プログラムPROGRAM

サイレント映画

21世紀のサイレント映画
第1回『スージーの真心』 with 天宮遥

2019年2月17日(日)

生演奏とともにサイレント映画を楽しむ新シリーズ「21世紀のサイレント映画」。

映画の歴史の最初の30年間は、音が付いていない「サイレント(無声)映画」の時代でした。映画のための音声装置が開発される以前の映画ということになりますが、それは音のある映画(トーキー)より劣っているということではありません。むしろ、無声だからこそ極められた映画の魅力がつまっています。

サイレント映画は、当時から生演奏や活動弁士の語りといったライブパフォーマンスとともに上映されていましたが、近年、この上映スタイルが再び見直されています。
演奏や語りにより表情を変えるサイレント映画。
このシリーズでは毎回パフォーマーを迎えて、サイレント映画の新たな魅力を発見していきます。

「スージーの真心」
True Heart Susie
(アメリカ/1919/90分[16コマ]/16mm)
監督:デイヴィッド・ウォーク・グリフィス
撮影:ビリー・ビッツァー
出演:リリアン・ギッシュ、ロバート・ハーロン

田舎暮らしのスージーとウィルアムは幼なじみ。スージーは密かにウィルアムの学費などを出して助けていた。やがて大学を出たウィルアムは牧師となって帰郷するのだが…。

天宮 遥(ピアノ)
神戸生まれのシンガーソングライター、ピアニスト、作曲家。2016年よりサイレント映画ピアニストとしても活躍中。

《料金》 一般1400円 学生・会員1200円


神戸クラシックコメディ映画祭2019
1月12日(土)〜14(月・祝)
 
12日・14日 会場:神戸映画資料館(新長田)
13日 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)

 

笑いのビッグバン!

ルビッチに和製ミュージカル
発掘されたコメディにみんな知ってるあの喜劇王
極楽コンビもちびっこギャングもキートンも
いろいろ取り揃えて一挙上映
喜劇のゴッド&モンスターが神戸に降臨する三日間!

──いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

 

 

Aプログラム100歳映画
「花嫁人形」Die Puppe
(1919/64分/サイレント/Blu-ray)ウーファ
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:ヘルマン・ティミヒ、オッシ・オスヴァルダ
(株)ダッサイ・フィルムズ提供

名匠エルンスト・ルビッチの喜劇『花嫁人形』は2019年に「100歳」を迎える。女嫌いの青年が結婚するハメになり怖い叔父の目をごまかそうと人形を花嫁にする。ところがそれは人形師の娘が化けた姿で…。100年経っても色褪せない最高のお伽話は観る者をひたすら幸福にしてくれる。

伴奏
13日 柳下美恵(ピアノ)
14日 天宮遥(電子ピアノ)

 

Bプログラム日本の傑作喜劇① 和楽伴奏で観るコメディ

「塙団右衛門 化物退治の巻」Hanawa Danemon
(1935/10分/サイレント)日本マンガフィルム研究所
作画監督:片岡芳太郎
監督:魔須田和弘
神戸映画資料館所蔵作品

伴奏
戎屋海老(弁士)+清優の会(琴・三味線)

 

国立映画アーカイブ所蔵作品

「爆弾花嫁」Bakudan Hanayome
(1935/30分/サウンド版[一部無声]/35mm)松竹キネマ(蒲田撮影所)
監督:佐々木圭祐
改定編集:斎藤寅次郎
出演:谷麗光、柳生小夜子、小倉繁
国立映画アーカイブ所蔵作品

豪傑の誉れ高い塙団右衛門を主人公にした戦前アニメをクラコメ初の和楽伴奏で賑やかにお届けする。ロシアのフィルムアーカイブで発掘された貴重な短編『爆弾花嫁』はオリジナルサウンド版での上映。ニッポンの極上ドタバタ喜劇を観て一年を笑顔でスタートしよう。新春にふさわしいプログラム。

 

©国際放映

Cプログラム日本の傑作喜劇②
「腰抜け二刀流」Koshinuke Nitoryu
(1950/76分/トーキー/Blu-ray)新東宝
監督:並木鏡太郎
出演:森繁久弥、轟夕起子

森繁久弥の映画初主演作。ボブ・ホープの『腰抜け二丁拳銃』(49)を下敷きにしたミュージカル喜劇。当時軽演劇に出ていた森繁が「実力からいえば当然とはいえ、異例の出世ぶり」(『日本の喜劇人』小林信彦)を果たし見事なスラップスティック芸で魅せる。伝説の名女優・轟夕起子、花菱アチャコ、清川虹子ら共演。

 

Dプログラム最後の喜劇王 ジェリー・ルイス
「マイ・フレンド・アーマ」My Friend Irma
(1949/102分/トーキー)パラマウント・ピクチャーズ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:マリー・ウィルソン、ディーン・マーティン&ジェリー・ルイス

2017年に91才で世を去ったジェリー・ルイス。ディーン・マーティンとの「底抜けコンビ」は日本でも大人気だった。彼らが映画デビューを果たした本作は、日本未公開。日本語字幕付きフィルム上映は激レア中の激レア!コンビが得意としたナイトクラブのネタが再現されているのも見所。

 

 

Eプログラムチャーリー・チェイス特集
「うっかり屋メーベル」Mabel’s Blunder
(1914/13分 19分/サイレント)キーストン・フィルム・カンパニー
監督:メーベル・ノーマンド
出演:メーベル・ノーマンド、ハリー・マッコイ、チャーリー・チェイス

「チェイスの一日警官」Sittin’ Pretty
(1924/14分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、ポール・パロット

「チェイスの国王万歳」Long Fliv the King
(1926/22分 18分/サイレント)ハル・ローチ・スタジオ
監督:レオ・マッケリー
出演:チャーリー・チェイス、マックス・デイヴィッドソン、オリヴァー・ハーディ

「ママの言う通り」On the Wrong Trek
(1936/18分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:チャールズ・パロット、ハロルド・ロウ
出演:チャーリー・チェイス、ロシーナ・ローレンス

過去のクラコメで名だたる喜劇王たちに迫る人気だったチャーリー・チェイスを大フィーチャー。映画初期からトーキーに至るキャリアを一挙に楽しめる。中流紳士が巻き込まれる騒動を描かせたらチェイスの右に出るものなし!実弟との幻の共演作や歌い踊るチャーリーが見られるトーキー作品も。

伴奏:柳下美恵(電子ピアノ)

 

