神戸映画資料館

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2025年7月19日(土)14:25〜18:00

ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリーを読む in 神戸 第6回(最終回)

映画美学校ドキュメンタリー・コースの公開講座として、昨年アテネ・フランセ文化センターでスタートした筒井武文監督による講座の神戸バージョン。テキストと関連作品を分析しながら日本ドキュメンタリー映画史の読み直しを行います。

 

第6回(最終回) ブームに隠されたもの—テーゼの衰弱とアンチ・テーゼ
講師:筒井武文(映画監督/映画美学校講師)

テキスト分析:松本俊夫・野田真吉対談 〈戦後ドキュメンタリー変遷史〉

上映作品
『佐久間ダム 第一部』(1954年/38分/デジタル復元版/監督:高村武次)協力:記録映画保存センター
『忘れられた土地』(1958年/30分/16mm/監督:野田眞吉)
『春を呼ぶ子ら』(1959年/21分/16mm/監督:松本俊夫)
『ホゼー・トレス』(1959年/25分/16mm/監督:勅使河原宏)©1959草月会

戦後の日本ドキュメンタリーの展開を知るのに絶好のテキストが、野田真吉と松本俊夫の対談による「戦後ドキュメンタリー変遷史」である。1945年から1964年の対談時までの記録映画の変貌が主題ごとに6回に渡って振り返られる。日本映画の革新を目指す二人の実作者の体験に基づき、多くの作品がそのイデオロギー的意味と作品の保守性の両面で批判され、日本ドキュメンタリー史が立体的に浮かび上がってくる。現在の視点で、その批評を読み直し、その実効性を検証する。概ね、前者に関して異議はないが、後者に関しては再評価に値する作品も発見できる。そして何より、野田真吉と松本俊夫の実作品の孕んだ可能性が見えてくるだろう。

野田・松本対談を追ってきた本講座の最終回は、「ブームに隠されたもの—テーゼの衰弱とアンチ・テーゼ」。当時、マンネリ化した劇映画のアンチ・テーゼとして話題を呼んだ『佐久間ダム』第一部と、さらに、それに対するアンチ・テーゼとして登場してきた勅使河原宏、野田真吉、松本俊夫の作品を検証する。彼らが目指した新しいドキュメンタリー表現とは、何だったのか。
筒井武文

 

筒井武文
映画監督。1957年生まれ。東京造形大学時代に、映画製作を開始する。1987年に、サイレント映画『ゆめこの大冒険』で劇場映画デビュー。主な作品に、『オーバードライヴ』(2004)、『バッハの肖像』(2010)、『孤独な惑星』(2011)、『自由なファンシィ』(2015)、『映像の発見=松本俊夫の時代』(2015)、『ホテルニュームーン』(2019)がある。また、映画批評を多数執筆、著書に『映画のメティエ 欧米篇』(森話社)、『映画のメティエ 日本篇』(森話社/2025年7月刊行予定)、『声(ポリフォニー)の映画史』(東京藝術大学出版会)がある。

《参加費》 テキスト・参考上映付き
一般:2300円 ユース(25歳以下):1500円 会員:2000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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