プロジェクト “神戸と映画”

神戸と映画 第5回 見出されたもの
2015年3月1日(日)
定期イベントの第5回目。第一部は神戸近郊の企業や機関が所属する映画フィルムの調査報告と関連作品の上映、そして神戸映画資料館で新たに調査・発掘されたフィルムのお披露目上映(戦前の大阪や京都のカラー映像が記録されたコダカラー・フィルムの上映もあり)。第二部では、昨年度から濱口竜介監督が継続している神戸人へのインタビューを上映し、監督による解説も行う。

tsutenkaku01第一部 13:00〜15:00
神戸映像アーカイブプロジェクトの
今年の成果

報告者
安井喜雄(神戸映画資料館館長)
板倉史明(神戸大学准教授)

関連上映
1930年代のコダカラーによるアマチュア映像(技術解説:株式会社IMAGICAウェスト松尾好洋氏)、「宝探し試写会」で反響の大きかったフィルムなど。

 

第二部 15:30〜16:30
濱口竜介監督による神戸人インタビュー3

 

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

共催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会(神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援」)、一般社団法人神戸映画保存ネットワーク(平成26年度文化庁美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業)


一人からはじまる映画保存活動
──「ホームムービーの日」各地の取り組みとともに

2015年2月7日(土)14:00〜(終了予定17:00)
HMD2014

「ホームムービーの日」は、名もなきフィルムに光をあてる記念日。
アメリカのフィルムアーキビストたちが2003年に立ち上げた、家庭や地域に埋もれているプライベートフィルムを持ち寄って上映する国際的企画です。毎年10月の第3土曜日に世界同時開催されます。
このたび、日本各地の会場から選出された「今年の一本」を持ち寄って、神戸で上映会を開催します。
選りすぐりのフィルム上映を、どうぞお楽しみに!

参加会場(予定):宮城(仙台)、長野(飯綱)、東京(神田、北区、中野、谷根千、調布)、大阪(新世界、大阪)、兵庫(神戸)、京都(京都)、埼玉(川越)

《参加費》無料
《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:NPO法人映画保存協会 HMD日本事務局「ホームムービーの日」各会場世話人
助成:平成26年度 まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成

NPO法人映画保存協会(東京)が〈ホームムービーの日〉の日本での普及につとめています

2月8日(日)10:30~12:00「ホームムービーの日」世話人会議
「ホームムービーの日」主催者(世話人)が集まって意見交換や情報共有を行います。「ホームムービーの日」や開催に興味のある方はどなたでも参加できます。
*事前予約をお願いします
info@kobe-eiga.net 宛に、お名前、連絡先(電話)、参加希望日を書いてお送りください。
追って予約受付確認のメールを差し上げます。


〈ホームムービーの日 in 神戸〉プレ企画──映像が伝える神戸の街と人のヒストリー
2014年9月20日(土)・21日(日)
大正筋商店街を含む神戸・新長田地区は、1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けましたが、その後の復興建設により街の風景が一新しました。昔からここに暮らすみなさん、震災後の新長田の新たな住人、そして他地域から新長田を訪れる人々に、この街と人の歴史を残された映像が伝えてくれます。

Aプログラム(参加無料)
9月20日(土)13:30〜15:30
[上映]
①「大正筋商店街〜大正筋商店街の成り立ちから阪神淡路大震災、そして復興に向かう姿を〜
(2007/24分/DVD/制作:神戸長田コンベンション協議会)
②8mmホームムービー
「山中正月」
(1960年頃)ある一家の正月の様子。長田神社へ初詣など
 「花村パン 開店の様子」(1963年)兵庫区の夢野商店街に支店をオープンした様子

[トーク]
田中まこ(神戸フィルムオフィス 代表)
板倉史明(神戸大学大学院国際文化学研究科 准教授)

 

Bプログラム(参加無料条件あり)
9月20日(土)16:00〜、21日(日)13:30〜
「吹けば飛ぶよな男だが」
(1968/91分/35mm)製作:松竹大船
監督:山田洋次 脚本:森﨑東、山田洋次 撮影:高羽哲夫
出演:なべおさみ、緑魔子、有島一郎、ミヤコ蝶々、佐藤蛾次郎、犬塚弘、芦屋小雁、小沢昭一

