プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2016

katotai01加藤泰監督生誕100年 初期作品集

今年は加藤泰監督生誕100年の記念すべき年。加藤監督が亡くなられたのは1985年6月17日のことだったが、もうあれから31年が過ぎてしまったとは、信じられないくらい時の経過は早いものである。映画を愛していた加藤監督が生きておられたら、現在の映画状況をどう考えておられるのかを聞いてみたかった。
神戸映画資料館では加藤監督の偉大さを再確認するために、35ミリニュープリントで甦った『剣難女難』『清水港は鬼より怖い』『潜水艦』の3作品を上映する。この秋は京都文化博物館やシネ・ヌーヴォでも特集上映が企画されているので併せてご覧いただければ嬉しいところである。(安井喜雄)

 

第一週
2016年9月24日(土)・25日(日)

「剣難女難 第一部・女心流転の巻」(1951/70分/35mm)
「剣難女難 第二部・剣光流星の巻」(1951/71分/35mm)
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宝プロ・新東宝提携作品 製作:高村将嗣
監督:加藤泰 脚本:木下藤吉 原作:吉川英治 撮影:藤井春美 音楽:高橋半
出演:黒川弥太郎、市川春代、堀正夫、加賀邦男、阿部九州男、澤村國太郎、東龍子

加藤泰監督の記念すべき劇映画第一作で、吉川英治原作の痛快娯楽時代劇。加藤泰は「チャンバラ映画への初心とウンチクを、この前後篇一万三千呎のチャンバラにつぐチャンバラへ、唯一筋に、何の衒いもなく傾けて、脇目もふらず撮りあげたと言えるのを、今でも嬉しく思っている」と回想している。一部二部ともに東京国立近代美術館フィルムセンターでの特集上映のため、権利者である国際放映の協力のもと神戸映画資料館保存16ミリプリントからブローアップして作製したニュープリントを上映。

[第一部]主人公、福知山藩の春日新九郎は剣が全くダメな武士。兄の重蔵が宮津藩との剣道試合で自斉に破れため、兄共々藩を追われた。許嫁・千浪に横恋慕する玄蕃に命を狙われ、それを助けた女に惚れられるなど紆余曲折。江戸の道場に入門し剣に励むが、ある日、宿敵の自斉が現れ試合するも惨敗。その後、将軍家綱の側室の姉・お光の方に見初められ愛欲に溺れる。

[第二部]玄蕃に父を殺された千浪が、兄の重蔵とともに江戸に出てきた。新九郎は、お光の方から離れ賭場を転々とし、巷では「御曹子の新九郎」と呼ばれていた。千浪と重蔵に出会えた新九郎は心機一転、信州の山奥で剣の修行に励む。お光の方の取り計らいで宿敵・自斉との御前試合が実現。千浪と病に伏した重蔵は剣の達人となった新九郎の勝利を祈った。

 

第二週
2016年10月1日(土)
shimizuminato01「清水港は鬼より怖い」
(1952/79分/35mm)
製作:宝プロ 監督:加藤泰
脚本:木下藤吉、友田晶二郎 撮影:近藤憲昭
音楽:高橋半 美術:鈴木孝俊
出演:大泉滉、林加壽惠、桂春団治、広沢虎造、永田とよ子、加東大介、澤村國太郎、林田十郎、芦の家雁玉、鳳衣子、美ち奴、山茶花究、坊屋三郎
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター

「宝」の看板がかかった茶屋で繰り広げられる奇想天外なハチャメチャ・コメディー・ミュージカル。江戸の老舗の若旦那が侠客に憧れて次郎長の子分になるという次郎長もの映画だが、二代目広澤虎造や二代目桂春團治、歌手の美ち奴ら多彩な芸人が登場し歌って踊る。娯楽映画を志向する加藤泰ならではのサービス精神に満ちた作品。フィルムセンター所蔵35mmオリジナルネガの欠落部を、神戸映画資料館保存16mmプリントを35mmブローアップして補完作製した現存する最長版での上映。なお、メイン・タイトルは『虎造の清水港』と改変されている。

 

sensuikan01併映「潜水艦」
(1941/18分/35mm)
製作:理研科学映画 後援:海軍省
演出:西尾佳雄 原案:八木保太郎 脚本:加藤泰通
撮影:笠間公夫 音楽:永岡研介
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター

