2025年7月12日(土)
上映と講演:追悼 山際永三 壁の果てのリアリズム
劇映画『狂熱の果て』からテレビドラマ『ウルトラマンタロウ』まで。多領域を越境する山際永三の創作活動を貫いているものは何か。昨年11月28日に亡くなられた山際監督を追悼して、デビュー作『狂熱の果て』を上映。また、昨年10月に「山際永三 壁の果てのリアリズム 映画運動とテレビドラマ」(森話社)を出版された池田嘉郎氏が、山際が残した膨大な評論と映像作品を分析します。
13:30〜 上映
『狂熱の果て』(1961年/78分/35mm)国立映画アーカイブ所蔵
佐川プロ 監督:山際永三 原作:秋本マサミ 脚本:山際永三、山田健 撮影:岡田公直
出演:星輝美、松原緑郎、藤木孝、鳴門洋二、奈良あけみ、柏木優子
高校生ミチ(星輝美)は毎晩六本木で自堕落な生活を送っている。彼女の家は一見裕福だが不幸と退廃のただなかにある。ミチの母親と関係をもっている同居人の大学生・茂(鳴門洋二)はミチをも凌辱し、さらに大企業の御曹司健次(松原緑郎)に接近する。ミチはトランペット吹き陽二(藤木孝)との恋愛に活路を求めるが、彼女が陽二を誘って健次の別荘でのパーティに向かったことで運命は急転する。被害者はまた加害者ともなるという社会の構造を見据え、なおかつその構造に傷をつけようとした、山際渾身の一作。[池田嘉郎]
15:05〜 講演(終了予定17:00)
「山際永三 壁の果てのリアリズム 映画運動とテレビドラマ」出版記念
講師:池田嘉郎(東京大学大学院教授)
池田嘉郎
東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門のロシア史研究では「ロシア革命 破局の8か月」(岩波新書、2017年)、「ロシアとは何ものか」(中公選書、2024年)などの著書がある。映画に関する論稿では、「記憶の中のロシア革命――ロンム『十月のレーニン』とスターリン時代の革命映画」、沼野充義他編「記憶とユートピア(ユーラシア世界3)」東京大学出版会、2012年)などがあり、2024年10月に『山際永三 壁の果てのリアリズム 映画運動とテレビドラマ』(森話社)を出版した。
《料金》 上映+講座
一般:1800円 ユース(25歳以下):1300円 会員:1500円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
主催:神戸映画サークル協議会、神戸映画資料館
協力:石井輝男プロダクション、国立映画アーカイブ