プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2019

にいやなおゆき 新作アニメーション
『乙姫二万年』お披露目上映会

2019年8月24日(土)・25日(日)

→『乙姫二万年』公式サイト
 
Aプログラム
「こがねむし」(2013/2分/HD)

出演は、にいや、脚本家の金子二郎氏。二人が酒を飲んでいるところに迷い込んだこがねむし。突如、金子氏がとった信じられない行動とは?
 
「モノクロの日」(2012/14分/HD)

朝の玉川上水遊歩道から、武蔵美キャンパス、突如のゲリラ豪雨、雨上がりの風景……。
「風景が人形アニメのセットに見える」と、誰もが異口同音に感想をもらす「アニメーション作家が撮ったドキュメンタリー」。
 
「納涼アニメ電球烏賊祭」(1993/5分/8ミリフィルム→VHS→DV)

にいやなおゆき初期の代表作。電球の幻想的な光で描き出される夢の風景。
 
「乙姫二万年」(2018/35分/FHD)


声の出演:加藤賢崇、齊藤ナスカ、塩塚和代、宇賀神明広、仁科貴
音楽:よだまりえ、長嶌寛幸、山口博雅
4年間の歳月をかけて制作された最新作。
変な住人ばかりが住んでいるおんぼろアパート。二万年後からやって来たという女が居候を始めてから不思議な出来事が次々と起こる。
写真、画、実写、模型、特撮、様々な技法を混ぜ合わせ制作された、誰も見たことのない「おもちゃ特撮映画」

 

Bプログラム
「断片2」(2012/7分/DV)

初期のデジカメのおまけ動画で撮る日常の断片。荒い画像、秒間15フレームで撮られた動画はまるでデジタル時代の8ミリフィルムのよう。
 
「昨日・今日・明日記」(2012/30分/HD)

地震、原発事故を経て、変容していく意識と風景。日記映画の動画を元に構成した、昨日、今日、明日の記憶。にいや日記映画の代表作。
 
「灰土警部の事件簿 人喰山」(2009/28分/DV)

古風な探偵小説の挿絵調墨絵で怪奇な幻想世界を描く。カメラワークと語りだけで見せる「紙芝居アニメ」。弁士は作者のにいやなおゆき本人。ゆうばり映画祭から、ドイツニッポンコネクションを皮切りに各国で上映されたアンダーグラウンドエログロアニメーション。関西では初上映となる、英語字幕つき音声強化決定版!

 

にいやなおゆき
1963年、岡山県生まれ。アニメーション作品に『納涼アニメ電球烏賊祭』(93)、紙芝居アニメ『人喰山』(09)など。特撮、特殊美術担当作品に、高橋洋監督『ソドムの市』(04)、NHKBSドラマ『小暮写真館』
沖島勳監督『WHO IS THAT MAN!?あの男は誰だ!?』(13)、関根勤監督『騒音』(15)私立恵比寿中学『未確認中学生X』井川耕一郎監督『色道四十八手 たからぶね』(14)など。最新作『乙姫二万年』(18)がついに完成、公開準備中。

 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1400円 学生1000円 会員1200円
《割引》当日2プログラム目は200円引き


神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外
対談:澤野雅樹+丹生谷貴志

澤野雅樹 著『ミルトン・エリクソン──魔法使いの秘密の「ことば」』(法政大学出版局/2019年9月刊行)
刊行記念イベント
 
2019年9月7日(土)17:00〜(終了予定18:30) 
 
ミルトン・エリクソンはアメリカの精神科医であり、医療催眠と人の意表を突く処方により広く知られている。どれほど厄介な問題も素早く解決してしまう彼の手腕は、ときに「魔法」と呼ばれ、ときに「奇跡」と賛嘆された。やがてエリクソン自身も「魔術師」と呼ばれるようになる。彼は「いったい私は何をしたのでしょう?」と問いかけるが、エリクソンの言葉は読み込めば読み込むほどに我々に染み付いている従来の人間観に大きな揺さぶりをかけてくる。エリクソンについての著書を刊行する澤野雅樹氏が丹生谷貴志氏とともに、言語と出来事の、そして言語と人の生死とのつながりをめぐって語り合う。
 

