プログラムPROGRAM

サイレント映画

サイレント映画鑑賞会 キートン映画デビュー100周年

2017年10月28日(土)14:00

「恋愛三代記」Three Ages
(アメリカ/1923/58分/無声/16mm)
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ウォレス・ビアリー、マーガレット・リーヒー
ピアノ伴奏:天宮遥

いつの世も変わらないもの、それは恋。原始時代、ローマ時代、現代の3つの時代をまたにかけ、バスター青年、乙女、ライバルの3人が壮大な三角関係を繰り広げる大河ドラマ…ならぬドタバタ喜劇。
19本の2巻もの短編喜劇を作ったあと、キートンが満を持して挑んだ初の長編作品である。とはいえ長編の構成にまだ自信のなかったキートンは、尊敬するD・W・グリフィス監督に倣い『イントレランス』のパロディ映画にすることを思いついた。「うまくいかなければ短編に編集しなおして公開できるように」とのキートンの目論見だったが、できあがったのはナンセンスなギャグにウィットを効かせたオフビートな傑作長編であった。まさに時代を超えて存分に楽しめる爆笑巨編、乞うご期待!

 

「キートンの線路工夫」The Railrodder
(アメリカ/1965/24分/16mm)
監督:ジェラルド・パッタートン
出演:バスター・キートン

『恋愛三代記』から42年後に作られた無声短編映画。ロンドンの橋の上で突然カナダへ行きたくなった老キートンは、テムズ川にドボンと飛び込み、大西洋を渡ってカナダの海岸に現れる。そこで都合よくカナダ鉄道のトロッコを見つけ、いざ太平洋へ向けてカナダ横断の一人旅に出る。
あるキートンファンの言によれば、当時カナダ国立映画制作庁はカナダの風物を宣伝する”プロパガンダ映画”(笑)を量産していたらしい。『線路工夫』もその内の一本で、カナダ国有鉄道のPR映画である。喜劇王キートンが主演した(しかも貴重なカラー作品)ことで、『線路工夫』は半世紀以上経った今も傑作として愛されている。今年はカナダ建国150年ということで、カナダ各地でも上映イベントが行われているそうだ。

バスター・キートン Buster Keaton (1895~1966)
映画の中で決して笑わない「偉大なる無表情」で知られるコメディアン/映画監督。チャップリン、ロイドと並ぶ世界三大喜劇王の一人。寄席芸人の両親と共に3才から舞台に立つ。超人的な身体能力でサイレント喜劇の傑作を生んだ。天性の映画作家でありウディ・アレンら後世の監督にも影響を与え続けている。晩年もテレビやサーカス、舞台等で活躍。最後まで現役を貫いた。代表作は『探偵学入門』(1924)『大列車追跡』(1926)『キートンの線路工夫』(1965)サミュエル・ベケットの唯一の映画作品『フィルム』(1965)等。今年2017年はキートンの映画デビュー百周年にあたる。

解説:いいをじゅんこ

《料金》2本立て(入替無し)
一般1000円 学生900円 会員900円
《割引》[第13講コメディ学入門] 参加者は200円引き

クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第13講コメディ学入門
BK100 ── 祝・映画デビュー100周年 バスター・キートンの生涯 ──

2017年10月28日(土)15:40〜17:40

クラシック喜劇研究家/ライターのいいをじゅんこが、ひと組の喜劇王にテーマをしぼり、みどころ、歴史、笑いのツボなどを楽しく紹介します。レッツ温故知新!
今回のテーマは
「BK100 ── 祝・映画デビュー100周年 バスター・キートンの生涯 ──」

1917年、バスター・キートンは『デブ君の女装』(The Butcher Boy)で映画デビューした。今年は100年目の記念の年にあたる。キートンの姿が初めてフィルムに焼き付けられたその日は、リュミエール兄弟が世界で初めて映画興行を行った日と同じくらい、映画史において重大な、記憶されるべき日である…と言うのは、おおげさだろうか?(ちなみにキートンが生まれたのは”映画誕生”と同じ1895年である。)

サイレントからトーキーへと映画は移り変わり、やがてテレビが登場。メディアは変遷しても、キートンの喜劇は変わらなかった。まるで吹き荒れる嵐の中心にいるかのように、キートンの喜劇にブレはなかった。だが実生活では、最初の妻との確執、MGMからの解雇、アルコール依存症との戦いがあり、さらにそこからの復活と再評価の時代があった。

コメディ学入門では過去に2回バスター・キートンを取り上げている(第8・9講)。そこではキートンのギャグ解析や映画術を中心に講義した。キートンの喜劇人としてのキャリアに、私生活をいたずらに重ね合わせることはしたくない(とりわけ悲劇的な側面は)というのがわたしのスタンスだが、「人間キートン」に光をあてることで、逆に見えてくるものもあるかもしれない。わたし自身もそんな期待を持ちながら、今回の講座ではキートンの実生活での波乱にもふれ、バスター・キートンの全生涯をていねいに振り返ってみたい。

講座の前のサイレント映画上映会は、キートンの長編処女作『恋愛三代記』(1923)と、晩年の代表作『キートンの線路工夫』(1965 カラー!)の豪華二本立て。さらに講座の翌日には旧グッゲンハイム邸でキートンの最高傑作『大列車追跡』の上映も予定している。神戸の地でキートン映画デビュー100周年を祝える幸せを、今ひしひしと噛みしめている。

「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」(運営:いいをじゅんこ)

《参加費》 1000円
*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


1920年代フランス前衛映画
2017年6月17日(土)・18日(日)

表現主義、未来派、キュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムなどの影響のもと、1920年代に生まれた前衛映画を特集する。

ピアノ演奏付き上映
6月17日(土) 演奏:鳥飼りょう

「バレエ・メカニック」

Aプログラム
「理性に帰る」Le Retour à la Raison
(1923/3分[18コマ]/サイレント/16mm)
監督:マン・レイ
 
「バレエ・メカニック」Ballet Mécanique
(1924/14分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:フェルナン・レジェ

「幕間」Entr’acte
(1924/21分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:ルネ・クレール
 
「メニルモンタン」Menilmontant
(1925/38分 26分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:ディミトリ・キルサノフ

 

