タグ: 神戸クラシックコメディ映画祭
2025年1月11日(土)〜13日(月・祝)
神戸クラシックコメディ映画祭2025
11日・12日 会場:神戸映画資料館(新長田)
13日 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)
コメディ・タイムトラベラーズ
クラシック喜劇の夢幻宇宙に 境界線(ボーダー)なんて存在しない
百年前も 今も 劇場に響く笑い声はかわらない
上も下も 右も左も 過去も未来も カンケーない
さあ 笑いでボーダーを越えていこう
──いいをじゅんこ
(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)
[A]戦前喜劇の女神・大山デブ子 ○
『弥次喜多 岡崎猫退治』
(1937/14分/サイレント)大都映画
マツダ映画社提供
監督:吉村操
出演:大岡怪童、山吹徳二郎、大山デブ子
『密林の怪獣群』
(1938/49分/サイレント/35mm)大都映画
国立映画アーカイブ提供
監督:山内俊英
出演:大山デブ子、山吹徳二郎、大岡怪童、雲井三郎
戦前には大都映画の大スターだった大山デブ子。しかし戦時統合を機に引退。残された映画はとても少ない。今回は米映画「キング・コング」ブームに乗って作られた珍作を紹介。上映後トークでは、脚本家・伊勢野重任と結婚し愛媛に移り住んだ後の、知られざる後半生を紹介したい。上映フィルムは戦後再公開時に「密林の怪人」と改題された版。(高槻真樹)
伴奏:イマイアキ(ピアノ、アコーディオン、トイ楽器)
トークゲスト:高槻真樹(SF評論・映画研究者)
[B]デブ子と愉快な仲間たち ●
『忍術千一夜』
(1939/60分/サウンド版/16mm)大都映画
神戸映画資料館提供
監督:大友竜三
出演:近衛十四郎、水川八重子、クモイ・サブロー、大岡怪童
大山デブ子との名コンビで知られた大岡怪童ら大都映画の喜劇スターが大挙出演する時代劇コメディ。近衛十四郎のチャンバラも見事だが、能天気な忍術バトルは、工夫を凝らした変化球の魅力で知られる大都映画の味わいをよく伝えている。神戸映画資料館収蔵は貴重な全長版。(高槻)
[C]キートンのトーキー ●
『キートンの決死隊』Doughboys
(1930/80分/トーキー) メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
アイ・ヴィー・シー提供
監督:エドワード・セジウィック
出演:バスター・キートン、サリー・アイラース、クリフ・エドワーズ
キートン生誕130年! 無声時代の傑作は高く評価されるもキートンのトーキー作品は顧みられることが少ない。だが寄席で鍛えた歌や踊りの才能が発揮されたのはまさにトーキーであればこそ。キートンの驚くべき多芸ぶりを堪能しよう。彼の従軍経験も生かされたMGMの戦争喜劇。
[D]もうひとりの“チャップリン”を讃えて ○
『恋は曲者変装自在』Oh, What a Nurse!
(1926/70分/サイレント)ワーナー・ブラザーズ
FPA提供
監督:チャールズ・ライスナー
出演: シド・チャップリン、パッツィ・ルース・ミラー、エドガー・ケネディ
「偉大なるチャップリン」といえばチャーリーだが、才能豊かなもうひとりのチャップリンがいたことを忘れてはならない。チャーリーの兄シドニーは1920年代に主演した長編で次々とヒットを飛ばした。英国の寄席で磨いた芸をシドが存分に発揮するレアな異性装コメディを上映!
伴奏:天宮遥(ピアノ)
[E]ショートコメディのマエストロ 国立映画アーカイブ所蔵ドタバタ喜劇集 ○
『チーズトースト狂の夢』Dream of a Rarebit Fiend
(1906/8分) エジソン・フィルム・カンパニー
監督:エドウィン・S・ポーター
出演:ジャック・ブラウン
『メイベルの我まゝ』Mabel’s Wilful Way
(1915/17分)キーストン・フィルム・カンパニー
監督:ロスコー・アーバックル
出演:メーベル・ノーマンド、ロスコー・アーバックル、エドガー・ケネディ
『頓珍漢馬騒動』 詳細不明 Game Hunters
(1923/11分 16分[不完全版])ユニバーサル
監督:アル・ハーマン
出演:リー・モラン
『機械人形』A Clever Dummy
(1917/27分)キーストン・フィルム・カンパニー
監督:ハーマン・レイメーカー
出演:ベン・ターピン、チェスター・コンクリン、ウォレス・ビアリー
以上すべてサイレント、35mm上映
国立映画アーカイブ提供
クラコメ恒例企画。今回は初期アメリカのドタバタ喜劇を国立映画アーカイブ所蔵の35ミリフィルムで観るという趣向。エジソン社のシュールな掌編やおなじみメーベル&ファッティ、意外にもクラコメ初登場のベン・ターピンに知られざる動物喜劇と盛りだくさん!
