くにづか100円上映会
2016年9月17日(土) 11:00〜
鑑賞料はワンコイン100円!
《料金》 100円
(アスタくにづか4番館1階の「コミュニティハウス」では、先着30名様に招待券を進呈)
主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会
くにづか100円上映会
2016年9月17日(土) 11:00〜
鑑賞料はワンコイン100円!
《料金》 100円
(アスタくにづか4番館1階の「コミュニティハウス」では、先着30名様に招待券を進呈)
主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会
山根貞男さんと映画を見て話す会
2016年9月3日(土)13:30~ (16:30よりカフェトーク)
神戸映画資料館所蔵の映画を二本見た後、当館併設のシネマ・カフェ チェリーで山根貞男さんのお話をうかがいます。
《料金》 通し券(別途、カフェで1ドリンクのご注文をお願いします)
一般:1700円 会員:1500円
*招待券のご利用不可
くにづか100円上映会
2016年8月19日(金) 11:00〜
新企画の第一回目は、夏休み期間中ということで、子どもと大人が一緒に楽しめる映画を上映します。
鑑賞料はワンコイン100円!
《料金》 100円
(アスタくにづか4番館1階の「コミュニティハウス」では、先着30名様に招待券を進呈)
主催:くにづかリボーンプロジェクト、アスタくにづか神戸市保留床テナント会
『ホース・マネー』公開記念
ペドロ・コスタ監督 『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』
2016年8月6日(土)・7日(日)
ポルトガルの鬼才ペドロ・コスタの新たな傑作『ホース・マネー』の公開に合わせて、『ヴァンダの部屋』と『コロッサル・ユース』を35mmフィルムで上映。この濃密な体験は劇場でしか味わえない!
「ヴァンダの部屋」No Quarto da Vanda
(ポルトガル・ドイツ・フランス/2000/180分/35mm)
監督・脚本・撮影:ペドロ・コスタ
編集:ドミニック・オーヴレイ
録音:フィリップ・モレル、マシュー・エンベール
配給:シネマトリックス
あの街においてきた、わたしの魂を。
「ここ」は、リスボンの移民たちの住む街。名前は、ヴァンダ。私はここで暮らしている。壊れかけた家々、廃墟、ジャンキー(麻薬中毒)、鳴り響く工事の音・・・。こんなとこ、悪魔も住まない。でも、ここにいる、太陽がおおきく見える「この場所」に。
ゲットーにデジタルカメラを持ち込み、2年間、そこに暮らし、とらえた「捨てられた」街と人々の姿。ドキュメンタリー/フィクションという区分を無効にする、あまりにも「美しく」「濃密な」映像と物語、そして時間。
「小津安二郎」を思わせる光と「パンク」な音響が
リスボンで交錯する“奇跡”の体験
世界各地の映画祭で上映される度に、熱狂的な支持を得、劇場公開が熱望されていた、本作の監督はペドロ・コスタ。オリヴェイラ、ストローブ=ユイレが自らの後継者と断言する、ポルトガルの若き鬼才。『ヴァンダの部屋』における人々の日常をとらえ、一度も動くことのないカメラは、多くの観客に小津安二郎の映画を連想させ、ペドロ・コスタ自身も、小津からの大きな影響を公言している。
人々が暮らす暗闇の空間に射し込む光、そして屋外のラテン的なあたたかい光に満ち溢れた静謐な映像と、舞台となる移民街に鳴り響くノイズ(ルビ:破壊音)。映画の臨界点を遥かに越えた「未知の体験」=“奇跡”を、今、体感する。
「コロッサル・ユース」Juventude em Marcha
(ポルトガル・フランス・スイス/2006/155分/35mm)
監督:ペドロ・コスタ
撮影:レオナルド・シモイショ、ペドロ・コスタ
編集:ジュアン・ディアス
録音:オリヴィエ・ブラン、ヴァスコ・ペドロソ
音楽:オイス・トゥパロイス
配給:シネマトリックス
愛する妻よ、俺の手紙は着いたか?
お前の返事はまだ来ないが、そのうち届くだろう・・・
古くからカーボ・ヴェルデ諸島出身のアフリカ系移民が多く住む、リスボン北西郊外のフォンタイーニャス地区。住民たちは開発に伴い建てられたばかりの近代的な集合住宅へと強制移住させられる。そんな移民労働者の一人で、34年この地区に住んできたヴェントゥーラは、突然、妻のクロチルドに家を出て行かれてしまう……。
1997年の『骨』、2000年の『ヴァンダの部屋』に引き続き、フォンタイーニャス地区にカメラを持ち込み、撮影された本作は、同じテーマでの第3作目となる。現場にはデジタルカメラと録音機(DAT)、三脚などの最小限の機材でのぞみ、照明はほぼ自然光のみで撮影された。出演者には、ヴェントゥーラやヴァンダをはじめ、プロの俳優は一人もいない。すべて、その地区の住人やペドロ・コスタの知人・友人たちである。しかしこの映画をドキュメンタリーか劇映画かを分類することは不可能であり意味がない。ペドロ・コスタにおいては、映画はドキュメンタリー、フィクションの枠を越え、人間についての、土地についての壮大な叙事詩となる。
《料金》
一般:1500円 学生・シニア:1300円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1200円
東ドイツ映画特集 2
2016年7月9日(土)・10日(日)
東ドイツ国営映画会社DEFAにおけるドキュメンタリー第一作目として1961年より撮影を開始し、ドイツ統一後の1993年に完成した4時間44分の大長編『スクリーンプレイ:時代』を35ミリフィルムで上映します。
「スクリーンプレイ:時代」
Drehbuch: Die Zeiten.
