神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2025年2月7日(金)〜11日(火・祝)

酒井善三監督特集

『フィクショナル』©️テレビ東京

時に過剰なほどの虚構が、妖しげで生々しい感触を画面にもたらす。酒井善三がつくる映画の本領のひとつがこれだろう。それは純粋な「娯楽映画」の追求の結晶でもある。本特集ではパンデミック以降の感染・拡散社会を背景にした酒井流の「奇譚」と呼び得る3作品を一挙上映。ギミックの多用も厭わない一貫した娯楽性と並行して、見えないものから見えるもの、そしてその先へと主題の変化も楽しめる。2020年代後半の日本映画を占ううえで、この機を逃す手はない。

 


『フィクショナル』
(2024/70分/デジタル)©️テレビ東京
製作:テレビ東京 プロデューサー:大森時生
監督・脚本:酒井善三 共同脚本:宮崎圭祐 撮影:川口諒太郎
照明:西山竜弘 録音:三門優介 音楽:吉川彰彦

出演:清水尚弥、木村文、にしだまちこ、川守田政人、はやしだみき

うだつの上がらない映像制作業者・神保のもとに、ある日、大学時代の先輩・及川から連絡がくる。
憧れの先輩との共同業務に、気分が湧き立つ神保だったが、その仕事は怪しいディープフェイク映像制作の下請けであった。やがて迫りくる自身の「仕事」の影響と責任……。
神保は、徐々にリアルとフェイクの境目に堕ちていくのだった……。
過去作と同様に、映画美学校の同期生たちと組んだチームで撮られた最新作。

→予告篇

 

 


『コロナvs信心』
(2021/49分/デジタル)©️drunkenbird2021
プロデューサー:百々保之 脚本・監督:酒井善三
撮影:川口諒太郎
照明:西山竜弘、川口諒太郎
録音:鈴木一貴、鈴木万里、百々保之
音楽:Silver Valley
製作・配給・宣伝:Drunken Bird

出演:西山真来、工藤采佳、松本高士、蒲池貴範、星谷実可子、長部努、河野宏紀、結城和子

2020年新型コロナ感染症に対し、「気の力でのコロナの克服」と「マスク不要論」を唱える自己啓発団体「ナチュラル・ネットワーク」。ある日、共同生活を送る会員夫婦に感染の疑いが……。未曾有の時代を生きる6人の男女の青春群像喜劇。

 

 

 


『カウンセラー』
(2020/42分/デジタル)©️drunkenbird2020
​製作:百々保之 監督・脚本:酒井善三 撮影:川口諒太郎
音楽:Silver Valley(吉川彰彦、工藤智弥)
録音・音響:鈴木万理 照明:西山竜弘

出演:鈴木睦海、西山真来、亀田梨紗、蒲池貴範、田中陸

ある心理相談室に勤める心理カウンセラー・倉田真美は、妊娠6ヶ月目で産休前最後の出勤日だった。
予定していた最後の相談者を見送ったあと、ある一人の女性・吉高アケミが予約なしでやってくる。
やむなく「相談内容だけでもお聞きしましょうか」と伝えた倉田に、
アケミは「……妖怪が見えるんです」と語り始める。
謎めいた彼女の口から語られる暗い物語が、
奇妙なことに聞いている倉田を妄想に駆り立て、不安の渦に堕としてゆく……。

→予告篇

 

酒井善三
1985年生まれ。映画美学校の修了作品として『おもちゃを解放する』(2011年)を制作。篠崎誠監督の『あれから』(2012年)、『SHARING』(2014年)に共同脚本として参加。自身の監督・脚本作として『RIP』(2018年)、『カウンセラー』(2021年)、『コロナvs信心』(2022年)があり、テレビ東京製作の配信ドラマ『フィクショナル』(2024年)は劇場公開された。

《料金》
『フィクショナル』
一般:1700円 シニア(65歳以上)・障害者:1200円 ユース(25歳以下):1000円 会員:1200円
『カウンセラー』『コロナVS信心』(入替制/当日『フィクショナル』の半券で200円割引)
一般:1000円 ユース(25歳以下)・会員:800円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

協力:吉野大地

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