展示 昭和初期・新開地の映画館プログラム 〜玉岡忠大コレクションから〜
2021年3月13日(土)〜

〈アクティブ・アーカイブ・プロジェクト 誰でもアーキビスト〉では、市民参加型のアーカイブ事業を行うことで、映像・文化史を通じた町と人の交流の活性化を図ってきました。その今年度の成果として、展示「昭和初期・新開地の映画館プログラム〜玉岡忠大コレクションから〜」を開催します。
玉岡忠大氏は、三木市や神戸市で映画上映会を開催し、「サイレント映画を見る会」の会長をつとめ、「浮世白鳥」の名で弁士としても活動して、無声映画の魅力を伝えてこられた方です。フィルムのコレクターとしても知られ、欧米などからも購入してきたその所蔵数は、450巻にも及んでいました。氏が2016年に亡くなられた後、フィルムや映画関連資料が、神戸映画資料館に寄贈されました。そのなかに、膨大なフィルム・コレクションとともに、戦前・戦中の映画館が定期的に発行してきた「映画館プログラム」が含まれていました。
映画館プログラムは、上映作品の情報に留まらず、各映画館の特色を読みとれるさまざまな情報を掲載している、在りし日の映画文化を想像させる大事な資料です。玉岡氏も、心揺るがされた映画と通い続けた映画館への愛着を抱き続け、プログラムを保管してきたのだと思われ、三宮や新開地、大阪の映画館、さらには東京、満州にあった劇場の発行物まで含む、およそ450点のプログラムがありました。今回の展示は、玉岡氏の寄贈資料から、戦前・戦中における神戸の中心的な盛り場だった新開地、その代表的な劇場である聚楽館や松竹座、キネマ倶楽部、朝日館などの貴重なプログラムを選定したものです。戦争や映画文化の衰退によって、いまは消失してしまった、昭和初期の映画館の在りし日の姿と、新開地のにぎわいに想いを馳せていただきたいと思います。
担当:田中晋平(神戸映画資料館 客員研究員)

《会場》神戸映画資料館ロビー  《入場料》無料

協力:令和2年度大学発アーバンイノベーション神戸「神戸の映画館文化の振興に向けた参加型デジタル・アーカイブ構築」

※内容は予告無く変更する場合があります。