プログラムPROGRAM

サイレント映画

21世紀のサイレント映画
第3回『大列車追跡』 with 天宮遥

2020年9月26日(土)13:30〜

同日開催の「第15講コメディ学入門」とあわせてお楽しみください。


生演奏とともにサイレント映画を楽しむシリーズ「21世紀のサイレント映画」。

映画の歴史の最初の30年間は、音が付いていない「サイレント(無声)映画」の時代でした。映画のための音声装置が開発される以前の映画ということになりますが、それは音のある映画(トーキー)より劣っているということではありません。むしろ、無声だからこそ極められた映画の魅力がつまっています。

サイレント映画は、当時から生演奏や活動弁士の語りといったライブパフォーマンスとともに上映されていましたが、近年、この上映スタイルが再び見直されています。
演奏や語りにより表情を変えるサイレント映画。
このシリーズでは毎回パフォーマーを迎えて、サイレント映画の新たな魅力を発見していきます。

 

「大列車追跡」 The General
(アメリカ/1926/80分[22コマ]/16mm)
監督:バスター・キートン、クライド・ブルックマン
脚本:アル・ボースバーグ、チャールズ・スミス
撮影:デヴ・ジェニングス
出演:バスター・キートン、マリオン・マック、グレン・キャベンダー、ジム・ファーレイ

南北戦争当時に実際に起きた北軍列車強奪事件をもとにバスター・キートンが撮りあげた超大作無声アクション喜劇。原作のノンフィクション本『The Great Locomotive Chase』は1862年出版で北軍の視点から書かれていたが、キートンとそのスタッフたちは機関車を奪われた南軍の機関士の視点から史実を脚色し、本物の蒸気機関車2台が追いつ追われつチェイスを繰り広げるエキサイティングな戦争喜劇に仕上げた。キートンのトレードマークである派手なスタントアクションは抑え気味で機関車そのものに「主役」の座を譲っているのもいかにもキートンらしい。キートンの世界では機関車もエキストラも大自然の光景までもがギャグとなり映画の中で光り輝く。ヒロインもただの囚われの乙女ではなくキートンの相棒として共に奮闘する。かつてオーソン・ウェルズは『大列車追跡』のビジュアルについて「南北戦争を最も正確に再現した映画」と賛辞を送った。何度観ても、いや観れば観るほどその面白さに圧倒されるキートン渾身の傑作喜劇。
(作品解説:いいをじゅんこ)

天宮 遥(ピアノ)
神戸生まれのシンガーソングライター、ピアニスト、作曲家。2016年よりサイレント映画ピアニストとしても活躍中。

《料金》 一般1700円 ユース(25歳以下)1200円 会員1500円
《割引》[第15講コメディ学入門]参加者は200円引き
予約受付
各回入場制限(座席数の2分の1の19席)を行いますので、メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039


クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第15講コメディ学入門 「大解剖『大列車追跡』」
2020年9月26日(土)15:05〜(終了予定16:50)

これまでは一人のコメディアンをテーマに取り上げることの多かったコメディ学だが、神戸映画資料館の『大列車追跡』上映にあわせて今回はさまざまな角度からこの作品の徹底解剖を試みてみる。

無声映画史上最もお金のかかったワンショットがある、公開当時は興行的に失敗しキートン転落の遠因になった…などなどすでにいわくつきの映画であるが、他にも未公開シーンの謎や日本での初公開時期の謎など興味を惹くテーマが盛りだくさんの映画である。本物の機関車を使い、大勢のスタッフとエキストラが参加したオールロケの撮影は艱難辛苦が付きまとい、それをすべて乗り越えて完成した作品はまさにキートンの血と肉と魂の結晶だった。映画の面白さは無論のこと、その製作や公開の過程も同様に興味深い作品なのだ。今回のコメディ学はこれまでの調査の一次報告的な意味合いも含めて『大列車追跡』をあらゆる角度から大解剖しこの映画の多彩な魅力に迫りたい。

また、本作ロケ地であるオレゴン州コテージグローブの町を訪問した際の様子も報告する。この町は今もキートンを家族のように愛し、毎年キートンの誕生日には『大列車追跡』の上映会が開かれている。ロケ地の現在の様子や、地道な調査を続けている地元郷土史家の皆さんのお話などをご紹介したい。

いいをじゅんこ
クラシック喜劇研究家、ライター。バスター・キートンと運命の出会いをして以来、サイレント喜劇の世界に魅了される。無声~トーキー初期のいわゆる「喜劇の黄金時代」に作られたアメリカを中心としたクラシック喜劇を研究。映画史の鉱脈に埋もれた優れたコメディを紹介する講座《コメディ学入門》を企画し、2012年より神戸映画資料館にて不定期開催している。2016年1月には喜劇映画研究会・神戸映画資料館と共同で古典喜劇映画上映委員会を立ち上げ、《新春コメディ宝箱》を開催。その後《神戸クラシックコメディ映画祭》へと発展し現在に至る。ライターとして映画評、書評などをさまざまな媒体に執筆している。
「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」

《参加費》 一般1000円 ユース(25歳以下)500円 会員800円
予約受付
各回入場制限(座席数の2分の1の19席)を行いますので、メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039


ウィリアム・A・ウェルマン特集
2020年8月8日(土)〜10日(月・祝)、14日(金)・15日(土)

■ トーク 8月8日(土)15:05(45分) 参加無料(要当日鑑賞チケット半券)
 講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
■ 生演奏付き上映 8月9日(日)13:00 「つばさ」伴奏:鳥飼りょう 特別料金(下記参照)

 
サイレント時代から活躍したアメリカ映画の巨匠ウィリアム・A・ウェルマン(1896-1975年)の小特集。第1回アカデミー作品賞を受賞した『つばさ』や、ギャング映画『民衆の敵』のほか、あまり知られていない傑作も紹介する。
 
「つばさ」Wings 伴奏:鳥飼 りょう
(1927/144分/サイレント/16mm)
製作:ルシアン・ハバード
出演:クララ・ボウ、チャールズ・“バディ”・ロジャース、リチャード・アーレン

第一次大戦の2人の戦闘機乗りの恋の鞘当てと友情を描いた戦争映画の古典で、航空機による空中戦を初めて描いた作品として名高い。大空をバックに風に舞うスカーフが活劇として画面を躍動させる。ロマンティックな騎士道精神に溢れた空中戦の一方で、生々しく描かれる地上の戦争描写にも注目。〈イット〉ガール、クララ・ボウはもちろんだが、一瞬だけ登場してあっけなく死んでゆくまだ無名時代のゲイリー・クーパーが印象深い。

 

「人生の乞食」Beggars of Life
(1928/82分/サイレント/ブルーレイ上映)
製作:ジェシー・L・ラスキー、アドルフ・ズーカー
出演:ルイーズ・ブルックス、リチャード・アーレン、ウォーレス・ビアリー