澤野雅樹
明治学院大学社会学部社会学科教授。専門は社会思想史、犯罪社会学。主な著書に、『絶滅の地球誌』(講談社選書メチエ、2016年)、『起死回生の読書!──信じられる未来の規準』(言視舎、2016年)、『ドゥルーズを「活用」する!』(彩流社、2009年)、『不毛論──役に立つことのみじめさ』(青土社、2001年)、『数の怪物、記号の魔』(現代思潮社、2000年)、『癩者の生──文明開化の条件としての』(青弓社、1994年)などがある。 
丹生谷貴志
神戸市外国語大学教授。主な著書に『〈真理〉への勇気 現代作家たちの闘いの轟き』『ドゥルーズ・映画・フーコー』(青土社)、『死体は窓から投げ捨てよ』、『死者の挨拶で夜がはじまる』、『家事と城砦』、(河出書房新社)など。翻訳書に、シェフェール『映画を見に行く普通の男 映画の夜と戦争』(現代思潮新社)などがある。

 

《参加費》 無料


最終章・新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー in 神戸 vol.3
後藤大輔監督作品集

2019年9月7日(土)・8日(日)

名古屋で保管されていたプリントから6作品をセレクトし、3回に渡って上映してきたシリーズ最終章の最終回。

今回は後藤大輔監督の2作品、不倫をベースにした密度の濃いフィルムノワール『喪服の女 崩れる』、痴呆症の老人と未亡人となった息子の嫁の交流を描いたホームドラマの傑作『痴漢義父 息子の嫁と…』です。フィクションとしてのスケール感のあるダイナミックな後藤ワールドをご堪能ください。

 

「喪服の女 崩れる」(プリントタイトル『喪服不倫妻 こすれあう局部』)

(2001/60分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:後藤大輔 原案:堪忍 プロデューサー:池島ゆたか 撮影:飯岡聖英 音楽:大場一魅
出演:佐々木麻由子、木村圭作、松木良方、山咲小春、水原香菜恵、中村方隆、新納敏正、螢雪次朗

古びた印刷工場を舞台に人妻とその夫、風来坊の印刷工の間で展開する愛憎のドラマ。80年代ロマンポルノでデビューした後藤大輔が満を持して臨んだピンク第一作でフィルムノワール的色彩濃厚な作品。物語・演技・セット・撮影・音楽すべてが尋常ではないボルテージの高さを競いあう。

 

「痴漢義父 息子の嫁と…」(プリントタイトル『義父と嫁 乳しぼり』)

(2003/59分/35mm)新東宝映画
監督・脚本:後藤大輔 プロデューサー:池島ゆたか 撮影:飯岡聖英 編集:酒井正次
出演:中村方隆、麻木涼子、佐々木ユメカ、なかみつせいじ、城春樹、水樹桜、新納敏正、江端英久

酪農家の周吉は息子を事故で亡くし嫁の紀子と二人暮らし。彼は明け方になるとボケが出て紀子は毎朝彼が可愛がっていた牛の代わりに牛舎で乳を搾らせている。自らのボケに気づいた周吉は…。後藤大輔監督が九州の田園地帯を舞台に舅と嫁の禁断の愛を描いた感動作。故中村方隆の名演。

 

9月7日(土)
トーク「働く嫁と家父長制──ケアと家業の二重役割」
村上潔
(現代女性思想・運動史研究)

協力:ぴんくりんく

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生1000円 会員900円
《割引》当日2本目は200円引き
《プレゼント》1日2作品ご鑑賞者に、ピンクリンク編集部による冊子「20世紀最初のピンク映画〜2001年・全新作紹介〜」または新東宝ピンク映画ポスターをプレゼント。無くなり次第終了。[提供:ぴんくりんく]