大阪駅前で九州からの家出少女・花子(緑魔子)をたぶらかし、ブルーフィルムの撮影に連れ出したチンピラたち。一味の下っ端・サブ(なべおさみ)は抵抗する花子を助け、神戸へ無鉄砲に逃げ出すのだが…。『男はつらいよ』の山田洋次監督の初期作品。高度経済成長期の大阪・神戸の街を背景に、帰る場所を持たない二人が愛を育む人情喜悲劇。

映画に登場する神戸各所
六甲ケーブル/六甲山頂遊園地/国鉄・神戸臨港線/神戸大丸屋上より東を望む/神戸栄光教会/福原/湊川公園下の坂道/神戸拘置所/湊川トンネル/海岸通り/メリケン波止場、ほか

《参加費》Aプログラム:無料
Bプログラム
神戸市内に住居か勤務地のある方[要証明できるもの]、および学生、神戸映画資料館サポーター会員:無料
上記以外の方:1000円
《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:神戸アーカイブ写真館、神戸フィルムオフィス
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


© DRAGON MOUNTAIN LLC.

© DRAGON MOUNTAIN LLC.

神戸と映画 第4回 撮影所としての大学
2014年9月6日(土)
「神戸と映画」をテーマにした定期イベントの第4回。
2014年秋に第6回を迎える神戸ドキュメンタリー映画祭の関連企画。年間を通して映画文化を提供することを目的に、「神戸と映画」をテーマに開催するシリーズイベント。
今回は神戸芸術工科大学で教鞭を執られ、神戸を拠点に作品作りに取り組まれている石井岳龍監督と、その教え子で『生きてるものはいないのか』では出演者に抜擢された津田翔志朗さんをお招きし、「撮影所としての大学」について考えてみたい。

13:30〜
第一部 上映
「生きてるものはいないのか」
(2012/113分/[ブルーレイ上映])
製作:ドラゴンマウンテン 配給:ファントム・フィルム
監督・脚色:石井岳龍 原作・脚本:前田司郎 撮影:松本ヨシユキ
出演:染谷将太、高梨臨、白石廿日、渋川清彦、津田翔志朗、村上淳
石井聰亙から石井岳龍と改名し、神戸に拠点を移し初めて手がけた10年ぶりの劇場長篇作品。

 

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15:45〜
第二部 上映とトーク
「涅槃大衆行進曲」
(2013/30分/[ブルーレイ上映])2012年度卒業制作
監督・脚本:津田翔志朗 撮影:岡山佳弘 録音:藤澤蘭 制作:森明沙織 美術:谷本佳菜子
出演:濱頭優、津田翔志朗、松田尚子、山本雅也、高杉征司

kyoukai「境界にて」
(2014/3分/[ブルーレイ上映])
監督・脚本:津田翔志朗 撮影:吉田正幸 演出:今村英士 音楽:勝本道哲 音響:坂尾千春
出演:津田翔志朗、津田あすみ、今村英士

トーク
ゲスト:石井岳龍(映画監督)、津田翔志朗(映画監督/神戸芸術工科大学大学院)
司会:吉野大地(ラジオ関西「シネマキネマ」ディレクター)

 

© 2013 円谷プロ・WOWOW

© 2013 円谷プロ・WOWOW

17:30〜
第三部 上映
「ネオ・ウルトラQ」第4話『パンドラの穴』
(2013/30分/[ブルーレイ上映])
製作:円谷プロダクション、WOWOW
監督:石井岳龍 脚本:いながききよたか
出演:田辺誠一、高梨臨、尾上寛之、咲世子、日向丈、村上淳
1966年に円谷プロダクションが制作した伝説のドラマ「ウルトラQ」の新生シリーズ。全12話中、石井岳龍監督は今回上映する第4話のほかに第1話『クォ・ヴァディス』と第8話『思い出は惑星(ほし)を越えて』を監督している。

 