「アンダルシアの犬」

Bプログラム
「アンダルシアの犬」Un Chien Andalou
(1928/24分/サウンド版/16mm)
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ
 
「アネミック・シネマ」Anémic Cinéma
(1926/8分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:マルセル・デュシャン
 
「エマク・バキア」Emak Bakia
(1926/20分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:マン・レイ

「チャールストン」Sur un Air de Charleston
(1926/25分[16コマ]/サイレント/16mm)
監督:ジャン・ルノワール

 

《料金》入れ替え制
演奏付き上映 17日(土)  一般1400円 学生1200円 会員1200円 
サイレント上映 18日(日)一般1000円 学生800円 会員800円
《割引》当日2プログラム目は200円引き


神戸クラシックコメディ映画祭2017
2017年1月7日(土)〜9日(月・祝)
 

Aプログラムショート・コメディのマエストロ
hauntedspooks01「化物退治」Haunted Spooks
(1920/29分[16コマ]/16mm)◎
ロリン・フィルムズ=パテ・エクスチェンジ作品
製作:ハル・ローチ
監督・脚本:アルフレッド・J・グールディング、ハル・ローチ
出演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス、ウォーレス・ハウ

「なかなか冴えてる」Crazy Like a Fox
(1926/32分[16コマ]/16mm)
crazy_like_a_fox01ハル・ローチ・スタジオ=パテ・エクスチェンジ作品
製作:ハル・ローチ 監督:レオ・マッケリー
監修:F・リチャード・ジョーンズ
脚本:H・M・ウォーカー、チャールズ・アルフィン、チャーリー・チェイス
出演:チャーリー・チェイス、マーサ・スリーパー、ウィリアム・V・モング

「デブ君の漂流(旧題:デブと海嘯)」
Fatty and Mabel Adrift (1916/39分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー=トライアングル・ディストリビューティング作品
製作:マック・セネット 監督・脚本:ロスコー・アーバックル
出演:ロスコー・アーバックル、メーベル・ノーマンド、アル・セント・ジョン、犬のリューク、フランク・ヘイズ、ウェイランド・トラスク

独自のキャラクター性を模索する姿が初々しいハロルド・ロイド作品。若き日のレオ・マッケリー監督が最も尊敬していたという夭折のコメディアン=チャーリー・チェイスとの最強タッグ作品。そして、抒情的な画面創りとスラップスティックを調和させた伝説のコメディアン=ロスコー・アーバックル初期の傑作(1980年代末に発見・復刻されたノーカット染色版)を組み合わせた豪華三本をここに! 幻惑と様式美を贅沢に堪能する無声映画の至宝プログラムです!(新野)

 

Bプログラムローレル&ハーディ
flying_deuces01「天国二人道中」The Flying Deuces
(1939/68分/トーキー/16mm)◎
ボリス・モロス・プロダクション作品
監督:A・エドワード・サザーランド
撮影:アート・ロイド
脚本:ラルフ・スペンサー、ハリー・ラングドン
出演:ローレル&ハーディ、ジーン・パーカー、レジナルド・ガーディナー

2016年の《新春コメディ宝箱》で一躍人気者になったローレル&ハーディが、長編作品で帰ってくる! やせのスタンとふとっちょオリーの極楽コンビはパリで楽しい休暇中。オリーは美しいパリジェンヌに恋をするもあっさりフラレてしまう。「傷心を忘れるなら軍隊がイチバン」と外人部隊に入隊するふたりだったが…。
ローレル&ハーディらしいノンシャランな物語とスラップスティックが絶妙に融合した後期の傑作。クライマックスの飛行機アクションなどそれまでの作品にはない大規模な視覚ギャグに大笑いさせられる。ミュージカルシーンではオリーが美声を聴かせ、スタンが軽快に踊る。名コンビぶりに酔い痴れて、お正月からまさに極楽気分! 脚本にハリー・ラングドンが参加している。(いいを)

 

Cプログラム100歳映画
fatty_butcher01「デブ君の女装」The Butcher Boy
(1917/33分[16コマ]/16mm)
コミック・フィルム・コーポレーション=パラマウント・フェイマス・プレイヤーズ・ラスキー作品
製作:ジョゼフ・M・スケンク
監督・脚本:ロスコー・アーバックル
出演:ロスコー・アーバックル、アル・セント・ジョン、ジョセフィーヌ・スティーブンス、バスター・キートン、犬のリューク

「ポリドールvs.日本人」Polidor e il giapponese
(1917/10分[16コマ]/16mm)
polidor01ティベル社作品
監督:フェルディナンド・ギラウメ(フェルディナン・ギョーム=ポリドール)
出演:ポリドール、マティルデ・ギラウメ、トモシロー・マツモト

「ガッスルの潜水艇」The Submarine Pirate
(1917/37分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー=トライアングル・ディストリビューティング作品
製作・脚本:マック・セネット
監督:チャールズ・アヴェリー、シド・チャップリン
出演:シド・チャップリン、フィリス・アレン・グレン・カヴェンダー

「雨中の逃亡」Teddy at the Throttle
(1917/30分[16コマ]/16mm)◎
キーストン・フィルム・カンパニー=トライアングル・ディストリビューティング作品
製作:マック・セネット 監督:クラレンス・G・バジャー
出演:ボビー・ヴァーノン、グロリア・スワンソン、ウォーレス・ビアリー、犬のテディ

1917年は、映画産業が迎えた最初の大転換期にあたります。動乱の世界情勢を背景に、「写真や演劇の従弟」の類と見られていた映画が、「臨場感と時空間をまるごと再生できる表現手段」に急成長し、新たな大衆芸能として娯楽の王様になりました。そして、映画は卑近なエンタテインメントながらも、文芸化、大作化の潮流が湧き起こります。こうして活況を呈する映画産業ですが、第一次世界大戦を境に、その中心地はヨーロッパ(疲弊したフランスやイタリア)からアメリカ(新興のハリウッド)に移行し、やがて観客の嗜好を反映して、映画(声のない芝居)における「仰々しいジェスチャー」は「日常的な所作」へと方向転換します。当プログラムでは、映像表現の原点となる喜劇から、その100年前の大転換期を再考察してみようと、映画史に埋もれた問題作・名作・珍作を選んでみました。