Fプログラムよみがえる喜劇人 マルセル・ペレーズの世界
「ダムの海中結婚」Lend Me Your Wife
(1921/20分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、レックス・アダムス

「ダムの十六人早変り」A Busy Night
(1916/17分/サイレント/Blu-ray)イーグル・フィルムズ
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ

「ユー・アー・ネクスト」You’re Next
(1919/21分/サイレント/Blu-ray)ジェスター・コメディ・カンパニー
監督:マルセル・ペレーズ
出演:マルセル・ペレーズ、ドロシー・アール

以上3作品 Undercrank Production提供 協力:ニューヨーク近代美術館

フィルム発掘やデジタル技術の進歩により知られざる喜劇人の復権が進んでいる。スペイン出身のマルセル・ペレーズもその一人。映画初期に欧州で活躍し日本では「ダム君」の愛称で親しまれたが、夭折し忘れ去られた。今回は米国時代の3作品を上映。日本での上映は約100年ぶり!創造性溢れるペレーズの喜劇と塩屋楽団のコラボは画期的。

伴奏:塩屋楽団(鈴木勝 guitar、森本アリ trumpet、山本信記 trumpet, piano、吉野かおり trombone、澤井まり alto saxophone、仲川達也 synthesizer, sampler)

 

Gプログラムショートコメディのマエストロ サイレント編
「マックスと犬」Max et son chien Dick

国立映画アーカイブ所蔵

(1912/9分/サイレント/35mm)パテ・フレール
監督:マックス・ランデー
出演:マックス・ランデー、犬のディック
国立映画アーカイブ所蔵作品

「チャップリンの勇敢」Easy Street
(1917/23分/サイレント)ミューチュアル社
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、エリック・キャンベル

「サタデー・アフタヌーン」Saturday Afternoon
(1926/30分 27分/サイレント)マック・セネット・コメディーズ
監督:ハリー・エドワーズ
出演:ハリー・ラングドン、ヴァーノン・デント

「白日夢」Daydreams
(1922/23分/サイレント)ファースト・ナショナル・ピクチャーズ
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ジョー・キートン

クラコメ恒例の短編喜劇集、今回は無声編とトーキー編に分けてお届けする。無声編は誰もが納得の喜劇王たちが集結。フランスのマックス・ランデーとチャップリンの「師弟対決」、永遠の少年ハリー・ラングドンのチャーミングな結婚喜劇、そして我らがバスター・キートンの隠れた傑作。ご堪能あれ!

伴奏:鳥飼りょう(電子ピアノ)

 

Hプログラムショートコメディのマエストロ トーキー編
「極楽ボート騒動」Towed in a Hall
(1932/21分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジョージ・マーシャル
出演:ローレル&ハーディ、ビリー・ギルバート

「キーストン・ホテル」Keystone Hotel
(1935/15分/トーキー)ワーナー・ブラザース
監督:ラルフ・スタウブ
出演:フォード・スターリング、ベン・ターピン他

「新学期はつらいよ」Bored of Education
(1936/10分/トーキー)ハル・ローチ・スタジオ
監督:ゴードン・ダグラス
出演:ちびっこギャング、ロシーナ・ローレンス

「3ばか競馬必勝法」Playing the Ponies
(1937/15分/トーキー)コロンビア・ピクチャーズ・コーポレーション
監督:チャールズ・ラモン
出演:3ばか大将

無声喜劇のDNAを受け継いだ短編はトーキー初期にまだまだ作られていた。往年の無声スターの同窓会コメディ『キーストン・ホテル』は屈指のパイ投げ合戦で知られるカルト作。懐かしのちびっこギャングと3ばか大将はご家族でどうぞ。ローレル&ハーディは欧米で新作伝記映画が公開予定。

 

 前座

「処刑遊戯(完全版)」(2017/3分/DVD)作:顔ジャワ
「漫画ヘントウセン」(2016/4分/DVD)作:顔ジャワ
顔ジャワ(清本一毅)の毒があって不思議に可愛いアニメーションでひと笑い。

 

 

作品解説:いいをじゅんこ
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

《料金》入れ替え制*当日に限り2プログラム目は100円割引
演奏付き上映(招待券のご利用不可) 一般1400円 会員・学生1200円 小中学生1000円
上映のみ 一般1200円 会員・学生1000円 小中学生800円
*未就学児は無料

フライヤーデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:国立映画アーカイブ


サイレント映画鑑賞会 コメディ学入門連携プログラム

2018年4月15日(日)13:30〜

同日開催の「第14講コメディ学入門」とあわせてお楽しみください。

「極楽発展倶楽部」Sons of the Desert
(アメリカ/1933/58分/トーキー/16mm)
監督:ウィリアム・A・サイター
出演:ローレル&ハーディ、メイ・ブッシュ、チャーリー・チェイス

秘密結社「砂漠の息子たち」に所属するローレルとハーディは定例会と称した宴会旅行に参加したくてたまらないが妻たちは許さない。そこで妙案を思いつくがこれが惨事を招くことに…。
ローレル&ハーディの結婚喜劇では常に夫と妻の戦争が描かれる。尻に敷かれた夫の悲哀と結託が巻き起こす騒動はまさにバディ喜劇の最高峰。ハル・ローチスタジオの盟友チャーリー・チェイスも友情出演している。原題「砂漠の息子たち」は現在ローレル&ハーディ公式ファンクラブの名称になっている。

 

「警官騒動」Cops
(アメリカ/1922/24分/無声/16mm)
監督:エディ・クライン、バスター・キートン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス

気のいい青年が爆弾テロと間違われ、警官の大群に追いかけられるキートン喜劇真骨頂の1本。ハリウッド中心部のいくつかの通りを使ってロケ撮影された。逃げるキートンが自動車の後部につかまり水平に飛ぶ超人的スタントを撮影した場所は、ファンや研究者の間で「聖地」と呼ばれている。上映後の講座《コメディ学入門》では、クラシック喜劇研究家いいをじゅんこが今年2月にロケ地を訪れた際のレポートを行う。
 
 
解説:いいをじゅんこ

《料金》2本立て(入替無し)
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》[第14講コメディ学入門] 参加者は200円引き

 

 

クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第14講コメディ学入門
いいをじゅんこのアメリカ珍道中〜クラシック喜劇巡礼の旅・大報告会〜

2018年4月15日(日)15:20〜(終了予定17:20)

