タグ: History of Documentary Film
2025年3月16日(日)14:00〜18:00
ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリーを読む in 神戸 第5回
映画美学校ドキュメンタリー・コースの公開講座として、昨年アテネ・フランセ文化センターでスタートした筒井武文監督による講座の神戸バージョン。テキストと関連作品を分析しながら日本ドキュメンタリー映画史の読み直しを行います。
第5回 「何を」の映画から「いかに」の映画に──羽仁進の可能性と限界
講師:筒井武文(映画監督/東京藝術大学大学院教授・映画美学校講師)
テキスト分析:松本俊夫・野田真吉対談 〈戦後ドキュメンタリー変遷史〉
上映作品
『生活と水』(1952年/17分)
『絵を描く子どもたち-児童画を理解するために-』(1956年/38分)
『海は生きている』(1958年/56分)
以上、DVD参考上映
協力:記録映画保存センター
戦後の日本ドキュメンタリーの展開を知るのに絶好のテキストが、野田真吉と松本俊夫の対談による「戦後ドキュメンタリー変遷史」である。1945年から1964年の対談時までの記録映画の変貌が主題ごとに6回に渡って振り返られる。日本映画の革新を目指す二人の実作者の体験に基づき、多くの作品がそのイデオロギー的意味と作品の保守性の両面で批判され、日本ドキュメンタリー史が立体的に浮かび上がってくる。現在の視点で、その批評を読み直し、その実効性を検証する。概ね、前者に関して異議はないが、後者に関しては再評価に値する作品も発見できる。そして何より、野田真吉と松本俊夫の実作品の孕んだ可能性が見えてくるだろう。
羽仁進は、50年代の日本ドキュメンタリーに新しい息吹を与えた存在である。型にはまったシナリオ主導の映画から、撮影で発見していく映画へ。野田・松本が戦後ドキュメンタリー変遷史で、単独で論じるべき映画作家として高く評価したのも頷けるが、同時に将来への危惧も表明している。すなわち、羽仁の方法論は子どもという対象でしか通用しないのではないかと。今回は、羽仁が劇映画へと越境した作品も含め、羽仁進の可能性を検証する。
筒井武文
筒井武文
映画監督。1957年生まれ。東京造形大学時代に、映画製作を開始する。1987年に、サイレント映画『ゆめこの大冒険』で劇場映画デビュー。主な作品に、『オーバードライヴ』(2004)、『バッハの肖像』(2010)、『孤独な惑星』(2011)、『自由なファンシィ』(2015)、『映像の発見=松本俊夫の時代』(2015)、『ホテルニュームーン』(2019)がある。また、映画批評を多数執筆。現在、東京藝術大学大学院映像研究科教授、映画美学校講師。
《参加費》 テキスト・参考上映付き
一般:2300円 ユース(25歳以下):1500円 会員:2000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039