プログラムPROGRAM
2016 11

[貸館] 映画『二十代の夏』神戸上映会
2016年11月5日(土) 15:00〜(終了予定16:30)

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「二十代の夏」(2016年/42分/HD)
監督・脚本:高野徹
出演:戎哲史 福原舞弓 島津恵梨花 ほか

〈作品解説〉
『島の女たち』という仮題の元、制作をスタートし、伊豆大島を舞台とした本作は公益財団法人アーツカウンシル東京の助成プログラムに選出されるとともに、クラウドファンディングを通じた幅広い支援を得て、2015年晩夏に撮影された。当初「女性のわからなさ」をテーマに制作が進められてきたが、撮影・編集を経てそのテーマは発展をとげ、「二十代の未熟さ」という自己省察的な視点を獲得し、より高い精度で女性を見つめ直すドラマとして成功している。

〈ストーリー〉
駆け出し小説家のカズキ(28)は新作執筆のため、故郷の島で夏休みを過ごしていた。ひょんなことから、滞在していたペンションの管理をカズキは任されることになり、宿泊客の女性・レイコ(28)とユカ(24)に出会う。カズキはレイコに昔付き合っていた女性の面影を見出し、いとも簡単に心奪われてしまう。ある晩、酒を飲んでいた3人はユカの奔放な振る舞いをきっかけに大きく衝突をはじめる。

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〈監督・高野徹プロフィール〉
1988年生まれ。横浜国立大学大学院都市イノベーション学府修了。2010年に監督した『濡れるのは恋人たちだけではない』が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭や北京獨立電影展など、国内外の映画祭に出品され高い評価を得る。濱口竜介監督作品『ハッピーアワー』では助監督を務める。

トークショー  野原位(映画監督) × 高野徹(本作監督)
トークゲスト:野原位プロフィール
1983年栃木県生まれ。2007年に東京藝術大学大学院映像研究科の第3期監督領域に入学し、黒沢清監督に師事する。在学中には伊坂幸太郎原作のオムニバス映画『ラッシュライフ』中の一編、寺島しのぶが主演する『京子』を監督。また大学院修了作品として、いしだ壱成が主演する長編映画『Elephant Love』を監督。その後、2013年5月より神戸に居を移し、脚本ユニット「はたのこうぼう」のメンバーとして「濱口竜介 即興演技ワークショップ in Kobe」に参加。濱口竜介監督の新作長編『ハッピーアワー』ではラインプロデューサー/共同脚本を担当。

《参加費》 1000円

主催:映画『二十代の夏』制作実行委員会
連絡先:filmoshima@yahoo.co.jp


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第18回 アルメニア監督 ゲンリフ・マリャン

2016年11月19日(土)・20日(日)
アルメニア映画の代表的な監督、ゲンリフ・マリャンの二作品。いずれもロシア語版35ミリプリントでの上映。『三角の家』は日本語字幕を新たに作成し、本邦初上映。

「三角の家」Треугольник
(1967/84分/35mm)アルメンフィルム
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監督:ゲンリフ・マリャン 脚本:アガシ・アイヴァズャン
撮影:セルゲイ・イスラエリャン 美術:ラファエル・ババヤン 音楽:エドゥアルド・バグダサリャン
出演:アルメン・ジガルハニャン、フルンジク・ムクルトチャン、ソス・サルキシャン、パーヴェル・アルセノフ、ズラーブ・ラペラッゼ、ミハイル・オフセピャン、インナ・アラービナ
アルメニア西部、トルコとの国境近くにある街、レニナカン。「三角の家」と呼ばれる鍛冶場の五人の鍛冶職人たちの人生模様と戦時下のアルメニアを、職人の息子である少年の目を通して寓話的に描く。少年が憧れるアメリカのサイレント映画からの引用も楽しい。今回、投影方式の日本語字幕を作成し、本邦初上映。

 