言い寄ってきた義父を殺してしまった娘が、たまたまそこに居合わせた放浪者と逃避行するロードムーヴィ―。ハリウッドでは脇役ばかりだったルイーズ・ブルックスが、『パンドラの箱』以前に本格的な女優としての演技を見せた唯一の作品である。ほぼ全編、男装で登場するブルックスがもちろん最大の魅力だが、スタントではなく彼女自身に走る列車から飛び降りさせるなど、ウェルマンの大胆な演出が光る、一級の列車映画でもある。

 

「民衆の敵」The Public Enemy
(1931/80分/16mm)
製作:ダリル・F・ザナック
出演:ジェームズ・キャグニー、エドワーズ・ウッズ、ジーン・ハーロウ

『犯罪王リコ』 や『暗黒街の顔役』などと同時期に撮られた、ギャング映画史上最も重要な作品の一つ。第一次世界大戦や禁酒法時代を背景に、シカゴのスラム街に育った不良少年が、犯罪に手を染め、やがてはギャングへとなってゆく様をリアリスティックに描く。暴力的なキャグニーの演技は、『ゴッドファーザー』へといたるその後のギャング映画の原型をなす。強烈であっけない幕切れは、見るものの脳裏に焼き付いて離れないはず。

 

「無責任時代」Nothing Sacred
(1937/74分/ブルーレイ上映)
製作:デヴィッド・O・セルズニック
脚本:ベン・ヘクト
出演:キャロル・ロンバード、フレデリック・マーチ

不治の病で余命を宣告された女が、人々の同情を集めてたちまち時の人となるが、実は彼女は健康そのものだった……。30年代を代表するスクリューボール・コメディの傑作であり、このジャンル初の、そしてキャロル・ロンバート唯一のカラー作品。コミカルな展開の一方で、ジャーナリズムの世界を手厳しく風刺し、テクニカラーが同時代をリアルに描くこともできることを世に示した。様々な意味で『スタア誕生』の姉妹編のような作品。

 

「牛泥棒」The Ox-Bow Incident
(1942/75分/16mm)
製作・脚本:ラマー・トロッティ
撮影:アーサー・ミラー
出演:ヘンリー・フォンダ、ダナ・アンドリュース、アンソニー・クイン

カウボーイたちによるリンチ事件を真っ正面から描いて、西部劇を根底で支えている法と正義の正当性を問いただす傑作ウエスタン。バザンが西部劇の古典的完成形と評した『駅馬車』のわずか数年後に撮られたこの名高い作品は、すでにしてバザンの言う〈超西部劇〉を予告している。公開当時その新しさはあまり理解されなかったが、今や西部劇の不滅の傑作としてイーストウッドを始め多くの人から高く評価されている必見作。

 

「廃墟の群盗」Yellow Sky
(1948/98分/16mm)
製作・脚本:ラマー・トロッティ
撮影:ジョー・マクドナルド
出演:グレゴリー・ペック、アン・バクスター、リチャード・ウィドマーク

強盗一味が追跡を逃れてたどりついた廃墟の街には、老人と孫娘だけが住んでいた。どうやら金鉱をみつけたらしい二人を巡ってやがて強盗一味の仲間割れが始まる。ユニークな西部劇ばかりを作ったウェルマンの傑作の一つで、ギャング映画のジャンルとも交差するノワールな作品。ウィドマークのサディスティックな演技がドラマを引き締める。緊迫した状況の中にもどこか緩やかな時間が流れるところがいかにもウェルマンらしい。

 

解説:井上正昭
協力:(株)ダッサイ・フィルムズ、プラネット・プラス・ワン
 

《料金》 入れ替え制1本あたり
一般1200円 ユース(25歳以下)700円 会員1000円
『つばさ』演奏付き上映 一般1700円 ユース(25歳以下)1200円 会員1500円
《割引》当日2本目は200円引き
予約受付
各回入場制限(座席数の2分の1の19席)を行いますので、メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039


21世紀のサイレント映画
第2回 パプスト監督『喜びなき街』『パンドラの箱』

2020年2月29日(土)

生演奏とともにサイレント映画を楽しむ新シリーズ「21世紀のサイレント映画」。

映画の歴史の最初の30年間は、音が付いていない「サイレント(無声)映画」の時代でした。映画のための音声装置が開発される以前の映画ということになりますが、それは音のある映画(トーキー)より劣っているということではありません。むしろ、無声だからこそ極められた映画の魅力がつまっています。

サイレント映画は、当時から生演奏や活動弁士の語りといったライブパフォーマンスとともに上映されていましたが、近年、この上映スタイルが再び見直されています。
演奏や語りにより表情を変えるサイレント映画。
このシリーズでは毎回パフォーマーを迎えて、サイレント映画の新たな魅力を発見していきます。

今回は、昨年12月に好評だった『パンドラの箱』のアンコール上映、そして併催の「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見 第8回 パプストとブルックス──『パンドラの箱』を読み解く」で解説のあったパプスト『喜びなき街』を演奏付きで上映します。


「喜びなき街」
Die freudlose Gasse
(ドイツ/1925/97分[20コマ]/16mm)
監督:ゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト
原作:フーゴー・ベッタウアー
脚本:ヴィリー・ハース
撮影:グイト・ゼーバー、クルト・エルテル
出演:アスタ・ニールセン、グレタ・ガルボ、ヴェルナー・クラウス

第一次世界大戦後の超インフレ時代のウィーンを舞台に、貧困に苦しむ庶民の生活をあざといほど生々しく描いたパプスト初期の代表作。これを見れば、パプストのいわゆる新即物主義が表現主義に裏打ちされたものであったことがわかる。彼は女優の存在を際だたせることに優れた監督でもあった。ガルボはもちろんだが、伝説の女優アスタ・ニールセンにも注目してほしい。実は、無名時代のディートリッヒも出ているという話があるのだが、真相は不明である。

伴奏:天宮 遥
 

「パンドラの箱」
Die Büchse der Pandora
(ドイツ[英語版]/1929/124分[18コマ]/16mm)
監督:ゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト
原作:フランク・ヴェデキント
脚本:ラディスラウス・ヴァイダ
撮影:ギュンター・クランプ
出演:ルイーズ・ブルックス、フリッツ・コルトナー、フランツ・レデラー、グスタフ・ディーズル

F・ヴェデキントの戯曲をサイレント映画へと昇華させたパプストの傑作。女優ルイーズ・ブルックスを銀幕のアイコンとして不滅のものにしたまさに神話的作品である。ルルとは何者なのか。彼女は〈宿命の女〉なのか、それともワイマールのフラッパー娘なのか。男たちを破滅させる悪女なのか、それとも彼らによる犠牲者なのか。この問いを前に、ルル=ブルックスはただ謎のようにそこに存在し、われわれをいつまでも曖昧に魅了し続けるばかりだ。

伴奏:鳥飼 りょう
 
 
作品解説:井上正昭
協力:プラネット・プラス・ワン

《料金》 入れ替え制1本あたり
一般1400円 ユース(25歳以下)1000円 会員1200円


神戸クラシックコメディ映画祭2020
2020年1月11日(土)〜13(月・祝)

11日・13日 会場:神戸映画資料館(新長田)
12日 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)

 

お待ちかね 年の初めは
神戸クラコメの笑い初め
フェアバンクスのチャンバラにワクワク
いつも仲良しローレル&ハーディ
キートン チェイスに 千恵蔵さんも
笑いのタイムマシンに乗って
いざ 喜劇の時間旅行へ!