クラシック喜劇映画にはいくつかの「聖地」がある。有名なロケ地、映画でよく見る風景、喜劇王たちが眠る場所、etc,etc…。ファンや研究者にとって、それらの聖地を巡礼するのはひとつの大きな夢である。2018年2月、その巡礼者の列に加わるというわたしの長年の夢が、とうとう叶った。2週間にわたってアメリカの三都市を訪れ、クラシック喜劇の聖地を巡るという、無謀にして壮大(?)な旅を敢行したのである。

30年振りの渡米、十余年ぶりの海外で、時差ボケと苦闘し聞き取れない英語に悩まされながらの珍道中。だがそこには、夢にまで見た場所に遂に身をおいた感動や、喜劇をこよなく愛する人々との出会い、心躍る映画館体験が待っていた。

さらに、アカデミーの研究施設で超一級の一次資料に直接ふれたり、ニューヨーク近代美術館ではレアなフィルムコレクションを鑑賞するという得難い経験もできた。米国で映画が産業としてだけでなく文化財として入念に保護されている現状や、研究者への手厚いサポートなど、実際に体験して考えることも多くあった。

今回の講座は、この旅の成果の報告会となる。現地で撮影した写真や動画をまじえながら、旅で得た収穫を皆さんと共有したい。クラシック喜劇に興味のある方はもちろん、米国での映画資料の調査に関心がある方にも役立つ情報を提供できればと思っている。講座の前に行われる関連作品の上映もあわせてご参加いただければ、より深い作品理解につながるだろう。

いいをじゅんこ
クラシック喜劇研究家、ライター。バスター・キートンと運命の出会いをして以来、サイレント喜劇の世界に魅了される。無声~トーキー初期のいわゆる「喜劇の黄金時代」に作られたアメリカを中心としたクラシック喜劇を研究。映画史の鉱脈に埋もれた優れたコメディを紹介する講座《コメディ学入門》を企画し、2012年より神戸映画資料館にて不定期開催している。2016年1月には喜劇映画研究会・神戸映画資料館と共同で古典喜劇映画上映委員会を立ち上げ、《新春コメディ宝箱》を開催。その後《神戸クラシックコメディ映画祭》へと発展し現在に至る。ライターとして映画評、書評などをさまざまな媒体に執筆している。
「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」

「極楽発展倶楽部」

《参加費》 1000円
*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


神戸クラシックコメディ映画祭2018
1月5日(金)オープニング 会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)
1月6日(土)〜8日(月・祝) 会場:神戸映画資料館(新長田)
 

 

 

 

笑わん哉! クラコメ
 
マキノ正博監督の傑作オペレッタ『鴛鴦歌合戦』、ローレル&ハーディの長短編、小悪魔ルイーズ・ブルックス、そして1980年代の傑作サイレント映画『ゆめこの大冒険』と今年も盛りだくさん!

 

 

 

 

Aプログラムモボ・モガに捧げるロマンティック・コメディ

「百貨店」Love’em and Leave’em
(1926/76分/サイレント)
フェイマス・プレイヤーズ・ラスキー
監督:フランク・タトル
出演:イブリン・ブレント、ルイーズ・ブルックス

ニューヨークの大手百貨店を舞台に繰り広げられる無声ロマンティック喜劇。『パンドラの匣』で知られるルイーズ・ブルックスが、渡欧前のハリウッド時代に出演した軽快なコメディのうちの貴重な一本である。ヒロインの妹役を小悪魔的な魅力たっぷりに演じるその圧倒的なオーラをフィルムを通して感じて欲しい。“フラッパーガール”の象徴だったルイーズのヘアスタイルやファッションにも大注目!

 

Bプログラムショートコメディのマエストロ
「メーベルの誤解」Bangville Police
(1913/8分/サイレント)
キーストン・フィルム・カンパニー
監督:ヘンリー・レアマン
出演:フレッド・メイス、メーベル・ノーマンド

「悪太郎」The Goat
(1921/23分/サイレント)
バスター・キートン・プロダクション
監督:バスター・キートン、マル・セント・クレア
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ

「モンティの愛犬騒動」Wedding Bells
(1924/18分/サイレント)
モンティ・バンクス・プロダクションズ
監督:ハリー・エドワーズ
出演:モンティ・バンクス、ルイーズ・カーヴァー

「ちびっこギャングのボクシング」Glove Taps
(1937/10分[短縮版]/サイレント[トーキー無声化])ハル・ローチ・スタジオ
監督:ゴードン・ダグラス
出演:ちびっこギャング

「モーの独裁者時代」You Nazty Spy!
(1940/18分/トーキー)コロンビア映画
監督:ジュールズ・ホワイト
出演:3ばか大将(モー・ハワード、ラリー・ファイン、カーリー・ハワード)

クラコメの大人気プログラムが今年も帰ってくる!今回は1910〜40年代の秀作短編をそろえた。キーストン警官隊が初登場した記念碑的作品『メーベルの誤解』、バスター・キートンの隠れた傑作『悪太郎』。『モンティの愛犬騒動』は戌年にちなんでワンちゃんが最高の演技を見せる。ちびっこギャングのトーキーを無声仕立てにした珍品やチャップリンより早くヒトラーを諷刺した3ばか大将の作品と、クラコメでしか観られない珠玉の短編喜劇が満載!

 

Cプログラム日本の傑作喜劇① 新時代のサイレント喜劇
「ゆめこの大冒険」Yumeko no Daiboken
1987 70分 サイレント
制作:アウトワン
配給:プランセカンス
監督:筒井武文
出演:かとうゆめこ(二役)、すずきやすし

『ゆめこの大冒険』は奇跡のサイレント映画だ。1980年代に本格的な無声長編を制作しえたのは世界的にも稀な出来事だったはず。草創期のスラップスティック喜劇をなぞりつつ、メリエスやルノワール、シュルレアリスムへの目配せも忘れず、それでいてオリジナリティ溢れる痛快な娯楽作。主演のかとうゆめこをはじめ若いキャストたちの疾走感溢れる演技が魅力的だ。今回は染色版を鳥飼りょうのピアノ生伴奏付きで上映する。貴重な機会をお見逃しなく!

