プログラムPROGRAM

筒井武文監督特集 part1
2014年10月4日(土)・5日(日)
自主製作でサイレント映画や3D映画に挑戦し、『オーバードライヴ』(2004)や『孤独な惑星』(2010)などの劇場用映画やドキュメンタリーも手がけ、映画史を体現するかのような筒井武文監督の多彩なフィルモグラフィを辿る。

トーク「筒井武文監督のサイレント映画講座」
10月4日(土)17:30(終了予定19:30) 参加費:1000円
聞き手:いいをじゅんこ(クラシック喜劇映画研究家)

readymade01「レディメイド」
(1982/60分/16mm)
監督:筒井武文 脚本・撮影:高瀬伸一録音:平方宏明 助監督:城戸俊治 製作:西村朗
出演:小野寺里美、西野公平、犬童一心、鈴野志紋、鈴野麻衣、筒井紀美子

readymade02筒井監督が東京造形大学在学中に手がけた記念すべき長篇第一作で、16mmフィルムのシネマスコープ作品。親戚の子どもとともに遊園地に来た若いカップル。はぐれた子どもたちの行き当たりばったりな迷走が、関係のない別のカップルたちをも巻き込み、遊園地を迷路に変える。

 

yumeko04「ゆめこの大冒険」
([オリジナル:1986]/活弁版:1987/染色サウンド版:2011/70分/16mm)
監督・脚本:筒井武文 撮影:宮武嘉昭、熊谷朋之
音楽:蓮舎通治 助監督:諏訪敦彦 製作:西村朗
出演:かとうゆめこ、すずきやすし、宮原清、にわ望、高橋孝英、沖山美紀、チーコ

1986年製のサイレント映画の傑作。画面に充溢する映画愛と作品の完成度に脱帽すること必至。1987年劇場公開時のパンフレットにある前口上を解説に代えて。
“この映画は無声映画です。生まれたまんまの映画が持っていた「みずみずしさ」と「ロマン」とドキドキするような「楽しさ」を詰め込んで、キネマトグラフィ『ゆめこの大冒険』ができあがりました。ひとりによる「二役」、くるくる変わる「変装」、荒唐無稽な「夢物語」。宝石をめぐって、宝石泥棒とピクニックの一行、謎の男が巻き起こすソフィスティケイション・スラップスティック。なつかしくて新しい世界に、さあ、どうぞ。”

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作品に寄せられたコメント

戦争が起きて、アーカイヴ所蔵のフィルムが四散したとする。そんな混沌の中で『ゆめこの大冒険』のフィルムが瓦礫の中から発見されたとしたら、誰もがためらいなく映画黎明期のサイレント傑作群の棚に『ゆめこ』を入れ直すだろう。しかし、それは『ゆめこ』が再現とか、懐古のレベルにあることを一切意味しない。筒井武文がキャリア最初期の『ゆめこの大冒険』に封じ込めたのは、映画の原初的な喜びなのだ。必見!!!!
──濱口竜介(映画監督)

想像以上に楽しい気持ちにさせられました。スクリーンから湧き出る作り手の遊びごころに、映画の持つ豊かさに何かハッとさせられました。
──北川喜雄(映画撮影)

この映画の根底に感じるもの。それは紛れもなく「映画への愛情」で、それはひたすら美しい。
僕は、こんな愛を疑う世界の中で、筒井さんのように映画を愛せたなら、と心底嫉妬しました。
──野原位(映画監督)

 
筒井武文監督ロング・インタビュー(取材・文/ラジオ関西『シネマキネマ』吉野大地)

筒井武文
東京造形大学在学中より映画を撮り始める。フリーの助監督、フィルム編集者を経て、自主制作映画『ゆめこの大冒険』(1986)を完成させ劇場公開。映画制作と並行して、東京藝術大学大学院映像研究科、映画美学校などで後進の育成につとめるほか、映画批評を執筆。現在、「キネマ旬報」のレビューコーナーを担当している。最新監督作は、映画美学校第10期高等科生とのコラボレーション作品『孤独な惑星』(2011)。

 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生800円
会員1000円 学生会員600円
《割引》
当日に限り2本目、あるいはトーク参加は200円割引

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※内容は予告無く変更する場合があります。

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