プログラムPROGRAM

連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第3回 1930年代のジャン・ルノワール

2017年9月24日(日)
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)

このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。

13:30〜 参考上映
「素晴らしき放浪者」Boudu Sauvé des Eaux
(フランス/1932/84分/16mm)
監督・脚本:ジャン・ルノワール
原作:ルネ・フォーショワ
撮影:マルセル・リュシアン
出演:ミシェル・シモン、シャルル・グランヴァル、マルセル・エニア、セブリーヌ・レルシンスカ、ジャック・ベッケル

15:15〜(終了予定16:45) 講座
1930年代のジャン・ルノワール
ジャン・ルノワールが世界最高の監督の一人であるという評価は、日本においても今や多くの人に共有されるようになったといえる。しかし彼の30年代の作品は、いまだに未公開の『人生は我らのもの』を始めとして、ちゃんと見られているという状態からはまだまだ程遠いし、この時代の彼の政治的活動のこともあまり知られていない。今回の講座では、リヴェットが「完全に政治的な映画」と呼ぶトーキー初期のアナーキーな傑作『素晴らしき放浪者』を様々な角度から分析しつつ、30年代のルノワールの活動全般についても考察する予定である。

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)などの訳書がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

《参加費》 1500円(参考上映付き)

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。