「ナーペト」Наапет
(1977/93分/35mm)アルメンフィルム
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脚本・監督:ゲンリフ・マリャン 原作:ラチヤ・コチャール
撮影:セルゲイ・イスラエリャン 音楽:アレクサンドル・アルチュニャン
出演:ソス・サルキシャン、ソフィク・サルグシャン、ムゲル・ムクルトチャン
オスマン帝国時代の虐殺や1920年の赤軍侵攻によって、民族としての危機にされられたアルメニア人の運命を、家族を失った一人の男の心の傷とその再生を通じて物語る。主人公ナーペト役は、『惑星ソラリス』のソス・サルキシャン。全ソ映画祭で大賞と撮影技術賞を受賞。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社、東海晃久

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目からは200円引き


1124rouseau_omoteジャン=クロード・ルソー レトロスペクティヴIII
2016年11月23日(水・祝)

 

同志社大学寒梅館で行われてきたフランスの現代映画作家、ジャン=クロード・ルソーの特集上映「ジャン=クロード・ルソー監督レトロスペクティヴ」。三回目の今年は、神戸、京都、東京の三都市で開催します。

 

 

ジャン=クロード・ルソー Jean-Claude Rousseau
1948年パリ生まれ。70年代、ニューヨークでアンディ・ウォーホルらアメリカのアンダーグラウンド映画の洗礼を受けると同時に、小津映画を発見する。フランスへ帰国後、ブレッソン作品をフェルメール絵画との関係において論じたテクストを著し、処女作『窓際で手紙を読む若い女』(1983)を制作。初長編作は『ローマの遺跡』 (1989) 。ルソーをヨーロッパで最も偉大な映画作家の一人と称賛するストローブとユイレが、シネマテーク・フランセーズでの自作の上映に際し、ルソーの『閉ざされた谷』を併映。彼らの支援によってオリジナルの8ミリから16ミリに変換される。2001年ヴェネツィア国際映画祭で全作品回顧上映。2007年『derives』ジャン=クロード・ルソー特集号刊行。2009年に『閉ざされた谷』DVD日本語字幕付がcapricci社より出版された。

 

13:00〜
「ローマの遺跡」Les antiquités de Rome
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(1989/105分/16mm)*解説書配布 *日本初上映
フィルム時代の代表作『閉ざされた谷』の前作だが、入口を通して見た部屋、窓辺、ベッド、断片的な言葉、遠くから聴こえてくる物音など、以後のルソー作品に登場する構図や事物のほとんどが登場し、原型的な作品となっている。

 

15:05〜
「彼の部屋から」De son appartement
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(2007/70分/ブルーレイ上映)*日本語字幕付き
マルセイユ国際映画祭グランプリ
監督自身が演じる一人の男の日常。煙草とグラス、ベレニスの朗読とタンゴ。ロベール・ブレッソンを想起させる映像と音をたった一人で作ってしまった、21世紀デジタル時代におけるルソー監督の驚くべき代表作。

 

16:35〜(2本立て)
「Keep in Touch」Keep in touch
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(1987/25分/16mm)
ニューヨーク滞在中に撮られた8mm映像。アパートの暗い部屋、照明と机とベッド、寒々とした雪の残る通り、車の通る昼と鳥だけがいる夕方、窓から見える屋根、聴こえてくるサイレン、スケート場と一面の雪・・・「そこに私は何かを見た」

「愛の歌」Chansons d’amour
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(2016/9分/ブルーレイ上映)*日本語字幕付き *日本初上映
監督自身が演じる男が部屋で座っていると、古い歌が聴こえてくる。鏡、人と扉とカーテンの開閉と黒画面のアクションから浮かび上がってくるノスタルジックなイメージ。

 

ジャン=クロード・ルソー監督 Q & A
通訳:太治和子
17:20〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)

 

作品・監督解説:赤坂太輔
共催:アテネ・フランセ文化センター、同志社大学今出川校地学生支援課

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生・シニア会員900円
《割引》2本目は200円割引

京都 11月24日(木) 同志社大学寒梅館ハーディーホール
東京 12月2日(金)、3日(土) アテネ・フランセ文化センター


クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第12講コメディ学入門
コメディ・イズ・ビューティフル!