──いいをじゅんこ
(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

 

 

 

Aプログラムプラネットの宝石たち 神戸映画資料館所蔵コメディ集
『ボビーの離婚騒動』Reno or Bust
(1924/17分/サイレント)クリスティ・フィルム・カンパニー
監督:アーチー・メイヨ
出演:ボビー・ヴァーノン、デュアン・トンプソン

『戦争ゴッコ』Dogs of War!(欠落あり)
(1923/15分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ロバート・マクガワン
出演:ちびっこギャング

『モンティの運は天にあり』Flying Luck(短縮版)
(1927/15分/サイレント)モンティ・バンクス・エンタープライズ
監督:ハーマン・C・レイメイカー
出演:モンティ・バンクス、ジーン・アーサー

『國士無双』Kokushi Musou(不完全)
(1932/21分/サイレント)日活
監督:伊丹万作
出演:片岡千恵蔵、山田五十鈴、高勢実乗

神戸映画資料館所蔵フィルムの中からとりわけ珍しいコメディ作品を厳選したプログラム。言わずと知れた千恵プロ明朗時代劇の傑作『國士無双』は新春らしく和楽と弁士付きの貴重な上映。断片のみ現存する作品だが何度観ても面白い!

伴奏
戎屋海老(弁士)+清優の会(琴・三味線)
天宮遥(電子ピアノ)


Bプログラム100歳映画
『奇傑ゾロ』The Mark of Zorro
(1920/90分/サイレント)ダグラス・フェアバンクス・ピクチャーズ
監督:フレッド・ニブロ
出演:ダグラス・フェアバンクス、ノア・ビアリー

恒例プログラム「100歳映画」はついに20年代に突入。ダグラス・フェアバンクスが軽喜劇から剣戟映画へ路線変更したのがちょうど百年前。弱きを助け強きをくじく覆面ヒーローの元祖だ。アクションとロマンスたっぷりの痛快娯楽活劇!

伴奏
天宮遥(電子ピアノ)


Cプログラム迎春 ニッポンの喜劇

©日活

『続清水港』Zoku Shimizu Minato
(1940/90分/トーキー)日活
監督:マキノ正博
出演:片岡千恵蔵、広沢虎造、轟夕起子
(株)日活提供

清水次郎長ものをパロディ化した元祖タイムスリップ時代劇。夢と現実ならぬ時代劇と現代劇の狭間で森の石松となった千恵蔵の悪戦苦闘ぶりに彼の喜劇的センスが光る。浪曲師・広沢虎造との「石松三十石船道中」の軽妙な掛け合いは必見!子役として長門裕之が出演している。画面上のタイトルは再公開時の題『清水港 代参夢道中』。

Dプログラムショートコメディのマエストロ
『ビリーの舞台裏』The Lion’s Whiskers(短縮版)
(1925/12分/サイレント)マック・セネット・コメディーズ
監督:デル・ロード
出演:ビリー・ビーバン、マデリン・ハーロック、サンシャイン・ハート

『キルトとズボン』Putting Pants on Phillip
(1927/27分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:クライド・ブルックマン
出演:スタン・ローレル、オリヴァー・ハーディ

『映画の夜』Movie Night
(1929/22分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ルイス・R・フォスター
出演:チャーリー・チェイス、タイニー・サンフォード

『八百屋の恋』労工之愛情
(1922/23分 29分/サイレント/DVD)明星影片公司
監督:張石川
出演:鄭鹧鸪、余瑛、鄭正秋
現代中国映画上映会提供

喜劇の真髄は短編にあり。おなじみチャーリー・チェイス最後の無声作品やローレル&ハーディの初期傑作などに加え、現存する最古の中国映画『八百屋の恋』を関西初上映!中国無声映画についてのアフタートークも行う。

伴奏
鳥飼りょう(電子ピアノ)

トーク
菅原慶乃(関西大学教授) 聞き手:いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家)

菅原慶乃
関西大学文学部教授。専門は中国語圏の映画史。1998年〜2001年まで北京電影学院に留学。著書に『映画館のなかの近代:映画観客の上海史』(晃洋書房、2019年)、『越境の映画史』(堀潤之との共編、関西大学出版部、2014年)など。


Eプログラム激レア!キートン
『拳闘屋キートン』Battling Butler
(1926/77分/サイレント/Blu-ray)バスター・キートン・プロダクションズ
監督:バスター・キートン
出演:バスター・キートン、スニッツ・エドワーズ
(株)ダッサイ・フィルムズ提供

キートン演じる草食系の御曹司がひょんなことからボクシングに挑戦。忠実な執事に助けられ、ヒロインとの結婚目指して奮闘する。高級ファッションに身を包むキートンのおぼっちゃまぶりも見逃せない。レアなキートン喜劇を堪能しよう!

12日 説明:大森くみこ(活動弁士) 伴奏:鳥飼りょう(グランドピアノ)
13日 録音伴奏付き上映

Fプログラムよみがえる喜劇人 アリス・ハウエルの世界
『海神のやんちゃ娘』Neptune’s Naughty Daughter
(1917/24分/サイレント/Blu-ray)センチュリー・フィルム・カンパニー
監督:J・G・ブリストーン
出演:アリス・ハウエル、ファッティ・ボス

『アリスのスター誕生』How Stars are Made
(1916/12分/サイレント/Blu-ray)L-KOカンパニー
監督:J・G・ブリストーン
出演:アリス・ハウエル、レイモンド・グリフィス

『アリスの恋は儚し』Distilled Love
(1920/25分/サイレント/Blu-ray)リールクラフト・ピクチャーズ
監督:ヴィン・ムーア
出演:アリス・ハウエル、ディック・スミス、オリヴァー・ハーディ

以上、アンダー・クランク・プロダクション提供
協力:デンマーク映画協会、米国議会図書館

忘れられた喜劇人の復権もクラコメのテーマの一つ。今回紹介するアリス・ハウエルは無声時代に「女チャップリン」と称賛された名コメディエンヌだ。女性の視点と包容力をスラップスティックに織り込んだアリスの喜劇はまさにその称号にふさわしい。

