神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2022年5月1日(日)〜5日(木・祝)

マルクス兄弟特集

トーキー映画時代の喜劇スターにしてナンセンスギャグの元祖、マルクス兄弟の特集上映。荒唐無稽なギャグとナンセンスなトーク、そしてピアノやハープの演奏など楽しい見所がたっぷりです。

 

「我輩はカモである」 Duck Soup
(1933/アメリカ/68分/16mm)
監督:レオ・マッケリー
脚色:バート・カルマー、ハリー・ルビー
撮影:ヘンリー・シャープ
架空の国で嘘のように始まる戦争を描くマルクス兄弟極めつけのアナーキーな傑作。とりわけ鏡を使ったギャグは忘れがたい。興行的には失敗し、結果兄弟はパラマウントを追われることになるのだが、今ではアメリカ喜劇を代表するカルト作品となっている。作り手に政治的意図がさほどあったとは思えないが、イタリアでは、自分が戯画化されていると思ったムッソリーニによって公開を禁止された。4兄弟が勢揃いする最後の作品でもある。

 

「マルクス兄弟オペラは踊る」 A Night at the Opera
(1935/アメリカ/96分/16mm)
監督:サム・ウッド
脚色:ジョージ・S・カウフマン、モリー・リスキンド
原作:ジェームズ・ケヴィン・マクギネス
撮影:メリット・B・ガースタッド
音楽:ハーバート・ストサート
マルクス兄弟の MGM 移籍後第一作。船室がすし詰めになる伝説的シーンを始め、息もつかせぬギャグの連続で笑わせるマルクス兄弟最高傑作の一つであると同時に、バックステージものの面白さも味わえる作品。パラマウント時代はややもすれば野放しにされがちだったマルクス兄弟のクレージーなギャグが製作者アーヴィング・タルバーグの指揮のもと見事に制御され、彼らの最大のヒット作になった。マルクス兄弟の入門編としても最適。

 

「マルクスの二挺拳銃」 Go West
(1940/アメリカ/80分/16mm)
監督:エドワード・バゼル
脚本:アーヴィング・ブレッチャー
撮影:レナード・スミス
音楽:ジョージ・ストール
キートンやローレル&ハーディの西部劇ものとも比較してみたくなるマルクス兄弟版ウエスタン。冒頭のグルーチョ、ハーポ、チコによるテンポの良い騙し合いの場面からして楽しいが、なんと言ってもラストの列車によるアクションが圧巻である(『周遊する蒸気船』への目配せ?)。MGM らしいミュージカルナンバーも豊富で、いつもとは一味違うハーポのハープ演奏シーンにも注目。36年のタルバーグの急死後に撮られた作品の一つである。

 

「マルクス兄弟デパート騒動」 The Big Store
(1941/アメリカ/83分/16mm)
監督:チャールズ・F・ライスナー
脚色:シド・クラー、ハル・フィンバーグ、レイ・ゴールデン
撮影:チャールズ・ロートンJr.
音楽:ジョージ・ストール
マルクス兄弟の MGM 時代最後の作品。グルーチョの探偵事務所にマーガレット・デュモント(マルクス兄弟のミューズ)が訪ねて来る場面など、ギャグもなかなか秀逸だが、ミュージカルシーンにもやたら力を入れているところがいかにも MGM らしい。一風変わった鏡の使い方をしたハーポのハープ演奏場面にも注目。肩の力を抜いて作られた感のある愉快な作品である。マルクス兄弟の引退作との触れ込みだったが、そうはならなかった。

 
5月3日(火・祝) 参加無料(要当日鑑賞チケット半券)
レクチャー 講師:井上正昭(映画研究)

 
作品解説:井上正昭
 

《料金》一般:1200円 ユース(25歳以下):700円 会員:1000円
《割引》当日2本目は200円引き
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業

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