潜水艦に対する国民の認識を深めるため海軍省の絶大なる援助の下に製作された我国はじめての本格的な潜水艦映画。本物の潜水艦を使用、呉の海軍潜水学校を舞台に潜水艦の活動を縦横に描きその機能を科学的に解説したもの。加藤泰が初めて監督した作品だが、映画法下で監督として登録されていなかったため、クレジット上では西尾佳雄が演出となっている。劣化の激しかったフィルムセンター所蔵16mmプリントから復元した35mmプリントによる関西初上映。

 

協力:国際放映、東京国立近代美術館フィルムセンター

《料金》入れ替え制
一般1200円 学生・シニア1000円 会員1000円 会員学生・シニア900円


[貸館]韓国映画週間
2016年10月6日(木)〜9日(日)
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beyondtheyears_w「千年鶴」Beyond the Years
2007年作 106分 監督:イム・グォンテク
出演:チョ・ジェヒョン(ドンホ役)、オ・ジョンヘ(ソンファ役)
他人同士であるが、歌い手である養父に預けられて姉弟になったドンホ(チョ・ジェヒョン)とソンファ(オ・ジョンヘ)。お互いに歌と太鼓を合わせながら育ってきた二人は、いつの間にかお互いに切ない心を持つようになる。しかし、心の恋人をお姉さんと呼ばなければならない苦しみに耐えられなくなったドンホは家を出てしまう。それから数年後、養父が亡くなり、目が見えなくなったソンファは行方不明に…。ソンファを見つけて再び彼女の歌声に太鼓の拍子を合わせながら、彼女の目になってあげたいドンホは、愛しいひとの跡を探すために旅立つ。

 

 
 
 

hwang-jin-yi-04_w「黄真伊」Hwang Jin-yi
2007年作 141分 監督:チャン・ユンヒョン
出演:ソン・ヘギョ(ファン・ジンイ役)、ユ・ジテ(ノミ役)
女は地、賤民は獣だと言われていた16世紀に両班の家で生まれ育ったジニ(ソン・へギョ)は、出生の秘密が明かされてから最も賤しいとされる妓生の身分を自ら選択する。人間として一番底の身分にまで落ちてしまったが、士大夫さえもあこがれる最高の女性になったジニ。彼女の側には、友人であり、奴隷であり、初の男であるノミ(ユ・ジテ)がいた。ノミは反逆者として手配され、ジニは自分のすべてをかけた運命の選択をおこなう。

 

happulife_w「楽しい人生」Happy Life
2007年作 112分 監督:イ・ジュンイク
出演:チャン・グンソク(ヒョンジュン役)、ジョン・ジンヨン(ギヨン役)、キム・ユンソク(ソンウック役)、キム・サンホ(ヒョクス役)
いつも顔色をうかがうことになれたプータローのギヨン(ジョン・ジンヨン)、負担になるほど勉強ができる子供を持ったせいで昼は宅配、夜は代理運転手として精一杯の中年ソンウック(キム・ユンソク)、外国に妻と子供達を留学に行かせた自分を誇らしく思っているヒョクス(キム・サンホ)。彼らは、20年前に解散したロックバンド“活火山”のメンバーだ。リーダーであったサンウの葬式の後、さえない人生を活き活きとしてくれる“活火山”を再結成することを決心する。

 

 

主催:駐神戸大韓民国総領事館、韓国国際交流財団

《料金》 入場無料
※先着順無料入場(満席時入場不可) ※各回上映開始30分前から整理券配布


特別プログラム[参加無料]
1930年代の韓国映画と日本映画にみるアクション
2016年10月29日(土)
近年韓国で発見された無声映画『青春の十字路』と日本のアクション映画『争闘阿修羅街』を比較検討する試み。
『青春の十字路』は韓国映像資料院主任研究員の鄭琮樺(チョン・ジョンファ)氏の解説、『争闘阿修羅街』は神戸大学の板倉史明准教授の解説で読み解く。なお、『争闘阿修羅街』は天宮遥氏による生伴奏付き。
 
