるボドロフ監督の出世作。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第19回 ソヴィエト・ウエスタン

2017年1月21日(土)・22日(日)
1970年代に作られたソ連版 “西部劇” 二作品を上映。

「七発目の銃弾」Седьмая пуля
(1973/84分/35mm)ウズベクフィルム
nanahatsu01 nanahatsu02
監督:アリ・ハムラーエフ
脚本:フリードリヒ・ゴレンシュテイン、アンドレイ・コンチャロフスキー
撮影:アレクサンドル・パン、ハサン・ファイジーエフ
音楽:ルミーリ・ヴィリダーノフ
出演:スイメンクル・チョクモーロフ、ディロロム・カムバーロヴァ、タルガト・ニグマトゥーリン
1920年代、中央アジアに権力を樹立しようとするソヴィエト政権は、“バスマチ(中央アジアのムスリム)”の攻撃を受けていた。捕虜となった部下の救出のため、主人公はわざと敵に捕まる。ソヴィエト・ウエスタンの代表作の一つで、バスマチは典型的な反革命の悪役としてよく登場した。ただし、ソ連崩壊後は一種の民族独立運動として再評価が進んでいる。

 

「光と影のバラード」Свой среди чужих, чужой среди своих
(1974/95分/35mm)モスフィルム
hikaritokage01 hikaritokage02
監督:ニキータ・ミハルコフ
脚本:エドゥアルド・ヴォロダルスキー、ニキータ・ミハルコフ
撮影:パーヴェル・レベシェフ
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
出演:ユーリー・ボガトィリョフ、アナトーリー・ソロニーツィン、セルゲイ・シャクーロフ、アレクサンドル・ポロホフシコフ、ニコライ・パストゥーホウ
1920年代初頭、ロシア革命によりソ連が成立するも国内戦の戦火が治まらぬ混乱の時代、革命を担って死闘を繰り広げる男たちを描いたアクション映画。赤軍兵士らが護送する金塊をめぐり、白軍や無政府主義者たちが入り乱れて激烈な争奪戦が展開する。列車強盗あり、銃火戦ありのソ連版 “西部劇”。『太陽に灼かれて』(1994)や『シベリアの理髪師』(1998)で知られるニキータ・ミハルコフ監督の長篇第一作。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目は200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第18回 アルメニア監督 ゲンリフ・マリャン

2016年11月19日(土)・20日(日)
アルメニア映画の代表的な監督、ゲンリフ・マリャンの二作品。いずれもロシア語版35ミリプリントでの上映。『三角の家』は日本語字幕を新たに作成し、本邦初上映。

「三角の家」Треугольник
(1967/84分/35mm)アルメンフィルム
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監督:ゲンリフ・マリャン 脚本:アガシ・アイヴァズャン
撮影:セルゲイ・イスラエリャン 美術:ラファエル・ババヤン 音楽:エドゥアルド・バグダサリャン
出演:アルメン・ジガルハニャン、フルンジク・ムクルトチャン、ソス・サルキシャン、パーヴェル・アルセノフ、ズラーブ・ラペラッゼ、ミハイル・オフセピャン、インナ・アラービナ
アルメニア西部、トルコとの国境近くにある街、レニナカン。「三角の家」と呼ばれる鍛冶場の五人の鍛冶職人たちの人生模様と戦時下のアルメニアを、職人の息子である少年の目を通して寓話的に描く。少年が憧れるアメリカのサイレント映画からの引用も楽しい。今回、投影方式の日本語字幕を作成し、本邦初上映。

 

「ナーペト」Наапет
(1977/93分/35mm)アルメンフィルム
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脚本・監督:ゲンリフ・マリャン 原作:ラチヤ・コチャール
撮影:セルゲイ・イスラエリャン 音楽:アレクサンドル・アルチュニャン
出演:ソス・サルキシャン、ソフィク・サルグシャン、ムゲル・ムクルトチャン
オスマン帝国時代の虐殺や1920年の赤軍侵攻によって、民族としての危機にされられたアルメニア人の運命を、家族を失った一人の男の心の傷とその再生を通じて物語る。主人公ナーペト役は、『惑星ソラリス』のソス・サルキシャン。全ソ映画祭で大賞と撮影技術賞を受賞。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社、東海晃久

