タグ: SHINNAGATA
2026年7月25日(土)・26日(日)
新長田映画講座『思春の泉』
中川信夫ルネッサンス vol.1
「新長田映画講座」の新シリーズ「中川信夫ルネッサンス」。
中川信夫監督作品の再評価に情熱を持って取り組んでおられる長谷川康志氏を講師に招き開催いたします。

©国際放映
「怪談映画の巨匠」というキャッチーなレッテルは、中川信夫の名を普遍的にしたが、同時に、あまりに多くのことを見失わせる要因ともなった。では、どうすれば中川信夫に「出会う」ことができるのか。
スクリーンで作品を観る。残された資料を読み解く。もう一度作品に戻り、コンテと演出をたどる。「私」の先入観が消え去って、はじめて相手に触れることができる。それが批評というものに違いない。
彼を育んだ時代や文学を参照しながら、少年・青年期を過ごした神戸の地で、新たな中川信夫像が構築できることを願っている。
長谷川康志
中川信夫
1905年京都生まれ。4才で神戸へ。父は布引の料亭・巌水などを経営した。1924年育英商業学校(現育英高等学校)卒。文学に傾倒し、同級の戸田巽らと同人誌を制作。また「キネマ旬報」等に評論を投稿。1929年マキノ御室撮影所へ入社するも会社が解散。生田筋に喫茶店「カラス」を開業した事も。1935年市川右太衛門プロ『東海の顔役』で正式に監督昇進。東宝映画に入り上京、エノケン喜劇から漱石『虞美人草』まで幅広く監督。戦中は上海・中華電影公司に在籍。1946年引き揚げて西宮に。1947年再上京し新東宝で監督復帰。1959年『東海道四谷怪談』は世界的傑作と言われる。1962年以降は「コメットさん」「プレイガール」などTVも演出。1974年神戸の文芸同人誌「少年」を創刊。約100本の映画を残し、1984年歿。

©国際放映
13:30 上映
『思春の泉』 改題『草を刈る娘』
(1953/88分/35mm/英語字幕付き)
製作:新東宝=俳優座 国立映画アーカイブ所蔵作品
監督:中川信夫 原作:石坂洋次郎 脚本:館岡謙之助
撮影:横山實 美術:北川勇 音楽:齋藤一郎
出演:左幸子、宇津井健、岸輝子、高橋豊子、阿部壽美子、青山杉作、千田是也、小澤栄、花澤徳衞、東野英治郎
石坂洋次郎の小説『草を刈る娘』を映画化した農村喜劇の傑作。草刈り場で惹かれ合うもよ子(左)と時造(宇津井)の意地の張り合いが、周囲を巻き込む大騒動に発展する。岩手県の田頭村とその周辺にオールロケを敢行し、俳優座の役者陣が大挙出演。宇津井健のデビュー作でもある。
15:15 講座(終了予定16:15) *26日(日)は前日の講座の録画
講師:長谷川康志(映画批評家)
公開当時から好評をもって迎えられた『思春の泉』は、中川映画の真髄ともいえる代表作の1本ですが、その制作過程はまだ十分に語り尽くされてはいません。そもそも、なぜ田頭村がロケ地に決まったのでしょうか。タイトルは『思春の泉』と『草を刈る娘』のどちらと考えたらよいのでしょう。そして、この映画は中川監督のその後にどんな影響をもたらしたのでしょうか。幸い、この作品には中川監督の日記や撮影台本をはじめ、実にさまざまな資料が残されています。岩手山麓の撮影現場に想いを馳せつつ、フィルムと資料との往還を通して、新たな中川信夫像を描きたいと考えています。
長谷川康志(はせがわ・こうし)
1978年横浜生まれ。2006年に酒豆忌(中川信夫監督を偲ぶ集い)実行委員となり、おもちゃ映画ミュージアム「中川信夫展」(2017年)、国立映画アーカイブ「生誕120年 映画監督 中川信夫」(2025年)等に関わる。また「映画論叢」(国書刊行会)に「デジタル過渡期の映画上映」を連載中。一般社団法人日本映像アーキビスト協会正会員。
《参加費》 上映+講座
一般:1600円 シニア(65歳以上)・障害者:1400円 ユース(25歳以下)・会員:1200円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
解説文:長谷川康志

協力:国立映画アーカイブ、国際放映