13:30〜
「青春の十字路」
청춘의 십자로
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(韓国/1934/54 72分/無声/デジタルベーカム上映)製作:金剛キネマ社
脚本・監督:安鍾和 撮影:李銘雨
出演:李源鎔、申一仙、金蓮實、朴淵
デジタルベーカム提供:韓国映像資料院
故郷を離れてそれぞれ上京した兄妹の視点から都市生活の断面を描き出した無声映画。2007年に韓国内でオリジナルネガが発見され、韓国映像資料院の手で復元されたもの。監督の安鍾和(アン・ジョンファ、1902-1966)は羅雲奎とともに釜山の朝鮮キネマで俳優として活動した後、監督としてデビュー。著書『韓国映画側面秘史』(春秋社、1962年)は、日本語に翻訳され『韓国映画を作った男たち:一九〇五―四五年』(長沢雅春訳、青弓社、2013年)として出版されている。羅雲奎の『アリラン』でも主演を務めた女優・申一仙(シン・イルソン)をはじめ、金蓮實(キム・ヨンシル)、李源鎔(イ・ウォンヨン)ら創成期における無声映画の名だたる俳優たちが登場している。「日韓国交正常化50周年 韓国映画1934-1959創造と開花」(於/東京国立近代美術館フィルムセンター、福岡市総合図書館)に次ぎ今回が関西初上映。
 
14:50〜
「争闘阿修羅街」

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(1938/36分/無声/16mm)大都映画
監督:八代毅 原作・脚本:吉村操 撮影:下村晴夫
出演:ハヤブサヒデト、大岡怪童、大河百々代、高村栄一、松村光夫
フィルム提供:マツダ映画社 生伴奏:天宮遥(ピアニスト、シンガーソングライター)
新聞記者が悪党の手から発明品と研究者の令嬢を救い出すアクション映画。三流映画として人気があった大都映画(巣鴨撮影所)の数少ない残存作品。

レクチャー 15:35〜16:20
鄭琮樺(チョン・ジョンファ)
(韓国映像資料院主任研究員)
板倉史明(神戸大学准教授)

《参加費》無料

 
 

新発掘韓国映画初上映
2016年10月29日(土)
2014年に神戸映画資料館で35mmのポジフィルムが見つかり、韓国映像資料院が復元し話題となった『鴎(原題・海燕)』の関西初上映。今回は東京国立近代美術館フィルムセンター提供による日本語字幕を付して上映。
 
16:40〜
「鴎」
갈매기(海燕)
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(韓国/1948/74分/35mm)芸術映画社
監督:李圭煥 脚本:李雲龍 撮影:梁世雄 美術:金晩炯
出演:南美林、金東圭、朴學、趙美鈴
日本語投影字幕提供:東京国立近代美術館フィルムセンター
海辺の感化院に赴任した女性教師が少年たちの更正に情熱を注ぐ。同年に製作された清水宏監督の『蜂の巣の子供たち』(1948)と同様に、世の中から見放された子供を主人公にした作品で、無声映画時代の名匠・李圭煥(イ・ギュファン)監督作。解放後初の文芸映画で、韓国の有名女優・趙美鈴(チョ・ミリョン)のデビュー作でもある。「日韓国交正常化50周年 韓国映画1934-1959創造と開花」(於/東京国立近代美術館フィルムセンター、福岡市総合図書館)に次ぎ今回が関西初上映。

《料金》
一般1400円 学生・シニア1200円 会員一般1200円 会員学生・シニア1000円


[貸館] 映画『二十代の夏』神戸上映会
2016年11月5日(土) 15:00〜(終了予定16:30)

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「二十代の夏」(2016年/42分/HD)
監督・脚本:高野徹
出演:戎哲史 福原舞弓 島津恵梨花 ほか

〈作品解説〉
『島の女たち』という仮題の元、制作をスタートし、伊豆大島を舞台とした本作は公益財団法人アーツカウンシル東京の助成プログラムに選出されるとともに、クラウドファンディングを通じた幅広い支援を得て、2015年晩夏に撮影された。当初「女性のわからなさ」をテーマに制作が進められてきたが、撮影・編集を経てそのテーマは発展をとげ、「二十代の未熟さ」という自己省察的な視点を獲得し、より高い精度で女性を見つめ直すドラマとして成功している。

〈ストーリー〉
駆け出し小説家のカズキ(28)は新作執筆のため、故郷の島で夏休みを過ごしていた。ひょんなことから、滞在していたペンションの管理をカズキは任されることになり、宿泊客の女性・レイコ(28)とユカ(24)に出会う。カズキはレイコに昔付き合っていた女性の面影を見出し、いとも簡単に心奪われてしまう。ある晩、酒を飲んでいた3人はユカの奔放な振る舞いをきっかけに大きく衝突をはじめる。

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〈監督・高野徹プロフィール〉
1988年生まれ。横浜国立大学大学院都市イノベーション学府修了。2010年に監督した『濡れるのは恋人たちだけではない』が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭や北京獨立電影展など、国内外の映画祭に出品され高い評価を得る。濱口竜介監督作品『ハッピーアワー』では助監督を務める。