Drei Jahrzehnte mit den Kindern von Golzow und der DEFA
(ドイツ/1993/284分[休憩あり]/35mm)
監督:バーバラ・ユンゲ、ヴィンフリート・ユンゲ

1961年にベルリンの壁が作られた直後、ゴルツォウという小さな村の子供たちの記録映画の製作が始まった。カメラは入学、卒業、就職、結婚、壁の崩壊後の子供たちを追う。子供たちを撮りつづけていたフィルムはいつしか膨大なものとなる。この壮大なドキュメンタリーはゴルツォウの子供たちを通してドイツの歴史を描いているばかりではなく、旧東ドイツ最大のフィルムスタジオDEFAの映画史にもなっている。
山形国際ドキュメンタリー映画祭’95で、優秀賞と市民賞を受賞。
《料金》
一般:2200円 学生・シニア:2000円
会員一般:2000円 会員学生・シニア:1800円
*招待券のご利用不可
後援:山形国際ドキュメンタリー映画祭
東ドイツ映画特集 1
2016年7月2日(土)・3日(日)
1960-70年代、西ドイツでファスビンダーやヴェンダースなど若い映画作家が台頭した頃、東ドイツでは国営映画会社DEFAの中で独自の国民映画文化が形成されつつあった。東西冷戦を背景に生まれた2つの〈ニュージャーマンシネマ〉、日本ではほとんど知られていない壁の向こうの傑作を紹介する。

©DEFA-Stiftung, Herbert Kroiss
「嘘つきヤコブ」
Jakob der Lügner
(東ドイツ・チェコスロヴァキア/1974/100分/ブルーレイ上映)
監督:フランク・バイヤー
原作:ユーレク・ベッカー
出演:ブラスティミール・ブロドスキー(ヤコブ)、エルヴィン・ゲショネック(理髪師コヴァルスキー)
第二次大戦中、とある東欧のユダヤ人居住区(ゲットー)。壁に囲まれ自由を失った世界で希望をつなぐため、ヤコブは仲間たちに虚構のラジオニュースを伝え続ける。だがその嘘は次第に自己欺瞞に陥ってゆく…。東ドイツ映画として米アカデミー外国語映画賞にノミネートされるなど、世界各国で賞賛を浴びた。
「パウルとパウラの伝説」
Die Legende von Paul und Paula
(東ドイツ/1973/105分/ブルーレイ上映)
監督:ハイナー・カーロウ
脚本:ウルリヒ・プレンツドルフ、ハイナー・カーロウ
出演:アンゲリカ・ドムレーゼ(パウラ)、ヴィンフリート・グラツェダー
男はキャリアを築いたが不幸な結婚生活を送っていた。女は2人の子供を抱えてシングルマザーとして懸命に生きてきた。昔から近所同士のそんな二人パウルとパウラが突然恋に落ちた。だが彼らの幸せを得るにはあまりにも障壁が多すぎた。東ドイツ製メロドラマとして国内で記録的大ヒットを飛ばしたDEFAの代表作。
レクチャー:冷戦の壁と国民文化──東ドイツ映画とは?
7月2日(土)17:00〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)
渋谷哲也(ドイツ映画研究)
1961年ベルリンの壁によって東西ドイツ分断は決定的なものとなった。それは映画文化の分断の始まりでもあり、丁度西側の「ニュージャーマンシネマ」と同時期に東ドイツ映画は独自の路線を踏み出すことになる。壁の向こうのニューウェーブに触れる試みとして、まずは2本の代表作を紹介する。
《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1000円
会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円
《割引》当日2本目は200円引き
作品解説:渋谷哲也
日本語字幕:上田浩二、吉川美奈子
協力・映像素材提供:DEFA財団、ドイツ映画文化発掘フェスティバル実行委員会
ジャン・ルノワール選集
2016年6月18日(土)・19日(日)
「大いなる幻影」
La Grande Illusion
(フランス/1937/114分/16mm)
監督:ジャン・ルノワール
脚本:ジャン・ルノワール、シャルル・スパーク
撮影:クリスチャン・マトラ、クロード・ルノワール
音楽:ジョゼフ・コスマ
出演:ジャン・ギャバン、ピエール・フレネー、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、マルセル・ダリオ、ディタ・パルロ
第一次世界大戦を舞台に、ドイツ軍の捕虜収容所からの脱走をはかるフランス兵士とドイツ人将校や民間人との国境を越えた交流を描いた反戦映画。サイレント映画の巨匠エリッヒ・フォン・シュトロハイムが、貴族階級の将校役で名優ジャン・ギャバンと共演する。
「ゲームの規則」
La Règle du jeu
(フランス/1939/106分/16mm)
監督・脚本:ジャン・ルノワール
撮影:ジャン・バシュレ
音楽:ロジェ・デゾルミエール
衣装:ココ・シャネル
出演:マルセル・ダリオ、ジャン・ルノワール、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータン
上流階級の夫婦とその愛人、そして召使いたちも入り乱れての恋愛騒動を、ルノワール自身が狂言回しを演じて描く風刺的な群像喜劇。衣装デザインはココ・シャネルが担当している。
《料金》
一般900円 学生・シニア800円 会員800円 学生・シニア会員700円
《割引》当日に限り2本目は200円引き
ジョン・ウェインの西部劇と戦争映画
2016年6月4日(土)・5日(日)
「硫黄島の砂」
Sands of Iwo Jima
(アメリカ/1949/109分/35mm)
監督:アラン・ドワン
原作:ハリー・ブラウン
脚色:ハリー・ブラウン、ジェームズ・エドワード・グラント
撮影:レギー・ラニング
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ジョン・ウェイン、ジョン・エイガー、アデル・マーラ、フォレスト・タッカー、ウォリー・キャッセル
ジョン・ウェインが演じる鬼軍曹ストライカーを主人公に、太平洋戦争末期のアメリカ海兵隊の硫黄島上陸作戦を描く。ストライカーと彼が慕う亡き大佐の息子、隊員たちとのドラマもみどころ。この役でジョン・ウェインは初めてアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
「リオ・グランデの砦」
Rio Grande
(アメリカ/1950/105分/35mm)
監督:ジョン・フォード
原作:ジェームズ・ワーナー・ベラ
脚本:ジェームズ・ケヴィン・マッギネス
撮影:バート・グレノン、アーチー・スタウト
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、ベン・ジョンソン、クロード・ジャーマン・ジュニア
『アパッチ砦』『黄色いリボン』に続く、ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の“騎兵隊三部作”の最終作。インディアン討伐の指揮をとるヨーク中佐(ジョン・ウェイン)のもとに一人息子ジェフが一兵卒として入隊してくる。そこへジェフの除隊を望む別居中の妻(モーリン・オハラ)がやってきて……。
《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1000円 会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円
《割引》当日に限り2本目は200円割引
クラウス・ウィボニー レトロスペクティヴ
2016年5月15日(日)
物理学者・数学者・音楽家でもある映画作家クラウス・ウィボニーは、映像とは抽象的で時空間に出現し消滅する何ものかであり、現実を記録するイメージではないと言っている。ウィボニーは自作を「時間における印象主義的」作品と呼ぶ。ポール・シャリッツに捧げた『西洋の没落のためのエチュード』を始めとする『大地の歌シリーズ」や劇映画『オープン・ユニバース』で使われるフィルム断片の加工(赤青のフィルター、オーバーラップ、フェードアウト、ネガ反転等)と音楽的モンタージュにズレを伴う変調リズムの自作曲のコンビネーション、デジタル映像とドイツを代表する詩人ドリュス・グリューンバインとのコラボレーション作は、観客を尋常でない視聴覚体験に耽溺させる。(赤坂太輔)
クラウス・ウィボニー Klaus Wyborny
映像作家、1945年生まれ、ハンブルクとニューヨークで物理学を専攻。大学在学中に実験映画制作を始め、1968年に映画監督であるヘルムート・コスタールやウェルナー・ネーケス、ドーレ・Oらとフィルムメーカー・コーペラティブを創設する。その作品は「語りへの戦い」(ハルトムート・ビトムスキー/映画監督、批評家)と称され、ジョナス・メカスに絶賛された初期の話法的実験映画からティルダ・スウィントンやハンス・ツィシュラーら俳優と組んだ実験的な劇映画、近年の音楽構造的ランドスケープ・フィルム、詩人ドゥルス・グリューンバインとのコラボレーション、映画史へのアプローチ作品やインスタレーションまで多岐にわたる活動で知られる。
近作としてベートーヴェンへのオマージュ『ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンへのオマージュ』、シュペングラーの書に想を得た『西洋の没落のためのエチュード』、友人である映画監督ハルーン・ファロッキ(2014年没)に捧げられた『想像の美術館-モネのためのエチュード』、自作上映を見る観客を撮影した『世の光』などがある。またシカゴ、ニューヨーク、バルセロナ、リスボン等で作品が上映され、国際的評価が高まっている。
また、ニューヨーク州立大学、オハイオ州立大学、ベルリン芸術大学、マンハイム専門大学等で教鞭をとっている。
クラウス・ウィボニー監督トーク
聞き手:赤坂太輔(映画評論家) 通訳:高木繁光(同志社大学教授)
各回上映終了後 参加無料(要当日の映画チケット半券)
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。
13:30〜
「西洋の没落のためのエチュード」
STUDIEN ZUM UNTERGANG DES ABENDLANDS