伴奏:塩屋楽団(澤井まり saxophone、鈴木勝 guitar、清造理英子 trombone、森本アリ trumpet、吉野かおり trombone)

Gプログラム英国発イーリング・コメディ
『白いスーツの男』The Man with the White Suit
(1951/85分/トーキー)イーリング・スタジオ
監督:アレクサンダー・マッケンドリック
出演:アレック・ギネス、ジョーン・グリーンウッド

決して汚れない「究極の繊維」を発明した科学者を襲う予想外の危機。資本主義社会への痛烈な諷刺を独特のウィットで描く。戦後の英国で花開いたイーリング喜劇はコメディ映画史の知られざる至宝。名優アレック・ギネスのドタバタ演技は必見。


Hプログラムこども活弁ワークショップ発表会[無料]

大森くみこ弁士を講師に招いてちびっこ(+おとな)の活弁ワークショップを開催します。カツベンが熱いいま、無声映画をより身近に感じる貴重な体験です。奮闘の成果を旧グッゲンハイム邸にて発表!

1月12日(日) 会場:旧グッゲンハイム邸
こども活弁ワークショップ!開催

 

作品解説:いいをじゅんこ(『続清水港』は吉井美稀)
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

《料金》入れ替え制*当日に限り2プログラム目は100円割引 *未就学児は無料
活弁+演奏付き上映 一律1500円
演奏付き上映 一般1400円 会員・学生1200円 小中学生1000円
上映のみ 一般1200円 会員・学生1000円 小中学生800円

フライヤー、ポスターデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:プラネット・プラス・ワン


連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第8回 パプストとブルックス──『パンドラの箱』を読み解く

2019年12月22日(日)

このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。

13:30〜 上映
「パンドラの箱」
Die Büchse der Pandora
(ドイツ/1929/131分/16mm)
監督:ゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト
原作:フランク・ヴェデキント
脚本:ラディスラウス・ヴァイダ
撮影:ギュンター・クランプ
出演:ルイーズ・ブルックス、フリッツ・コルトナー、フランツ・レデラー、グスタフ・ディーズル

伴奏:塩屋楽団
(鈴木勝:guitar 山本信記:synthesizer, electronics 森本アリ:sampler, trumpet)
 

16:00〜(終了予定17:30) 講座
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
G・W・パプストの映画『パンドラの箱』が作られてから今年で実に90年になる。しかしこの映画でルルを演じた女優ルイーズ・ブルックスはその輝きをいささかも失っていない。それどころか、彼女はその謎めいた存在感で現代のわれわれをますます魅了しつづけている。女優と登場人物が、そして作品そのものがこれほど分かち難く結びついた映画は稀である。『パンドラの箱』を語ることは、ルル=ブルックスを語ることと同じだった。しかし、それ故にこの映画のそれ以外の細部はしばしばし見過ごされてきたとも言える。今回の講座では、〈宿命の女〉ルル=ブルックスについて考えてゆく一方で、ヴェデキントの原作戯曲やワイマール文化、そしてパプストの演出などにも注目しながらこの映画を読み解いてゆく。『パンドラの箱』はブルックスという稀有な存在なしにはありえなかった。それは間違いないが、監督パプストとの運命的な出会いがなければこの作品が生まれなかったこともまた確かである。今講座では、巨匠と呼ばれながら今ではあまり語られることのない、このなんとも輪郭の曖昧な〈映画作家〉にも照明を当ててみたい。

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。訳書に『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)、共著に『映画を撮った35の言葉たち』(フィルムアート社)がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

《映画鑑賞料》 生演奏付き 一般1400円 学生1200円 会員1200円
《講座参加費》  一般1000円 学生500円 会員700円


21世紀のサイレント映画
第1回『スージーの真心』 with 天宮遥

2019年2月17日(日)

生演奏とともにサイレント映画を楽しむ新シリーズ「21世紀のサイレント映画」。

映画の歴史の最初の30年間は、音が付いていない「サイレント(無声)映画」の時代でした。映画のための音声装置が開発される以前の映画ということになりますが、それは音のある映画(トーキー)より劣っているということではありません。むしろ、無声だからこそ極められた映画の魅力がつまっています。

サイレント映画は、当時から生演奏や活動弁士の語りといったライブパフォーマンスとともに上映されていましたが、近年、この上映スタイルが再び見直されています。
演奏や語りにより表情を変えるサイレント映画。
このシリーズでは毎回パフォーマーを迎えて、サイレント映画の新たな魅力を発見していきます。

「スージーの真心」
True Heart Susie
(アメリカ/1919/90分[16コマ]/16mm)
監督:デイヴィッド・ウォーク・グリフィス
撮影:ビリー・ビッツァー
出演:リリアン・ギッシュ、ロバート・ハーロン

田舎暮らしのスージーとウィルアムは幼なじみ。スージーは密かにウィルアムの学費などを出して助けていた。やがて大学を出たウィルアムは牧師となって帰郷するのだが…。

天宮 遥(ピアノ)
神戸生まれのシンガーソングライター、ピアニスト、作曲家。2016年よりサイレント映画ピアニストとしても活躍中。

《料金》 一般1400円 学生・会員1200円


神戸クラシックコメディ映画祭2019
1月12日(土)〜14(月・祝)
 
12日・14日 会場:神戸映画資料館(新長田)
13日 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)

 

笑いのビッグバン!

ルビッチに和製ミュージカル
発掘されたコメディにみんな知ってるあの喜劇王
極楽コンビもちびっこギャングもキートンも
いろいろ取り揃えて一挙上映
喜劇のゴッド&モンスターが神戸に降臨する三日間!

──いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

 

 

Aプログラム100歳映画
「花嫁人形」Die Puppe
(1919/64分/サイレント/Blu-ray)ウーファ
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:ヘルマン・ティミヒ、オッシ・オスヴァルダ
(株)ダッサイ・フィルムズ提供

名匠エルンスト・ルビッチの喜劇『花嫁人形』は2019年に「100歳」を迎える。女嫌いの青年が結婚するハメになり怖い叔父の目をごまかそうと人形を花嫁にする。ところがそれは人形師の娘が化けた姿で…。100年経っても色褪せない最高のお伽話は観る者をひたすら幸福にしてくれる。

伴奏
13日 柳下美恵(ピアノ)
14日 天宮遥(電子ピアノ)

 

Bプログラム日本の傑作喜劇① 和楽伴奏で観るコメディ

「塙団右衛門 化物退治の巻」Hanawa Danemon
(1935/10分/サイレント)日本マンガフィルム研究所
作画監督:片岡芳太郎
監督:魔須田和弘
神戸映画資料館所蔵作品

伴奏
戎屋海老(弁士)+清優の会(琴・三味線)