 

Dプログラム日本の傑作喜劇② お正月だよ!オペレッタ♪

©日活

「鴛鴦歌合戦」Singing Love Birds
(1939/69分/トーキー)日活
監督:マキノ正博
出演:片岡千恵蔵、ディック・ミネ、志村喬、市川春代

新春の初笑いにふさわしいニッポンの傑作喜劇、ついにクラコメに登場!約80年も前の日本にこんなにオシャレでモダンでハッピーなオペレッタ映画があった!ディック・ミネのバカ殿が歌い踊り、志村喬も負けじと美声を聴かせ、片岡千恵蔵の明朗な美しさが映える。和製コリーン・ムーアと呼ばれた市川春代の愛らしさ。ジャズと時代劇がコラボしたモダン時代劇の傑作!何度も観ているファンも初めて観る若い世代もみんな一緒にハッピーになろう♪

 

 

 

Eプログラムローレル&ハーディのおかしな世界①
ソロからコンビへ サイレントからトーキーへ

「壁紙職人と助手」Paper Hanger’s Helper
(1925/12分/サイレント)
カンバーランド・プロダクション
監督:ワード・ヘイズ
出演:オリヴァー・ハーディ、ボビー・レイ

「完成したみたい」The Finishing Touch
(1928/21分/サイレント)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:クライド・ブルックマン
監修:レオ・マッケリー
出演:ローレル&ハーディ、エドガー・ケネディ

「情けは人の為め」One Good Turn
(1931/20分/トーキー)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジェームス・W・ホーン
出演:ローレル&ハーディ、メアリー・カー

「水よりも濃し」Thicker than Water
(1935/21分/トーキー)
ハル・ローチ・スタジオ
監督:ジェームス・W・ホーン
出演:ローレル&ハーディ、ダフネ・ポラード、ジェームス・フィンレイソン

今年のクラコメは「極楽コンビ」ことローレル&ハーディを大特集!彼らこそ“お笑い”コンビのパイオニアにして頂点。ピーター・セラーズやブレイク・エドワーズ、ジェリー・ルイスら多くの喜劇人から尊敬された。特集①は彼らの真骨頂である短編作品を集めた。サイレントのみならずトーキーでも大成功した二人の足跡を楽しんで欲しい。スタン・ローレルとのコンビ結成前にオリヴァー・ハーディが別のコメディアンとコンビを組んだレアな短編も上映する。

 

Fプログラムローレル&ハーディのおかしな世界②
激レア!極楽コンビの長編トーキー

「極楽浪人天国」The Bohemian Girl
(1936/71分/トーキー)
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
監督:ジェームス・W・ホーン、チャールズ・ロジャース
出演:ローレル&ハーディ、ジャクリーン・ウェルズ

特集①の『水よりも濃し』を最後にローレル&ハーディは短編を卒業し長編喜劇に移行した。今回上映するのはバルフェの歌劇『ボヘミアの少女』を翻案した時代物のオペレッタ。心優しいジプシー二人組をローレル&ハーディが演じている。伯爵家からさらわれた少女との疑似家族ぶりが微笑ましく、少女が歌う名曲「マーブル・ホールズ」もすばらしい。日本ではほぼ上映機会のなかった激レア作品!

 

 

Gプログラム100歳映画・コメディ学入門特別編
「ロイドの猛獣結婚」The Non-Stop Kid
(1918/17分/サイレント)
ローリン・フィルムス
監督:ギルバート・プラット
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ

「成金」
Sanji Goto – The Story of Japanese Enoch Arden
(1918/34分/サイレント/35mm)
東洋フィルム会社
監督:トーマス栗原(栗原喜三郎)
出演:中村洋好、木野五郎、鈴木美代子
東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

トーク
筒井武文
(『ゆめこの大冒険』監督)
いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家/古典喜劇映画上映委員会委員長)

2018年で「100歳」になる映画として、ハロルド・ロイドの初期短編とトーマス栗原監督『成金』を上映する。ハリウッド帰りのトーマス栗原がアメリカ仕込みのスラップスティックを日本映画に移植したのが『成金』である。和製チャップリンこと中村洋好が横浜を疾走する姿と、若きロイドのカラッと明るいドタバタを並べると何が見えてくるだろうか?ゲストに筒井武文監督を迎え、コメディ映画の100年を語り尽くす。

 

Hプログラム8mmワークショップ作品披露上映[無料]
2017年秋のワークショップ《8ミリ映画講座フルコース コメディ編(神戸開港150年記念事業)》にて受講生たちが台本作りからフィルム現像まですべてを手がけた3作品をピアノ生演奏付きで無料上映する。「3分・3カット・無声」の制約の下で試行錯誤を繰り返し、新しい時代の無声喜劇が生まれた。

 

作品解説:いいをじゅんこ
記載以外はすべて16mmフィルムでの上映

活弁+演奏付き上映
1月5日(金)Aプロ 活動弁士:大森くみこ 演奏:鳥飼りょう
ピアノ演奏付き上映

1月5日(金)Hプロ(無料) 6日(土)B、C、Gプロ 演奏:鳥飼りょう
1月7日(日)H(無料)、Eプロ 8日(月・祝)A、Bプロ 演奏:天宮遥

《料金》入れ替え制
活弁+演奏付き上映(5日) 一律1500円 *招待券のご利用不可
演奏付き上映 一般1400円 学生1200円 会員1200円 *招待券のご利用不可
上映のみ 一般1200円 学生1000円 会員1000円
*当日に限り2プログラム目は100円割引

クラコメ新年会
1月5日(金)20:00〜21:30  会場:旧グッゲンハイム邸(塩屋)
映画を楽しんだ後は、1909年建築の洋館・旧グッゲンハイム邸でクラコメ新年会。
DJ:Alimylove (A.K.A.森本アリ|約百年前音楽選集)
FOOD:六甲山系ピカソ
出店:spacemoth(ヴィンテージのポップアップショップ)
会費(軽食付き/ドリンクは別途) 一般1500円 小学生以下500円
* 差し入れ大歓迎
* 20年代風モボ・モガファッションでご来場の方に神戸映画資料館での上映の200円割引券を進呈します。ロイド眼鏡、山高帽子などモボ・モガなりきりを宣言すれば何でもOK! 着物も大歓迎!
予約申し込み
guggenheim2007@gmail.com まで、「クラコメ新年会予約」と、人数、申し込み代表者のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。返信をもって予約完了とさせていただきます。

フライヤーデザイン:萩原小麻紀

主催:古典喜劇映画上映委員会
後援:神戸市、神戸市教育委員会
助成:芸術文化振興基金
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター


サイレント映画鑑賞会 キートン映画デビュー100周年

2017年10月28日(土)14:00

「恋愛三代記」Three Ages
(アメリカ/1923/58分/無声/16mm)
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ウォレス・ビアリー、マーガレット・リーヒー
ピアノ伴奏:天宮遥

いつの世も変わらないもの、それは恋。原始時代、ローマ時代、現代の3つの時代をまたにかけ、バスター青年、乙女、ライバルの3人が壮大な三角関係を繰り広げる大河ドラマ…ならぬドタバタ喜劇。
19本の2巻もの短編喜劇を作ったあと、キートンが満を持して挑んだ初の長編作品である。とはいえ長編の構成にまだ自信のなかったキートンは、尊敬するD・W・グリフィス監督に倣い『イントレランス』のパロディ映画にすることを思いついた。「うまくいかなければ短編に編集しなおして公開できるように」とのキートンの目論見だったが、できあがったのはナンセンスなギャグにウィットを効かせたオフビートな傑作長編であった。まさに時代を超えて存分に楽しめる爆笑巨編、乞うご期待!