『デブ君の女装』は、コメディアンの伝統芸“女装”を活かした佳品で、何とバスター・キートンの銀幕デビュー作!『ポリドールvs.日本人』は、欧米に並び列強国となったアジアの小国ニッポンを茶化した珍作で、ダダイズム勃興の時代背景を考えるとシッチャカメッチャカな展開も納得できる!? 『ガッスルの潜水艇』は、1915年に発表された作品を、1917年のドイツ軍・Uボートによる通商破壊から第一次大戦にアメリカが参戦した事により、改めてマック・セネットが再編集したアメリカ海軍協力のドタバタ劇! 『雨中の逃亡』は、若きグロリア・スワンソンが美貌のヒロインを演じる、“元祖”勧善懲悪ロマンティック・コメディ! さてさて、スペクタクル性とドラマツルギーの“大転換期”を再考察するプログラム、とくとご覧あれ!(新野)

 

Dプログラム激レア・キートン1
spite_marriage01「キートンの結婚狂」Spite Marriage
(1929/73分[24コマ]/16mm)
M.G.M.=エドワード・セジウィック・プロダクション作品
製作:バスター・キートン、エドワード・セジウィック
監督:エドワード・セジウィック、バスター・キートン(ノン・クレジット)
原作:リュー・リプトン 改作:アーネスト・パガーノ
脚本:リチャード・スカイヤー
撮影:レジー・ラニング 美術:セドリック・ギボンズ
メイク:モンテ・ウェストモア
出演:バスター・キートン、ドロシー・セバスチャン、エドワード・アール、リリア・ハイムズ、ウィリアム・ベッチェル、ハンク・マン

長年連れ添った家族同様のスタッフたちと訣別し、M.G.M.の専属スターとなって作られた、キートン最後のサイレント作品。晩年にキートンは、製作サイドより即興的なパントマイムやアクロバットを封印された事で凡作に陥ってしまったような事を語っておられましたが、何をおっしゃいますか! 映画史に於いても、まぎれもない特級作品の完成度ですゾ! しかも本作のギャグを支えていたのは、のちの『硫黄島の砂』のカメラマン、『オズの魔法使』の美術、『風と共に去りぬ』のメイクなど、M.G.M.が誇る優秀なスタッフたち!

復刻ニュー・プリント・伴奏付き日本初公開!
かつてはキートンの研究書などに「M.G.M.にはプリントが現存せず、ネガも修復不能のために再上映は永遠に不可能」とされていた作品で、アルゼンチンの個人コレクター・故エンリク・ブッシャール(英語発音ではエンリック・ブーチャード)氏が所有する1929年初公開時の劣化したプリントだけが、唯一の研究向け資料とされていた。今回上映のプリントは、1990年代にアメリカのメディア王テッド・ターナー氏が莫大な費用をかけて、M.G.M.所蔵のネガを復刻したニュー・ヴァージョン! まさにキートンの映画デビュー100周年を飾る超目玉!お見逃しなく!(新野)

 

Eプログラム激レア・キートン2
playhouse01「即席百人芸(別題:一人百役)」The Play House
(1921/30分[16コマ]/16mm)
ジョゼフ・M・スケンク・プロダクションズ=ファースト・ナショナル作品
製作:ジョゼフ・M・スケンク
監督・脚本:エドワード・E・クライン、バスター・キートン
撮影:エルジン・レスリー 美術:フレッド・ガブリー
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ

「早撮りレスターの勝利」The Triumph of Lester Snapwell
(1963/21分/トーキー/16mm)
イーストマン・コダック=コダック・インフォメーショナル・フィルム作品
監督:ジェイムズ・カールホーン 脚本:ラルフ・バートン
出演:バスター・キートン、シグリッド・ネルソン、ニナ・バレラ

機械マニアにして特殊効果に研究熱心であったキートンの、才気煥発の初期作品。よくぞここまで! と感心する間もなく笑いの渦へと巻き込まれる。溢れるキートン、若きキートン、沢山のキートンをご堪能あれ♪♪♪ さらに、コダック製品の宣伝として製作された、愉快でキュートな老キートン主演の珍作。無声映画へのオマージュがちりばめられた作風が微笑ましい総天然色PR映画!(新野)

 

Fプログラムコメディエンヌ特集
danger_girl01「水の妖精」The Water Nymph
(1912/11分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督:マック・セネット
出演:メイベル・ノーマンド、水着美人、フォード・スターリング

「チーズ戦争」A Strong Revenge
(1913/15分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督:マック・セネット
出演:マック・セネット、フォード・スターリング、メイベル・ノーマンド

「危険な娘」The Danger Girl
(1916/30分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督:クラレンス・C・バジャー
出演:グロリア・スワンソン、ボビー・ヴァーノン

hold_your_breath01「息を殺して」Hold Your Breath
(1924/48分[16コマ]/16mm)
クリスティ・フィルム・カンパニー作品
監督:スコット・シドニー
脚本:フランク・ローランド・コンクリン
出演:ドロシー・デボア、ウォルター・ハイアーズ、マックス・デイヴィッドソン

「つらあて」A Busy Day
(1914/6分[16コマ]/16mm)
キーストン・フィルム・カンパニー作品
監督・脚本:チャールズ・チャップリン 撮影:フランク・D・ウィリアムズ
出演:チャールズ・チャップリン、マック・スウェイン、フィリス・アレン

アメリカ初の女性大統領はいまだ誕生しない。しかし映画界には100年以上前から多くの「喜劇の女王たち」がいた!特に、才能発掘に長けていた大プロデューサーマック・セネットが世に送り出したコメディエンヌは数知れない。今回は彼が設立したキーストン社の1910年代の作品を中心に、コメディエンヌの魅力のつまったレアな作品をそろえてみた。
喜劇界のミューズ、メイベル・ノーマンド。元祖AKB48的(?)アイドルユニット「水着美人」。グロリア・スワンソンの短編には『サンセット大通り』の原点が垣間見える…か!? 20年代の作品『息を殺して』はハロルド・ロイドの『要心無用』にインスパイアされたもの。高層ビルアクションに果敢に挑むドロシー・デボアにご注目。女装姿で暴れまくるチャップリンが加わったのはご愛嬌。女装は英国の寄席(ミュージックホール)の伝統芸で、その歴史はモンティパイソンの「ペッパーポット」や現代の英国シットコムまで脈々と受け継がれている。(いいを)