(1979-2010年/80分/ブルーレイ上映[スーパー8→デジベータ] /台詞なし)
制作・監督・撮影・録音・編集・音楽:クラウス・ウィボニー
オズワルド・シュペングラーの著書「西洋の没落」に想を得て、ニューヨーク、ルール、ハンブルグ、東アフリカ、リミニにおいてスーパー8カメラで撮影した6299カットの映像で作られた5部構成のインダストリアル・ランドスケープ・ムービー。工業地帯、都市、荒廃した自然の風景が赤青溶暗のうちに現れては消えていく映像を自作の曲が彩る。
15:50〜
「シラクサ」
SYRAKUS

(2004-2012年/77分/ブルーレイ上映[デジベータ])
制作・監督・撮影・録音・編集:クラウス・ウィボニー
朗読:ドゥルス・グリューンバイン
2004年以来続いている詩人ドゥルス・グリューンバインとのコラボレーション作品。古代と現在を重ね合わせる詩人自身による朗読と、ローマ、ペルージャ、クーマエ、シラクサ、マルティニー、リミニ、ファノ、スニオン岬、アテネの風景で構成された作品。
作品・監督解説:赤坂太輔
共催:アテネ・フランセ文化センター、同志社大学図書館、同志社大学今出川校地学生支援課
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生・シニア会員900円
《割引》2本目は200円割引
*神戸プラネットシネマ倶楽部会員は、5月17日の同志社大学寒椿館クローバーホールでも会員割引があります
「溝口健二論:映画の美学と政治学」出版記念 上映&講演
溝口健二監督『折鶴お千』
2016年5月4日(水・祝)・5日(木・祝)

5月4日(水・祝)17:15〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)
講演:溝口健二と映画史──『折鶴お千』を中心に
木下千花[京都大学大学院人間・環境学研究科准教授(映画学)]
『折鶴お千』はサイレントかトーキーか? という問いから始まり、神戸映画資料館所蔵のプリントをはじめ、スクリプター資料、検閲台本などのアーカイヴ資料から、溝口映画の形式とテクノロジー、映画産業、政治との密接な関わりを明らかにします。
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。
「溝口健二論:映画の美学と政治学」 著者:木下千花 法政大学出版局 2016年5月刊行予定
「折鶴お千」
(1935/90分/サウンド版/35mm)第一映画
監督:溝口健二 原作:泉鏡花 脚色:高島達之助
撮影:三木稔 選曲、解説:松井翠聲
出演:山田五十鈴、夏川大二郎、羅門光三郎、芝田新
神田明神近くの悪徳商人に食い物にされている女・お千が、愛する男・宗吉のために尽くすが、貧しさのあまり次々に悲劇が襲う。泉鏡花の「売色鴨南蛮」を基に、運命に弄ばれた男女の物語を描く溝口健二演出の芸が見どころ。弁士説明用に黒バックに白字の字幕が多数出る無声映画だが、従来のフル・フレームではなくサウンド・トラックに松井翠聲による活弁が入るサウンド版。トーキー映写機のある映画館ではサウンドを出し、サイレント映写機だけの映画館では弁士と楽団付きで上映できるようになっている。サイレントとトーキーの狭間でよく見られる上下に広いトーキー初期フレームはメイン・タイトル部だけで、本編はトーキー・フレームとなっているので今回はトーキー・フレームで上映。上映フィルムは市販されているVHSやDVDとは若干異なるバージョンで、1970年代にプラネット映画資料図書館が大阪で入手し2000年代に国立近代美術館フィルムセンターにより復元されたものである。それぞれのバージョンの違いなど詳細は木下千花さんの著書をご覧ください。
参考上映(124分/16mm)
《料金》
一般:1200円 学生:1000円 会員一般:1000円 会員学生:900円
参考上映:700円
ドキュメンタリー映画作家、佐藤真の不在を見つめて
2016年4月29日(金・祝)~5月3日(火・祝)
90~00年代、《日常》と《不在》にこだわり、潜む闇をじっくりとあぶり出したドキュメンタリー映画作家、佐藤真。公害問題と日常、「障害」とは、アートとは何か、グローバリゼーションに抗うこと、そして映像のもつ根源的な力とは───。不穏な時代のうねりを前に「世の中を批判的に見る目を持て」と、佐藤は映像と文章で、私たちの眠った感覚を刺激しました。
佐藤が世を去って9年。書籍『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』の刊行を記念して東京で3月に開催される企画の巡回上映を神戸で開催します。
佐藤真
1957年、青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1981年、『無辜なる海』(監督:香取直孝)に助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家に住みこみながら撮影を始め、1992年、『阿賀に生きる』を完成。国内外で高い評価を受ける。以降、映画監督として数々の作品を発表。他に映画やテレビ作品の編集・構成、映画論の執筆など多方面に活躍。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任講師として後進の指導にも尽力。2007年9月4日逝去。享年49。
