神戸映画資料館

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2025年2月8日(土)

連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見 第22回

原爆・ピンナップ・フィルムノワール
──『ギルダ』とリタ・ヘイワース

このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。

 

14:30〜 上映
『ギルダ』 GILDA
(アメリカ/1946/109分/デジタル)
監督:チャールズ・ヴィダー
原作:E・A・エリントン 脚本:マリオン・パーソネット
脚色:ジョー・アイシンガー 撮影:ルドルフ・マテ

出演:リタ・ヘイワース、グレン・フォード、ジョージ・マクレディ、ジョセフ・カレイア

 

16:35〜 講座(終了予定18:05)
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
女優リタ・ヘイワースをハリウッドのセックス・シンボルとして一躍スターダムへと押し上げた作品『ギルダ』。この映画は、これまでこの講座で扱ってきた作品の多くとはいささか趣を異にする。一人の映画作家の作品というよりは、映画会社によって量産されるジャンル映画の一つと言ったほうが近い。さらに言うならば、監督のチャールズ・ヴィダーも、この講座で扱ってきた数々の映画作家たちと比べればいささか精彩を欠く。にもかかわらず、この『ギルダ』という映画は、フィルム・ノワールの古典の一つというだけでなく、ほとんど神話的といってもよい作品として、今なお多くのファンを魅了し続けている。これはひとえに、リタ・ヘイワースというこれまた神話的な女優の存在ゆえなのであろうか? たしかに、彼女なくしてこの映画はなかったであろう。しかし彼女の数ある出演作の中で、なぜこの映画だけが(おそらくは『上海から来た女』以上に)、映画史において特権的な位置を占めることになったのだろうか。今はクィア映画の視点からも注目されるこの映画について、様々な角度から見てゆきながら、その謎に多少なりとも迫りたいと思う。それと同時に、「フィルム・ノワール」という厄介なジャンル(?)についても少し考えてみたい。

 

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。訳書に『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)、共著に『映画を撮った35の言葉たち』(フィルムアート社)がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

《参加費》 上映+講座
一般:2000円 ユース(25歳以下):1400円 会員:1700円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

協力:ダッサイ・フィルムズ

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