[貸館]神戸フットボール映画祭
2019年9月14日(土)

13時20分~
「カイザー!」

原題:Kaiser! The Greatest Footballer Never to Play Football
監督:ルイス・マイルス 出演:カイザー、ジーコ、ベベト
98分/ドキュメンタリー/2018年/イギリス・ブラジル
トライベッカ映画祭出品作品

サッカー史上最強の詐欺師
カルロス・カイザーは、20年近いキャリアを持つブラジル人プレイヤー。80年代から90年代にかけてフラメンゴやヴァスコ・ダ・ガマなどビッグクラブに所属していきたが、そのプレーを見たものは居ない。経歴詐称やハッタリを駆使して契約を勝ち取ってきたフェイクプレイヤーだったのだ。その驚きの手口が暴かれたとき、カイザーの目に映るものは?
ジーコ、ベベト、レナト・ガウショ、カルロス・アルベルトなど、証言する被害者(?)も超一流。

→フェイスブック

15時20分~
「ワーカーズカップ」
 © The Workers Cup LLC, 2017
監督:アダム・ソベル  字幕制作:ヨコハマ・フットボール映画祭
サンダンス映画祭 ドキュメンタリー部門出品作品
88分/ドキュメンタリー/2017年/イギリス

2022年ワールドカップに潜む影
2022年カタールW杯のスタジアム建設現場には160万人にも及ぶ外国人労働者が集まっている。ある者は家族を養うため、ある者はプロサッカー選手になれると騙されて。
プレハブ小屋の生活環境は劣悪そのもの。会社にパスポートを預けているため逃げ出すことも許されない。
不満解消のため、労働者チームによる会社対抗トーナメント”Workers Cup”が企画される。何の娯楽もなかった移民たちの生活に笑顔が溢れ始める。国籍や人種の異なるチームで勝利を目指す彼らは果たして優勝を掴みとることが出来るのか…?

→公式サイト
→予告編

主催:神戸フットボール映画祭
共催:FC六間

《料金》 当日販売券のみ
高校生以上一律(1本) 1000円
中学生以下一律(1本) 500円
問合せ先:神戸フットボール映画祭実行委員会 078-955-8944
twitter: @kobefff Facebook:@kobeoff


JISYU〈自主映画アーカイヴ上映〉 vol.8
山川直人の時代/山川直人と時代 1978-1983

2019年9月14日(土)大阪・プラネット・プラス・ワン、15日(日)神戸映画資料館

→CO2 シネアスト・オーガニゼーション大阪

1970年代の8mmや16mmフィルムなどによる自主映画製作の興隆は、撮影所が機能不全に陥りつつあった日本映画におけるニューウェーブとして注目を浴びた。山川直人という映画作家は、その時代を牽引した最も重要な存在である。早稲田大学シネマ研究会在籍中に発表された『ビハインド』がオフシアターフィルムフェスティバル’79に入選。室井滋をヒロインに、その後も文芸坐と共に製作した『アナザ・サイド』、村上春樹原作の『パン屋襲撃』、『100%の女の子』などを発表し、同時代の作家たちに多大な影響を与えた。そして、86年には『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』で劇場映画デビューを果たす。山川直人が手掛けた自主映画の傑作群を通して、現在に至るインディペンデント映画の歴史の夜明けを回顧したい。

9月15日(日)神戸プログラム

13:00 Cプログラム
「アナザ・サイド」(1980/112分/16mm)文芸坐+早大シネ研提携

16mmで山川が挑んだ長編作品。高度成長の時代に育った大学生たちが、恋愛の葛藤や仲間の自死に直面するなか、人生の「もう一つの側面」を渇望する。

 

15:15 山川直人トーク 無料(要当日の映画チケット半券)
聞き手・田中晋平(神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