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。

©阿賀に生きる製作委員会
「阿賀に生きる」
(1992/115分/16mm)阿賀に生きる製作委員会
監督:佐藤真 撮影:小林茂 録音:鈴木彰二
新潟水俣病の舞台ともなった阿賀野川流域に暮らす人々を、三年間撮影。社会的なテーマを根底に据えながらも、そこからはみ出す人間の命の賛歌をまるごとフィルムに感光させた傑作。
→予告篇

©「まひるのほし」製作委員会
「まひるのほし」
(1998/93分/35mm)
「まひるのほし」製作委員会
監督:佐藤真 撮影監督:田島征三 撮影:大津幸四郎 録音:久保田幸雄
登場するのは7人のアーティストたち。彼らは知的障害者と呼ばれる人たちである。創作に取り組む彼らの活動を通し、芸術表現の根底に迫る。

©牛腸茂雄
「SELF AND OTHERS」
(2000/53分/16mm)ユーロスペース
監督:佐藤真 撮影:田村正毅 録音:菊池信之
編集:宮城重夫
声:西島秀俊、牛腸茂雄
1983年、3冊の作品集を残し36歳で夭逝した写真家、牛腸茂雄。残された草稿や手紙と写真、肉声をコラージュし、写真家の評伝でも作家論でもない、新しい映像のイメージを提示する。

©シグロ2001年
「花子」
(2001/60分/35mm)シグロ
監督:佐藤真 撮影:大津幸四郎 録音:弦巻裕
編集:秦岳志
京都に暮らす花子は知的障害者のためのデイセンターに通う一方、夕食後、畳をキャンバスに食べ物を並べ、母はその「たべものアート」を写真に撮る。花子と彼女をとりまく家族の物語。
「阿賀の記憶」
(2004/55分/16mm)カサマフィルム
監督:佐藤真 撮影:小林茂 録音:菊池信之
編集:秦岳志
『阿賀に生きる』から10年。かつて映画に登場した人々や土地に再びカメラを向ける。人々と土地をめぐる記憶と痕跡に向き合い、過去と現在を繊細かつ大胆に見つめた詩的作品。
→予告篇
「エドワード・サイード OUT OF PLACE」
(2005/137分/35mm)シグロ
監督:佐藤真 撮影:大津幸四郎、栗原朗、佐藤真
編集:秦岳志
2003年、パレスチナ出身の世界的知識人、エドワード・サイードが亡くなった。イスラエル・アラブ双方の知識人たちの証言を道標に、サイードの遺志と記憶を辿る。
→予告篇

©おてんとうさまがほしい制作委員会
「おてんとうさまがほしい」
(1994/47分/DVD上映[16mm])
おてんとうさまがほしい制作委員会
撮影・照明:渡辺生 構成・編集:佐藤真
照明技師の渡辺生がアルツハイマーを患う妻にカメラを向け、自分と病の妻と向き合った日々を記録した。編集の佐藤真は白とびしたフィルムを使い、溢れる妻への思いを表現する。
「星の文人 野尻抱影」
(2002/48分/DVCAM上映[ビデオ])
紀伊國屋書店学問と情熱シリーズ
演出:佐藤真 撮影:柳田義和
星の文人、あるいは天文文筆家として知られる野尻抱影。特殊撮影で捉えた星空の映像とともに、星空の魅力を語ることに生涯をかけた類稀なる文人を浮き彫りにしていく。
「テレビに挑戦した男 牛山純一」
(2011/82分/ブルーレイ上映[DVCAM])
NPO法人映画美学校 牛山純一研究委員会
企画:佐藤真 監督:畠山容平
2001年、映画美学校で佐藤真が始めた「牛山純一研究」のゼミ生が佐藤の遺志を引き継ぐ。2400本近いTVドキュメンタリーを制作した名プロデューサー・牛山純一の生涯とその仕事に迫る。
書籍『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』
里山社刊 3月15日発売 定価3,500円(税別)
32人の書き下ろし原稿とインタビュー、そして佐藤真の単行本未収録原稿を含む傑作選や佐藤真と小林茂の往復書簡、佐藤真の東京スナップをミニ写真集として収録。
寄稿:赤坂憲雄、阿部マーク・ノーネス、飯沢耕太郎、石田優子、大倉宏、奥谷洋一郎、香取直孝、小林三四郎、小林茂、笹岡啓子、佐藤丹路、佐藤澪、佐藤萌、椹木野衣、諏訪敦彦、想田和弘、萩野亮、秦岳志、旗野秀人、林海象、原一男、平田オリザ、松江哲明、港千尋、村川拓也、森達也、森まゆみ、八角聡仁、山上徹二郎、山本草介、ジャン・ユンカーマン、四方田犬彦
主催:神戸映画資料館、佐藤真の映画を観る会
《料金》
1プログラムあたり
一般1400円 学生1200円 会員1200円 学生会員1100円
《割引》当日に限り2プログラム目から200円割引
「シネ砦」創刊記念 上映&トーク
シネ砦の人々
2016年4月16日(土)・17日(日)
2015年末に、映画批評雑誌「シネ砦」を出版した。
ひとつの映画作品や特定の映画作家に注目し特集を組むわけでなく、あくまでわたしたちシネ砦集団の興味、「この人のこの映画についての批評が読みたい」という思いだけで作った雑誌なため、一見するとまとまりのないものに見えるかもしれない。しかし、現在に”映画批評”を目指したとき、こうなることは間違いでなかったと確信している。