2016年11月26日(土)16:30〜

ハロルド・ロイド

ハロルド・ロイド

クラシック喜劇研究家/ライターのいいをじゅんこが、ひと組の喜劇王にテーマをしぼり、みどころ、歴史、笑いのツボなどを楽しく紹介します。レッツ温故知新!
今回のテーマは
「コメディ・イズ・ビューティフル!」

バスター・キートン

バスター・キートン


「サイレント・コメディアンは、見た目が命」―これまでの講座で、わたしはたびたびこのフレーズを口にしてきた。

ここでいう「見た目」とは、もちろん「美しさ」の意ではない。

コメディ全盛の無声時代、映画界には星の数ほどコメディアンがひしめいていた。だから、観客におぼえてもらうためには、より奇抜、より過激なルックスで勝負するしかなかったわけだ。

でも、本当にそれだけだろうか?

単なるウケ狙いのキャラ作りだけでは、息の長い人気が望めないのは、今も昔も同じ。愛されるコメディアンは、やっぱりルックスにもスター性がなくてはならない。

コリーン・ムーア

コリーン・ムーア


公平に見て、ハロルド・ロイドは普通にハンサムだし、ハリー・ラングドンの少年っぽさには萌えるし、バスター・キートンはただただ美しい。チャップリンも、放浪者メイクを外せば「イケメン英国男子」だった。もちろん、コメディエンヌの麗しき面々たちも忘れちゃいけない。

クラシック・コメディアンたちも、その全盛期には、実はアイドルだったり、セックス・シンボルだったり、ファッション・リーダーだったりしたのではないか!?

今回は、そんなコメディ界の美男美女たちを追いかけてみたい。

講座のスペシャル・ゲストとして、活動弁士の大森くみこさんをお迎えする。
関西でめきめきと頭角をあらわし、いまや全国を飛び回る人気弁士の大森さん。わたしにとっては共に無声映画を愛する、いわば「サイレント映画女子会」の頼もしい仲間だ。「無声映画のイケメン話で盛り上がりたい♪」という大森さんのアイディアから生まれたマニアックなこの企画。ガールズトーク(?)から何が飛び出すか、乞うご期待!

マックス・ランデ

マックス・ランデ

テルマ・トッド

テルマ・トッド

スタン・ローレル

スタン・ローレル

「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」(運営:いいをじゅんこ)

《参加費》 1000円
*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


サイレント映画鑑賞会 三大喜劇王の初期短篇集

2016年11月26日(土)・27日(日)

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Aプログラムキートン & ロイド
「ロイドのスケート」Don’t Shove
(アメリカ/1919/11 17分[16コマ]/無声/16mm)
監督:A・グールディング
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ、バド・ジェイミソン
「元祖メガネ男子」ハロルド・ロイド。どこにでもいる普通の青年を無声喜劇で初めて演じたのがロイドだった。『ロイドのスケート』では初々しいロイドがモーニング姿で颯爽と登場する。ライバルとヒロインを奪い合うお約束から始まり、偶然入ったスケート場で騒動を起こすあっけらかんとしたナンセンス喜劇。

「キートンの空中結婚」The Balloonatic
(アメリカ/1923/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、フィリス・ヘイヴァー
モテないバスターは遊園地でナンパするも失敗の連続。熱気球にうっかり乗り込んでしまいいざ単独飛行へ。キートンらしい順応の早さで空の生活をエンジョイするが、ついに気球は破れて谷間に墜落。偶然にもさっきバスターを振った彼女が楽しげにキャンプをしていた…。キートンが気球やボートと一体化するギャグがシュールな短篇。

「キートンの電気館」The Electric House
(アメリカ/1922/20 30分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ
「コメディアンになっていなければエンジニアになりたかった」というキートンのガジェット好きな一面が観られる傑作。電気技師に間違われたキートンがある屋敷の「オール電化」を任されるが…。撮影中に足を骨折し、休養中に『即席百人芸』を撮ったという逸話もある。今回神戸映画資料館では初上映となる。

「キートンの囮」Jail Bait
(アメリカ/1937/19分/16mm)
監督:チャールズ・ラモン
出演:バスター・キートン、ハロルド・グッドウィン
キートン主演のレアなトーキー短篇。キートンは親友の記者に頼まれて殺人犯になりすまし自首する。拘留中に記者自ら真犯人を捕まえスクープするためだったが、事態は最悪の展開に…。低予算ながらセンスの光る佳作。無声時代には及ばないものの随所に“キートネスク”を感じさせてくれる。何より、キートンの声が聞ける!