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トークゲスト:野原位プロフィール
1983年栃木県生まれ。2007年に東京藝術大学大学院映像研究科の第3期監督領域に入学し、黒沢清監督に師事する。在学中には伊坂幸太郎原作のオムニバス映画『ラッシュライフ』中の一編、寺島しのぶが主演する『京子』を監督。また大学院修了作品として、いしだ壱成が主演する長編映画『Elephant Love』を監督。その後、2013年5月より神戸に居を移し、脚本ユニット「はたのこうぼう」のメンバーとして「濱口竜介 即興演技ワークショップ in Kobe」に参加。濱口竜介監督の新作長編『ハッピーアワー』ではラインプロデューサー/共同脚本を担当。

《参加費》 1000円

主催:映画『二十代の夏』制作実行委員会
連絡先:filmoshima@yahoo.co.jp


ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第18回 アルメニア監督 ゲンリフ・マリャン

2016年11月19日(土)・20日(日)
アルメニア映画の代表的な監督、ゲンリフ・マリャンの二作品。いずれもロシア語版35ミリプリントでの上映。『三角の家』は日本語字幕を新たに作成し、本邦初上映。

「三角の家」Треугольник
(1967/84分/35mm)アルメンフィルム
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監督:ゲンリフ・マリャン 脚本:アガシ・アイヴァズャン
撮影:セルゲイ・イスラエリャン 美術:ラファエル・ババヤン 音楽:エドゥアルド・バグダサリャン
出演:アルメン・ジガルハニャン、フルンジク・ムクルトチャン、ソス・サルキシャン、パーヴェル・アルセノフ、ズラーブ・ラペラッゼ、ミハイル・オフセピャン、インナ・アラービナ
アルメニア西部、トルコとの国境近くにある街、レニナカン。「三角の家」と呼ばれる鍛冶場の五人の鍛冶職人たちの人生模様と戦時下のアルメニアを、職人の息子である少年の目を通して寓話的に描く。少年が憧れるアメリカのサイレント映画からの引用も楽しい。今回、投影方式の日本語字幕を作成し、本邦初上映。

 

「ナーペト」Наапет
(1977/93分/35mm)アルメンフィルム
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脚本・監督:ゲンリフ・マリャン 原作:ラチヤ・コチャール
撮影:セルゲイ・イスラエリャン 音楽:アレクサンドル・アルチュニャン
出演:ソス・サルキシャン、ソフィク・サルグシャン、ムゲル・ムクルトチャン
オスマン帝国時代の虐殺や1920年の赤軍侵攻によって、民族としての危機にされられたアルメニア人の運命を、家族を失った一人の男の心の傷とその再生を通じて物語る。主人公ナーペト役は、『惑星ソラリス』のソス・サルキシャン。全ソ映画祭で大賞と撮影技術賞を受賞。

 

主催:神戸映画資料館、アテネ・フランセ文化センター
協力:ロシア映画社、東海晃久

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員1000円 学生・シニア会員900円
アテネ・フランセ文化センター会員1000円
《割引》
当日2本目からは200円引き


1124rouseau_omoteジャン=クロード・ルソー レトロスペクティヴIII
2016年11月23日(水・祝)

 

同志社大学寒梅館で行われてきたフランスの現代映画作家、ジャン=クロード・ルソーの特集上映「ジャン=クロード・ルソー監督レトロスペクティヴ」。三回目の今年は、神戸、京都、東京の三都市で開催します。

 

 

ジャン=クロード・ルソー Jean-Claude Rousseau
1948年パリ生まれ。70年代、ニューヨークでアンディ・ウォーホルらアメリカのアンダーグラウンド映画の洗礼を受けると同時に、小津映画を発見する。フランスへ帰国後、ブレッソン作品をフェルメール絵画との関係において論じたテクストを著し、処女作『窓際で手紙を読む若い女』(1983)を制作。初長編作は『ローマの遺跡』 (1989) 。ルソーをヨーロッパで最も偉大な映画作家の一人と称賛するストローブとユイレが、シネマテーク・フランセーズでの自作の上映に際し、ルソーの『閉ざされた谷』を併映。彼らの支援によってオリジナルの8ミリから16ミリに変換される。2001年ヴェネツィア国際映画祭で全作品回顧上映。2007年『derives』ジャン=クロード・ルソー特集号刊行。2009年に『閉ざされた谷』DVD日本語字幕付がcapricci社より出版された。

 