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目からは200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第17回 女たちの群像

2016年9月10日(土)・11日(日)
モスクワに生きる女性たちの青春期から円熟期の人生模様を映し出す『モスクワは涙を信じない』と、少女たちを通してスターリン体制下の社会を描く『翌日戦争が始まった』の2作品。

「モスクワは涙を信じない」МОСКВА СЛЕЗАМ НЕ ВЕРИТ
(1980/149分/35mm)モスフィルム
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監督:ウラジーミル・メニショフ
脚本:ワレンチン・チェルヌィフ
撮影:イーゴリ・スラヴネヴィチ
美術:サイド・メニャリシチコフ
音楽:セルゲイ・ニキーチン
出演:ヴェーラ・アレントワ、イリーナ・ムラヴィヨワ、ライサ・リャザノワ、アレクセイ・バターロフ
田舎からモスクワに勉強のため出てきた三人の女性。一人は良妻賢母を夢み、もう一人は軽薄に流行を追う。最後のカーチャは上昇志向が強く、有名なスポーツ選手と結婚するが、結局は離婚して子供を育てる。20年後、工場長になったカーチャの前に新たな恋の相手が現れる。現代女性の生きざまを描き、ソ連で絶大な人気を博したメロドラマ。

 

「翌日戦争が始まった」ЗАВТРА БЫЛА ВОЙНА
(1987/86分/35mm)ゴーリキー・スタジオ
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監督:ユーリー・カラ
原作・脚本:ポリス・ワシーリエフ
撮影:ワジーム・セミョーノヴィフ
美術:アナトーリー・コチュロフ
出演:イリーナ・チェルニチェンコ、ナターリア・ネコダ、ユーリャ・タルホワ、セルゲイ・ニコネンコ、ヴェーラ・アレントワ、ウラジーミル・ザマンスキー
独ソ戦前夜の田舎町。禁止されていたエセーニンの詩を朗読した少女は、すぐに父親が「人民の敵」として逮捕される。少女自身も、友人や教師に裏切られ、つらい状況に置かれる。カラ監督の卒業制作だが、40年代の時代状況とともに、大人の一歩手前にいる子供たちの隠微な世界を描き出す手腕は、世界中で高く評価された。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目からは200円引き


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第16回 メドヴェトキンをめぐって

2016年4月2日(土)・3日(日)
『アレクサンドルの墓』でクリス・マルケル監督からオマージュを捧げられたロシアの映画作家アレクサンドル・ メドヴェトキン(1900-1989)。その代表作『幸福』とマルケルの『アレクサンドルの墓』の上映、そしてクリスティアン・ フェゲルソンによるトークを急遽開催します。

4月2日(土)17:40〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)
トーク「クリス・マルケルとロシア」:クリスティアン・ フェゲルソン
共催:神戸大学大学院国際文化学研究科 メディア文化研究センター
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

クリス・マルケル(1921-2012)は8つの映画を制作し、観客だけでなく、ドキュメンタリー映画を志すものの多くを魅了している。1950年代に映画製作に携わるようになって以来、ドキュメンタリー映画のジャンルを刷新し、控えめながらも重要な影響を与えた。マルケルは『シベリアからの手紙』(1958)の制作のためにロシアを訪れ、従来とは異なる視点からソ連を調査、検証している。この時の体験をもとに『動き出す列車』(1971)、『アレクサンドルの墓:最後のボルシェヴィキ』(1993)、『アンドレイ・アルセニエヴィッチの1日』(1999)も制作された。
講演では、映画エッセイのジャンルの先駆け的作品として『シベリアからの手紙』を取り上げるとともに、ロシアを題材にしたマルケルの作品において、歴史と記憶の問題がどのように描かれているのかを考える。マルケルは『アレクサンドルの墓』の中で複数のアーカイヴ映像を参照しながら、ベルリンの壁崩壊後、メドヴェトキン監督の『幸福』(1934)にみられるようなソ連という特異な経験を、そして今日における映画のあり方を再検証している。ドキュメンタリー映画と劇映画が交差する場において、マルケルは旅する映画、記述する映画という独自のアプローチを試み、1958年から1993年までの自らの主体性をノスタルジックに振り返りながら肯定的に捉えようとしている。