山川直人
1957年愛知県生まれ。早稲田大学でシネマ研究会に所属し、78年に処女作『A子のカラス』を発表。同年製作した『ビハインド』がオフシアターフィルムフェスティバル’79に入選、自主映画界の旗手として注目を浴びる。86年に劇場映画デビューを果たし、『SO WHAT』(1988年)、『時の香り リメンバー・ミー』(2001年)などを監督。現在、東京工芸大学芸術学部映像学科教授。

 

16:10 Dプログラム
「100%の女の子」(1983/13分 20分/16mm)

原宿の裏通りですれ違ったある女の子をめぐるイマジネーションが、コマ撮り映像で縦横無尽に展開していく。村上春樹原作の第2弾。

「自己と他者」(1979/50分/8mm[Blu-ray上映])早大シネ研

帰郷した男が駅で女を待ち続ける様子と、男女の決して交わらない対話によって織り成された作品。主演を山川映画の常連の室井滋と里亮弘がつとめる。
 

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1500円 学生1000円 会員1300円

主催:CO2 共催:プラネット・プラス・ワン、神戸映画資料館
大阪市助成事業


『蹴る』
2019年9月14日(土)〜17日(火)
11:00

「蹴る」
(2018/118分/ブルーレイ上映)
監督:中村和彦(「プライド in ブルー」「アイ・コンタクト」「MARCH」)
プロデューサー:中村和彦、森内康博
撮影:堺斗志文、中村和彦、森内康博
録音:藤口諒太 整音:鈴木昭彦 音楽:森内清敬
製作:「蹴る」製作委員会(中村和彦+らくだスタジオ)
配給:「蹴る」製作委員会+ヨコハマ・フットボール映画祭

出演:永岡真理、東武範、北沢洋平、吉沢祐輔、竹田敦史、三上勇輝、有田正行、飯島洸洋、内橋翠、内海恭平、塩入新也、北澤豪 (日本障がい者サッカー連盟会長)

誰にも負けない、誰にも止められない。
永岡真理は生まれながらにして難病「SMA(脊髄性筋萎縮症)」を患い、生涯で一度も歩いたことがないが、ひとたび試合が始まれば、華麗かつ激しいプレーで観客を魅了する。
東武範は筋ジストロフィーにより、呼吸器が手放せず、食事を摂ることも辛いが、国内でも屈指の実力を誇る。
真剣なトレーニング、家族のサポート、自らの障害との折り合い、恋愛模様、そして夢のワールドカップ。。。
映画『蹴る』は、永岡、東を中心に、電動車椅子サッカーワールドカップを目指す選手達を6年間に渡り追い続けたドキュメンタリー映画である。

→公式サイト

9月15日(日)中村和彦監督来館

*14日(土)・16日(月・祝)通常版
 15日(日)・17日(火)日本語字幕付き

《料金》 前売:1300円
一般:1700円 学生・シニア・障害者:1100円 会員:1000円
*障害者の付き添いは1名様まで同料金


第38回 くにづか月イチ上映会
2019年9月22日(日) 13:30〜
 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


第39回 くにづか月イチ上映会
2019年10月5日(土) 13:30〜
 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


「加藤泰、映画を語る」を聴く会
2019年10月6日(日) 13:30〜(終了予定16:45)
 
筑摩書房のリュミエール叢書から1994年に「加藤泰、映画を語る」(山根貞男、安井喜雄編)が出版されてから25年が経った。2013年には文庫版が出版され文字として講演記録を読むことはできたが、加藤泰監督の肉声を聞きたいとの声も多かった。久しぶりにその肉声の録音に触れ加藤泰の想いを再確認したい。

ゲスト:山根貞男(映画評論家)
参考上映(45分/編集:安井喜雄)あり
 

《料金》 カンパ制
*1000円程度のカンパをお願いします


フレデリック・ワイズマンのすべて in 関西
神戸映画資料館 vol.1

2019年11月2日(土)〜4日(月・祝)