 

「キートンの線路工夫」The Railrodder
(アメリカ/1965/24分/16mm)
監督:ジェラルド・パッタートン
出演:バスター・キートン

『恋愛三代記』から42年後に作られた無声短編映画。ロンドンの橋の上で突然カナダへ行きたくなった老キートンは、テムズ川にドボンと飛び込み、大西洋を渡ってカナダの海岸に現れる。そこで都合よくカナダ鉄道のトロッコを見つけ、いざ太平洋へ向けてカナダ横断の一人旅に出る。
あるキートンファンの言によれば、当時カナダ国立映画制作庁はカナダの風物を宣伝する”プロパガンダ映画”(笑)を量産していたらしい。『線路工夫』もその内の一本で、カナダ国有鉄道のPR映画である。喜劇王キートンが主演した(しかも貴重なカラー作品)ことで、『線路工夫』は半世紀以上経った今も傑作として愛されている。今年はカナダ建国150年ということで、カナダ各地でも上映イベントが行われているそうだ。

バスター・キートン Buster Keaton (1895~1966)
映画の中で決して笑わない「偉大なる無表情」で知られるコメディアン/映画監督。チャップリン、ロイドと並ぶ世界三大喜劇王の一人。寄席芸人の両親と共に3才から舞台に立つ。超人的な身体能力でサイレント喜劇の傑作を生んだ。天性の映画作家でありウディ・アレンら後世の監督にも影響を与え続けている。晩年もテレビやサーカス、舞台等で活躍。最後まで現役を貫いた。代表作は『探偵学入門』(1924)『大列車追跡』(1926)『キートンの線路工夫』(1965)サミュエル・ベケットの唯一の映画作品『フィルム』(1965)等。今年2017年はキートンの映画デビュー百周年にあたる。

解説:いいをじゅんこ

《料金》2本立て(入替無し)
一般1000円 学生900円 会員900円
《割引》[第13講コメディ学入門] 参加者は200円引き

クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第13講コメディ学入門
BK100 ── 祝・映画デビュー100周年 バスター・キートンの生涯 ──

2017年10月28日(土)15:40〜17:40

クラシック喜劇研究家/ライターのいいをじゅんこが、ひと組の喜劇王にテーマをしぼり、みどころ、歴史、笑いのツボなどを楽しく紹介します。レッツ温故知新!
今回のテーマは
「BK100 ── 祝・映画デビュー100周年 バスター・キートンの生涯 ──」

1917年、バスター・キートンは『デブ君の女装』(The Butcher Boy)で映画デビューした。今年は100年目の記念の年にあたる。キートンの姿が初めてフィルムに焼き付けられたその日は、リュミエール兄弟が世界で初めて映画興行を行った日と同じくらい、映画史において重大な、記憶されるべき日である…と言うのは、おおげさだろうか?(ちなみにキートンが生まれたのは”映画誕生”と同じ1895年である。)

サイレントからトーキーへと映画は移り変わり、やがてテレビが登場。メディアは変遷しても、キートンの喜劇は変わらなかった。まるで吹き荒れる嵐の中心にいるかのように、キートンの喜劇にブレはなかった。だが実生活では、最初の妻との確執、MGMからの解雇、アルコール依存症との戦いがあり、さらにそこからの復活と再評価の時代があった。

コメディ学入門では過去に2回バスター・キートンを取り上げている(第8・9講)。そこではキートンのギャグ解析や映画術を中心に講義した。キートンの喜劇人としてのキャリアに、私生活をいたずらに重ね合わせることはしたくない(とりわけ悲劇的な側面は)というのがわたしのスタンスだが、「人間キートン」に光をあてることで、逆に見えてくるものもあるかもしれない。わたし自身もそんな期待を持ちながら、今回の講座ではキートンの実生活での波乱にもふれ、バスター・キートンの全生涯をていねいに振り返ってみたい。

講座の前のサイレント映画上映会は、キートンの長編処女作『恋愛三代記』(1923)と、晩年の代表作『キートンの線路工夫』(1965 カラー!)の豪華二本立て。さらに講座の翌日には旧グッゲンハイム邸でキートンの最高傑作『大列車追跡』の上映も予定している。神戸の地でキートン映画デビュー100周年を祝える幸せを、今ひしひしと噛みしめている。

「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」(運営:いいをじゅんこ)

《参加費》 1000円
*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


1920年代フランス前衛映画
2017年6月17日(土)・18日(日)

表現主義、未来派、キュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムなどの影響のもと、1920年代に生まれた前衛映画を特集する。

ピアノ演奏付き上映
6月17日(土) 演奏:鳥飼りょう

「バレエ・メカニック」

Aプログラム
「理性に帰る」Le Retour à la Raison
(1923/3分[18コマ]/サイレント/16mm)
監督:マン・レイ
 
「バレエ・メカニック」Ballet Mécanique
(1924/14分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:フェルナン・レジェ

「幕間」Entr’acte
(1924/21分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:ルネ・クレール
 
「メニルモンタン」Menilmontant
(1925/38分 26分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:ディミトリ・キルサノフ

 

「アンダルシアの犬」

Bプログラム
「アンダルシアの犬」Un Chien Andalou
(1928/24分/サウンド版/16mm)
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ
 
「アネミック・シネマ」Anémic Cinéma
(1926/8分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:マルセル・デュシャン
 
「エマク・バキア」Emak Bakia
(1926/20分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:マン・レイ

「チャールストン」Sur un Air de Charleston
(1926/25分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:ジャン・ルノワール

 

《料金》入れ替え制
演奏付き上映 17日(土)  一般1400円 学生1200円 会員1200円 
サイレント上映 18日(日)一般1000円 学生800円 会員800円
《割引》当日2プログラム目は200円引き


神戸クラシックコメディ映画祭2017
2017年1月7日(土)〜9日(月・祝)
 