伴奏:光永惟行(ギター)、カメイナホコ(シンセサイザー、クラリネット)
[F]ロイドのトーキー ●
『ハロルド・ディドルボックの罪』Mad Wednesday
(1950/70分/トーキー/16mm) パラマウント・ピクチャーズ
プラネット・プラス・ワン 提供
監督:プレストン・スタージェス
出演:ハロルド・ロイド、ジミー・コンリン、フランシス・ラムズデン、エドガー・ケネディ
引退状態にあったロイドが『ロイドの人気者』(25)の後日譚を描く本作で9年ぶりに復帰。夢破れた初老の男が人生の一発逆転を狙い奮闘する。スタージェス的スクリューボールとロイド的スリルコメディが融合した意欲作だ。上映するのは47年のオリジナルを再編集したリバイバル版。
『恋人強奪』Get Your Man
(1927/53分/サイレント)パラマウント・ピクチャーズ
アメリカ議会図書館提供
監督:ドロシー・アーズナー
出演:クララ・ボウ、チャールズ・ロジャース
ブルックリンの貧民街から無声映画の大スターへ。クララ・ボウは映画界のセックスシンボルとしてマリリン・モンローやベティ・ブープにも影響を与えた。テイラー・スウィフトの曲で再注目される伝説の女優のレア喜劇を活弁上映!監督ドロシー・アーズナーの巧みな演出もみどころ。
活動写真弁士:大森くみこ
伴奏:鳥飼りょう(ピアノ)
『ココとやんちゃな弟』The Clown’s Little Brother
(1920/5分)ブレイ・スタジオ
『ベッドタイム』Bed Time
(1923/9分)アウト・オブ・ジ・インクウェル・フィルムズ
『ココのまんが工場』The Cartoon Factory
(1924/8分)アウト・オブ・ジ・インクウェル・フィルムズ
『ココの消え薬』Fadeaway
(1926/8分)アウト・オブ・ジ・インクウェル・フィルムズ
『1999年のココ』Koko in 1999
(1927/7分)インクウェル・スタジオ
『ココと地球操縦』Koko’s Earth Control
(1928/7分)インクウェル・スタジオ
以上すべて、監督:マックス&デイブ・フライシャー、サイレント
Fabulous Fleischer Cartoons Restored 提供
マックス・フライシャー本人と、インク壺から飛び出す道化師ココが丁々発止のやりとりを繰り広げるシュールでナンセンスな実写アニメ合成コメディ。アニメーション作家としても活躍中のかねひさ和哉さんが厳選した6本を、リマスター版で一挙上映する。上映後解説もお楽しみに!
伴奏:塩屋楽団(稲田誠=コントラバス、山本信記=トランペット、シンセサイザー、鈴木勝=ギター、森本アリ=サンプラー、鳴り物)
トークゲスト:かねひさ和哉(アニメーション作家・アニメーション史研究家)
[I]フライシャー・カートゥーン大特集②1930-1942 ●
『お化けオン・パレード』Swing You Sinners!
(1930/8分)
『ビン坊の結社加盟』Bimbo’s Initiation
(1931/6分)
『ベティ博士とハイド』Betty Boop, M.D.
(1932/7分)
『ベティの白雪姫』Betty Boop:Snow White
(1933/7分)
『ポパイと船乗りシンドバッド』Popeye the Sailor Meets Sindbad the Sailor
(1936/16分)
『スーパーマン:冷凍恐竜大暴れ』The Arctic Giant
(1942/8分)
以上すべて、監督:デイブ・フライシャー、トーキー、フライシャー・スタジオ
Fabulous Fleischer Cartoons Restored 提供
フライシャーは1920-30年代、不条理なイメージと都会的なセンスでアニメーションを妖しく彩った。道化師ココが現実とフィクションを越境するサイレント時代の『インク壺』シリーズから、ジャズのサウンドに彩られたベティ・ブープ、破壊的なギャグが持ち味のポパイ、リアリスティックな表現に挑戦したスーパーマンに至るまで、スタジオの歴史を一望できるプログラムである。(かねひさ和哉)
記載以外はBlu-ray上映
企画:いいをじゅんこ、高槻真樹、かねひさ和哉
作品解説(記載以外):いいをじゅんこ
《料金》
◎楽団伴奏付き/活弁・伴奏付き上映 一般2200円 ユース(25歳以下)・シネマ倶楽部会員2000円 中学生以下1700円
○伴奏付き上映 一般1600円 ユース(25歳以下)・シネマ倶楽部会員1400円 中学生以下1100円
●上映のみ 一般1400円 ユース(25歳以下)・シネマ倶楽部会員1200円 中学生以下900円
*未就学児は無料
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号を神戸映画資料館までお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
神戸映画資料館 info@kobe-eiga.net 078-754-8039
チラシデザイン:萩原こまき
主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:アメリカ議会図書館、FPA、Fabulous Fleischer Cartoons、アイ・ヴィー・シー、国立映画アーカイブ、プラネット・プラス・ワン、橋本英治、溝渕一夫、神戸映画資料館、旧グッゲンハイム邸