東京では二月に稲川方人氏、佐々木敦氏、樋口泰人氏等をゲストに、シネ砦集団からは川口力、安井豊作が登壇し、「映画批評と何か、とは何か……」というイベントを開催し、そこでは「映画批評の場所としての雑誌、徒党としての批評と映画作家」について討論が交わされた。
今回、神戸では執筆者である丹生谷貴志氏をお迎えし、安井豊作が、自身の初監督作品『Rocks Off』と共に、また別の角度から「シネ砦」を読み直していけたらと思う。
(編集長 渥美喜子)
4月16日(土)17:35〜(終了予定18:35) 参加無料(要当日の映画チケット半券)
トーク 丹生谷貴志 × 安井豊作 × 青山真治
*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、イベント名、日時、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。
関西初上映
「Rocks Off」
(2014/92分/ブルーレイ上映)
配給:boid
監督:安井豊作
ピアノ演奏・出演:灰野敬二
2004年4月に取り壊しが決定した法政大学学生会館。もはや廃墟にも似たこの建物でカメラがとらえるのは、関係者のインタビューや抵抗運動ではなく、ゲバ文字やビラが塗り重なったコンクリートの壁、粛々と解体作業を進める重機と作業員、そして暗闇で初のピアノ演奏に臨む灰野敬二である。ほぼそれだけをこつこつと並列させる構成は、74年に学生自主管理を獲得し、数多くの特異なイベントを行ってきた過去の「学館」や、あるいは30年という時間で衰弱したいまの「学館」ではない、この映画固有の「学館」とでもいうべき時空間を実現している。
→ 予告編
『第二砦の人々』の監督である小川紳介は、撮影の現場にほとんど姿を現さなかったという。彼は何をしていたのか。彼は現像されたフィルムを見ることによって、ただ見ることによってのみ、思考していたのではないかというのが私の推測である。したがって、小川プロの映画を見ることは、小川の思考の記録(ドキュメント)を見ることと同義である。記憶をたどってみると、私もまた、解体されんとする学生会館と、そこで畏敬するギタリスト灰野敬二の解体せんばかりのピアノ演奏とを被写体とすることに決めただけで、撮影中はほとんど何もしていない。小川の緻密かつ広大な思考には及ぶべくもないが、私もまた撮影されたデジタル映像をくりかえし見ることによって思考した。スローガンが幾重にも塗り重ねられ判読不能となった学生会館の壁は、三里塚の大地と同じように歴史が刻み込まれている。灰野によって連打される鍵盤の音と椅子のきしみは、学生のゲバ棒と機動隊の盾がぶつかりあう音に反響する。この世界を肯定するのか、それとも憎悪するのか。
今回、関西初上映となる『Rocks Off』を見ることによって、ただ見ることによってのみ各人各様の思考を紡ぎ出してもらえれば幸いである。──安井豊作
「三里塚 第二砦の人々」
(1971/143分/モノクロ/16mm)
製作:小川プロダクション
監督:小川紳介 助監督:福田克彦、湯本希生
撮影:田村正毅 整音:浅沼幸一
新空港建設に反対する農民運動を記録した三里塚シリーズの第4作。「三里塚反対同盟の人々は、砦の背後に身を隠すのではなく、己の身体を砦に鎖で巻き付け、自ら「砦になること」で、機動隊に対峙した」(シネ砦)。この「砦」の存在が『第二砦の人々』の特異さを決定づけているのは確かだが、そこに農民の悲壮な決意や自己犠牲を読みとるだけではなく、「砦」がどのように撮られているかを見る必要があるだろう。映画監督・小川紳介がとらえようとしているのは、それ自体は画面に映らない”視線”と”権力”をめぐる闘争である。
作品紹介:「シネ砦」編集部
《料金》
一般:1400円 学生:1200円 会員一般:1200円 会員学生:1000円
《割引》当日2本目は200円引き
小学校で見た世界の名作アニメーション
2016年4月9日(土)・10日(日)
戦前から学校教育の一環として発展してきた学校映画会は、戦後アメリカ占領下の民主主義啓蒙体制からさらに発展して、全国の小学校で1970年代まで盛んに行われてきた。今回は戦後世代が学校で鑑賞したと思われる漫画映画の中からソ連と韓国の代表的な作品を上映する。中でも『せむしのこうま』は旧版と新版を比較研究できる稀に見る機会である。
「せむしのこうま(旧版)」
Конёк-Горбунок (ソ連/1947/57分/16mm/日本語版)
ソ連モスクワ漫画スタジオ
製作:イワン・イワノフ・ワノ
監督:A・スネーシコ・ブロツカヤ、V・グローモフ
原作:ピョートル・エルショフ
19世紀のソビエトの詩人であるピョートル・エルショフが19歳の時に書き、今でも世界中で愛読されている幻想的なロマン溢れる物語が原作。カンヌ国際映画祭特別賞を受賞するなど世界中で大きな反響を呼び、プリントの焼増注文が殺到したため、オリジナル・ネガが痛んで使用不能となってしまったそうだ。ソビエト・アニメの創始者ともいうべきイワン・イワノフ・ワノはこの作品の再生を念じ続け1975年に新版を完成した。残念ながら今回上映するプリントは経年変化で褪色している。