Aプログラムショート・コメディのマエストロ
hauntedspooks01「化物退治」Haunted Spooks
(1920/29分[16コマ]/16mm)◎
ロリン・フィルムズ=パテ・エクスチェンジ作品
製作:ハル・ローチ
監督・脚本:アルフレッド・J・グールディング、ハル・ローチ
出演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス、ウォーレス・ハウ

「なかなか冴えてる」Crazy Like a Fox
(1926/32分[16コマ]/16mm)
crazy_like_a_fox01ハル・ローチ・スタジオ=パテ・エクスチェンジ作品
製作:ハル・ローチ 監督:レオ・マッケリー
監修:F・リチャード・ジョーンズ
脚本:H・M・ウォーカー、チャールズ・アルフィン、チャーリー・チェイス
出演:チャーリー・チェイス、マーサ・スリーパー、ウィリアム・V・モング

「デブ君の漂流(旧題:デブと海嘯)」
Fatty and Mabel Adrift (1916/39分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー=トライアングル・ディストリビューティング作品
製作:マック・セネット 監督・脚本:ロスコー・アーバックル
出演:ロスコー・アーバックル、メーベル・ノーマンド、アル・セント・ジョン、犬のリューク、フランク・ヘイズ、ウェイランド・トラスク

独自のキャラクター性を模索する姿が初々しいハロルド・ロイド作品。若き日のレオ・マッケリー監督が最も尊敬していたという夭折のコメディアン=チャーリー・チェイスとの最強タッグ作品。そして、抒情的な画面創りとスラップスティックを調和させた伝説のコメディアン=ロスコー・アーバックル初期の傑作(1980年代末に発見・復刻されたノーカット染色版)を組み合わせた豪華三本をここに! 幻惑と様式美を贅沢に堪能する無声映画の至宝プログラムです!(新野)

 

Bプログラムローレル&ハーディ
flying_deuces01「天国二人道中」The Flying Deuces
(1939/68分/トーキー/16mm)◎
ボリス・モロス・プロダクション作品
監督:A・エドワード・サザーランド
撮影:アート・ロイド
脚本:ラルフ・スペンサー、ハリー・ラングドン
出演:ローレル&ハーディ、ジーン・パーカー、レジナルド・ガーディナー

2016年の《新春コメディ宝箱》で一躍人気者になったローレル&ハーディが、長編作品で帰ってくる! やせのスタンとふとっちょオリーの極楽コンビはパリで楽しい休暇中。オリーは美しいパリジェンヌに恋をするもあっさりフラレてしまう。「傷心を忘れるなら軍隊がイチバン」と外人部隊に入隊するふたりだったが…。
ローレル&ハーディらしいノンシャランな物語とスラップスティックが絶妙に融合した後期の傑作。クライマックスの飛行機アクションなどそれまでの作品にはない大規模な視覚ギャグに大笑いさせられる。ミュージカルシーンではオリーが美声を聴かせ、スタンが軽快に踊る。名コンビぶりに酔い痴れて、お正月からまさに極楽気分! 脚本にハリー・ラングドンが参加している。(いいを)

 

Cプログラム100歳映画
fatty_butcher01「デブ君の女装」The Butcher Boy
(1917/33分[16コマ]/16mm)
コミック・フィルム・コーポレーション=パラマウント・フェイマス・プレイヤーズ・ラスキー作品
製作:ジョゼフ・M・スケンク
監督・脚本:ロスコー・アーバックル
出演:ロスコー・アーバックル、アル・セント・ジョン、ジョセフィーヌ・スティーブンス、バスター・キートン、犬のリューク

「ポリドールvs.日本人」Polidor e il giapponese
(1917/10分[16コマ]/16mm)
polidor01ティベル社作品
監督:フェルディナンド・ギラウメ(フェルディナン・ギョーム=ポリドール)
出演:ポリドール、マティルデ・ギラウメ、トモシロー・マツモト

「ガッスルの潜水艇」The Submarine Pirate
(1917/37分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー=トライアングル・ディストリビューティング作品
製作・脚本:マック・セネット
監督:チャールズ・アヴェリー、シド・チャップリン
出演:シド・チャップリン、フィリス・アレン・グレン・カヴェンダー

「雨中の逃亡」Teddy at the Throttle
(1917/30分[16コマ]/16mm)◎
キーストン・フィルム・カンパニー=トライアングル・ディストリビューティング作品
製作:マック・セネット 監督:クラレンス・G・バジャー
出演:ボビー・ヴァーノン、グロリア・スワンソン、ウォーレス・ビアリー、犬のテディ

1917年は、映画産業が迎えた最初の大転換期にあたります。動乱の世界情勢を背景に、「写真や演劇の従弟」の類と見られていた映画が、「臨場感と時空間をまるごと再生できる表現手段」に急成長し、新たな大衆芸能として娯楽の王様になりました。そして、映画は卑近なエンタテインメントながらも、文芸化、大作化の潮流が湧き起こります。こうして活況を呈する映画産業ですが、第一次世界大戦を境に、その中心地はヨーロッパ(疲弊したフランスやイタリア)からアメリカ(新興のハリウッド)に移行し、やがて観客の嗜好を反映して、映画(声のない芝居)における「仰々しいジェスチャー」は「日常的な所作」へと方向転換します。当プログラムでは、映像表現の原点となる喜劇から、その100年前の大転換期を再考察してみようと、映画史に埋もれた問題作・名作・珍作を選んでみました。

『デブ君の女装』は、コメディアンの伝統芸“女装”を活かした佳品で、何とバスター・キートンの銀幕デビュー作!『ポリドールvs.日本人』は、欧米に並び列強国となったアジアの小国ニッポンを茶化した珍作で、ダダイズム勃興の時代背景を考えるとシッチャカメッチャカな展開も納得できる!? 『ガッスルの潜水艇』は、1915年に発表された作品を、1917年のドイツ軍・Uボートによる通商破壊から第一次大戦にアメリカが参戦した事により、改めてマック・セネットが再編集したアメリカ海軍協力のドタバタ劇! 『雨中の逃亡』は、若きグロリア・スワンソンが美貌のヒロインを演じる、“元祖”勧善懲悪ロマンティック・コメディ! さてさて、スペクタクル性とドラマツルギーの“大転換期”を再考察するプログラム、とくとご覧あれ!(新野)

 