 

kurakome2017omote◎以外はすべて喜劇映画研究会所蔵作品

プログラム解説:新野敏也(喜劇映画研究会)、いいをじゅんこ

 

 

 

 

ピアノ演奏付き上映
1月8日(日)Dプロ、Cプロ 演奏:天宮遥
1月9日(月・祝)Aプロ、Fプロ 演奏:鳥飼りょう

1月9日(月・祝) コメディ学入門 クラコメ特別編
講師:いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家) ■参加費 500円
クラシックコメディなう!2016-2017
2016年1月の「新春コメディ宝箱」から1年。2017年酉年は「神戸クラシックコメディ映画祭」と銘打って新たなスタートを切る。今回のコメディ学入門特別編では、3日間の映画祭をふりかえっての総括と、クラシックコメディの豊かさやその意義についてあらためて考えたい。また、ここ1、2年の間に新たにフィルムが発掘・修復されたコメディ映画や、現在進行中のさまざまなプロジェクトを紹介して、世界のアーキビストたちの活躍に敬意を表することにする。
「クラシックコメディ」とは、映画史の鉱脈の奥深くに埋もれながら、今なお強い輝きを放ち生き続ける「永遠の原石」なのである。ひとりでも多くの人とその輝きをわかちあえる幸福を感じながら、3日間の映画祭をわたしも心から楽しみたい。

新年会 & クラシック喜劇総選挙結果発表
1月9日(月・祝)18:30ごろ〜(終了予定20:30)
最終日の上映終了後に新年会を予定しております。お時間のある方は気軽にご参加ください。

今回もやります、クラシックコメディ総選挙!酉年のセンターをとるのはどのコメディアン?ぜひお気に入りを見つけて一票を投じて下さい。映画祭終了後の新年会にて開票予定。選挙結果は後日ネット上でもお知らせします。

会費:1000円(おつまみ程度をご用意)*差し入れ大歓迎
会場:神戸映画資料館カフェスペース

喜劇映画研究会
1976年11月6日(土)に東京都渋谷区立広尾中学校の文化祭にて、二年生の小林一三(現在はケラリーノ・サンドロヴィッチ)の行なったチャップリン上映会が起源となる。1984年より新野敏也が中興の祖となって改組、「文化啓蒙と社会貢献」「伝統の継承と再発見」を大義名分に、欧米の喜劇映画史を網羅したフィルム・コレクションと関連資料による自主企画イベントを開催、学校、各種メディア、公共機関、映画祭などでも執筆、講演、企画協力を行なっている。今日までに『サイレント・コメディ全史』『〈喜劇映画〉を発明した男 帝王マック・セネット、自らを語る』を発刊、青息吐息で悶絶しながらも、2026年の設立50周年を目指している。
→公式サイト

 
→facebook
 

20年代風モボ・モガファッションでご来場の方に1ドリンク券を進呈します。ロイド眼鏡、山高帽子などモボ・モガなりきりを宣言すれば何でもOK! 着物も大歓迎! 初詣、成人式のお帰りにぜひお越しください♪

《料金》入れ替え制
一般1200円 学生1000円 会員1000円
演奏付き上映[一般1400円 学生1200円 会員1200円 *招待券のご利用不可]
*当日に限り2プログラム目は100円割引
会員限定フリーパス 6000円(10枚限り/売り切れ次第終了/コメディ学入門も使用可/新年会会費は別)

主催:古典喜劇映画上映委員会


サイレント映画鑑賞会 三大喜劇王の初期短篇集

2016年11月26日(土)・27日(日)

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Aプログラムキートン & ロイド
「ロイドのスケート」Don’t Shove
(アメリカ/1919/11 17分[16コマ]/無声/16mm)
監督:A・グールディング
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ、バド・ジェイミソン
「元祖メガネ男子」ハロルド・ロイド。どこにでもいる普通の青年を無声喜劇で初めて演じたのがロイドだった。『ロイドのスケート』では初々しいロイドがモーニング姿で颯爽と登場する。ライバルとヒロインを奪い合うお約束から始まり、偶然入ったスケート場で騒動を起こすあっけらかんとしたナンセンス喜劇。

「キートンの空中結婚」The Balloonatic
(アメリカ/1923/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、フィリス・ヘイヴァー
モテないバスターは遊園地でナンパするも失敗の連続。熱気球にうっかり乗り込んでしまいいざ単独飛行へ。キートンらしい順応の早さで空の生活をエンジョイするが、ついに気球は破れて谷間に墜落。偶然にもさっきバスターを振った彼女が楽しげにキャンプをしていた…。キートンが気球やボートと一体化するギャグがシュールな短篇。

「キートンの電気館」The Electric House
(アメリカ/1922/20 30分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ
「コメディアンになっていなければエンジニアになりたかった」というキートンのガジェット好きな一面が観られる傑作。電気技師に間違われたキートンがある屋敷の「オール電化」を任されるが…。撮影中に足を骨折し、休養中に『即席百人芸』を撮ったという逸話もある。今回神戸映画資料館では初上映となる。

「キートンの囮」Jail Bait
(アメリカ/1937/19分/16mm)
監督:チャールズ・ラモン
出演:バスター・キートン、ハロルド・グッドウィン
キートン主演のレアなトーキー短篇。キートンは親友の記者に頼まれて殺人犯になりすまし自首する。拘留中に記者自ら真犯人を捕まえスクープするためだったが、事態は最悪の展開に…。低予算ながらセンスの光る佳作。無声時代には及ばないものの随所に“キートネスク”を感じさせてくれる。何より、キートンの声が聞ける!

