プログラムPROGRAM
2015 3

ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第12回 グルジア特集3

2015年3月7日(土)・8日(日)

ミニトーク「入門:グルジアの歴史と文化」
3月8日(日)「青い山/本当らしくない本当の話」上映終了後
 ゲスト:伊藤順二(コーカサス近代史/京都大学准教授)
 聞き手:楯岡求美(ロシア文化史/神戸大学准教授)
 
「グルジアは、大国ロシアと中東・イスラム地域とのはざまで独自の文字や文化を維持し続けています。多くの苦難を経たからこそ、涙と笑いのないまぜになったグルジア映画の世界が醸造されたのでしょう。日本ではあまり語られることの少ないグルジアの歴史と文化について、グルジア近代史をご専門とする伊藤順二さんにお話を伺います。ケフィヤ・ヨーグルトと黒海だけではないグルジアの豊かな文化の一端をご紹介したいと思います。
 
共催:神戸大学大学院国際文化学研究科 研究プロジェクト「映像におけるタブーと美の相克」

「インタビュアー」
Несколько интервью по личным вопросам
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(1978/95分/35mm)グルジアフィルム
監督:ラナ・ゴゴベリーゼ
脚本:ザイラ・アルセニシヴィリ、エルロム・アフヴレジアニ、ラナ・ゴゴベリーゼ
撮影:ヌグザル・エルコマイシヴィリ 音楽:ギア・カンチェーリ
出演:ソフィコ・チアウレリ、ギア・バドリーゼ、カテワン・オハヘラシヴィリ、ジャンリ・ロラシヴィリ

仕事にも家族にも恵まれ、幸せな人生を送っていると信じている女性が、夫に裏切られて途方に暮れる。グルジアの女性監督が、日常の中で女性たちが直面する問題を繊細に描く。主役の新聞記者を演じるのはパラジャーノフの『ざくろの色』などで知られるソフィコ・チアウレリ。

 

「転回」
Круговорот
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(1986/100分/35mm)グルジアフィルム
監督:ラナ・ゴゴベリーゼ
脚本:ザイラ・アルセニシヴィリ、ラナ・ゴゴベリーゼ
撮影:ヌグザル・エルコマイシヴィリ 音楽:ギア・カンチェーリ
出演:レイラ・アバシーゼ、リヤ・エリアワ

二人の初老の女性——元スタア女優と言語学者が久しぶりに再会して起こる二人の人生の急転回。女性の生き方に焦点を当てた作品を発表し続けたグルジアの女性監督の代表作。第2回東京国際映画祭(1987)最優秀監督賞受賞。

 

「青い山/本当らしくない本当の話」
Голубые горы, или Неправдоподобная история
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(1984/95分/35mm)グルジアフィルム
監督:エリダル・シェンゲラーヤ
脚本:レゾ・チェイシヴィリ 撮影:レヴァン・パータシヴィリ 音楽:ギア・カンチェーリ
出演:ラマーズ・ギオルゴビアーニ、ヴァシーリイ・カフリアシヴィリ

作家ソソは「青い山」という小説を書き上げ、出版社に持ち込む。ソソは何度も足を運んで結果を聞こうとするが、出版社の誰もが本来の仕事以外の何事かで忙しい。秋が過ぎ、冬も過ぎ、春になっても、まだ誰も原稿を読んでくれていない。やがて、原稿の行方もわからなくなり……。官僚社会を皮肉ったエキセントリック・コメディー。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日に限り2本目は200円引き

[貸館]『さよなら、ダディ』上映会
2015年3月22日(日)14:00 / 15:10
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ストーリー
七年前に離婚した元妻が、再婚して新婚旅行に行く間、七日間だけ娘を預かる事になった税理士の男。
そこへ、男の愛人や娘のボーイフレンドが乱入して来て、父娘の関係はギクシャクし始める。
七年ぶりに再会した父娘の姿を、喜劇タッチで描くホームドラマ。

「さよなら、ダディ」(2015年制作/カラー/47分/ハイビジョン[ブルーレイ上映])
出演:内藤和也 山本弥侑 中谷章子 藤原数基 熊橋穣  森下隆貢 神山明人 八幡泰久
音楽:Bitch Lunch Box 録音:竹中賢一 照明:合田美生璃
脚本・監督:竹中哲也

