プログラムPROGRAM
2015 2

チャンバラ=剣劇の魅力
1月31日(土)・2月1日(日)
daisatsujin01Aプログラム
「大殺陣 にっぽん剣優列伝」
(1976/75分/16mm)羅針盤
製作:伊藤公一 監督・脚本・原作:夢野京太郎
撮影・編集:井上修 ナレーション:西村晃
*早稲田大学演劇博物館研究事業への協力による特別上映
竹中労(夢野京太郎)が情熱を傾けた「浪人街」リメイクの予告篇的意味合いで、映像ルポの一環として作ったチャンバラ映画のアンソロジー。大正から昭和初期にかけて隆盛したチャンバラ活動写真36本の名場面を集め、夢野京太郎の斬新な脚本によって新たな生命が吹き込まれた。銀幕の剣豪たちとともに、マキノ映画を始め映画黄金時代の青春が甦る。だが、76年に公開されて以後、さまざまな理由で忘れられた幻の映画となった。この映画のプロデューサー・伊藤公一は、週刊誌時代から竹中の同志だったが、2010年2月1日に永眠。撮影・編集の井上修はNDU(日本ドキュメンタリスト・ユニオン)のスタッフで、2005年に台湾原住民の靖国合祀問題を追いかけた『出草之歌 台湾原住民の吶喊 背山一戦』で健在ぶりを示した。『浪人街』リメイクで竹中と協働中のマキノ雅弘と稲垣浩が監修に当たり、ナレーションには「二代目水戸黄門」、昭和の名優・西村晃が名調子を披露している。

 

Bプログラム2本立て
kageboushitorimono01「影法師捕物帖」
(1926-27/49分 56分[16コマ 14コマ]部分/35mm/無声/染色)マキノ御室
総指揮:牧野省三 監督:二川文太郎
原作・脚本:壽々喜多呂九平 撮影:松浦しげる
出演:市川右太衛門、鈴木澄子、武井龍三、中根龍太郎
二川文太郎監督でバンツマ(阪東妻三郎)主演の有名な無声映画『江戸怪賊伝 影法師』(1925)の続篇で、市川右太衛門主演で映画化したもの。前篇12巻は元号が昭和に改まった1926年末公開の正月映画。後篇12巻も翌年4月に公開。今回の上映フィルムは、後に前篇、後篇を10巻に縮尺して再公開された中の前篇と後篇の各2巻分のみ。東京国立近代美術館フィルムセンターの「発掘された映画たち2014」で初上映された新発掘フィルム。冒頭には台湾の検閲刻印が入っているので、台湾での公開後、内地に配給されたフィルムと思われる。

kengekijyoyu01「剣劇女優とストリッパー 」
(1953/26分/35mm)
新大都映画
監督:平澤譲二 撮影:富澤恒夫
美術:古川健一 音楽:志村道三
出演:大都あけみ、奥山紗代、三島百合子、空飛小助、キャロル都
当時人気のあった女剣劇とストリップを組み合わせた客受け狙いの際物映画。田舎の芝居小屋で歌舞伎芝居が不入りだったが、東京から呼び寄せたストリップと歌舞伎の二本立て興行をしたところ大成功。映画スターに出世した女座長の回想として描く。無声映画の弁士として知られる加藤柳美が画面を説明。フィルムセンターの「発掘された映画たち2009」で上映されたもの。

 

[関連企画]1月31日(土)・2月1日(日)企画展『寄らば斬るぞ! 新国劇と剣劇の世界』の世界
講師:羽鳥隆英(早稲田大学演劇博物館助手)

《料金》入れ替え制
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

《割引》当日に限り2プログラム目は200円引き

「劇場版 神戸在住」
2015年1月31日(土)〜2月15日(日)11:00[水・木 休館]

ミニトーク 11:00の回上映終了後
1月31日(土) 白羽弥仁(監督)
2月1日(日) 安田真奈(脚本)・大西昭彦(企画プロデュース)
2月7日(土) 白羽弥仁(監督)

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「劇場版 神戸在住」
(2014/97分/HD[ブルーレイ上映])
監督:白羽弥仁 原作:木村紺「神戸在住」(講談社刊)
脚本:安田真奈 撮影:豊浦律子 照明:鈴村真琴
美術:嶋田良一 編集:渋谷陽一 音楽:妹尾武
製作:サンテレビジョン
配給・制作:アイエス・フィールド

出演:藤本泉、菅原永二、浦浜アリサ、松永渚、柳田小百合、松尾貴史、田中美里、仁科貴、愛華みれ、竹下景子

美しい神戸の風景… 海風のような心地よさと、新緑のような鮮やかさ!

震災を街の記憶としてどこかに感じつつ、
いまを生きる彼女たちを描く。

神戸の大学に通う東京出身の辰木桂。ナイーブかつ関西気質の違和感も手伝ってなかなか心を開くことができない彼女はある日、車椅子のイラストレーター、日和洋次と出会うことで心境に変化が生じる。しかし、桂は日和が命の砂時計を刻んでいることを知ってしまい…。

兵庫県・大阪府を放送対象地域とするサンテレビジョンは2014年に開局45周年を迎え、その記念事業として、また2015年1月17日が阪神・淡路大震災から20年目を迎えるにあたり、同局が制作したのがこの『神戸在住』です。
テレビ放送版となる『神戸在住』は主人公の辰木桂の視線から神戸を捉えるように描かれ、その20年目にあたる2015年1月17日に同局でオンエア。更に、桂と友人たち3人を加えた4人の視線で神戸を捉えるように描かれた『劇場版 神戸在住』が同じく2015年1月17日に劇場公開。劇場公開とCS放送やBS放送などが連動される試みは今までも何度もありましたが、『神戸在住』は劇場公開と地上波が同日に展開されるという日本のメディア史上初の試みというビッグプロジェクトなのです。再生のメッセージも込め、“震災の記憶”と“いまを生きる”というメッセージを現代から未来へと神戸から全国に伝えます。

kobezaiju01撮影は、三宮、元町、旧居留地、南京町、メリケンパークなどの名所を中心にオール神戸、阪神間でロケが行われ、神戸に深く関わる人々の姿を、街の景観や匂いと共に映像に収めました。神戸の大学に通う19歳の女子大生たちが20年前に起きた震災の記憶を街の中のどこかに感じつつ、この街で“いま”を生きる彼女たちの青春が描かれています。

原作は講談社の「月刊アフタヌーン」で1998年から2006年まで連載され、日本漫画家協会賞新人賞を受賞した木村紺の『神戸在住』。監督は『She’s Rain』で同じく神戸の街を舞台に高校生の淡い青春の刻を描いた白羽弥仁。主演の辰木桂役には、『神様のカルテ2』、『小川町セレナーデ』での演技が好評だった藤本泉。桂が真に心の扉を開く日和洋次役には小演劇の世界を中心に活躍している菅原永二。桂の友人・泉海洋子役には「神戸コレクション」でも活躍する人気モデル浦浜アリサ。生きる事の辛さと喜びを伝える武内真弓役に1999年から2012年まで震災をテーマとした詩の朗読コンサートに参加するなど神戸にゆかりの深い竹下景子。その他、個性溢れる豪華キャスト陣が脇を固め作品を盛り上げます。

 

[公式サイト]

《料金》
一般:1500円 学生:1300円 シニア:1100円 高校生以下:1000円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1000円

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。