Bプログラムチャップリン
「チャップリンの活動狂」A Film Johnnie
(アメリカ/1914/9分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:ジョージ・ニコルズ
出演:チャールズ・チャップリン、ロスコー・アーバックル、フォード・スターリング 他
活動写真に夢中のチャーリーは撮影所に迷い込む。大スターたちにうっとりして撮影の邪魔ばかりし鬼監督に追い回される。いつもは道化メイクのコメディアンたちが本人役で素顔を垣間見せる愉快な舞台裏もの。キーストン喜劇お得意のセルフパロディの一本だ。

「タンゴのもつれ」Tango Tangles
(アメリカ/1914/12分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:チャールズ・チャップリン、フォード・スターリング、ロスコー・アーバックル 他
『活動狂』同様、キーストン社のコメディアンたちが素顔で登場するが、今作は何とチャップリンもノーメイク! チャップリンが実は“イケメン”だったことがおわかりいただけるだろう。酔っ払いのチャーリーがダンスホールで女の子を奪い合うファース。ダンスホールの客は一般人で、ドキュメントタッチな撮影も面白い。

「ノックアウト」The Knockout
(アメリカ/1914/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:ロスコー・“ファッティ”・アーバックル、エドガー・ケネディ、チャールズ・チャップリン
ファッティことロスコー・アーバックル主演の短篇。ケンカが強いファッティは拳闘試合でひと稼ぎしようと張り切る。チャップリンはボクシングシーンのみわずか数分の出演だが、キレのある動きと即興の妙で大いに笑わせる。チャップリンはこのシーンのアイディアをエッサネイ時代の『拳闘』や『街の灯』の有名なボクシングシーンに生かした。

「チャップリンのパン屋」Dough and Dynamite
(アメリカ/1914/15 17分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、チェスター・コンクリン
ある食堂でパン職人たちがストライキを起こし、ウエイターのチャーリーとチェスターはパン作りを命じられる。チャップリンの演出でキーストン流ドタバタを一歩進めたドラマ性を感じさせる作品。共演のチェスター・コンクリンはチャップリンの先輩格だが、気鋭の後輩に華をもたせ抜群のコンビネーションを見せる。

*上映分数は、上映コマ数により変わる可能性があります。
作品解説:いいをじゅんこ

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般800円 学生・シニア700円
会員700円 会員学生・シニア600円

《割引》当日2プログラム目、あるいは[第12講コメディ学入門] 参加者は200円引き


pianodecinema01柳下美恵の ピアノ de シネマ @神戸映画資料館
2016年7月31日(日)

 
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19世紀末に誕生した映画は、音声入りの映画が登場するまで生演奏とともにありました。今はサイレント映画とよばれるそれらの映画をピアノ伴奏とお楽しみいただきます。

東京で定期的に開催されている「柳下美恵の ピアノ de シネマ」が関西初上陸! サイレント映画を柳下美恵さんのピアノ伴奏付きで上映、柳下さんとゲストを招いてのトークもあります。
神戸での第一回は、ハリウッド最初期の活劇スター、ダグラス・フェアバンクス(通称ダグ/1883年−1939年)の映画をお楽しみください。

 

Bagdad01s14:00 第一部 長編活劇
「バグダッドの盗賊」The Thief of Bagdad
(アメリカ/1924/140分/16mm)
監督:ラオール・ウォルシュ 原作:エルトン・トーマス
脚本:ロッタ・ウッズ 撮影:リチャード・ホーラン
出演:ダグラス・フェアバンクス、スニッツ・エドワーズ、ジュラン・ジョンストン、アンナ・メイ・ウォン、上山草人

古代バグダッドは東西のかなめとして繁栄していた。盗賊として陽気に生きるアーメッドは、結婚を控えている王の娘に恋をし……。アラビアン・ナイトの挿話を、今見ても色あせぬトリック撮影を駆使し、大アクションスターのフェアバンクス主演でウォルシュが監督した超娯楽大作。

 

16:40 第二部 トーク+短編喜劇(終了予定17:50)
トーク「活劇王 ダグラス・フェアバンクス」
柳下美恵(サイレント映画ピアニスト)+いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家)

「飛ぶ魚事件」The Mystery of the Leaping Fish
(アメリカ/1916/25分/8mm)
監督:ジョン・エマーソン 脚本:トッド・ブラウニング、アニタ・ルース
出演:ダグラス・フェアバンクス、ベッシー・ラブ

活劇ヒーローとして大成する前の若きダグラス・フェアバンクスが主演した、奇妙キテレツな短編コメディ。麻薬常習者の男その名も「コーク・エニーデイ(訳すと「いつでもコカイン」!)」は自称「世界一の科学捜査探偵」。ある紳士の失踪事件を依頼され、ド派手な車でビーチへ飛び出す。謎めいた言葉「飛ぶ魚」とは、いったい何を意味するのか!? ヘイズ・コードのはるか以前、映画のドラッグ描写に社会が寛容だった時代ならではのコメディだ。徹底的にナンセンスでありながらも、ダグの高い身体能力とコメディセンスで観る者をぐいぐい引っ張る。

Photo by スズキマサミ

Photo by スズキマサミ

演奏:柳下美恵
やなした・みえ(サイレント映画ピアニスト)
国内各地の映画館や映画祭での演奏に加え、ポルデノーネ無声映画祭、ボローニャ復元映画祭、ボン無声映画祭など海外公演も多数。『裁かるるジャンヌ』『日曜日の人々』などのサイレント作品のソフトや、篠崎誠監督の『あれから』の音楽も担当している。「映画館にピアノを!」などサイレント映画を現代に甦らせる活動も積極的に行っている。

《料金》 通し券
一般1800円 学生・シニア1700円
会員1700円 学生・シニア会員1600円

*招待券のご利用不可

bagdad03東京でスタートしたサイレント映画の伴奏付き上映会、名付けて《ピアノdeシネマ》は三年目を迎えます。
映画ファンの熱烈なプロポーズを受けて、今回、関西初上陸になりました。
初回は往年のアクションスター、ダグラス・フェアバンクス(愛称ダグ)主演の『バグダッドの盗賊』。
フリッツ・ラング監督の『死滅の谷』を見てダグが映画化を思いついた冒険活劇です。
そして『飛ぶ魚事件』はなんとダグがコカイン中毒!?で100年前(1916年制作)の映画です。
夏にピッタリの変幻自在のダグの姿を是非見に来てください。
──柳下美恵