「せむしの仔馬(新版)」
Конёк-Горбунок (ソ連/1976/74分/16mm/日本語版)
製作:ソユーズムリトフィルム
監督:イワン・イワノフ・ワノ
原作:ピョートル・エルショフ
脚本:イワン・イワノフ・ワノ、アナトリー・ウィルコフ
1976年に完成された新版で、旧版には無いいくつかのエピソードが追加されている。イワンは畠を荒らす金色の馬を捕えて、二頭の黒馬とせむしの仔馬をもらう。火の鳥の羽根を拾った事から、王様に次々と難題をもち出されるが、せむしの仔馬に助けられる。
「少年勇者ギルドン」홍길동
(韓国/1967/75分/16mm/日本語版)
企画:曹奎鎮 監督:申東憲(シン・ドンホン)
脚本:申東雨 動画:白洪起 撮影:朴声勤
音楽:全定根 効果:崔形来
監督の実弟シン・ドンウが描いた漫画「風雲児ホン・ギルドン」をアニメ化した韓国初の長編劇場アニメ。韓国では長らく「幻の作品」となっていたが、神戸映画資料館に残っていた日本語吹替版16mmフィルムと韓国映像資料院が入手した韓国語サウンド・フィルムをもとに韓国語版35mmフィルムが復元され、2008年の資料院新館オープン時にお披露目された。今回の上映はその元になった日本語版。朝鮮王朝時代、名門の一族だったギルドンが義賊となって、不正をはたらく役人を懲らしめる物語。
《料金》入れ替え無し(1日通し)
一般1500円 学生・シニア1300円 会員1300円 学生・シニア会員1200円
小学生・中学生・高校生500円 未就学児無料
日本の音楽映画特集
2016年2月6日(土)・7日(日)
児童音楽から歌謡曲、浪曲まで、歌と音楽が主役の日本映画を集めました。
3本立て
「ドレミハ先生」(1951/46分/16mm)
演出:北賢二 脚本:佃順
撮影:井上莞 音楽:古関裕而
出演:八洲秀章、服部哲治、平山てる子、美園春子、江藤勇、真弓田一夫
沢蘭子主演で一世を風靡した小唄映画、帝キネ芦屋の『籠の鳥』(1924)をはじめ、帝キネ、東亜、日活など多くの脚本を手がけた佃血秋(本名・佃順)による最後の脚本監督作品。長野県小諸市でのロケ中に急性盲腸炎で死去したため北賢二監督が交代して完成。数々の流行歌や校歌の作曲で知られる八洲秀章が主演。
浅間山を仰ぐ自然豊かな小学校で音楽教育に情熱を傾け「ドレミハ先生」と呼ばれていた若い教員が、病気のため東京に帰り長期療養することになったため、教員を慕う児童らは旅費を募金してお見舞いに行こうと計画。代表として選挙で選ばれた男女2名が初めての大都会で浮浪児たちの窃盗に遭うが、ようやく先生の自宅に辿り着き再会する心温まる物語。児童映画の名作として名高い。
参考上映(1947 1956/24 27分/16mm)
参考上映(1957/26分/16mm)
2本立て
「野戦軍楽隊」
(1944/68分/16mm)
監督:マキノ正博 脚色:野田高梧
撮影:行山光一 音楽:大沢寿人
出演:李香蘭、小杉勇、佐分利信、上原謙、佐野周二
情報局が公募した国民映画脚本の入選作をマキノ正博が監督。中国戦線のある軍に野戦軍楽隊が創設され、教官として赴任した軍楽少尉が経験者と未経験者を集めて3ヶ月で演奏が出来るまでに訓練する。満映から招いた李香蘭に松竹三羽烏が競演する豪華版。
参考上映(1974/26分/35mm)

「歌くらべ荒神山」(1952/88分/16mm)
監督:斎藤寅次郎 脚本:八住利雄 撮影:友成達雄 音楽:大久保徳二郎
出演:広沢虎造、鳥羽陽之助、田端義夫、川田晴久、高田浩吉、市川春代、柳家金語楼
広沢虎造の浪曲に乗せて、安濃徳に荒神山を奪われた神戸の長吉を助太刀する清水の次郎長の義理と人情の物語。コメディタッチの斎藤寅次郎演出に加え、田端義夫、川田晴久、高田浩吉らの歌唱も楽しめる。
《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1100円
会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円
《割引》当日2プログラム目は200円引き
アンドレ・バザン『オーソン・ウェルズ』刊行記念
生誕100年オーソン・ウェルズ再考
2015年12月26日(土)・27日(日)
ウェルズとバザン、ふたたび
1948年のヴェネツィア映画祭。オリヴィエの『ハムレット』が金獅子賞を穫り、かたやウェルズ『マクベス』は散々な不評に見舞われる。そんな事態に義憤を覚えた者たちによって「呪われた映画祭」が開催され、『カイエ・デュ・シネマ』創刊へとつながり、やがてそこからヌーヴェル・ヴァーグが生まれることになる。その中心にいたのが批評家アンドレ・バザンだった。最初の著書『オーソン・ウェルズ』が刊行されたのは1950年、バザン31歳。その8年後に亡くなる彼よりも四半世紀ほど長く生きたウェルズの生誕100年・歿後30年である2015年を締めくくるにあたって、『市民ケーン』以降の40年代ウェルズ作品を振り返る。バザンが論じた「リアリズム」は本当にウェルズ作品に通じているのか、その後の道行きも含みつつ、ウェルズの「作家性」をめぐる議論も展開されるはずだろう。ウェルズ再見――バザンの批評とともに/に抗して。(éditions azert)
