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カフカを読むストローブ(とユイレ)
2014年12月20日(土)17:00〜(終了予定18:30)
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)

文学の映画化とは文学のテクストを映像イメージに変換する作業だと考えられているが、実際に映画化の過程で何が起こっているのか?
映画におけるイメージとテクストとの関係は相補的でも対立的でも独立的でもありうる。そこで大胆な作風を特徴とする脚色映画を個別に取り上げ、さらに映像と文学という二つのメディアの関係として考察を広げてみたい。ブレヒトの叙事演劇やフランクフルト学派の文化産業批判の影響を強く受けた戦後ドイツのニューシネマのラディカルな映画美学を映画とテクストの関係性から読み解くシリーズ。ストローブ=ユイレ、ファスビンダーを中心に文学の脚色映画を順次取り上げる予定。

ストローブ=ユイレはブレヒト、ヘルダーリン、パヴェーゼの作品を何度も映画化しているが、カフカを取り上げたのは『失踪者』一度だけである。『階級関係』と名付けられた映画では、ストローブ=ユイレは不安に満ちた資本主義社会で孤独に反発する若像を描き出し斬新なカフカ解釈を提示した。そして2006年にユイレが亡くなった後、ストローブはもう一度だけカフカのテクストを取り上げて映画化している。この2つの映画の間で何が残り、何が移ろっていったのか。その比較からストローブ/ユイレという作家の特質を改めて見直してみたい。(渋谷哲也)

アメリカ(階級関係)

アメリカ(階級関係)

 

[関連上映] [「アメリカ(階級関係)」とストローブ近作集]

渋谷哲也
1965年、兵庫県生まれ。東京国際大学准教授。ドイツ映画研究。ドイツ映画字幕翻訳やマイナーな映画作家の上映など紹介活動も行う。著作は『ファスビンダー』(共著・現代思潮新社)『ベルリンのモダンガール』(共著・三修社)など。

《参加費》 無料

主催:渋谷哲也[科学研究費助成 基盤研究(C)24520172]
共催:神戸映画資料館

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