「柳下美恵さんがやってくる!ヤァ!ヤァ!ヤァ!」
「《ピアノdeシネマ》に行ける東京のみなさんがうらやましい…」そんなつぶやきをぽつりともらしたのはいつだっただろう。柳下美恵さん企画によるこのステキなイベントが、ついについに関西にやってくる!
無声映画を初めて柳下さんの演奏で観て以来、わたしはすっかり柳下さんに魅了されてしまった。イントロダクションの演奏には思わず聞き惚れてしまうけれど、それが音のない映画に重なる時、柳下さんの存在が不思議とすうっと透明になって、映画の世界がくっきり立ち現れる。でも、音楽は確かにそこにあって、映画と寄り添いながら、溶け合いながら、戯れながら前進してゆく。この美しい感覚は、実際に体験した人ならわかってくれるだろう。それはたとえば文楽人形と人形遣いの関係にも似ている。蓑助の姿は、見えているのに見えない。彼は人形と完全に溶け合い、命を吹き込む。柳下美恵さんの演奏は、そんな気高い喜びを観客に与えてくれる。
映画が終わり、演奏を終えると、柳下さんは立ち上がって必ずスクリーンに手をさしのべる。「主役はあのすばらしい無声映画人たちなんですよ」と言うみたいに。無声映画への限りない敬意と愛情。わたしは柳下さんのその仕草が大好きだ。だからわたしも、《コメディ学入門》など無声喜劇を語る機会には、いつもマネをする。すばらしき無声映画の世界に愛をこめて。
柳下美恵さんのイベントが関西で開かれることで、ひとつでも多くの劇場にピアノが常設されたり、生演奏や活弁を含めた無声映画上映の場が増えることを願う。関西で生まれ頑張っている演奏者や弁士のみなさんにも、大いに刺激になるだろう。その皮切りとしての《ピアノdeシネマ》関西第1弾が神戸映画資料館で開かれることを、心から喜ばしく思う。当日は柳下さんと対談させていただけることになった。いつも明るく接してくださる美恵さんとどんなトークが展開できるか、わたし自身とても楽しみにしている。

──いいをじゅんこ


喜劇映画研究会40周年記念
新春コメディ宝箱
2016年1月9日(土)〜11日(月・祝)

1月10日(日)16:35〜
コメディ学入門特別編 笑いの国の旅人たち~喜劇映画研究会新野敏也さんを迎えて~
→詳細はこちら

ピアノ演奏付き上映
1月10日(日)演奏:鳥飼りょう
1月11日(月・祝)演奏:柳下美恵

Aプログラムショート・コメディのマエストロ
oneweek01「文化生活一週間」One Week (1920/16mm)
*9日はサウンド版19分、11日は16コマ映写生演奏付き28分
コミック・フィルム・コーポレーション=メトロ・ピクチャーズ社作品
製作:ジョゼフ・M・スケンク
監督:バスター・キートン、エディ・クライン
出演:バスター・キートン、シビル・シーリー、ジョー・ロバーツ

「整形夫婦」Mighty Like a Moose
(1926/31分[16コマ]/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作:ハル・ローチ 監督:レオ・マッケリー
監修:F・リチャード・ジョーンズ
脚本:H・M・ウォーカー、チャーリー・チェイス
出演:チャーリー・チェイス、ヴィヴィアン・オークランド、バディ(犬)

feet_of_mud01「かたづけ屋ハリー」Feet of Mud
(1924/29分[16コマ]/16mm)
マック・セネット・コメディズ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作:マック・セネット 監督:ロイ・デル・ルース
監修:F・リチャード・ジョーンズ
脚本:フランク・キャプラ、アーサー・リプリー
(監督:ハリー・エドワーズ、脚本はジョン・A・ウォルデンの説もある)
出演:ハリー・ラングドン、ナタリー・キングストン

初公開時にアンドレ・ブルトン、サルヴァドール・ダリ、ガルシア・ロルカらシュール・レアリスムの巨人たちを一撃でノックアウトしたキートン監督・主演の劇場デビュー作『文化生活一週間』、若き日のレオ・マッケリー監督が最も尊敬し、後年にゲーリー・クーパーやジェイムズ・スチュアートへその想いを重ねた夭折のコメディアン=チャーリー・チェイスとの最強タッグ作品『整形夫婦』、後の巨匠フランク・キャプラが育て上げた喜劇人ハリー・ラングドンとの伝説的なハチャメチャ作品『かたづけ屋ハリー』など、混沌と飛躍、ナンセンスとパントマイムが溢れる無声映画の宝箱みたいなプログラム!

 

Bプログラム笑いの王国
「迷惑帽子」Those Owful Hats(1909/5分[16コマ]/16mm)
アメリカン・ミュートスコープ&バイオグラフ社作品
監督:D・W・グリフィス 撮影:G・W・ビッツァー
出演:フローラ・フィンチ、マック・セネット、リンダ・アーヴィドソン

field3_01「最狂自動車レース」The Lizzies of the Field
(1924/16分[16コマ]/16mm)
マック・セネット・コメディズ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作・脚本:マック・セネット 監督:デル・ロード
監修:F・リチャード・ジョーンズ
出演:ビリー・ビーバン、シド・スミス、アンディ・クライド

「突貫ガラクタ列車」The Sundown Ltd.
(1924/29分[16コマ]/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作・脚本:ハル・ローチ 監督:ロバート・F・マクガワン
出演:ミッキー・ダニエルズ、ジョー・ コブ、マリー・カーンマン、ジャッキー・コンドン、アンディ・サミュエルズ、アレン・”ファリナ”・ホスキンス、ソニー・ロイ・ワード

morocco01「モロッコ製の女給」Maid in Morocco(1925/16mm)
*9日はサウンド版18分、10日は16コマ映写生演奏付き27分
エデュケーショナル社作品
製作:ジャック・ホワイト 監督:チャールズ・ラモント
出演:ルピノ・レイン、ヘレン・フォスター、ウォーレス・ルピノ

「恋愛学園」The Campus Vamp
(1928/26分[16コマ]/16mm)
マック・セネット・コメディズ=パテ・エクスチェンジ社作品
製作:マック・セネット 監督:ハリー・エドワーズ 脚本:カール・ハルボー 他
主演:ダフニー・ポラード、ジョニー・バーク、サリー・アイラーズ、マーティ・ケンプ、キャロル・ロンバード

若き日のD・W・グリフィスが黎明期の映画館を舞台に、上映中の注意を映画化したナンセンスな短編『迷惑帽子』、カワイイ子供と賢い動物にガジェット感をミックスし、子供の世界観を具現化したチビっ子ギャングの傑作『突貫ガラクタ列車』、ジョージ・ミラー監督が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』創作の原動力となったマック・セネットの『最狂自動車レース』、香港アクション映画の原点とも思われるルピノ・レインのアクロバット炸裂喜劇『モロッコ製の女給』、ジャズ・エイジの妖艶さにパントマイムの至芸がミックスした見どころ満載の青春ドラマなど、娯楽映画の基本がここに凝縮!