13:00〜
「ローマの遺跡」Les antiquités de Rome
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(1989/105分/16mm)*解説書配布 *日本初上映
フィルム時代の代表作『閉ざされた谷』の前作だが、入口を通して見た部屋、窓辺、ベッド、断片的な言葉、遠くから聴こえてくる物音など、以後のルソー作品に登場する構図や事物のほとんどが登場し、原型的な作品となっている。

 

15:05〜
「彼の部屋から」De son appartement
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(2007/70分/ブルーレイ上映)*日本語字幕付き
マルセイユ国際映画祭グランプリ
監督自身が演じる一人の男の日常。煙草とグラス、ベレニスの朗読とタンゴ。ロベール・ブレッソンを想起させる映像と音をたった一人で作ってしまった、21世紀デジタル時代におけるルソー監督の驚くべき代表作。

 

16:35〜(2本立て)
「Keep in Touch」Keep in touch
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(1987/25分/16mm)
ニューヨーク滞在中に撮られた8mm映像。アパートの暗い部屋、照明と机とベッド、寒々とした雪の残る通り、車の通る昼と鳥だけがいる夕方、窓から見える屋根、聴こえてくるサイレン、スケート場と一面の雪・・・「そこに私は何かを見た」

「愛の歌」Chansons d’amour
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(2016/9分/ブルーレイ上映)*日本語字幕付き *日本初上映
監督自身が演じる男が部屋で座っていると、古い歌が聴こえてくる。鏡、人と扉とカーテンの開閉と黒画面のアクションから浮かび上がってくるノスタルジックなイメージ。

 

ジャン=クロード・ルソー監督 Q & A
通訳:太治和子
17:20〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)

 

作品・監督解説:赤坂太輔
共催:アテネ・フランセ文化センター、同志社大学今出川校地学生支援課

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生・シニア会員900円
《割引》2本目は200円割引

京都 11月24日(木) 同志社大学寒梅館ハーディーホール
東京 12月2日(金)、3日(土) アテネ・フランセ文化センター


クラシックコメディの素晴らしい世界をみんなで楽しむ会
第12講コメディ学入門
コメディ・イズ・ビューティフル!

2016年11月26日(土)16:30〜

ハロルド・ロイド

ハロルド・ロイド

クラシック喜劇研究家/ライターのいいをじゅんこが、ひと組の喜劇王にテーマをしぼり、みどころ、歴史、笑いのツボなどを楽しく紹介します。レッツ温故知新!
今回のテーマは
「コメディ・イズ・ビューティフル!」

バスター・キートン

バスター・キートン


「サイレント・コメディアンは、見た目が命」―これまでの講座で、わたしはたびたびこのフレーズを口にしてきた。

ここでいう「見た目」とは、もちろん「美しさ」の意ではない。

コメディ全盛の無声時代、映画界には星の数ほどコメディアンがひしめいていた。だから、観客におぼえてもらうためには、より奇抜、より過激なルックスで勝負するしかなかったわけだ。

でも、本当にそれだけだろうか?

単なるウケ狙いのキャラ作りだけでは、息の長い人気が望めないのは、今も昔も同じ。愛されるコメディアンは、やっぱりルックスにもスター性がなくてはならない。

コリーン・ムーア

コリーン・ムーア


公平に見て、ハロルド・ロイドは普通にハンサムだし、ハリー・ラングドンの少年っぽさには萌えるし、バスター・キートンはただただ美しい。チャップリンも、放浪者メイクを外せば「イケメン英国男子」だった。もちろん、コメディエンヌの麗しき面々たちも忘れちゃいけない。

クラシック・コメディアンたちも、その全盛期には、実はアイドルだったり、セックス・シンボルだったり、ファッション・リーダーだったりしたのではないか!?

今回は、そんなコメディ界の美男美女たちを追いかけてみたい。

講座のスペシャル・ゲストとして、活動弁士の大森くみこさんをお迎えする。
関西でめきめきと頭角をあらわし、いまや全国を飛び回る人気弁士の大森さん。わたしにとっては共に無声映画を愛する、いわば「サイレント映画女子会」の頼もしい仲間だ。「無声映画のイケメン話で盛り上がりたい♪」という大森さんのアイディアから生まれたマニアックなこの企画。ガールズトーク(?)から何が飛び出すか、乞うご期待!