Bプログラムチャップリン
「チャップリンの活動狂」A Film Johnnie
(アメリカ/1914/9分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:ジョージ・ニコルズ
出演:チャールズ・チャップリン、ロスコー・アーバックル、フォード・スターリング 他
活動写真に夢中のチャーリーは撮影所に迷い込む。大スターたちにうっとりして撮影の邪魔ばかりし鬼監督に追い回される。いつもは道化メイクのコメディアンたちが本人役で素顔を垣間見せる愉快な舞台裏もの。キーストン喜劇お得意のセルフパロディの一本だ。

「タンゴのもつれ」Tango Tangles
(アメリカ/1914/12分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:チャールズ・チャップリン、フォード・スターリング、ロスコー・アーバックル 他
『活動狂』同様、キーストン社のコメディアンたちが素顔で登場するが、今作は何とチャップリンもノーメイク! チャップリンが実は“イケメン”だったことがおわかりいただけるだろう。酔っ払いのチャーリーがダンスホールで女の子を奪い合うファース。ダンスホールの客は一般人で、ドキュメントタッチな撮影も面白い。

「ノックアウト」The Knockout
(アメリカ/1914/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:ロスコー・“ファッティ”・アーバックル、エドガー・ケネディ、チャールズ・チャップリン
ファッティことロスコー・アーバックル主演の短篇。ケンカが強いファッティは拳闘試合でひと稼ぎしようと張り切る。チャップリンはボクシングシーンのみわずか数分の出演だが、キレのある動きと即興の妙で大いに笑わせる。チャップリンはこのシーンのアイディアをエッサネイ時代の『拳闘』や『街の灯』の有名なボクシングシーンに生かした。

「チャップリンのパン屋」Dough and Dynamite
(アメリカ/1914/15 17分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、チェスター・コンクリン
ある食堂でパン職人たちがストライキを起こし、ウエイターのチャーリーとチェスターはパン作りを命じられる。チャップリンの演出でキーストン流ドタバタを一歩進めたドラマ性を感じさせる作品。共演のチェスター・コンクリンはチャップリンの先輩格だが、気鋭の後輩に華をもたせ抜群のコンビネーションを見せる。

*上映分数は、上映コマ数により変わる可能性があります。
作品解説:いいをじゅんこ

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般800円 学生・シニア700円
会員700円 会員学生・シニア600円

《割引》当日2プログラム目、あるいは[第12講コメディ学入門] 参加者は200円引き


[貸館] 完成披露試写会
季節の映画シリーズ
春編『たんぽぽコーヒーのおいしい飲み方』 秋編『どんぐりコーヒーのおいしい煎れ方』

2016年11月27日(日)
①10:30~11:30 ②12:00~13:00 (事前予約制)

donguri01s「どんぐりコーヒーのおいしい煎れ方」
(2016年/36分)監督:八十川勝
主演:高尾五色季、前田涼翔

いつもどんぐりを集めている少年、陸。
彼に興味を抱く少女、小秋。
そんな彼の気を惹くために、毎日、どんぐりを届けるが、全て捨てられてしまう。
彼の集めているどんぐりは、何か違いがあったのだ。
違いのわからないこあき。
彼は何を区別して、集めているのか?
また、その理由は?
第69回カンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー選出作品

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tanpopo01s「たんぽぽコーヒーのおいしい飲み方」
(2016年/15分)監督:八十川勝
主演:夢原まひろ、金澤有優

たんぽぽの綿毛は
運命の人の元へ飛んでいく。
そんな言葉を聞いた少女、卯月。
憧れの大学教員へ、飛ばすと見事、彼の髪についた。
そんな彼から、
タンポポでコーヒーを作れることを聞く。
卯月は、彼のためにたんぽぽコーヒーに挑戦するが・・・

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上映後、監督・出演者による舞台挨拶あり

《参加費》 無料(予約制)

主催・ご予約・ご連絡:垂水映画
Email:win80river@gmail.com 電話番号080-4246-7828


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。