神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2021年8月6日(金)〜17日(火)

映像作家・小森はるか作品集 2011―2020

特集上映
映像作家・小森はるか作品集
2011―2020

2021年8月6日(金)〜17日(火)
[水・木休館]

 

 

すでに劇場公開され、高い評価をえている『息の跡』に加えて、小森はるかと瀬尾夏美が陸前高田市で瓦礫撤去のボランティアに参加した際に出会った、りんご農家を営むご夫婦との記録『米崎町りんご農家の記録』、仙台在住の美術家・青野文昭さんの制作分風景を追ったドキュメンタリー『かげを拾う』など、劇場初上映作品を含む全8作品〈6プログラム〉を一挙上映。

 

 

 

Aプログラム

©︎ KOMORI HARUKA

『the place named』
(2012/36分)
監督・脚本・撮影:小森はるか 録音:鈴尾啓太、菅野慧 舞台演出・脚本:原麻理子 舞台戯曲:「わが町」ソーントン・ワイルダー 作、額田やえ子 訳
出演:原麻理子、遠藤麻衣、栗原たづ、西山朱子、花戸祐介、深堀 見帆、宮永聡
 
ソーントン・ワイルダーの戯曲「わが町」をもとに、田舎町で暮らす少女の一日と「わが町」第3幕を稽古する劇団員たちが交互に描かれる。死者が生者の世界について語る台詞を練習する声が、田舎町の日常に重なり、演じる役者自身にも投影される。脚本段階から出演者とともに制作。

 

©︎ KOMORI Haruka + SEO Natsumi

『砂粒をひろう──Kさんの話していたこととさみしさについて』
[劇場初上映]
(2013/23分)
制作:小森はるか+瀬尾夏美 テキスト:瀬尾夏美 撮影・編集:小森はるか
 
2011年4月、大津波から間もない陸前高田のまちで出会ったKさん。小森と瀬尾は、その後約一年間、彼女の言葉とその傍らにあった風景を記録していた。小森の映像が当時の状況や語りをありのままに伝え、瀬尾のテキストとドローイングはその場の会話や時間を咀嚼するなかで生まれてくる。二つの視点をダブルスクリーンで投影したインスタレーション作品を、シングル版に編集し上映する。

 

Bプログラム

©︎ KOMORI HARUKA

『米崎町りんご農家の記録』
[劇場初上映]
(2013/42分)
撮影・編集:小森はるか
※「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の参加者として制作・発表
 
陸前高田市で瓦礫撤去のボランティア活動に参加した際に小森と瀬尾が出会った、りんご農家のご夫婦との記録。おふたりは津波の被害を受けた家の修復を待ちながら、家の脇に残った納屋を仮住まいし、裏山のりんご畑を守りながら暮らしを続けていた。つぎ木や摘花作業の様子を小森のキャメラが丁寧に写す。

 

©︎ KOMORI HARUKA

『根をほぐす』[劇場初上映]
(2018/18分)
撮影・編集:小森はるか
※「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の参加者として制作・発表

『息の跡』の主人公である陸前高田で種苗店を営む佐藤貞一さんが、2016年に高台へ店を新設するため、 震災後に続けてきた店舗を自らの手で解体していく様を記録した短編。『息の跡』のエンドクレジットに挿入された場面の素材より再編集をした。

 

Cプログラム

©︎ KOMORI Haruka + SEO Natsumi

『波のした、土のうえ』
(2014/68分)
制作:小森はるか+瀬尾夏美 出演:阿部裕美、鈴木正春、紺野勝代、瀬尾夏美 テキスト:瀬尾夏美 撮影・編集:小森はるか

2014年、陸前高田ではいよいよ復興工事が本格化。風景が塗り替えられる前に、まちの人たちと一緒にかつての町跡を歩き、この場所でこそ思い出される記憶や、いま抱えている感情などについて、話を聞かせてもらう。そこから瀬尾が物語を書き、ご本人とともに訂正や書き換えを行なったうえで朗読をしてもらい、小森がその声を頼りにしながら、この町の風景や時間を重ねるようにして映像を編んでいく。

 

Dプログラム

©︎ 2016 KASAMA FILM + KOMORI HARUKA

『息の跡』
(2016/93分)
製作:カサマフィルム+小森はるか 監督・撮影・編集:小森はるか 編集:秦岳志 整音:川上拓也 特別協力:瀬尾夏美 プロデューサー:長倉徳生、秦岳志

陸前高田の荒涼とした大地に、ぽつんとたたずむ一軒の種苗店「佐藤たね屋」。津波で自宅兼店舗を流された佐藤貞一さんは、その跡地に自力でプレハブを建て、営業を再開した。また佐藤さんは、みずからの体験を独習した英語で綴り自費出版していた。記憶と記録のあわい。かすかな痕跡とぬくもりを映画は写す。

 

Eプログラム

©︎ KOMORI HARUKA

『砂連尾理 ダンス公演「猿とモルターレ」映像記録』[劇場初上映]
(2017/110分)
制作:「猿とモルターレ」アーカイブ・プロジェクト 振付・演出:砂連尾理
出演:垣尾優、伴戸千雅子、磯島未来、砂連尾理、藤原康弘(照明)、西川文章(音)、追手門学院高校演劇部ほか市民ワークショップ参加者
テキスト:瀬尾夏美「二重のまち」 ドラマ・ティーチャー:いしいみちこ マネージメント:内山幸子 撮影:小森はるか、酒井耕 編集:小森はるか、中村大地

振付家・ダンサーの砂連尾理が震災後に避難所生活する人びととの交流を通じて、非常に困難な状況を経験した人びとの「命懸けの跳躍(=サルト・モルターレ)」を考察し、未来に向けて生きる私たちのサルト・モルターレを模索したパフォーマンス作品「猿とモルターレ」。2017年3月に大阪・茨木市市民総合センターで上演された公演の記録。

 

Gプログラム

©︎ KOMORI HARUKA

『かげを拾う』[劇場初上映]
(2021/68分)
製作:せんだいメディアテーク 撮影・編集:小森はるか 録音:福原悠介

仙台在住の美術作家・青野文昭さんの制作風景を追ったドキュメンタリー。せんだいメディアテークでの個展にむけて青野さんが取り組んでいた、仙台市八木山と岩手県宮古市を舞台とした新作制作の中で、「拾う」「なおす」行為にキャメラを向けた。「青野文昭 ものの, ねむり, 越路山, こえ」の関連企画として本作を上映。

 

→公式サイト

すべてBlu-rayでの上映

《料金》
一般:1500円 シニア(65歳以上):1100円 ユース(25歳以下)・会員:1000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

企画:東風+ポレポレ東中野 配給:東風
協力:瀬尾夏美、砂連尾理、カサマフィルム、愛知県美術館、せんだいメディアテーク 3がつ11にちをわすれないためにセンター

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