2024年12月8日(日)
8ミリ短編映画『クロベニグンジョウシロレモン』
13:30
『クロベニグンジョウシロレモン』
(2024/70分)制作:戸屋幸子
世代もキャリアも異なる4人の映像作家、映画監督が、「色」をテーマに8ミリフィルムによる映像作品を制作。現代における8ミリフィルムの可能性を考察する。
『Lighthouse』監督:小田香 Kaori ODA
13分/ブルーレイ(オリジナル8mm)/サウンド
ずっと昔に漁師だった父が、最近趣味で釣りをはじめ、船を買いました。大阪湾から神戸空港のあたりまで、じぶんも時々共に行くのですが、建設中なのだろう万博のなにがしかも海から見えました。日が暮れてから父に海に出てもらうと、夜の海は暗くて不安で、ビル群の航空障害灯が禍々しく光っていました。8mmをデジタルで編集し、ピクチャーロックした後に、テキストとピアノ音の連なりをつくりました。
『アマミノクロウサギとベニテングダケ』監督:小口容子 Yoko OGUCHI
21分/ブルーレイ(オリジナル8mm)/サウンド
19歳で映像制作を始めた当初、“同時録音ができる8ミリカメラ”というものがあって、私はそれを武器として手にし、世間に復讐を行っていた。今では同時録音ができる8ミリカメラも同時録音ができる8ミリフィルムも売っていない。でも、「映画って音だよね!!」と思っている私は、では今何ができるか?と考えたときに、役者の即興芝居の声を武器とすることにした。それがこの映画です。
『白々』監督:宮田靖子 Yasuko MIYATA
12分/8mm/サイレント
瓢箪から飛び出したコマを進めて行く話。お題は「色」。制作可能なリバーサルフィルムはコダックの白黒、カメラは借り物のスーパー8。 シングル8しか使ったことがない私にとっては初めての試みで、データはなし、時間もなし。さていかが致そう…。 光量過多の白っぽい映像が、溶けて輪郭を失い、粒子が蠢く様は美しい。一コマずつ光を置いて移ろう光画も美しい。その撮影は祈りのようであり、バクチのようでもあったが、白い光にまみれていたいと思った。そんなフィルム。
『ヴァンダ12年』監督:崟利子 Toshiko TAKASHI
211分/8mm/サイレント
いつかはフィルムで作ってみたいとずっと思っていたが、 ひょんなきっかけで8mmフィルムで作ることになった。撮影して現像すれば映るんじゃないと気楽に考えていたが、カメラ、フィルム、現像、映写など今、8mmで制作することが、これほど大変だとは思ってもみなかった。初めての8mm映画の主役はこの家に越した年に植えたレモンの木。苗木を買った店のおっちゃんは「そうやなあ100個は成るで」といわれたがなかなか実らない。それでもヴァンダと名付けて毎日愛でて12年がたち、今年は23個実をつけた。
上映後、4監督によるトーク
2022年12月、ある映画祭の打ち上げで崟さんと宮田さんの偶然の出会い。
その時に崟さん、宮田さんと交わした「8mmで新作展できたらいいね」という会話が現実になりました。
具体的に企画が動き出したのは2023年6月、崟さん、宮田さんに小口さん、小田さんが合流し、作家4人と制作担当戸屋のメンバー5人で決めたのは、作家それぞれが異なる『色』をモチーフに新作短編を8mmで制作するというルール。
まずはフイルムを調達しなければ始まらない!のですが、入手できたのは必要最低限の本数のみ。さらにはカメラがない!ツテを頼って揃え…その他現像や映写、諸々の問題を奇跡的なタイミングで乗り越え、色んな人を巻き込みつつ迎えた2024年2月、恵比寿映像祭での初上映。
上映後の大勢の観客からの大きな拍手、その夜の美味なる酒の味、そして何より私自身が新作を熱望していた4人の作家と一緒に映画を作れたことは忘れられない喜びとなりました。
住んでいる場所も年代も違う5人と8mmフイルムの粒子が織りなす『色』にぜひ浸ってください!!
(制作担当・戸屋幸子)
16:00
4人の作家+による8ミリフィルム作品選集(8mmフィルム上映)
作家それぞれの自薦作品集。
◎小田香
『By the sea』 2024/9分/8mm/サイレント
◎宮田靖子
『Filmy Film 001』 1987/5分/8mm/サイレント
『Filmy Film 002』 1987/3分/8mm/サイレント
『Filmy Film 010-ガリレオの部屋』 2001/7分/8mm/サウンド
◎戸屋幸子
『色粒最中』 2003/3分/8mm/サイレント
『おしまい駅』 2007/3分/8mm/サイレント
◎小口容子
『エンドレス・ラブ』 1987/35分/8mm/サウンド
◎崟利子
『春節祭』 2007/8分/DV/ブルーレイ/サウンド
《料金》 1プログラムあたり(2プログラム目は200円割引)
一般:1800円 ユース(25歳以下):1300円 会員:1500円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
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