料金 500円
主催・お問い合せ:竹中哲也 label-66k@hb.tp1.jp


[貸館]知られざるロシア映画 上映とトーク
第一次・第二次世界大戦と映画

2015年3月27日(金)

二つの大戦下、ロシアでは時代がどのように映像化されたのだろうか。
三本の戦争映画を手掛かりに、戦争と映画について考えてみたい。

blily16:30〜『ベルギーの百合』
ヴワジスワフ・スタレーヴィチ(1916/DVD上映/日本語字幕付き)
映画黎明期に、生きているかのような昆虫の動きで人々を驚かせた鬼才のアニメーター、ヴワジスワフ・スタレーヴィチ。代表作昆虫アニメ『カメラマンの復讐』(1912)が有名だが、本作でも、第一次対戦下、ドイツによるベルギー侵攻によって引き起こされた残虐な事件を、森の昆虫の世界に移して描いている。物語の前後に孫娘が祖父から物語を聞く場面が実写で描かれる。

squeen16:45〜『スペードのクイーン』
ヤーコフ・プロタザーノフ(1916/DVD上映/日本語字幕付き)
1910年代にロシア映画の一時代を築いたプロタザーノフが、プーシキンの幻想小説『スペードのクイーン』(『スペードの女王』)の映画化。原作の隠れた背景には戦勝体験として頻繁に想起されたナポレオンとの戦争がある。移動カメラや実験的な照明効果、二重露出などが実験的に取り入れられている。革命後フランスに亡命。のちに帰国し、ソ連SF映画の金字塔『アエリータ』(1924)を制作した。
 
 

shurai18:00〜『襲来』
アブラーム・ローム(1944/DVD上映/日本語字幕付き)
シクロフスキーやオレーシャなど、ソ連文学の巨匠と協働したアブラム・ローム監督が、レオニード・レオーノフの同名戯曲を映画化。
ナチス軍がソ連領土に侵攻、次々占領されていった独ソ戦初期の凄惨な戦争体験を描く。主人公は刑務所から出たばかりの若者フョードル。家族からも仲間からも受け入れられない苦悩を抱えるというソ連文化表象では類を見ない稀有な人物である。
 
 
Pavlov19:50~20:50講演「ふたつの大戦下のロシア・ソヴィエト映画」
講師 マクシム・パヴロフ
(ロシア国立映画博物館元副館長/国際エイゼンシュテイン・センター財団キュレーター)
 
 
 
 
 

参加無料
主催:国際交流基金
   神戸大学大学院国際文化学研究科 研究プロジェクト「映像におけるタブーと美の相克」
連絡先:楯岡 kumi3@kobe-u.ac.jp
協力:神戸映画資料館


関連上映 ストローブ=ユイレ、ブレヒト、ワイマール期の音楽劇
2015年3月28日(土)・29日(日)

vonheute01「今日から明日へ」

Von heute auf morgen(1996/62分/35mm)
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ 撮影:ウィリアム・ルプシャンスキ

ストローブ=ユイレによるシェーンベルクの同名時事オペラの完全映画化。ある夜の夫婦の諍いを描きつつ当世流行りの「モダンな人々」とは何か、時代を超えて残るものとは何かを問う。

 

 

DieDreigroschen01「三文オペラ」
Die Dreigroschen Oper(1931/112分/35mm)
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター
監督:ゲオルグ・ヴィルヘルム・パプスト
原作:ベルトルト・ブレヒト
撮影:フリッツ・アルノ・ヴァグナー
美術:アンドレイ・アンドレイエフ
音楽:クルト・ヴァイル
出演:ルドルフ・フォルスター、カローラ・ネーヘル、ラインホルト・シュンツェル

DieDreigroschen02ブレヒトとクルト・ヴァイルによる代表的な舞台劇の映画化。トーキー初期の音楽映画として原作を換骨奪胎した楽しいミュージカルに仕上がっている。映画の内容を不服としたブレヒトとの間で訴訟沙汰になったことでも有名。

 

作品解説:渋谷哲也
協力:神戸ファッション美術館、東京国立近代美術館フィルムセンター
[関連企画]
3月28日(土)
ストローブ=ユイレ、ブレヒト、ワイマール期の音楽劇
講師:渋谷哲也(ドイツ映画研究)
ゲスト:大田美佐子(西洋音楽史,音楽美学)

《料金》入れ替え制 *招待券のご利用不可
一般:1400円 学生・シニア:1300円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1200円

《割引》
当日2本目は100円引き

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。