マックス・ランデ

マックス・ランデ

テルマ・トッド

テルマ・トッド

スタン・ローレル

スタン・ローレル

「サイレント喜劇のすばらしき世界(The Wonderful World of Silent Comedy and more)」(運営:いいをじゅんこ)

《参加費》 1000円
*予約受付中
info@kobe-eiga.net まで、参加者様のお名前・ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をお知らせください。


サイレント映画鑑賞会 三大喜劇王の初期短篇集

2016年11月26日(土)・27日(日)

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Aプログラムキートン & ロイド
「ロイドのスケート」Don’t Shove
(アメリカ/1919/11 17分[16コマ]/無声/16mm)
監督:A・グールディング
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ、バド・ジェイミソン
「元祖メガネ男子」ハロルド・ロイド。どこにでもいる普通の青年を無声喜劇で初めて演じたのがロイドだった。『ロイドのスケート』では初々しいロイドがモーニング姿で颯爽と登場する。ライバルとヒロインを奪い合うお約束から始まり、偶然入ったスケート場で騒動を起こすあっけらかんとしたナンセンス喜劇。

「キートンの空中結婚」The Balloonatic
(アメリカ/1923/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、フィリス・ヘイヴァー
モテないバスターは遊園地でナンパするも失敗の連続。熱気球にうっかり乗り込んでしまいいざ単独飛行へ。キートンらしい順応の早さで空の生活をエンジョイするが、ついに気球は破れて谷間に墜落。偶然にもさっきバスターを振った彼女が楽しげにキャンプをしていた…。キートンが気球やボートと一体化するギャグがシュールな短篇。

「キートンの電気館」The Electric House
(アメリカ/1922/20 30分[16コマ]/無声/16mm)
監督:エディ・クライン
出演:バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ
「コメディアンになっていなければエンジニアになりたかった」というキートンのガジェット好きな一面が観られる傑作。電気技師に間違われたキートンがある屋敷の「オール電化」を任されるが…。撮影中に足を骨折し、休養中に『即席百人芸』を撮ったという逸話もある。今回神戸映画資料館では初上映となる。

「キートンの囮」Jail Bait
(アメリカ/1937/19分/16mm)
監督:チャールズ・ラモン
出演:バスター・キートン、ハロルド・グッドウィン
キートン主演のレアなトーキー短篇。キートンは親友の記者に頼まれて殺人犯になりすまし自首する。拘留中に記者自ら真犯人を捕まえスクープするためだったが、事態は最悪の展開に…。低予算ながらセンスの光る佳作。無声時代には及ばないものの随所に“キートネスク”を感じさせてくれる。何より、キートンの声が聞ける!

Bプログラムチャップリン
「チャップリンの活動狂」A Film Johnnie
(アメリカ/1914/9分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:ジョージ・ニコルズ
出演:チャールズ・チャップリン、ロスコー・アーバックル、フォード・スターリング 他
活動写真に夢中のチャーリーは撮影所に迷い込む。大スターたちにうっとりして撮影の邪魔ばかりし鬼監督に追い回される。いつもは道化メイクのコメディアンたちが本人役で素顔を垣間見せる愉快な舞台裏もの。キーストン喜劇お得意のセルフパロディの一本だ。

「タンゴのもつれ」Tango Tangles
(アメリカ/1914/12分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:チャールズ・チャップリン、フォード・スターリング、ロスコー・アーバックル 他
『活動狂』同様、キーストン社のコメディアンたちが素顔で登場するが、今作は何とチャップリンもノーメイク! チャップリンが実は“イケメン”だったことがおわかりいただけるだろう。酔っ払いのチャーリーがダンスホールで女の子を奪い合うファース。ダンスホールの客は一般人で、ドキュメントタッチな撮影も面白い。

「ノックアウト」The Knockout
(アメリカ/1914/27 33分[16コマ]/無声/16mm)
監督:マック・セネット
出演:ロスコー・“ファッティ”・アーバックル、エドガー・ケネディ、チャールズ・チャップリン
ファッティことロスコー・アーバックル主演の短篇。ケンカが強いファッティは拳闘試合でひと稼ぎしようと張り切る。チャップリンはボクシングシーンのみわずか数分の出演だが、キレのある動きと即興の妙で大いに笑わせる。チャップリンはこのシーンのアイディアをエッサネイ時代の『拳闘』や『街の灯』の有名なボクシングシーンに生かした。