 

国立映画アーカイブ所蔵作品

「爆弾花嫁」Bakudan Hanayome
(1935/30分/サウンド版[一部無声]/35mm)松竹キネマ(蒲田撮影所)
監督:佐々木圭祐
改定編集:斎藤寅次郎
出演:谷麗光、柳生小夜子、小倉繁
国立映画アーカイブ所蔵作品

豪傑の誉れ高い塙団右衛門を主人公にした戦前アニメをクラコメ初の和楽伴奏で賑やかにお届けする。ロシアのフィルムアーカイブで発掘された貴重な短編『爆弾花嫁』はオリジナルサウンド版での上映。ニッポンの極上ドタバタ喜劇を観て一年を笑顔でスタートしよう。新春にふさわしいプログラム。

 

©国際放映

Cプログラム日本の傑作喜劇②
「腰抜け二刀流」Koshinuke Nitoryu
(1950/76分/トーキー/Blu-ray)新東宝
監督:並木鏡太郎
出演:森繁久弥、轟夕起子

森繁久弥の映画初主演作。ボブ・ホープの『腰抜け二丁拳銃』(49)を下敷きにしたミュージカル喜劇。当時軽演劇に出ていた森繁が「実力からいえば当然とはいえ、異例の出世ぶり」(『日本の喜劇人』小林信彦)を果たし見事なスラップスティック芸で魅せる。伝説の名女優・轟夕起子、花菱アチャコ、清川虹子ら共演。

 

Dプログラム最後の喜劇王 ジェリー・ルイス
「マイ・フレンド・アーマ」My Friend Irma
(1949/102分/トーキー)パラマウント・ピクチャーズ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:マリー・ウィルソン、ディーン・マーティン&ジェリー・ルイス

2017年に91才で世を去ったジェリー・ルイス。ディーン・マーティンとの「底抜けコンビ」は日本でも大人気だった。彼らが映画デビューを果たした本作は、日本未公開。日本語字幕付きフィルム上映は激レア中の激レア!コンビが得意としたナイトクラブのネタが再現されているのも見所。

 

 

Eプログラムチャーリー・チェイス特集
「うっかり屋メーベル」Mabel’s Blunder
(1914/13分 19分/サイレント)キーストン・フィルム・カンパニー
監督:メーベル・ノーマンド
出演:メーベル・ノーマンド、ハリー・マッコイ、チャーリー・チェイス

「チェイスの一日警官」Sittin’ Pretty
(1924/14分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、ポール・パロット

「チェイスの国王万歳」Long Fliv the King
(1926/22分 18分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、マックス・デイヴィッドソン、オリヴァー・ハーディ

「ママの言う通り」On the Wrong Trek
(1936/18分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:チャールズ・パロット、ハロルド・ロウ
出演:チャーリー・チェイス、ロシーナ・ローレンス

過去のクラコメで名だたる喜劇王たちに迫る人気だったチャーリー・チェイスを大フィーチャー。映画初期からトーキーに至るキャリアを一挙に楽しめる。中流紳士が巻き込まれる騒動を描かせたらチェイスの右に出るものなし!実弟との幻の共演作や歌い踊るチャーリーが見られるトーキー作品も。

伴奏:柳下美恵(電子ピアノ)

 

Fプログラムよみがえる喜劇人 マルセル・ペレーズの世界
「ダムの海中結婚」Lend Me Your Wife
(1921/20分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、レックス・アダムス

「ダムの十六人早変り」A Busy Night
(1916/17分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ

「ユー・アー・ネクスト」You’re Next
(1919/21分/サイレント/Blu-ray)ジェスター・コメディ・カンパニー
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、ドロシー・アール

以上3作品 Undercrank Production提供 協力:ニューヨーク近代美術館

フィルム発掘やデジタル技術の進歩により知られざる喜劇人の復権が進んでいる。スペイン出身のマルセル・ペレーズもその一人。映画初期に欧州で活躍し日本では「ダム君」の愛称で親しまれたが、夭折し忘れ去られた。今回は米国時代の3作品を上映。日本での上映は約100年ぶり!創造性溢れるペレーズの喜劇と塩屋楽団のコラボは画期的。

伴奏:塩屋楽団(鈴木勝 guitar、森本アリ trumpet、山本信記 trumpet, piano、吉野かおり trombone、澤井まり alto saxophone、仲川達也 synthesizer, sampler)

 

Gプログラムショートコメディのマエストロ サイレント編
「マックスと犬」Max et son chien Dick

国立映画アーカイブ所蔵

(1912/9分/サイレント/35mm)パテ・フレール
監督:マックス・ランデー
出演:マックス・ランデー、犬のディック
国立映画アーカイブ所蔵作品

「チャップリンの勇敢」Easy Street
(1917/23分/サイレント)ミューチュアル社
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、エリック・キャンベル

「サタデー・アフタヌーン」Saturday Afternoon
(1926/30分 27分/サイレント)マック・セネット・コメディーズ
監督:ハリー・エドワーズ
出演:ハリー・ラングドン、ヴァーノン・デント

「白日夢」Daydreams
(1922/23分/サイレント)ファースト・ナショナル・ピクチャーズ
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ジョー・キートン

クラコメ恒例の短編喜劇集、今回は無声編とトーキー編に分けてお届けする。無声編は誰もが納得の喜劇王たちが集結。フランスのマックス・ランデーとチャップリンの「師弟対決」、永遠の少年ハリー・ラングドンのチャーミングな結婚喜劇、そして我らがバスター・キートンの隠れた傑作。ご堪能あれ!

伴奏:鳥飼りょう(電子ピアノ)

 

Hプログラムショートコメディのマエストロ トーキー編
「極楽ボート騒動」Towed in a Hall
(1932/21分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:ローレル&ハーディ、ビリー・ギルバート

「キーストン・ホテル」Keystone Hotel
(1935/15分/トーキー)ワーナー・ブラザース
監督:ラルフ・スタウブ
出演:フォード・スターリング、ベン・ターピン他

「新学期はつらいよ」Bored of Education
(1936/10分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ゴードン・ダグラス
出演:ちびっこギャング、ロシーナ・ローレンス

「3ばか競馬必勝法」Playing the Ponies
(1937/15分/トーキー)コロンビア・ピクチャーズ・コーポレーション
監督:チャールズ・ラモン
出演:3ばか大将

無声喜劇のDNAを受け継いだ短編はトーキー初期にまだまだ作られていた。往年の無声スターの同窓会コメディ『キーストン・ホテル』は屈指のパイ投げ合戦で知られるカルト作。懐かしのちびっこギャングと3ばか大将はご家族でどうぞ。ローレル&ハーディは欧米で新作伝記映画が公開予定。

 