──クリスティアン・ フェゲルソン

クリスティアン・ フェゲルソン Kristian Feigelson
パリ第三大学(ソルボンヌ・ヌーヴォ)映画学科准教授。映画社会学者。ロシア・ソ連文化論。現在、クリス・マルケルとロシアとの関わりをテーマに著書を準備中。クリス・マルケル論「東/西のまなざし:映画史再考」(“Recherches sur Chris Marker”, Théorème 6, Presse Sorbonne Nouvelle Paris, 20002)等。
 

「幸福」Счастье
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(1934年/95分[予定]/サイレント/35mm)ボストークフィルム
監督・脚本:アレクサンドル・メドヴェトキン
出演:エレーナ・エゴロワ、ピョートル・ジノヴィエフ
貧農フムィリの「幸福」の探求を通じて、農村における新旧勢力の対立を描いた寓話的コメディ。煽動宣伝映画の枠に収まらない綺想にあふれ、「最後のボリシェヴィキ」 アレクサンドル・メドヴェトキンの代表作となった。

 

「アレクサンドルの墓:最後のボルシェヴィキ」
Le Tombeau d’Alexandre le dernier bolchevik
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(フランス/1993/117分/ブルーレイ上映)
監督・撮影・脚本・編集:クリス・マルケル
『幸福』を1971年にフランスで初めて紹介し、自ら組織した労働者映画団体を「メドヴェトキン集団」と名付けたクリス・マルケルが、敬愛するメドヴェトキンを追悼したビデオ・エッセイ。メドヴェトキンの作品をはじめ、エイゼンシュテインやヴェルトフ、ドヴジェンコの作品の映像の引用、さらに写真やニュース映像、関係者たちへのインタビューから構成されている。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生・シニア1100円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1100円 学生・シニア会員1000円
アテネ・フランセ文化センター会員1100円
*招待券のご利用不可


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第15回 中央アジアの少年たち

2015年12月12日(土)・13日(日)
旧ソ連のカザフスタン、キルギスで作られた映画の中から、少年を主人公にする3作品を紹介する。

「灰色の狼」ЛЮТЫЙ
(1973/96分/35mm)カザフフィルム
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監督:トロムーシュ・オケーエフ
原作:ムフタル・アウェーゾフ
脚本:アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー、エドゥアルド・トロピーニン
撮影:カドィルジャン・クィドィラリエフ
出演:カムバル・ワリエフ、シュイメンクル・チョクモロフ、アリムジャン・ジヤンゴロゾワ
両親と死に別れ伯父のもとで暮らす遊牧民の少年。伯父が仕留め損ねた狼の子を反対を押し切って育て始めるが、狼の子は逃げ出して野生に戻り少年も家を出る。そして狼の子と再会するが……。カザフを代表する作家アウエーゾフの短編小説を、コンチャロフスキーらが脚色し、キルギス出身の監督が映画化した作品。

 

「白い汽船」Белый пароход
(1976/100分/35mm)キルギスフィルム

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監督:ボロトベク・シャムシエフ
原作・脚本:チンギス・アイトマートフ
撮影:マナスベク・ムサーエフ
出演:ヌルガズィ・スィディガリエフ、サビーラ・クムシャリエヴァ
両親と別れ、森で暮らす7歳の少年。その孤独を癒やすのは、親代わりの老人が語る民間伝承の物語だけだった。しかし、大人たちの「現実」が、少年の夢の世界を押しつぶしていく。1970年代に“キルギスの奇跡”と呼ばれたキルギス映画の代表作。

 

「白い鳩」ЧУЖАЯ БЕЛАЯ И РЯБОЙ
(1986/99分/35mm)カザフフィルム
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脚本・監督:セルゲイ・ソロビヨフ
原作:ポリス・リャホフスキー
撮影:ユーリー・クリメンコ
出演:スラーワ・イリュシチェンコ、リュボミラス・ラウツァヴィチュス、リュドミーラ・サヴェーリエワ
モスフィルムの監督ソロビヨフがカザフの撮影所で制作。カザフの町を舞台に、戦後の過酷な日々を生き抜いた少年の成長を描く。撮影は『スラム砦の伝説』や『神々のたそがれ』のユーリー・クリメンコ。ヴェネチア国際映画祭特別賞受賞作品。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目からは200円引き


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。