1967年の『チチカット・フォーリーズ』以来、“現代社会の観察者”として独自の映像表現を展開し続けているドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン。
50年以上にわたり、学校、病院、警察、軍隊、裁判所、図書館、議会など、アメリカの様々な施設・組織を撮り続けてきました。ワイズマン自身が “〈われわれの生活様式の博物誌〉を紹介するドキュメンタリー・シリーズ” という作品群には、悲劇的であると同時に喜劇的、深刻でありながら滑稽でもあり、複雑であると同時に素朴(ナイーブ)、絶望の中にもユーモアが光る、矛盾に満ちた魅力的なアメリカの姿が映し出されています。
 
2019年秋、「フレデリック・ワイズマンのすべて in 関西」と題し、京阪神の劇場で大特集。
神戸映画資料館ではこれを始点にシリーズ上映を予定しています。

 

「メイン州ベルファスト」 Belfast, Maine

(1999/247分/16mm)*途中休憩あり
メイン州にある人口6000人の典型的なアメリカの町ベルファストに関するドキュメンタリー。現在ではメイン州でもっとも貧しい地区のひとつであるが、歴史的には商業的に栄えた町であり、天然資源に恵まれた土地でもある。ワイズマンは「ベルファストの日常生活が経済的圧力によっていかに変化したかあるいは変化していないかを記録しようと考え、この町の様々な組織とそこでの日常生活を検証した」と述べている。

 

《料金》
一般:2000円 シニア:1700円 学生・会員:1500円
*招待券はご利用いただけません

→公式サイト(コミュニティシネマセンター)
→フレデリック・ワイズマンのすべて in 関西

主催:同志社大学寒梅館、シネ・ピピア、シネ・ヌーヴォ、神戸映画資料館、元町映画館、出町座、京都みなみ会館
共催:コミュニティシネマセンター
協力:アテネ・フランセ文化センター、山形国際ドキュメンタリー映画祭


第40回 くにづか月イチ上映会
2019年11月9日(土) 13:30〜
 

《料金》 無料
アスタくにづか3番館1階の「コミュニティハウス」で整理券を進呈

主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会


青丘文庫研究会 映像を通して視る!
「植民地朝鮮、解放後の在日の運動と済州島出身のハルモニたち」

2019年11月10日(日)14:00〜
 
今年4月におこなった「映像を通して視る! 『朝鮮人強制連行』」の続編として青丘文庫研究会の飛田雄一、水野直樹の解説を交え、そして『大都会の海女』の康浩郎監督も招き、『龍王宮の記憶』(金稔万)も上映する。
 
「青丘文庫」は神戸長田のケミカル産業に従事していた韓皙曦(ハン・ソッキ)が朝鮮史関係文献を集め1969年に開設したもので、1997年に神戸市立中央図書館内に再オープン。今回の上映会は、そこで定期的に行われている「青丘文庫研究会」の例会として位置づけられている。

 

14:00〜15:00
第1部 植民地朝鮮
『TYOSEN』
(1939/13分/DVCAM上映[16mmフィルム])国際観光局(BTI PICTURE)
朝鮮観光を海外にPRするための映画。朝鮮の観光地や文化を描いた後、高速鉄道は満州から北京に向かって出発する。英語版だが日本語字幕を付して上映。併せて、神戸映画資料館所蔵の植民地時代の朝鮮関連映像も数本上映する。

『金剛山』(1928年/15分/サイレント)日活東京撮影所
『北鮮ところどころ』(1928年/5分/サイレント)横浜シネマ商会

トーク:水野直樹(京都大学名誉教授)

 

15:10〜15:50
第2部 解放後の在日の運動
『民族の絶叫』
(1947/8分/DVCAM上映[35mmフィルム])
国民文化映画社作品
提供:在日本朝鮮人居留民団 在日本朝鮮建国促進青年同盟国
2013年に元町高架下で発見された1947年の建青ポスターに記載されていた映画。独立してからおよそ2年、北緯38度線の分割を背景に3千万朝鮮民族の絶叫を描く。李承晩博士、金九主席などの貴重な映像も見どころ。日本語字幕を付して上映。