Dプログラム激レア・キートン1
spite_marriage01「キートンの結婚狂」Spite Marriage
(1929/73分[24コマ]/16mm)
M.G.M.=エドワード・セジウィック・プロダクション作品
製作:バスター・キートン、エドワード・セジウィック
監督:エドワード・セジウィック、バスター・キートン(ノン・クレジット)
原作:リュー・リプトン 改作:アーネスト・パガーノ
脚本:リチャード・スカイヤー
撮影:レジー・ラニング 美術:セドリック・ギボンズ
メイク:モンテ・ウェストモア
出演:バスター・キートン、ドロシー・セバスチャン、エドワード・アール、リリア・ハイムズ、ウィリアム・ベッチェル、ハンク・マン

長年連れ添った家族同様のスタッフたちと訣別し、M.G.M.の専属スターとなって作られた、キートン最後のサイレント作品。晩年にキートンは、製作サイドより即興的なパントマイムやアクロバットを封印された事で凡作に陥ってしまったような事を語っておられましたが、何をおっしゃいますか! 映画史に於いても、まぎれもない特級作品の完成度ですゾ! しかも本作のギャグを支えていたのは、のちの『硫黄島の砂』のカメラマン、『オズの魔法使』の美術、『風と共に去りぬ』のメイクなど、M.G.M.が誇る優秀なスタッフたち!

復刻ニュー・プリント・伴奏付き日本初公開!
かつてはキートンの研究書などに「M.G.M.にはプリントが現存せず、ネガも修復不能のために再上映は永遠に不可能」とされていた作品で、アルゼンチンの個人コレクター・故エンリク・ブッシャール(英語発音ではエンリック・ブーチャード)氏が所有する1929年初公開時の劣化したプリントだけが、唯一の研究向け資料とされていた。今回上映のプリントは、1990年代にアメリカのメディア王テッド・ターナー氏が莫大な費用をかけて、M.G.M.所蔵のネガを復刻したニュー・ヴァージョン! まさにキートンの映画デビュー100周年を飾る超目玉!お見逃しなく!(新野)

 

Eプログラム激レア・キートン2
playhouse01「即席百人芸(別題:一人百役)」The Play House
(1921/30分[16コマ]/16mm)
ジョゼフ・M・スケンク・プロダクションズ=ファースト・ナショナル作品
製作:ジョゼフ・M・スケンク
監督・脚本:エドワード・E・クライン、バスター・キートン
撮影:エルジン・レスリー 美術:フレッド・ガブリー
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ

「早撮りレスターの勝利」The Triumph of Lester Snapwell
(1963/21分/トーキー/16mm)
イーストマン・コダック=コダック・インフォメーショナル・フィルム作品
監督:ジェイムズ・カールホーン 脚本:ラルフ・バートン
出演:バスター・キートン、シグリッド・ネルソン、ニナ・バレラ

機械マニアにして特殊効果に研究熱心であったキートンの、才気煥発の初期作品。よくぞここまで! と感心する間もなく笑いの渦へと巻き込まれる。溢れるキートン、若きキートン、沢山のキートンをご堪能あれ♪♪♪ さらに、コダック製品の宣伝として製作された、愉快でキュートな老キートン主演の珍作。無声映画へのオマージュがちりばめられた作風が微笑ましい総天然色PR映画!(新野)

 

Fプログラムコメディエンヌ特集
danger_girl01「水の妖精」The Water Nymph
(1912/11分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督:マック・セネット
出演:メイベル・ノーマンド、水着美人、フォード・スターリング

「チーズ戦争」A Strong Revenge
(1913/15分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督:マック・セネット
出演:マック・セネット、フォード・スターリング、メイベル・ノーマンド

「危険な娘」The Danger Girl
(1916/30分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督:クラレンス・C・バジャー
出演:グロリア・スワンソン、ボビー・ヴァーノン

hold_your_breath01「息を殺して」Hold Your Breath
(1924/48分[16コマ]/16mm)
クリスティ・フィルム・カンパニー作品
監督:スコット・シドニー
脚本:フランク・ローランド・コンクリン
出演:ドロシー・デボア、ウォルター・ハイアーズ、マックス・デイヴィッドソン

「つらあて」A Busy Day
(1914/6分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督・脚本:チャールズ・チャップリン 撮影:フランク・D・ウィリアムズ
出演:チャールズ・チャップリン、マック・スウェイン、フィリス・アレン

アメリカ初の女性大統領はいまだ誕生しない。しかし映画界には100年以上前から多くの「喜劇の女王たち」がいた!特に、才能発掘に長けていた大プロデューサーマック・セネットが世に送り出したコメディエンヌは数知れない。今回は彼が設立したキーストン社の1910年代の作品を中心に、コメディエンヌの魅力のつまったレアな作品をそろえてみた。
喜劇界のミューズ、メイベル・ノーマンド。元祖AKB48的(?)アイドルユニット「水着美人」。グロリア・スワンソンの短編には『サンセット大通り』の原点が垣間見える…か!? 20年代の作品『息を殺して』はハロルド・ロイドの『要心無用』にインスパイアされたもの。高層ビルアクションに果敢に挑むドロシー・デボアにご注目。女装姿で暴れまくるチャップリンが加わったのはご愛嬌。女装は英国の寄席(ミュージックホール)の伝統芸で、その歴史はモンティパイソンの「ペッパーポット」や現代の英国シットコムまで脈々と受け継がれている。(いいを)

 

kurakome2017omote◎以外はすべて喜劇映画研究会所蔵作品

プログラム解説:新野敏也(喜劇映画研究会)、いいをじゅんこ

 

 

 

 

ピアノ演奏付き上映
1月8日(日)Dプロ、Cプロ 演奏:天宮遥
1月9日(月・祝)Aプロ、Fプロ 演奏:鳥飼りょう

1月9日(月・祝) コメディ学入門 クラコメ特別編
講師:いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家) ■参加費 500円
クラシックコメディなう!2016-2017
2016年1月の「新春コメディ宝箱」から1年。2017年酉年は「神戸クラシックコメディ映画祭」と銘打って新たなスタートを切る。今回のコメディ学入門特別編では、3日間の映画祭をふりかえっての総括と、クラシックコメディの豊かさやその意義についてあらためて考えたい。また、ここ1、2年の間に新たにフィルムが発掘・修復されたコメディ映画や、現在進行中のさまざまなプロジェクトを紹介して、世界のアーキビストたちの活躍に敬意を表することにする。
「クラシックコメディ」とは、映画史の鉱脈の奥深くに埋もれながら、今なお強い輝きを放ち生き続ける「永遠の原石」なのである。ひとりでも多くの人とその輝きをわかちあえる幸福を感じながら、3日間の映画祭をわたしも心から楽しみたい。

新年会 & クラシック喜劇総選挙結果発表
1月9日(月・祝)18:30ごろ〜(終了予定20:30)
最終日の上映終了後に新年会を予定しております。お時間のある方は気軽にご参加ください。