 前座

「処刑遊戯(完全版)」(2017/3分/DVD)作:顔ジャワ
「漫画ヘントウセン」(2016/4分/DVD)作:顔ジャワ
顔ジャワ(清本一毅)の毒があって不思議に可愛いアニメーションでひと笑い。

 

 

作品解説:いいをじゅんこ
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

《料金》入れ替え制*当日に限り2プログラム目は100円割引
演奏付き上映(招待券のご利用不可) 一般1400円 会員・学生1200円 小中学生1000円
上映のみ 一般1200円 会員・学生1000円 小中学生800円
*未就学児は無料

フライヤーデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:国立映画アーカイブ


サイレント映画鑑賞会 コメディ学入門連携プログラム

2018年4月15日(日)13:30〜

同日開催の「第14講コメディ学入門」とあわせてお楽しみください。

「極楽発展倶楽部」Sons of the Desert
(アメリカ/1933/58分/トーキー/16mm)
監督:ウィリアム・A・サイター
出演:ローレル&ハーディ、メイ・ブッシュ、チャーリー・チェイス

秘密結社「砂漠の息子たち」に所属するローレルとハーディは定例会と称した宴会旅行に参加したくてたまらないが妻たちは許さない。そこで妙案を思いつくがこれが惨事を招くことに…。
ローレル&ハーディの結婚喜劇では常に夫と妻の戦争が描かれる。尻に敷かれた夫の悲哀と結託が巻き起こす騒動はまさにバディ喜劇の最高峰。ハル・ローチスタジオの盟友チャーリー・チェイスも友情出演している。原題「砂漠の息子たち」は現在ローレル&ハーディ公式ファンクラブの名称になっている。

 

「警官騒動」Cops
(アメリカ/1922/24分/無声/16mm)
監督:エディ・クライン、バスター・キートン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス

気のいい青年が爆弾テロと間違われ、警官の大群に追いかけられるキートン喜劇真骨頂の1本。ハリウッド中心部のいくつかの通りを使ってロケ撮影された。逃げるキートンが自動車の後部につかまり水平に飛ぶ超人的スタントを撮影した場所は、ファンや研究者の間で「聖地」と呼ばれている。上映後の講座《コメディ学入門》では、クラシック喜劇研究家いいをじゅんこが今年2月にロケ地を訪れた際のレポートを行う。
 
 
解説:いいをじゅんこ

《料金》2本立て(入替無し)
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》[第14講コメディ学入門] 参加者は200円引き

 

 

クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第14講コメディ学入門
いいをじゅんこのアメリカ珍道中〜クラシック喜劇巡礼の旅・大報告会〜

2018年4月15日(日)15:20〜(終了予定17:20)

クラシック喜劇映画にはいくつかの「聖地」がある。有名なロケ地、映画でよく見る風景、喜劇王たちが眠る場所、etc,etc…。ファンや研究者にとって、それらの聖地を巡礼するのはひとつの大きな夢である。2018年2月、その巡礼者の列に加わるというわたしの長年の夢が、とうとう叶った。2週間にわたってアメリカの三都市を訪れ、クラシック喜劇の聖地を巡るという、無謀にして壮大(?)な旅を敢行したのである。

30年振りの渡米、十余年ぶりの海外で、時差ボケと苦闘し聞き取れない英語に悩まされながらの珍道中。だがそこには、夢にまで見た場所に遂に身をおいた感動や、喜劇をこよなく愛する人々との出会い、心躍る映画館体験が待っていた。

さらに、アカデミーの研究施設で超一級の一次資料に直接ふれたり、ニューヨーク近代美術館ではレアなフィルムコレクションを鑑賞するという得難い経験もできた。米国で映画が産業としてだけでなく文化財として入念に保護されている現状や、研究者への手厚いサポートなど、実際に体験して考えることも多くあった。

今回の講座は、この旅の成果の報告会となる。現地で撮影した写真や動画をまじえながら、旅で得た収穫を皆さんと共有したい。クラシック喜劇に興味のある方はもちろん、米国での映画資料の調査に関心がある方にも役立つ情報を提供できればと思っている。講座の前に行われる関連作品の上映もあわせてご参加いただければ、より深い作品理解につながるだろう。

いいをじゅんこ
クラシック喜劇研究家、ライター。バスター・キートンと運命の出会いをして以来、サイレント喜劇の世界に魅了される。無声~トーキー初期のいわゆる「喜劇の黄金時代」に作られたアメリカを中心としたクラシック喜劇を研究。映画史の鉱脈に埋もれた優れたコメディを紹介する講座《コメディ学入門》を企画し、2012年より神戸映画資料館にて不定期開催している。2016年1月には喜劇映画研究会・神戸映画資料館と共同で古典喜劇映画上映委員会を立ち上げ、《新春コメディ宝箱》を開催。その後《神戸クラシックコメディ映画祭》へと発展し現在に至る。ライターとして映画評、書評などをさまざまな媒体に執筆している。
「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」

「極楽発展倶楽部」

《参加費》 1000円
*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


神戸クラシックコメディ映画祭2018
1月5日(金)オープニング 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)
1月6日(土)〜8日(月・祝) 会場:神戸映画資料館(新長田)
 

 

 

 

笑わん哉! クラコメ
 
マキノ正博監督の傑作オペレッタ『鴛鴦歌合戦』、ローレル&ハーディの長短編、小悪魔ルイーズ・ブルックス、そして1980年代の傑作サイレント映画『ゆめこの大冒険』と今年も盛りだくさん!

 

 

 

 

Aプログラムモボ・モガに捧げるロマンティック・コメディ

「百貨店」Love’em and Leave’em
(1926/76分/サイレント)
フェイマス・プレイヤーズ・ラスキー
監督:フランク・タトル
出演:イブリン・ブレント、ルイーズ・ブルックス

ニューヨークの大手百貨店を舞台に繰り広げられる無声ロマンティック喜劇。『パンドラの匣』で知られるルイーズ・ブルックスが、渡欧前のハリウッド時代に出演した軽快なコメディのうちの貴重な一本である。ヒロインの妹役を小悪魔的な魅力たっぷりに演じるその圧倒的なオーラをフィルムを通して感じて欲しい。“フラッパーガール”の象徴だったルイーズのヘアスタイルやファッションにも大注目!

