2025年7月26日(土)・27日(日)
人生の幻影 ダグラス・サークの二都物語 第2弾
第2弾 アメリカ時代の珠玉のクライム・サスペンス 1947-1949
ファスビンダーやアルモドバルなど、多くの映画作家たちに今なお影響を与え続けている偉大な映画作家ダグラス・サーク。彼がナチスドイツを逃れてハリウッドに渡り、デトレフ・ジールクからダグラス・サークへと名を変え、50年代に撮った『天が許し給うすべて』や『風と共に散る』、『悲しみは空の彼方に』などの華麗なメロドラマの数々は、60年代末になって再評価され始め、メロドラマ映画の概念を根底から覆すことになる。メロドラマの巨匠として、ダグラス・サークの評価は今や不動のものとなったと言っていいだろう。しかしサークが撮ったのは何もメロドラマばかりではない。アメリカ時代に彼が手がけた作品は、コメディやフイルム・ノワール、歴史物、さらには西部劇さえも含む。
特集の第二弾は、1940年代後期に手がけたクライム・サスペンス3作品を上映。
『誘拐魔』 Lured
(アメリカ/1947/103分)ユナイテッド・アーティスツ
監督:ダグラス・サーク 脚本:レオ・ロステン
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ 音楽:マイケル・ミシェレ
出演:ジョージ・サンダース、ルシル・ボール、チャールズ・コバーン、ボリス・カーロフ、セドリック・ハードウィック
ロバート・シオドマク『罠』のリメイク作品。連続女性誘拐魔vs女探偵! ブレイク直前のルシル・ボールとジョージ・サンダース、そしてボリス・カーロフという曲者役者を巧みに捌くダグラス・サークの手腕も見事なロマンチック・サスペンス。
『眠りの館』 Sleep, My Love
(アメリカ/1948/98分) トライアングル・プロダクションズ
監督:ダグラス・サーク 原作:レオ・ロステン
脚本:セント・クレア・マッケルウェイ、レオ・ロステン
撮影:ジョセフ・A・ヴァレンタイン
音楽:ルディ・シュレイジャー
出演:クローデット・コルベール、ロバート・カミングス、ドン・アメチー、ヘイゼル・ブルックス、リタ・ジョンソン
クローデット・コルベールは乗った覚えのない夜行列車のベッドの上で目覚める。彼女は夢遊病か、精神病か、それとも!? 人妻が精神的に追い詰められていく『ガス燈』的テーマにダグラス・サークが挑む。高まっていくサスペンス、コルベールとドン・アメチーのキャラの対比など演出が冴える。
『ショックプルーフ』 Shockproof
(アメリカ/1949/80分) コロンビア・ピクチャーズ
監督:ダグラス・サーク
脚本:ヘレン・ドイッチュ、サミュエル・フラー
撮影:チャールズ・ロートン・Jr 音楽:ジョージ・ダニング
出演:コーネル・ワイルド、パトリシア・ナイト、ジョン・バラグレイ、エスター・ミンチオッティ、ハワード・セント・ジョン
恋人のため殺人を犯した女が仮釈放になり保護観察官と恋に落ちるが…。サミュエル・フラー脚本によるノワール。美しいパトリシア・ナイトが帽子を買うシーン、飛び降り自殺のシーンなど冒頭から観るものをワクワクさせるサークの演出が最高。ラストはスタジオが勝手に脚本を書き換えて撮りなおしたもの。
*全作品デジタル上映
《料金》 1本あたり(当日2本目以降は100円割引)
一般:1300円 シニア(65歳以上)・障害者:1100円 ユース(25歳以下):700円 会員:1000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
協力:ダッサイ・フィルムズ、井上正昭