今回もやります、クラシックコメディ総選挙!酉年のセンターをとるのはどのコメディアン?ぜひお気に入りを見つけて一票を投じて下さい。映画祭終了後の新年会にて開票予定。選挙結果は後日ネット上でもお知らせします。

会費:1000円(おつまみ程度をご用意)*差し入れ大歓迎
会場:神戸映画資料館カフェスペース

喜劇映画研究会
1976年11月6日(土)に東京都渋谷区立広尾中学校の文化祭にて、二年生の小林一三(現在はケラリーノ・サンドロヴィッチ)の行なったチャップリン上映会が起源となる。1984年より新野敏也が中興の祖となって改組、「文化啓蒙と社会貢献」「伝統の継承と再発見」を大義名分に、欧米の喜劇映画史を網羅したフィルム・コレクションと関連資料による自主企画イベントを開催、学校、各種メディア、公共機関、映画祭などでも執筆、講演、企画協力を行なっている。今日までに『サイレント・コメディ全史』『〈喜劇映画〉を発明した男 帝王マック・セネット、自らを語る』を発刊、青息吐息で悶絶しながらも、2026年の設立50周年を目指している。
→公式サイト

 
→facebook
 

20年代風モボ・モガファッションでご来場の方に1ドリンク券を進呈します。ロイド眼鏡、山高帽子などモボ・モガなりきりを宣言すれば何でもOK! 着物も大歓迎! 初詣、成人式のお帰りにぜひお越しください♪

《料金》入れ替え制
一般1200円 学生1000円 会員1000円
演奏付き上映[一般1400円 学生1200円 会員1200円 *招待券のご利用不可]
*当日に限り2プログラム目は100円割引
会員限定フリーパス 6000円(10枚限り/売り切れ次第終了/コメディ学入門も使用可/新年会会費は別)

主催:古典喜劇映画上映委員会


サイレント映画鑑賞会 三大喜劇王の初期短篇集

2016年11月26日(土)・27日(日)

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Aプログラムキートン & ロイド
「ロイドのスケート」Don’t Shove
(アメリカ/1919/11 17分[16コマ]/無声/16mm)
監督:A・グールディング
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ、バド・ジェイミソン
「元祖メガネ男子」ハロルド・ロイド。どこにでもいる普通の青年を無声喜劇で初めて演じたのがロイドだった。『ロイドのスケート』では初々しいロイドがモーニング姿で颯爽と登場する。ライバルとヒロインを奪い合うお約束から始まり、偶然入ったスケート場で騒動を起こすあっけらかんとしたナンセンス喜劇。

「キートンの空中結婚」The Balloonatic
(アメリカ/1923/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、フィリス・ヘイヴァー
モテないバスターは遊園地でナンパするも失敗の連続。熱気球にうっかり乗り込んでしまいいざ単独飛行へ。キートンらしい順応の早さで空の生活をエンジョイするが、ついに気球は破れて谷間に墜落。偶然にもさっきバスターを振った彼女が楽しげにキャンプをしていた…。キートンが気球やボートと一体化するギャグがシュールな短篇。

「キートンの電気館」The Electric House
(アメリカ/1922/20 30分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ
「コメディアンになっていなければエンジニアになりたかった」というキートンのガジェット好きな一面が観られる傑作。電気技師に間違われたキートンがある屋敷の「オール電化」を任されるが…。撮影中に足を骨折し、休養中に『即席百人芸』を撮ったという逸話もある。今回神戸映画資料館では初上映となる。

「キートンの囮」Jail Bait
(アメリカ/1937/19分/16mm)
監督:チャールズ・ラモン
出演:バスター・キートン、ハロルド・グッドウィン
キートン主演のレアなトーキー短篇。キートンは親友の記者に頼まれて殺人犯になりすまし自首する。拘留中に記者自ら真犯人を捕まえスクープするためだったが、事態は最悪の展開に…。低予算ながらセンスの光る佳作。無声時代には及ばないものの随所に“キートネスク”を感じさせてくれる。何より、キートンの声が聞ける!

Bプログラムチャップリン
「チャップリンの活動狂」A Film Johnnie
(アメリカ/1914/9分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:ジョージ・ニコルズ
出演:チャールズ・チャップリン、ロスコー・アーバックル、フォード・スターリング 他
活動写真に夢中のチャーリーは撮影所に迷い込む。大スターたちにうっとりして撮影の邪魔ばかりし鬼監督に追い回される。いつもは道化メイクのコメディアンたちが本人役で素顔を垣間見せる愉快な舞台裏もの。キーストン喜劇お得意のセルフパロディの一本だ。

「タンゴのもつれ」Tango Tangles
(アメリカ/1914/12分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:チャールズ・チャップリン、フォード・スターリング、ロスコー・アーバックル 他
『活動狂』同様、キーストン社のコメディアンたちが素顔で登場するが、今作は何とチャップリンもノーメイク! チャップリンが実は“イケメン”だったことがおわかりいただけるだろう。酔っ払いのチャーリーがダンスホールで女の子を奪い合うファース。ダンスホールの客は一般人で、ドキュメントタッチな撮影も面白い。

「ノックアウト」The Knockout
(アメリカ/1914/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:ロスコー・“ファッティ”・アーバックル、エドガー・ケネディ、チャールズ・チャップリン
ファッティことロスコー・アーバックル主演の短篇。ケンカが強いファッティは拳闘試合でひと稼ぎしようと張り切る。チャップリンはボクシングシーンのみわずか数分の出演だが、キレのある動きと即興の妙で大いに笑わせる。チャップリンはこのシーンのアイディアをエッサネイ時代の『拳闘』や『街の灯』の有名なボクシングシーンに生かした。

「チャップリンのパン屋」Dough and Dynamite
(アメリカ/1914/15 17分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、チェスター・コンクリン
ある食堂でパン職人たちがストライキを起こし、ウエイターのチャーリーとチェスターはパン作りを命じられる。チャップリンの演出でキーストン流ドタバタを一歩進めたドラマ性を感じさせる作品。共演のチェスター・コンクリンはチャップリンの先輩格だが、気鋭の後輩に華をもたせ抜群のコンビネーションを見せる。

*上映分数は、上映コマ数により変わる可能性があります。
作品解説:いいをじゅんこ

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般800円 学生・シニア700円
会員700円 会員学生・シニア600円

《割引》当日2プログラム目、あるいは[第12講コメディ学入門] 参加者は200円引き


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。