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:神戸芸術工科大学、ファントム・フィルム、円谷プロダクション
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


[終了]神戸と映画 第3回
神戸人に聞く

2013年12月15日(日)
「神戸と映画」をテーマにした定期イベントの第3回。
東北での震災体験の聞き取りから、「聞くこと」を映画制作の柱ととらえ、現在は神戸を拠点に新作を準備中の濱口竜介監督。
彼の「聞くこと」という手法が、神戸の人や場所の新たな相貌に気づかせてくれるかもしれません。
 
13:30〜
第一部 上映
「なみのこえ 気仙沼」
(2013/103分/HD[ブルーレイ上映])
製作:サイレントヴォイス
プロデューサー:芹沢高志、相澤久美
監督:濱口竜介、酒井耕
実景撮影:佐々木靖之 整音:鈴木昭彦
2012年1月から2013年3月に行われた宮城県気仙沼市に暮らす7組11名への対話形式インタビューの記録。
人口が減り続け復興の未来の見えない気仙沼だが、未来への希望を人々は微かに見ようとしている。濱口と酒井は『なみのおと』の方法論を受け継ぎながらもそこに着目し、震災に直接関わる内容を超えて、被災者の過去をも掘り起こそうとする。喋るのが苦手な人にあえてカメラの前で語らせることで、確かに見えてくるものがある。
 
15:40〜
第二部 講座:映画にとって“聞くこと”とは
講師:濱口竜介(映画監督)
上映:濱口竜介監督による神戸人インタビュー1
 

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


[終了]神戸と映画 第2回
9ミリ半のフィルム── 〈ホームムービーの日 in 神戸〉プレ企画
2013年10月5日(土)

今秋10月に開催される第5回神戸ドキュメンタリー映画祭。その一部門として、今年も〈ホームムービーの日 in 神戸〉が行われます。
今回はそのプレイベントとして、9ミリ半という規格のフィルムをご紹介します。

13:30〜(終了予定14:15)
第一部 体験講座
■ 9ミリ半のフィルム、映写機の紹介
安井喜雄(神戸映画資料館館長)
松谷容作(神戸大学人文学研究科研究員)
神戸映画資料館収蔵のフィルムや映写機を使って、映写の仕方などを実際に見て楽しんでください。さて、どんな映像が写っているでしょうか。宝探しの気分でご参加ください。

14:30〜(終了予定15:15)
第二部 レクチャー
「9ミリ半映像システムと1920年代
〜30年代の日本」

講師:松谷容作(神戸大学人文学研究科研究員)

1922年(大正11年)にフランスのパテ社は、9.5mmフィルムを用いた家庭向けあるいは個人向け小型映像撮影機と投影機を販売しました。パテ・ベビーとして知られるその映像システムは、瞬く間に世界中に流通することになります。我が国では、1923年(大正12年)に販売が始まり、(関東大震災の一時的な停滞があったが)様々な地域に行き渡り、フィルムの確保が困難になった1940年代初頭まで販売が続けられました。
日本の各地域に行き着いた9ミリ半(9.5mm)映像システムは、商業映画のように何らかの物語を多数の観客に向けて提示するものではありません。個人が自由に対象を選び撮影し、撮影された映像は非常に限定的な集団(家族、地域の人びと、映画サークルなど)に向けて提示されます。ほぼ日本全土で膨大な量が制作されたこの種の映像は、一見すると私的で、断片的で、まとまりがなく、取るに足らないものと思えるかもしれません。けれども、具にそれらの映像を観察すると、映像が1920年代から30年代にかけての様々な地域、地域の人びと、人びとの関係性、さらには精神性を露わにすることが分かります。
レクチャーでは、現在神戸映画資料館に所蔵されている9ミリ半映像を観ながら、9ミリ半映像システムそのものと、そのシステムが現代の私たちに伝える1920年代から30年代の日本の社会、地域、精神を明らかにし、そのシステムの魅力をお話していきたいと思います。

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:神戸大学大学院国際文化学研究科メディア文化研究センター


[終了] 神戸と映画 第1回
神戸・新映画宣言
2013年6月8日(土)


