プログラムPROGRAM

特集上映
濱口竜介 物語る人びとの記録 
2021年9月18日(土)〜20日(月・祝)、24日(金)〜26日(日)

©ENBUゼミナール

 

新作『ドライブ・マイ・カー』がカンヌ国際映画祭の脚本賞を、公開が待たれる『偶然と想像』がベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞するなど、世界的な映画監督となった濱口竜介監督。

そこに至る転換期の重要作品、『親密さ(short version)』と「東北記録映画三部作」を上映します。

 

 

濱口竜介監督からのメッセージ
この度、神戸映画資料館で上映される「東北記録映画三部作」(共同監督:酒井耕『なみのおと』『なみのこえ 新地町』『なみのこえ 気仙沼』『うたうひと』)と『親密さ(short version)』の共通点は、それが「記録映画」であるということです。それ自体「記録映画」と銘打たれている三部作は兎も角として、見た誰もがフィクションとしての物語構造を把握できる『親密さ(short version)』までそう呼ぶのは違和感を持たれる方もいるかもしれませんが、ここに記録されている演劇「親密さ」の舞台演出はロングバージョンとも言うべき255分版の主演でもある平野鈴と佐藤亮(現在は佐藤秋)で、公演は実際に観客を入れて2011年3月2日に行われました。私は彼女らに脚本を渡したうえで、一体どこから、どのようにこの演劇を記録するかに腐心しました。映画『親密さ(short version)』はその公演と前日のリハーサルを組み合わせる形で構成されています。私は当時、自分のやっていることを完全にはわかっておらず、これをフィクションの映画作りの一環と考えていました。ただ、その9日後に地震・津波・原発事故が起き、その約2ヶ月後に、「東日本大震災後」を記録するために東北に赴くにあたって奇妙に「準備ができている」ような感覚を持ったのは、『親密さ』の撮影経験を経ていたからだと思います。
観客の皆さんもおそらく、これらを見ていると「何を見ているんだかわからなくなる」のではないかと思います。現実と虚構のあわいというものを見出すはずです。ただ「虚か実か」という問いとともにこれらを見ることは、これらの映画を取り逃すことです。ここに確かに記録され、映っているのは「物語る」人びとです。その表情や身体の動きを隈なく見たり、その発声に耳を澄ましてその源に思いを馳せる機会と考えれば、これらに勝る体験はそう多くはないだろうとも思います。それは何より、自分たちが撮影現場で驚き、そこに居られることの喜びを感じていた当のものです。それらを受け取っていただけたら、幸いです。

 

©ENBUゼミナール


「親密さ(short version)」

(2011年/136分/HD[Blu-ray上映])
製作:ENBUゼミナール
監督・脚本:濱口竜介 撮影監督:北川喜雄
編集:鈴木宏 舞台撮影:飯岡幸子、加藤直輝、長谷部大輔 劇中歌:岡本英之
出演:佐藤亮、伊藤綾子、手塚加奈子、新井徹、菅井義久、香取あき

『親密さ』完全版(2012年|255分)に先立ち完成・上映された作品。映画内の舞台劇、それも映画『親密さ』内の演出家役・平野鈴に演出を託した舞台劇が、完全な映画として成立している。

 

 

「東北記録映画三部作」
濱口竜介が酒井耕と2年の歳月をかけてつくりあげた東日本大震災についてのドキュメンタリー。
しかしここに、被災の風景はほどんど現れない。あるのはただ、語ること、そして聞くことだ。

naminooto01「なみのおと」
(2011/142分/HD[Blu-ray上映])
製作:東京藝術大学大学院映像研究科
プロデューサー:藤幡正樹、堀越謙三
監督:濱口竜介、酒井耕
撮影:北川喜雄 整音:黄永昌

2011年7〜8月に撮影された岩手県から福島県沿岸部の、津波被災者6組11人への対話形式インタビューの記録。

 

kesennuma01「なみのこえ 気仙沼」
(2013/109分/HD[Blu-ray上映])
製作:サイレントヴォイス
プロデューサー:芹沢高志、相澤久美
監督:濱口竜介、酒井耕
実景撮影:佐々木靖之 整音:鈴木昭彦

2012年1月から2013年3月に行われた宮城県気仙沼市に暮らす7組11名への対話形式インタビューの記録。

 

shinchimachi01「なみのこえ 新地町」
(2013/103分/HD[Blu-ray上映])
製作:サイレントヴォイス
プロデューサー:芹沢高志、相澤久美
監督:濱口竜介、酒井耕
実景撮影:北川喜雄 整音:鈴木昭彦

2012年1月から2013年3月に行われた福島県新地町に暮らす6組10名への対話形式インタビューの記録。

 

utauhito01「うたうひと」
(2013/120分/HD[Blu-ray上映])
製作:サイレントヴォイス
プロデューサー:芹沢高志、相澤久美
監督:濱口竜介、酒井耕
撮影:飯岡幸子、北川喜雄、佐々木靖之
整音:黄永昌

宮城県に暮らす語り手による東北地方伝承の民話語り。これは同時に彼らを訪ね続けた聞き手の記録でもある。

 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1500円 ユース1000円 会員1200円
《割引》当日2本目は200円引き
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業


第60回 くにづか月イチ上映会 映像で見る昭和の生活文化
2021年10月2日(土) 13:30〜  

神戸映画資料館が所蔵するフィルムの中から、昭和の暮らしを写し出す映像を、毎回3〜4本(計約60分)上映していきます。

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。