「チャップリンのパン屋」Dough and Dynamite
(アメリカ/1914/15 17分[短縮版/16コマ]/無声/16mm)
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、チェスター・コンクリン
ある食堂でパン職人たちがストライキを起こし、ウエイターのチャーリーとチェスターはパン作りを命じられる。チャップリンの演出でキーストン流ドタバタを一歩進めたドラマ性を感じさせる作品。共演のチェスター・コンクリンはチャップリンの先輩格だが、気鋭の後輩に華をもたせ抜群のコンビネーションを見せる。

*上映分数は、上映コマ数により変わる可能性があります。
作品解説:いいをじゅんこ

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般800円 学生・シニア700円
会員700円 会員学生・シニア600円

《割引》当日2プログラム目、あるいは[第12講コメディ学入門] 参加者は200円引き


[貸館] 完成披露試写会
季節の映画シリーズ
春編『たんぽぽコーヒーのおいしい飲み方』 秋編『どんぐりコーヒーのおいしい煎れ方』

2016年11月27日(日)
①10:30~11:30 ②12:00~13:00 (事前予約制)

donguri01s「どんぐりコーヒーのおいしい煎れ方」
(2016年/36分)監督:八十川勝
主演:高尾五色季、前田涼翔

いつもどんぐりを集めている少年、陸。
彼に興味を抱く少女、小秋。
そんな彼の気を惹くために、毎日、どんぐりを届けるが、全て捨てられてしまう。
彼の集めているどんぐりは、何か違いがあったのだ。
違いのわからないこあき。
彼は何を区別して、集めているのか?
また、その理由は?
第69回カンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー選出作品

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tanpopo01s「たんぽぽコーヒーのおいしい飲み方」
(2016年/15分)監督:八十川勝
主演:夢原まひろ、金澤有優

たんぽぽの綿毛は
運命の人の元へ飛んでいく。
そんな言葉を聞いた少女、卯月。
憧れの大学教員へ、飛ばすと見事、彼の髪についた。
そんな彼から、
タンポポでコーヒーを作れることを聞く。
卯月は、彼のためにたんぽぽコーヒーに挑戦するが・・・

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上映後、監督・出演者による舞台挨拶あり

《参加費》 無料(予約制)

主催・ご予約・ご連絡:垂水映画
Email:win80river@gmail.com 電話番号080-4246-7828


堀禎一監督特集 part1
2016年12月3日(土)・4日(日)

2003年の監督デビュー以降、精力的に作品を発表している堀禎一。この特集のpart1ではピンク映画とアイドル映画を、来年春に予定しているpart2では最新作のドキュメンタリー映画を上映します。ジャンルを横断して展開する堀禎一の映画世界に出会う機会です。

堀禎一監督 来館 *参加無料(要当日の映画チケット半券)
12月3日(土)16:05〜 トーク 堀禎一 + 木下千花(映画研究者)
12月4日(日)『魔法少女を忘れない』上映後 堀禎一ミニトーク

kusamura01「草叢」(公開題「不倫団地 かなしいイロやねん」)
(2005/64分/35mm)
製作:国映、新東宝映画
監督:堀禎一 脚本:尾上史高 撮影:橋本彩子
照明:山本浩資 音楽:綱元順也
出演:速水今日子、吉岡睦雄、伊藤猛、森田りこ、佐々木ユメカ
大阪で団地に暮らす秋江は、テレクラで知り合った進次とその場限りの関係を持つ。彼女の夫である和彦は愛人のもとに行ったきりでほとんど家に帰ってこない。そんな中、偶然、団地で進次と再会した秋江は彼との情事に溺れていく。「月刊シナリオ」誌第二回ピンク映画シナリオ募集で準入選した尾上史高の脚本による堀の監督第二作。堀が出演を切望したという速水今日子(大阪出身)が揺れる中年女性を好演。
→自作を語る・堀禎一監督① ── 『草叢』

 

busgirl01「東京のバスガール」
(公開題「したがる母さん 若い肌の火照り」)
(2008/63分/35mm)
製作:国映、新東宝映画、Vパラダイス
監督:堀禎一 脚本:佐藤稔 撮影:清水正二
編集:有馬潜 音楽:神尾光洋
出演:かなと沙奈、吉岡睦雄、下元史朗、飯島大介、水沢萌子、速水今日子
二十代の若き未亡人摩耶は義理の息子である周平とひとつ屋根の下、ごく自然に肉体関係を持ち、母子であり友達、時には恋人のように暮らしていた。そんなある日、摩耶は亡き夫の実家から夫の弟である周造との縁談を持ちかけられる。堀が『妄想少女オタク系』(2007)、『憐 Ren』(2008)と一般映画を手掛けた後に撮られたピンク映画復帰作で、小津を思わせる細部も見所のラブコメディ。
→自作を語る・堀禎一監督② ── 『東京のバスガール』