 

Cプログラムわれらがキートン
cameraman01「キートンのカメラマン」The Cameraman(1928/69分[24コマ]/16mm)
M.G.M.社=バスター・キートン・プロダクションズ作品
製作:バスター・キートン、ローレンス・ウェインガーテン
監督:エドワード・セジウィック
原作:クライド・ブラックマン、レックス・リプトン
脚本:リチャード・スカイヤー
撮影:レジー・ラニング、エルジン・レスリー
出演:バスター・キートン、マーセリン・デイ、ハロルド・グッドウィン、
ハリー・グリボン、シドニー・ブレイシー

かつてはキートンの研究書などに「M.G.M.にはプリントが現存せず、ネガも修復不能のために再上映は永遠に不可能」とされていた作品で、アルゼンチンの個人コレクター=エンリク・ブッシャール(英語発音ではエンリック・ブーチャード)氏が所有する1928年の劇場用プリント(それからのデュープで、コントラストが強く鮮明さを欠く画質)が唯一の頼り、戦後の日本では喜劇映画研究会関連の自主上映で、1984、1994、1995、2004年の四回だけの銀幕リバイバルとなっていた。今回上映のプリントは、映像テクノロジーの進歩と、古典映画の修復運動の機運から、M.G.M.所蔵のネガが復元されたもので、改めて”笑わぬ喜劇王”の美顔に再会できる!経年劣化によるネガ傷やカビ痕はさておき、甦ったフィルムによってギャグのディティールは鮮度をも取り戻して、申年初の大笑いを我々に届けてくれる。

 

Dプログラムローレル&ハーディ特集
L&H_brats01「ヤギ君大好き」Angora Love
(1929/22分/サウンド版/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=M.G.M.社作品
製作:ハル・ローチ 監督:ルイス・R・フォスター
監修・脚本:レオ・マッケリー
撮影:ジョージ・スティーブンス
共演:エドガー・ケネディ、チャーリー・ホール、ジョージ・スティーブンス

「極楽ちびっ子騒動」Brats
(1930/21分/トーキー/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=M.G.M.社作品
製作:ハル・ローチ 監督:ジェイムズ・パロット
脚本:H・M・ウォーカー
原作:レオ・マッケリー、ハル・ローチ、スタン・ローレル
撮影:ジョージ・スティーブンス

「ミュージック・ボックス」The Music Box(1932/28分/トーキー/16mm)
ハル・ローチ・スタジオ=M.G.M.社作品(アカデミー最優秀短編賞受賞作品)
製作:ハル・ローチ 監督:ジェイムズ・パロット 脚本:H・M・ウォーカー
撮影:レン・パワーズ、ウォルター・ランディン
共演:ビリー・ギルバート、チャーリー・ホール、ダイナー(馬)、グラディス・ゲイル

道化劇の基本「ぶち壊し」は、ボケ役のミスが笑いを惹き起こすものであるが、このコンビの論法では、被害者の精神的苦痛すらギャグにしてしまう…ローレルとハーディの二人だけの距離感、価値観が周囲を混乱に陥れ、ヒステリックでシニカルな破壊の無限連鎖へとつながる。ヒロイン不在の展開、絶望、不条理、狂乱etc.と呼吸困難になるほど「毒気の笑い」が繰り広げられるヤバイ特集です!

 

Eプログラム特選ギャグ集
gag3_01「特選ギャグ集 その1」

「キートン特選ギャグ集その1」
「特選ギャグ集 その2」
「キートン特選ギャグ集その2」
「特選ギャグ集 その3」
企画・構成・ビデオ編集:喜劇映画研究会

喜劇の黄金時代と呼ばれた1910~1920年代のブッ飛びギャグを厳選して、現代流にアレンジしたコメディ・アンソロジー。歴史に埋没し、はるか昔に忘れ去られた無声映画の喜劇人たち…しかし、おびただしい数の古典映画の中には、今も鮮度を保ったまま燦然と輝き続ける映画史のオーパーツみたいなギャグが残されていた!喜劇映画研究会代表の新野敏也が、ご来場の方々より罵倒覚悟でズッコケ解説します。

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プリント所蔵、プログラム解説:喜劇映画研究会

喜劇映画研究会
1976年、中学2年生の小林一三(現在はケラリーノ・サンドロヴィッチ)が、文化祭でチャップリン作品の自主上映を行なったのが起源。1984年より新野敏也が中興の祖となって改組、「文化啓蒙と社会貢献」「伝統の継承と再発見」を大義名分に、欧米の喜劇映画史を網羅したフィルム・コレクションと関連資料による自主企画イベントを開催、学校、各種メディア、公共機関などでも講演や企画協力を行なっている。今日までに『サイレント・コメディ全史』『〈喜劇映画〉を発明した男 帝王マック・セネット、自らを語る』を発刊した。創立40周年となる2016年は、「いつの間にやら40年経ってしまった」というのが本音。
→公式サイト

《クラシック喜劇総選挙》開催!!
今回上映する映画の中からお好きなコメディアン・作品をご投票ください。1プロのみの鑑賞でも投票可能。もちろんすべての作品をご覧になれば選択の幅はひろがります! 投票の結果は最終日の新年会で発表し、後日、神戸映画資料館ウェブサイトにも掲載します。コメディ界のセンターをとるのは誰!?

