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上映作品

NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズサイレント映画の“無垢なる発明家”チャーリー・バワーズ、日本初の特集上映

伴奏音楽:塩屋楽団+Solla OTOWA-UNIT

*上映作品はすべて無声映画です。
日本上映用に新たに録音した伴奏音楽を付けて上映します。

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配給:プラネット映画保存ネットワーク/提供:Lobster Films

TRAILER

INTRODUCTION

誰も知らないチャーリー・バワーズクレイジーボーイ
100年の時を超えて蘇る!

今から100年近く前のサイレント時代末期に生み落とされた、モダンでパンク、シュルレアリスティックでクレイジーなチャーリー・バワーズの作品たち。緻密なストップモーション・アニメーションと実写の融合(“バワーズ・プロセス”)による奇想天外な映像世界に加え、バワーズがのぞかせる喜劇王バスター・キートンのような憂愁と、キートンをもしのぐ狂気は観る者を驚かせ、笑わせ、時にはホラー映画のような恐怖さえも感じさせる。
そんなバワーズだが、アンドレ・ブルトンやクエイ兄弟など芸術家たちに賞賛されていながら、その実態はいまだに謎のまま。これほどの異能が、一体どうして歴史に埋もれてしまったのか……!?
そんな、自分の存在すら煙に巻いてしまった斜め上の天才バワーズの世界を、この秋、劇場で紐解く!!

LINEUP

伴奏音楽:塩屋楽団+Solla

稲田誠:contrabass, electric bass / 鈴木勝:electric guitar /森本アリ:sampler, gameboy, jews harp /山本信記:synthesizer, trumpet / Solla:piano, organ, andes25f

上映時間 106分

*上映作品はすべて無声映画です。
日本上映用に新たに録音した伴奏音楽を付けて上映します。

PROFILE

チャーリー・バワーズ
Charley Bowers

1889年頃-1946年/米国アイオワ州出身
*生年は諸説あり
伯爵家の血筋で、5歳で綱渡りをマスターし6歳でサーカス一座に誘拐された(本人談)。カートゥーン「マット&ジェフ」のアニメーターを経て、自身が主演する無声短篇映画の制作をスタート。長く忘れられていたが、1960年代にフランスで発見されたことを皮切りに、眠っていたフィルムが世界各地で発掘される(今回上映する6作品のうち4本はフランス語版)。21世紀に入り現存する作品のデジタル修復が行われ、映画史に埋もれた天才の再評価が高まりつつある。

プロフィール

チャーリー・バワーズとはいいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家)

サイレント映画時代末期の1920年代後半、チャーリー・バワーズは20本の新奇な短篇映画を生み出した。実写のスラップスティックとストップモーション・アニメーションを融合させたその作品群は、他に類を見ないオリジナリティに溢れている。ほとんど偏執的なまでに精緻なバワーズのアニメーションは現代の観客をも驚愕させる。
しかし、チャーリー・バワーズは忘れられたアーティストであった。短篇『IT’S A BIRD』(1930年)を公開から7年後に観たアンドレ・ブルトンはその才能に驚愕し絶賛のコメントを残しているが、バワーズが脚光を浴びることはなかった。フィルムのほとんどは失われ、バワーズは映画史から消えた。

チャーリー・バワーズとは、いったい何者なのか。その生涯は今も謎に包まれている。チャールズ・R・バワーズは19世紀末(生年は1887年、1889年と諸説ある)米国アイオワ州のクレストという町で生まれた。バワーズ自身が語った“プロフィール”によれば、彼は伯爵家の血筋に生まれ、5歳で綱渡りの技を体得し、6歳でサーカスの一座に誘拐され、カウボーイ、調教師などさまざまな職を転々とした…。だがこのドラマティックな半生はほとんどが脚色だったのではと言われている。
バワーズが1910年代初頭に新聞漫画家だったことは確認されている。「シカゴ・トリビューン」などの大手紙で漫画を担当。新聞王ハーストがアニメーション映画化した「カッツェンジャマー・キッズ」の制作にも関わった。その仕事が著名な漫画家バド・フィッシャーの目に留まる。バド・フィッシャーは大人気漫画「マット&ジェフ」の原作者で、アニメーション版のシリーズ化にあたり制作スタッフを探していた。バワーズはフィッシャー工房の一つを任され、何人ものアニメーターを抱えたスタジオの責任者に就任する。

だが1920年代に入る頃からバワーズの関心はストップモーション・アニメーション(パペット・アニメーション)へ移っていく。英国出身の撮影技師ハロルド・L・ミュラー(この人物の経歴もよくわからない)と独立プロダクションを立ち上げ、1926年に最初の“実写”短篇作品『たまご割れすぎ問題』(Egged On)を発表。バワーズ自身が主演する喜劇“Whirlwind Comedy Series”と銘打ち20本の短篇を作った。撮影手法を“バワーズ・プロセス”と謳っているものの、それが何を意味するのかは謎である。
かくしてバワーズはアニメーターから“コメディアン”となった。本格的な喜劇の訓練を受けたわけでは(おそらく)ないバワーズには、動きで観客を笑わせる技術や才能はさほどない。それでも観客を惹きつける何かが彼にはある。例えば無表情で知られるキートンの憂愁や、永遠の少年ハリー・ラングドンの純粋さなど、同時代のアメリカ喜劇の影響を見てとることもできる。制作と主演を兼ねたのも当時の名だたるコメディアンたちと共通している。

