神戸映画資料館

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2022年4月23日(土)・24日(日)

前田憲二監督の長編記録映画 連続上映 第4回

NPO法人ハヌルハウス代表の前田憲二監督から、自作の映画フィルムを寄贈していただいた。それを記念し隔月を目安に全てのフィルムを上映する計画だったが、コロナ禍で中断したことをお詫びする。
今回は再開の手始めとして『原色に白を求める画家 呉炳学の宇宙』『高麗王若光 高句麗と渡来文化』の中編を2本立てでご覧いただきます。今後の上映予定作品は『土佐の泥繪師・繪金』『神々の履歴書』『土俗の乱声』『恨・芸能曼荼羅』『百萬人の身世打鈴』『月下の侵略者』など。

 

「原色に白を求める画家 呉炳学の宇宙
(2005/45分/DVD 16mm)
企画・製作:映像ハヌル・ビデオプロジェクト
プロデューサー:李義則 監督・構成:前田憲二
作曲:今井重幸 撮影:北村徳男 ナレーター:山口果林
編集:鈴木哲也 録音:山際卓郎

この作品は、時代や国々の狭間で翻弄されながらも、「白」を描き続けた在日の画家、呉炳学(オ・ビョンハク)の「ひとと作品」を1年半かけて撮影した記録映画。絵画から見えてくるものは、時代への、そして日本への抵抗精神であり、美への極みである。
呉炳学は旧朝鮮平安南道生まれ。1946年東京美術学校(現東京芸術大)入学後中退。独学でセザンヌほか巨匠たちを深く研究し、独自の画風を生み出した。1949年結婚、長男と長女をもうけるが、1972年娘は新潟港から万景峰号で父の祖国北朝鮮に向かった。その頃から同胞への愛を募らせる。韓民族の豊かな感性を反映させた作品は、その芸術性の高さから世界に誇るべき絵画と評価されるようになったが、惜しくも昨年97歳で亡くなられた。

 

「高麗王若光 ―高句麗と渡来文化―」
(2008/30分/16mm)
製作:映像ハヌル・ビデオプロジェクト
企画・製作:前田憲二 製作:李義則 監督・脚本:趙顕洙
撮影:北村徳男 助監督・宣伝美術:山本和信
製作進行:落合民生 ナレーター:小野田英一
選曲・効果:福島雄一郎 線画撮影:鈴木昇
ネガ編集:福井千賀子、福井康人 録音:読売スタジオ

高句麗文化を抜きにしては、古代の列島文化を語ることはできない。高句麗王若光の足跡を通して、日本列島文化の起源と成立を解明した。気多大社(石川県羽咋)、高麗社(富山市水橋)、高来社(富山市水橋)、高麗寺阯(京都府山城町)、許麻神社(大阪府八尾市)、高来神社(神奈川県大磯)、高麗神社(埼玉県日高市)などを取材。

 

前田憲二
1935年大阪府出身。1960年代後半より日本各地や中国・朝鮮半島に祭りや芸能を追い続け、祭事を記録したテレビ・映画作品は250本以上におよぶ。 代表作に、『おきなわ戦の図 命どぅ宝』(1984)、『神々の履歴書』(1988)、『土俗の乱声 』(1991)、『恨・芸能曼陀羅』(1995)、『百萬人の身世打鈴』(2000)、『月下の侵略者』(2009)、『東学農民革命』(2016)などがある。2001年、韓国政府より王冠文化勲章を授与された。 NPO法人ハヌルハウス代表理事を務める。

 

《料金》
一般:1800円 シニア(65歳以上):1500円 ユース(25歳以下)・会員:1300円
予約受付

メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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