『特報 国民文化映画 マラソン王、東京に』(1947年/4分/朝鮮語)

参考上映:『66年ぶりに元町の高架下で発見されたポスター(仮題)』(DVD上映)
撮影・編集:金稔万
 
トーク:飛田雄一(神戸学生青年センター)

 

16:00〜17:45
第3部 済州島出身のハルモニたち
『大都会の海女』
(1965/30分/DVD上映[16mmフィルム])
日本映画新社 監督:康浩郎
1965年放送のテレビ番組シリーズ「人間」のうちの一本。大阪の猪飼野に住む韓国済州島出身の海女が、日々大阪湾南端の岬公園の海に潜ってサザエや海藻類を売って生活している様を追う。在日映画監督による初のテレビ・ドキュメンタリー番組。字幕も台本も行方不明のため監督以外のスタッフは不詳。

トーク:康浩郎(映画監督)

 
『龍王宮の記憶』(「龍王宮プロジェクト」製作版)
(2016/51分/DVD上映)
撮影・編集 : 金稔万
龍王宮とは、JR環状線桜ノ宮駅に近い大川(旧淀川)左岸の河川敷にあった済州島出身の一世のハルモニたちがクッ(賽神・巫俗儀礼)を行う祈りの場所であった。惜しくも2010年8月に撤去された。撤去される直前に研究者たちを中心に龍王宮の記憶を記録する「龍王宮プロジェクト」が立ち上がり、かろうじてクッを行う様子など映像の記録が残された。

 

《参加費》1500円
* どなたでもご参加いただけます

共催:青丘文庫研究会


公開研究会
[貸館]宗教映画とスクリーン・プラクティス
2019年11月16日(土)13:00~16:00 17:00

宗教と映画というテーマは、特に欧米の映画史においてキリスト教の信仰と不可分なものとして論じられてきたが、日本を含むアジアの宗教との関係は、これまで十分に論じられてきたとは言い難い。この公開研究会は、日本の事例を中心としながら、仏教と映画、またスクリーン・プラクティスと宗教の関係を、様々な観点から比較分析し、新たな研究の導きの糸とすることを目的としている。
また関連して、神戸映画資料館で発見され、「神戸発掘映画祭2018」で1巻目のみ上映された『鍋かぶり日親』(牧野省三・沼田紅緑監督、牧野教育映画、1922年)について、未公開の2巻目もあわせたバージョンで初上映する。

13:00~13:45
第1部 日本・アジアにおける宗教と映画

上田学(神戸学院大学)「牧野省三と宗教映画」
ユリア・ブレニナ(大阪大学)
「日蓮主義と映画ー立正活映の映画製作と配給網に着目してー」
赤井敏夫(神戸学院大学)「近代インドと宗教映画」

13:45~14:45
第2部 スクリーン・プラクティスと宗教

近藤和都 (大東文化大学)
「歴史のなかのスクリーン・プラクティス:日本における研究動向」
ローランド・ドメーニグ(明治学院大学)
「光と影の大いなる術 宗教と幻燈をめぐる相関関係」
福島可奈子(神戸大学)
「明治期日本のプロテスタントにおける幻燈利用――中島待乳製スライドを一例に」
スザンネ・シェアマン(明治大学)
「欧州から見た日本の宗教と娯楽の関係」

15:00~16:00
発表者によるディスカッション

司会 上田学

16:15~17:00
『鍋かぶり日親』上映
(デジタル[原版9.5mm] )
神戸映画資料館所蔵 デジタル化協力:神戸大学

主催:神戸学院大学研究助成B「 スクリーン・プラクティスに関する日亜比較文化研究」、早稲田大学演劇映像学連携研究拠点公募研究「マルチマテリアルを基礎とした立正活映作品の復元」
 

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。