ただ、バワーズがコメディアンを自認していたかどうかははかりがたい。1930年の国勢調査では彼は職業を「発明家」と申告していたという。映画の中でも発明家の役を演じることが多かった。一人のコメディアンが同じ職業を何度も演じるというのは、当時の喜劇映画では極めて稀なことである。バワーズのいかにも器用そうな手の動きや、仕事に打ち込む真剣さを見ていると、コメディアンというより職人と呼ぶにふさわしいという気がする。

1930年、初のトーキー作品『IT’S A BIRD』を発表。39年にはニューヨーク万国博覧会に出品された企業宣伝映画のアニメーションを担当しナレーションも務めている。すでに健康を害していたバワーズはその後、東海岸に居を移した。1946年没。当時の映画雑誌に掲載された訃報には「カートゥーン・アニメーションのパイオニアであったチャールズ・バワーズが57歳で死去」とある。

バワーズの死から20年を経た1960年代半ば、シネマテーク・ド・トゥールーズの創設者レイモン・ボルド(Raymond Borde 1920-2004)は、旅芸人から買い受けた大量のネガフィルムの中に奇妙な無声映画数本のプリントを見つけた。「ブリコロ(Bricolo フランス語で“日曜大工、修理屋”の意)」の愛称で呼ばれるそのコメディアンにボルドはたちまち魅了された。そしてそれがチャーリー・バワーズであることをつきとめた。 だがその後も一部のファンや専門家を除きバワーズが注目されることはなく、再評価の機運がようやく高まったのは90年代以降である。アーキビストのセルジュ・ブロンベルグ(『メリエスの素晴らしき映画魔術』監督/ロブスター社社長)が『ほらふき倶楽部』(Now You Tell One)を観て強い衝撃を受け、世界のアーカイブに眠るバワーズ作品の調査発掘に着手した。その調査の成果として初めてまとまったバワーズ作品がDVD化されたのが2003年。さらに本格的なデジタル修復作業が進められ、2019年にロブスター社から2枚組Blu-rayが発売された。
バワーズの再発掘は今も世界各地で進んでいる。現存しないと思われていた短篇『HOP OFF』(1928年)のフィルム(部分)が米国に存在するとの最新情報もある。日本でもあるいはコレクターの収集フィルムの中にひっそりと眠っていないとも限らない。チャーリー・バワーズは、まさに今よみがえりつつある天才なのである。

参考文献:
なみきたかし、伴野孝司、望月信夫、森卓也(1986)『世界アニメーション映画史』ぱるぷ
岡田秀則(2009)「NFCニューズレター 連載フィルムアーカイブの諸問題第73回『ノンフィルムの森⑤シネマテーク・ド・トゥールーズ』」東京国立美術館フィルムセンター
細馬宏通(2013)『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか アニメーションの表現史』新潮社
Goldmark, Daniel /Keil, Charlie (2011) Funny Pictures: Animation and Comedy in Studio-era Hollywood, University of California Press, Ltd.
Massa, Steve(2013) Lame Brains & Lunatics: The Good, The Bad, and The Forgotten of Silent Comedy, BearManor Media
赤塚若樹(2019)「ブラザーズ・クエイと「東欧的なもの」」首都大学東京人文学研究科人文学報
Axmaker, Sean(2019)Celebrating Bricolo, ブルーレイThe Extraordinary World of Charley Bowers, Flicker Alleyに添付のブックレット解説
Grayson, Eric(2020), A Charley Bowers Cartoon Detective Story, Cartoon Research URL: https://cartoonresearch.com/index.php/a-charley-bowers-cartoon-detective-story/ (2021年8月8日閲覧)

画像提供:スティーヴ・マッサ
Photos courtesy of Steve Massa

COMMENT

OUTLINE

◉特別上映 ひろしまアニメーションシーズン

8月20日(土) 広島でも蘇るチャーリー・バワーズ

◉上映劇場

都道府県 劇場名 公開日
宮城 フォーラム仙台 12月23日〜
東京 ユーロスペース 上映終了
神奈川 横浜シネマリン 上映終了
シネコヤ 上映終了
静岡 静岡シネ・ギャラリー 上映終了
長野 長野相生座・ロキシー 12月23日〜
富山 ほとり座 2023年1月
石川 シネモンド 12月24日〜
愛知 名古屋シネマテーク 上映終了
京都 京都みなみ会館 11月25日〜
大阪 シネ・ヌーヴォ 上映終了
兵庫 元町映画館 上映終了
広島 横川シネマ 2023年1月
沖縄 桜坂劇場 上映終了

◉上映作品(4作品+短編2作品)106分

『たまご割れすぎ問題』『全自動レストラン』『ほらふき倶楽部』『怪人現る』『とても短い昼食』『オトボケ脱走兵』

◉劇場用パンフレット1500円(税込)

作品解説・フィルモグラフィ・年表
バワーズ再発見の経緯(セルジュ・ブロンベルグ)
論考(スティーブ・マッサ/宮本裕子/細馬宏通/筒井武文)
エッセイ(森本アリ)
バワーズの時代をイラスト付きで解説(かねひさ和哉、いいをじゅんこ)

CREDIT

お問合せ:神戸映画資料館
配給:プラネット映画保存ネットワーク
提供:Lobster Films
企画協力・日本語字幕:いいをじゅんこ
録音・ミックス:和田真也
DCP作成:東山映像
宣伝美術 :椚田透(nix graphics)
予告篇:筒井武文、大川景子
公式サイト:相澤誠(ADW.Inc)
宣伝協力:ユカワユウコ
パンフレット編集:田中範子、浅川志保
パンフレットデザイン:萩原こまき
協力:古典喜劇映画上映委員会、旧グッゲンハイム邸、コミュニティシネマセンター、ユーロスペース、藤岡朝子、石原香絵、
井上正昭、常石史子、松村厚
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