出版案内
『オーソン・ウェルズ』
アンドレ・バザン=著
堀潤之=訳
インスクリプト、2015年12月5日刊行、1700円+税
1950年フランス、毀誉褒貶の只中からウェルズを救い出すべく、若き批評家がついに筆を執る。ウェルズ作品の革新性を主題の深さから画面の深さへと論じ抜く、「作家主義」批評の先駆け。コクトーによる序文、サルトルやサドゥールらの『市民ケーン』評も収録し、ヌーヴェル・ヴァーグ前夜のウェルズ論争を再現する。
「『市民ケーン』は私たちにとって従うべき手本ではない。」――ジャン=ポール・サルトル
「オーソン・ウェルズのシークェンス・ショットは、映画言語の進化の決定的な一段階である。」――アンドレ・バザン
12月26日(土)16:50〜(終了予定18:20) 参加無料(要当日の映画チケット半券)
トーク 堀潤之(映画研究、表象文化論) × 藤井仁子(映画研究・評論)
「偉大なるアンバーソン家の人々」
The Magnificent Ambersons
(1942/88分/ブルーレイ上映)
マーキュリー・プロダクション作品
監督・脚本・製作:オーソン・ウェルズ
撮影:スタンリー・コルテズ 編集:ロバート・ワイズ
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ティム・ホルト(ジョージ・アンバーソン・ミナファー)、アン・バクスター(ルーシー・モーガン)、アグネス・ムーアヘッド(ファニー・ミナファー)、ジョゼフ・コットン(ユージーン・モーガン)、ドロレス・コステロ(イザベル・アンバーソン・ミナファー)
アンバーソン家が権勢を誇っているアメリカ中西部の町に、自動車産業で財を成した男やもめのユージーン・モーガンが、一人娘ルーシーとともに20年ぶりに帰郷する。アンバーソン家の嫡子ジョージは、美しいルーシーに好意を抱くが、溺愛する母親イザベルとユージーンがかつての恋を再燃させることに強く反撥し、ルーシーとの恋を諦め、母親とともにヨーロッパに移るのだが……。全篇にわたって奥行きの深い画面とワンシーン・ワンショットが組織的に用いられ、「重苦しい魅力」(バザン)に充ちた作品である。
「上海から来た女」The Lady From Shanghai
(1947/87分/ブルーレイ上映)
コロムビア作品
監督・脚本・製作:オーソン・ウェルズ
撮影:チャールズ・ロートン・ジュニア
音楽:ハインツ・レームヘルド
出演:オーソン・ウェルズ(マイケル・オハラ)、リタ・ヘイワース(エルサ・バニスター)、エヴァレット・スローン(アーサー・バニスター)、グレン・アンダース(ジョージ・グリスビー)、テッド・デ・コルシア(シドニー・ブルーム)
アイルランド人水夫のマイケル・オハラは、ある夜、公園で美しいブロンド女性のエルサに出会う。悪徳弁護士バニスターの妻であるにもかかわらず彼女に惹かれたオハラは、バニスターに船員として雇われ、彼の手下のグリスビーが持ちかける陰謀に巻き込まれ、しまいには犯していない殺人の罪によって、法廷で裁かれる身となる。いったい黒幕は誰なのか? ラストの名高い鏡の迷路におけるバロック的な演出は、不条理劇のごとく目まぐるしく変転するプロットを象徴しているかのようだ。本作は、ゴダールが偏愛したウェルズ作品でもある。
「マクベス」Macbeth
(1948/107分/ブルーレイ上映)
マーキュリー・プロダクション作品
監督・脚本:オーソン・ウェルズ
撮影:ジョン・L・ラッセル 音楽:ジャック・イベール
出演:オーソン・ウェルズ(マクベス)、ジャネット・ノーラン(マクベス夫人)、ダン・オハリヒー(マクダフ)、ロディ・マクドウォール(マルコム)、エドガー・バリアー(バンクォー)、アースキン・サンフォード(ダンカン)
言わずと知れたシェイクスピアの四大悲劇のひとつの映画化。魔女の予言にそそのかされ、夫人の叱咤のもと、ダンカン王を殺害して王位に就いたスコットランドの将軍マクベスが、不安に苛まれるあまり、仲間の将軍バンクォーを暗殺し、マクダフの妻子をも殺害した挙げ句、王子マルカム率いる軍勢に討ち取られるという物語は原作と同じである。だが、不格好で異様なセットや衣裳、台詞の奇妙なスコットランド訛りは、「野蛮で無造作な力」(コクトー)を漲らせ、「天国と地獄の間で引き裂かれたマクベス」(バザン)という新たな解釈を提示している。
作品紹介:堀潤之
協力:シネマヴェーラ渋谷、éditions azert
《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1100円
会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円
《割引》当日2本目からは200円引き
※内容は予告無く変更する場合があります。
※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。