新年会 & クラシック喜劇総選挙結果発表
1月11日(月・祝)18:00ごろ〜(終了予定20:00)
最終日の上映終了後に新年会を予定しております。お時間のある方は気軽にご参加ください。

会費:1000円(おつまみ程度をご用意)*差し入れ大歓迎
会場:神戸映画資料館カフェスペース

→予告篇
→facebook
→連携企画「新野敏也のレーザーポイント映画教室」喜劇映画研究会+おもちゃ映画ミュージアム

《料金》入れ替え制
一般1200円 学生1000円 会員1000円
演奏付き上映[一般1400円 学生1200円 会員1200円 *招待券のご利用不可]
*当日に限り2プログラム目は100円割引
会員限定フリーパス 5000円(10枚限り/売り切れ次第終了/コメディ学入門も使用可/新年会会費は別)

主催:古典喜劇映画上映委員会(喜劇映画研究会、いいをじゅんこ、神戸映画資料館)


サイレント映画鑑賞会 ハロルド・ロイド集

2015年7月25日(土)・26日(日)

「ロイドの要心無用」Safety Last!
(アメリカ/1923/76分[18コマ]/無声/16mm)
監督:サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー
原作:ハル・ローチ、サム・テイラー、ティム・フェーラン
出演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス、ビル・ストローザー

ロイド短篇集
「都会っ子」The City Slicker
(アメリカ/1918/16分[16コマ]/無声/16mm)

「ロイドのバックステージ」Ring Up the Curtain
(アメリカ/1919/14分[16コマ]/無声/16mm)

「ロイドのブロードウェイ」Bumping into Broadway
(アメリカ/1919/13分[フランス語・短縮版/16コマ]/無声/16mm)

「巨人征服」Why Worry?
(アメリカ/1923/16分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般800円 学生・シニア700円
会員700円 会員学生・シニア600円

《割引》当日2プログラム目、あるいは[第11講コメディ学入門] 参加者は200円引き


サイレント映画鑑賞会 バスター・キートン蔵出し上映会
2015年4月18日(土)・19日(日)

Aプログラム
キートン晩年の異色作2本(16mm/計80分)

Bプログラム
キートンの伝記映画(16mm/91分)

*すべて日本語字幕無し

《料金》入れ替え制
700円(1プログラム)
《割引》
当日2プログラム目は200円引き
[第10講コメディ学入門] 参加者は1プログラム目から200円引き


サイレント映画鑑賞会 ハリー・ラングドンとその周辺

「ハリーの結婚」

「ハリーの結婚」

2015年1月24日(土)14:00〜
1920年代。第一次大戦後のバブル景気に湧くアメリカ。“狂熱の’20s”は、サイレント・コメディ映画の爛熟期でもあった。喜劇人たちは、視覚ギャグをとことんまで追求した。その結果、「そこまでやる!?」的過激アクションや、アニメーション的ハチャメチャぶりは沸点に達し、まさに爆発寸前!な状況だった。
そんなクレイジーな喜劇群へのアンチテーゼとして登場したのが、第9講コメディ学入門でとりあげるハリー・ラングドンである。彼の登場を境にして、サイレント・コメディはよりスローペースなシチュエーション喜劇へとシフトしていった。過激なスラップスティックから、ローレル&ハーディに代表されるトーキー喜劇へ。その橋渡しをしたのがハリー・ラングドンだったのだ。
ハリーの貴重な短編と、同時代の多彩なコメディアンたちの作品をまとめて観ることで、20年代アメリカ無声喜劇の変遷を感じとっていただきたい。(いいをじゅんこ)

「ラリーのウィークエンド・ドライバー」The Cloudhopper
(アメリカ/1925/8分/サウンド版/16mm)
監督:ラリー・シモン、スティーブン・ロバーツ、ノーマン・タウログ
主演:ラリー・シモン、ドロシー・ドワン
普通の青年ラリー。発明家の大事な書類が盗まれ、その娘に気のあるラリーが犯人を追いかける。自動車、バイク、列車そして飛行機を駆使した後半の追っかけシークエンスが圧巻。特撮もおもしろい。

「製材所のシモン」The Sawmill
(アメリカ/1922/26分[16コマ]/無声/16mm)
監督:ラリー・シモン、ノーマン・タウログ
主演:ラリー・シモン、オリヴァー・ハーディ
製材所で繰り広げられる恋のさやあて。文字通り命がけのスタントアクションがすごい。サイレント映画史上もっとも制作費のかかった短編と言われている。当時のラリー・シモンの人気ぶりがうかがえる。ローレル&ハーディのコンビを組む前のオリヴァー・ハーディがライバル役で出演。

「無理矢理ロッキー破り」Play Safe
(アメリカ/1927/8分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:ジョセフ・ヘナベリー
主演:モンティ・バンクス、ヴァージニア・リー・コービン
悪漢たちに襲われた乙女が列車の貨車に逃げ込む。乙女の恋人モンティが猛スピードで走る列車を追いかける。本来は50分の長編作品。疾走する列車と自動車にはさまれるスタントアクションは、20年代喜劇の過激さを象徴する場面としてしばしば引用される。

「ターピンの向こう見ず野郎」The Dare-Devil
(アメリカ/1923/10分[18コマ]/無声/16mm)
監督:デル・ロード
主演:ベン・ターピン、ハリー・グリボン
20年代にマック・セネットがハリー・ラングドンとともに見出したスターのひとり、やぶにらみのベン・ターピン。本作は西部劇の撮影現場が舞台。スタントマンのターピンはことごとく偶然に恵まれてアクションを完璧にこなす。ヒロインに乞われ急きょ映画の主人公に抜擢されるも、ターピンには荷が重すぎて失敗ばかり。

「ハリーの結婚」His Marriage Wow
(アメリカ/1925/17分[16コマ]/無声/16mm)
監督:ハリー・エドワーズ
主演:ハリー・ラングドン、ナタリー・キングストン、ヴァーノン・デント
花婿ハリーは朝寝坊して結婚式に遅刻。教会に着くと謎の男に「花嫁は君の保険金目当てだ」と警告され戦々兢々。新婚生活もビクビクしどうし。ついに毒を盛られたと勘違いしたハリーを謎の男が逃そうとするが…。ハリーの終生の友だったヴァーノン・デントが「謎の男」役を好演。

作品解説:いいをじゅんこ

《料金》
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア800円

《割引》[第9講コメディ学入門] 参加者は200円引き


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。