 

Bプログラムショートコメディのマエストロ
「メーベルの誤解」Bangville Police
(1913/8分/サイレント)
キーストン・フィルム・カンパニー
監督:ヘンリー・レアマン
出演:フレッド・メイス、メーベル・ノーマンド

「悪太郎」The Goat
(1921/23分/サイレント)
バスター・キートン・プロダクション
監督:バスター・キートン、マル・セント・クレア
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ

「モンティの愛犬騒動」Wedding Bells
(1924/18分/サイレント)
モンティ・バンクス・プロダクションズ
監督:ハリー・エドワーズ
出演:モンティ・バンクス、ルイーズ・カーヴァー

「ちびっこギャングのボクシング」Glove Taps
(1937/10分[短縮版]/サイレント[トーキー無声化])ハル・ローチ・スタジオ
監督:ゴードン・ダグラス
出演:ちびっこギャング

「モーの独裁者時代」You Nazty Spy!
(1940/18分/トーキー)コロンビア映画
監督:ジュールズ・ホワイト
出演:3ばか大将(モー・ハワード、ラリー・ファイン、カーリー・ハワード)

クラコメの大人気プログラムが今年も帰ってくる!今回は1910〜40年代の秀作短編をそろえた。キーストン警官隊が初登場した記念碑的作品『メーベルの誤解』、バスター・キートンの隠れた傑作『悪太郎』。『モンティの愛犬騒動』は戌年にちなんでワンちゃんが最高の演技を見せる。ちびっこギャングのトーキーを無声仕立てにした珍品やチャップリンより早くヒトラーを諷刺した3ばか大将の作品と、クラコメでしか観られない珠玉の短編喜劇が満載!

 

Cプログラム日本の傑作喜劇① 新時代のサイレント喜劇
「ゆめこの大冒険」Yumeko no Daiboken
1987 70分 サイレント
制作:アウトワン
配給:プランセカンス
監督:筒井武文
出演:かとうゆめこ(二役)、すずきやすし

『ゆめこの大冒険』は奇跡のサイレント映画だ。1980年代に本格的な無声長編を制作しえたのは世界的にも稀な出来事だったはず。草創期のスラップスティック喜劇をなぞりつつ、メリエスやルノワール、シュルレアリスムへの目配せも忘れず、それでいてオリジナリティ溢れる痛快な娯楽作。主演のかとうゆめこをはじめ若いキャストたちの疾走感溢れる演技が魅力的だ。今回は染色版を鳥飼りょうのピアノ生伴奏付きで上映する。貴重な機会をお見逃しなく!

 

Dプログラム日本の傑作喜劇② お正月だよ!オペレッタ♪

©日活

「鴛鴦歌合戦」Singing Love Birds
(1939/69分/トーキー)日活
監督:マキノ正博
出演:片岡千恵蔵、ディック・ミネ、志村喬、市川春代

新春の初笑いにふさわしいニッポンの傑作喜劇、ついにクラコメに登場!約80年も前の日本にこんなにオシャレでモダンでハッピーなオペレッタ映画があった!ディック・ミネのバカ殿が歌い踊り、志村喬も負けじと美声を聴かせ、片岡千恵蔵の明朗な美しさが映える。和製コリーン・ムーアと呼ばれた市川春代の愛らしさ。ジャズと時代劇がコラボしたモダン時代劇の傑作!何度も観ているファンも初めて観る若い世代もみんな一緒にハッピーになろう♪

 

 

 

Eプログラムローレル&ハーディのおかしな世界①
ソロからコンビへ サイレントからトーキーへ

「壁紙職人と助手」Paper Hanger’s Helper
(1925/12分/サイレント)
カンバーランド・プロダクション
監督:ワード・ヘイズ
出演:オリヴァー・ハーディ、ボビー・レイ

「完成したみたい」The Finishing Touch
(1928/21分/サイレント)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:クライド・ブルックマン
監修:レオ・マッケリー
出演:ローレル&ハーディ、エドガー・ケネディ

「情けは人の為め」One Good Turn
(1931/20分/トーキー)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジェームス・W・ホーン
出演:ローレル&ハーディ、メアリー・カー

「水よりも濃し」Thicker than Water
(1935/21分/トーキー)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジェームス・W・ホーン
出演:ローレル&ハーディ、ダフネ・ポラード、ジェームス・フィンレイソン

今年のクラコメは「極楽コンビ」ことローレル&ハーディを大特集!彼らこそ“お笑い”コンビのパイオニアにして頂点。ピーター・セラーズやブレイク・エドワーズ、ジェリー・ルイスら多くの喜劇人から尊敬された。特集①は彼らの真骨頂である短編作品を集めた。サイレントのみならずトーキーでも大成功した二人の足跡を楽しんで欲しい。スタン・ローレルとのコンビ結成前にオリヴァー・ハーディが別のコメディアンとコンビを組んだレアな短編も上映する。

 

Fプログラムローレル&ハーディのおかしな世界②
激レア!極楽コンビの長編トーキー

「極楽浪人天国」The Bohemian Girl
(1936/71分/トーキー)
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
監督:ジェームス・W・ホーン、チャールズ・ロジャース
出演:ローレル&ハーディ、ジャクリーン・ウェルズ

特集①の『水よりも濃し』を最後にローレル&ハーディは短編を卒業し長編喜劇に移行した。今回上映するのはバルフェの歌劇『ボヘミアの少女』を翻案した時代物のオペレッタ。心優しいジプシー二人組をローレル&ハーディが演じている。伯爵家からさらわれた少女との疑似家族ぶりが微笑ましく、少女が歌う名曲「マーブル・ホールズ」もすばらしい。日本ではほぼ上映機会のなかった激レア作品!

 

 

Gプログラム100歳映画・コメディ学入門特別編
「ロイドの猛獣結婚」The Non-Stop Kid
(1918/17分/サイレント)
ローリン・フィルムス
監督:ギルバート・プラット
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ

「成金」
Sanji Goto – The Story of Japanese Enoch Arden
(1918/34分/サイレント/35mm)
東洋フィルム会社
監督:トーマス栗原(栗原喜三郎)
出演:中村洋好、木野五郎、鈴木美代子
東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

トーク
筒井武文
(『ゆめこの大冒険』監督)
いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

2018年で「100歳」になる映画として、ハロルド・ロイドの初期短編とトーマス栗原監督『成金』を上映する。ハリウッド帰りのトーマス栗原がアメリカ仕込みのスラップスティックを日本映画に移植したのが『成金』である。和製チャップリンこと中村洋好が横浜を疾走する姿と、若きロイドのカラッと明るいドタバタを並べると何が見えてくるだろうか?ゲストに筒井武文監督を迎え、コメディ映画の100年を語り尽くす。

 

Hプログラム8mmワークショップ作品披露上映[無料]
2017年秋のワークショップ《8ミリ映画講座フルコース コメディ編(神戸開港150年記念事業)》にて受講生たちが台本作りからフィルム現像まですべてを手がけた3作品をピアノ生演奏付きで無料上映する。「3分・3カット・無声」の制約の下で試行錯誤を繰り返し、新しい時代の無声喜劇が生まれた。

 