『春のしくみ』©Atsushi Wada

神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会の主催で「神戸と映画」をテーマにした定期イベントを開催。
第1回目の今回は、「神戸・新映画宣言」と題し、過去─現在─未来を横断します。

第一部 現在から過去へ

13:30 参考上映
『観光の神戸』(1936年頃/13分/16mm)
神戸市広報課提供
製作:神戸電気局、神戸観光局
戦前に作られた神戸の観光PR映画。湊川神社や神戸港、まやケーブル、生田神社などが次々に紹介される。元町通りを行き交う当時の人々の姿や、元居留地の風景も興味深い。
『地理教材・港としての神戸』(1932年頃/16分/16mm)
神戸映画資料館収蔵
製作:京都市小学校映画教育研究会
小学校向けの教材映画で、神戸の港を紹介。今話題の神戸生絲検査所内部の様子も写る。

14:00 お話
「映画史研究から見えてくる神戸」
講師:板倉史明(神戸大学准教授)
国際港湾都市として多文化的な特色を有する神戸と、20世紀最大のトランスナショナルな映像芸術メディアとしての映画は、常に濃密な関係を取り結んできた。神戸は、エジソンの覗き見式映画であるキネトスコープが日本ではじめて公開された都市であり、また新開地というかつて日本有数の興行街だったエリアが存在する都市でもあり、さらには映画批評家・淀川長治を生み出した都市としても知られるが、神戸と映画の関係はそれだけにとどまるものではない。実際、これまでに『神戸新開地物語』(のじぎく文庫、1973年)や、『神戸とシネマの一世紀』(神戸新聞総合出版センター、1998年)をはじめ、神戸映画史に関するいくつかの重要な先行研究が生まれているが、まだまだ開拓すべき事柄は多いのではないだろうか。今回はその出発点として、 いくつかのトピックや映画作品を取り上げることによって、豊かな神戸映画史の一断面を浮かび上がらせるきっかけとしたい。

15:00 お茶会
「神戸の映画館を語る」
場所:シネマカフェチェリー
(お茶とお菓子付き)
神戸っ子である神戸映画資料館の安井喜雄館長とともに、映画館をめぐる思い出話に花を咲かせましょう。

第二部 現在から未来へ                1968年 神戸朝日会館(現・神戸朝日ビル)
16:00 座談会
「神戸発、映画」
ゲスト:石井岳龍(映画監督)、濱口竜介(映画監督)、和田淳(アニメーション作家)、田中まこ(神戸フィルムオフィス)、吉野大地(ラジオ関西「シネマキネマ」)、森本アリ(旧グッゲンハイム邸管理人)
『生きてるものはいないのか』 (2012年)に続く新作『シャニダールの花』の公開を間近に控えた石井岳龍(聰亙)監督のご参加が急遽決まりました!
2013年春、新しい映画活動に向けて神戸に拠点を移された期待の大型新人・濱口竜介監督は、6月末から神戸・大阪・京都の三都市で開催される特集上映会が準備中です。
そして、東京藝術大学大学院終了後、文化庁新進芸術家海外研修制度によるロンドン滞在を経て、故郷・神戸に戻られた和田淳さん。『グレートラビット』でベルリン国際映画祭短編部門・銀熊賞を受賞されるなどアニメーション作家として国際的に活躍されています。
この神戸を拠点に制作活動をされている三人の映画作家を中心に、神戸で作品を作ることについて語り合います。

参考上映
『春のしくみ』(2010/4分/和田淳)
誰でも一年に一度はおそわれるという春のうずうず感。気にはなっていたけれど、どこかで見ないふりをしていた春のうずうず感。このうずうず感のメカニズムの解明に果敢に挑戦する。
アナーバー映画祭 Funniest Film受賞、Anifest国際アニメーション映画祭 最優秀作品賞(5分以下の短編部門)
(終了予定 17:30)

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:神戸市広報課、神戸芸術工科大学、神戸大学大学院国際文化学研究科メディア文化研究センター
助成:はぁ〜とふるふぁんど


※内容は予告無く変更する場合があります。