 

maho-main01「魔法少女を忘れない」
(2011/95分/HDCAM)
製作:「魔法少女を忘れない」パートナーズ
監督:堀禎一 脚本:中野太、ますもとたくや
原作:しなな泰之 撮影:橋本彩子 音楽:伊藤幸毅
照明:山本浩資 編集:岡本浩明
出演:高橋龍輝、谷内里早、森田涼花、碓井将大、前田亜季
高校生の悠也の家で、“元魔法少女”のみらいが妹として暮らすようになる。みらいは次第に悠也の友達や学校に馴染んでいくが、“元魔法少女”は人々の記憶から消えていく運命にあった。超現実的な設定ながら、みらいを演じる谷内里早の透明感とあふれるような光を捉えた撮影が相まった青春ファンタジー。
→自作を語る・堀禎一監督③ ── 『魔法少女を忘れない』

 

堀禎一
1969年兵庫県たつの市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。1994年に佐藤真監督が構成・編集を担当した『おてんとうさまがほしい』の制作に参加。1996年から小林悟、北沢幸雄、サトウトシキ監督らの助監督を務める。1998年『樹海熟女狩り』(小林悟監督)の脚本を手がけ、2003年『宙ぶらりん(SEX配達人 おんな届けます)』で監督デビュー。2005年『草叢』、2006年『笑い虫(色情団地妻 ダブル失神)』とピンク映画、2007年『妄想少女オタク系』で一般映画を監督する。その後も『憐 Ren』や『魔法少女を忘れない』などのライトノベルや漫画が原作の映画や、『東京のバスガール』などのピンク映画を監督。一方、「映画芸術」、「月刊シナリオ」、「ユリイカ」、「中央評論」では映画論、映画評の執筆も行う。最新作『天竜区』シリーズは自身初となるドキュメンタリー映画である。

 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生・シニア1100円 会員1100円 学生・シニア会員1000円
《割引》当日に限り2本目は200円割引
*招待券のご利用不可


『映画という《物体X》』刊行記念 上映とトーク
2016年12月11日(日)

日本で初めて映画の《アーカイブ》を堂々と名乗ったのは、映画の保存機関ではなく、実は「黙壺子(もっこす)フィルム・アーカイブ」だったのではないか。映画評論家佐藤重臣が一本一本築き上げた、実験映画、アンダーグラウンド映画専門の自主上映組織だが、上映団体なのにアーカイブを標榜したところがむしろ佐藤の強靭な志にほかならない。その定番の一つだった外国の前衛映画などの短篇集を通じて、「もう一つの映画アーカイブ」の幻視を試みる。(岡田秀則)
 
17:20~ 上映
meshes01s「ひとで」
L’ Étoile de Mer
(フランス/1928/11分)監督:マン・レイ
「午後の網目」Meshes of the Afternoon
(アメリカ/1943/20分)監督:マヤ・デレン
「パシフィック231」Pacific 231
(フランス/1949/10分)監督:ジャン・ミトリ
「コンクリート作戦」Opération Béton
(フランス/1954/16分)
監督:ジャン=リュック・ゴダール
 ほか(すべて16mm/計86分)

 

19:05~ トーク (20:00終了予定)
「私のシネマテーク修業日記」こぼれ話
岡田秀則

 

buttaix『映画という《物体X》
フィルム・アーカイブの眼で見た映画』

立東舎刊 定価1,800円(税別)
著者:岡田秀則
1968年愛知県生まれ。東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員として、映画のフィルム/関連マテリアルの収集・保存や、上映企画の運営、映画教育などに携わり、2007年からは映画展覧会のキュレーションを担当。また、学術書から一般書まで内外の映画史を踏まえたさまざまな論考、エッセイを発表している。共著に『映画と「大東亜共栄圏」』(森話社、2004年)、『ドキュメンタリー映画は語る』(未來社、2006年)、『甦る相米慎二』(インスクリプト、2011年)、『岩波映画の1億フレーム』(東京大学出版会、2012年)、『クリス・マルケル遊動と闘争のシネアスト』(森話社、2014年)など。

 

《参加費》 1000円

 
[関連企画]
ノンフィルム資料の保存と活用
2016年12月
11日(日)公開講座:映画関連資料の現在
12日(月)勉強会:映画関連資料の取り扱い


これまでのプログラム|神戸映画資料館

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