神戸映画資料館

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2023年4月8日(土)・9日(日)13:00

前田憲二監督の長編記録映画 連続上映 第6回

NPO法人ハヌルハウス代表の前田憲二監督から、自作の映画フィルムを寄贈していただいた。それを記念しシリーズで上映する。

 

『百萬人の身世打鈴(シンセタリョン)  朝鮮人強制連行・強制労働の恨』
(2000/225分/16mm) *途中休憩あり
監督・脚本・製作:前田憲二
撮影:北村徳男
音楽:今井重幸
ナレーター:高山真樹
助監督:趙顕洙、李大
企画・製作会社・提供:映像ハヌル

朝鮮渡来文化を執拗に追い続けてきた前田憲二が「朝鮮人強制連行・強制労働」をテーマに、1997年から4年がかりで完成した長編記録映画。書籍『百萬人の身世打鈴』(東方出版)のために日本全国と韓国を7年間かけ126人に取材して回った経験をもとに、映画のために約50名を取材し17名の証言で構成した。作品は「太平洋戦争光州遺族会」「生と死の狭間で…」「元・従軍慰安婦たち」「天皇と松代」「原爆被爆者たち」の五部構成になっている。前田の他に、映像ハヌルのプロデューサー李義則(リ・ウイチク)や監督の手塚陽らがインタビューを担当している。

 

長編記録映画「百萬人の身世打鈴(シンセタリョン)」について
映画監督 前田憲二
この作品は、人間とはどういう生き物なのか?ということを前提に、日本の植民地支配時に、強制的に日本のダム、炭坑、壕などの工事現場で働かされたり、無理やり従軍慰安婦にさせられた朝鮮人の証言を軸にまとめた映画である。
身世打鈴とは、不幸な身の上ばなしを嘆き哀しむという意味。足掛け四年の歳月と、中国、韓国、日本各地を這いずり回るようにして五十人近くの人々から証言をとり、結果的には韓国人十六名、日本人一人、計十七名が証言した。でもその裏付けを明らかにすべく、当時のニュースフィルムや、資料、写真などを多用。
中国では、朝鮮人慰安婦が日本軍に拉致された現場に入り、その実態を目撃した八十六歳の中国人を取材したのだが、私とカメラマンは公安警察に拘束され、フィルムは没収された。
強制連行、強制労働という阿鼻叫喚の世界は、戦争という劣悪な正体を露呈する。しかもその非人間的な連行と労働によって、日本帝国主義とは如何なるものであったか、また同時に企業責任というものはどういうものだったかが浮き彫りされる。
日本の植民地支配の罪は、百年や二百年で消せるものではない。我々は「恨(ルビ:ハン)」を背負う人々に何を償うことができるのか、そのことを真剣に考えねばなるまい。
2005年7月18日

前田憲二
1935年大阪府出身。1960年代後半より日本各地や中国・朝鮮半島に祭りや芸能を追い続け、祭事を記録したテレビ・映画作品は250本以上におよぶ。 代表作に、『おきなわ戦の図 命どぅ宝』(1984)、『神々の履歴書』(1988)、『土俗の乱声 』(1991)、『恨・芸能曼陀羅』(1995)、『百萬人の身世打鈴』(2000)、『月下の侵略者』(2009)、『東学農民革命』(2016)などがある。2001年、韓国政府より王冠文化勲章を授与された。 NPO法人ハヌルハウス代表理事を務める。

 

《料金》
一般:2300円 シニア(65歳以上):2000円 ユース(25歳以下)・会員:1800円
予約受付

メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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