作品解説:いいをじゅんこ
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

活弁+演奏付き上映
1月5日(金)Aプロ 活動弁士:大森くみこ 演奏:鳥飼りょう
ピアノ演奏付き上映

1月5日(金)Hプロ(無料) 6日(土)B、C、Gプロ 演奏:鳥飼りょう
1月7日(日)H(無料)、Eプロ 8日(月・祝)A、Bプロ 演奏:天宮遥

《料金》入れ替え制
活弁+演奏付き上映(5日) 一律1500円 *招待券のご利用不可
演奏付き上映 一般1400円 学生1200円 会員1200円 *招待券のご利用不可
上映のみ 一般1200円 学生1000円 会員1000円
*当日に限り2プログラム目は100円割引

クラコメ新年会
1月5日(金)20:00〜21:30  会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)
映画を楽しんだ後は、1909年建築の洋館・旧グッゲンハイム邸でクラコメ新年会。
DJ:Alimylove (A.K.A.森本アリ|約百年前音楽選集)
FOOD:六甲山系ピカソ
出店:spacemoth(ヴィンテージのポップアップショップ)
会費(軽食付き/ドリンクは別途) 一般1500円 小学生以下500円
* 差し入れ大歓迎
* 20年代風モボ・モガファッションでご来場の方に神戸映画資料館での上映の200円割引券を進呈します。ロイド眼鏡、山高帽子などモボ・モガなりきりを宣言すれば何でもOK! 着物も大歓迎!
予約申し込み
guggenheim2007@gmail.com まで、「クラコメ新年会予約」と、人数、申し込み代表者のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。返信をもって予約完了とさせていただきます。

フライヤーデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター


サイレント映画鑑賞会 キートン映画デビュー100周年

2017年10月28日(土)14:00

「恋愛三代記」Three Ages
(アメリカ/1923/58分/無声/16mm)
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ウォレス・ビアリー、マーガレット・リーヒー
ピアノ伴奏:天宮遥

いつの世も変わらないもの、それは恋。原始時代、ローマ時代、現代の3つの時代をまたにかけ、バスター青年、乙女、ライバルの3人が壮大な三角関係を繰り広げる大河ドラマ…ならぬドタバタ喜劇。
19本の2巻もの短編喜劇を作ったあと、キートンが満を持して挑んだ初の長編作品である。とはいえ長編の構成にまだ自信のなかったキートンは、尊敬するD・W・グリフィス監督に倣い『イントレランス』のパロディ映画にすることを思いついた。「うまくいかなければ短編に編集しなおして公開できるように」とのキートンの目論見だったが、できあがったのはナンセンスなギャグにウィットを効かせたオフビートな傑作長編であった。まさに時代を超えて存分に楽しめる爆笑巨編、乞うご期待!

 

「キートンの線路工夫」The Railrodder
(アメリカ/1965/24分/16mm)
監督:ジェラルド・パッタートン
出演:バスター・キートン

『恋愛三代記』から42年後に作られた無声短編映画。ロンドンの橋の上で突然カナダへ行きたくなった老キートンは、テムズ川にドボンと飛び込み、大西洋を渡ってカナダの海岸に現れる。そこで都合よくカナダ鉄道のトロッコを見つけ、いざ太平洋へ向けてカナダ横断の一人旅に出る。
あるキートンファンの言によれば、当時カナダ国立映画制作庁はカナダの風物を宣伝する”プロパガンダ映画”(笑)を量産していたらしい。『線路工夫』もその内の一本で、カナダ国有鉄道のPR映画である。喜劇王キートンが主演した(しかも貴重なカラー作品)ことで、『線路工夫』は半世紀以上経った今も傑作として愛されている。今年はカナダ建国150年ということで、カナダ各地でも上映イベントが行われているそうだ。

バスター・キートン Buster Keaton (1895~1966)
映画の中で決して笑わない「偉大なる無表情」で知られるコメディアン/映画監督。チャップリン、ロイドと並ぶ世界三大喜劇王の一人。寄席芸人の両親と共に3才から舞台に立つ。超人的な身体能力でサイレント喜劇の傑作を生んだ。天性の映画作家でありウディ・アレンら後世の監督にも影響を与え続けている。晩年もテレビやサーカス、舞台等で活躍。最後まで現役を貫いた。代表作は『探偵学入門』(1924)『大列車追跡』(1926)『キートンの線路工夫』(1965)サミュエル・ベケットの唯一の映画作品『フィルム』(1965)等。今年2017年はキートンの映画デビュー百周年にあたる。

解説:いいをじゅんこ

《料金》2本立て(入替無し)
一般1000円 学生900円 会員900円
《割引》[第13講コメディ学入門] 参加者は200円引き

クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第13講コメディ学入門
BK100 ── 祝・映画デビュー100周年 バスター・キートンの生涯 ──

2017年10月28日(土)15:40〜17:40

クラシック喜劇研究家/ライターのいいをじゅんこが、ひと組の喜劇王にテーマをしぼり、みどころ、歴史、笑いのツボなどを楽しく紹介します。レッツ温故知新!
今回のテーマは
「BK100 ── 祝・映画デビュー100周年 バスター・キートンの生涯 ──」

1917年、バスター・キートンは『デブ君の女装』(The Butcher Boy)で映画デビューした。今年は100年目の記念の年にあたる。キートンの姿が初めてフィルムに焼き付けられたその日は、リュミエール兄弟が世界で初めて映画興行を行った日と同じくらい、映画史において重大な、記憶されるべき日である…と言うのは、おおげさだろうか?(ちなみにキートンが生まれたのは”映画誕生”と同じ1895年である。)

サイレントからトーキーへと映画は移り変わり、やがてテレビが登場。メディアは変遷しても、キートンの喜劇は変わらなかった。まるで吹き荒れる嵐の中心にいるかのように、キートンの喜劇にブレはなかった。だが実生活では、最初の妻との確執、MGMからの解雇、アルコール依存症との戦いがあり、さらにそこからの復活と再評価の時代があった。

コメディ学入門では過去に2回バスター・キートンを取り上げている(第8・9講)。そこではキートンのギャグ解析や映画術を中心に講義した。キートンの喜劇人としてのキャリアに、私生活をいたずらに重ね合わせることはしたくない(とりわけ悲劇的な側面は)というのがわたしのスタンスだが、「人間キートン」に光をあてることで、逆に見えてくるものもあるかもしれない。わたし自身もそんな期待を持ちながら、今回の講座ではキートンの実生活での波乱にもふれ、バスター・キートンの全生涯をていねいに振り返ってみたい。

講座の前のサイレント映画上映会は、キートンの長編処女作『恋愛三代記』(1923)と、晩年の代表作『キートンの線路工夫』(1965 カラー!)の豪華二本立て。さらに講座の翌日には旧グッゲンハイム邸でキートンの最高傑作『大列車追跡』の上映も予定している。神戸の地でキートン映画デビュー100周年を祝える幸せを、今ひしひしと噛みしめている。

「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」(運営:いいをじゅんこ)

《参加費》 1000円
*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。