プログラムPROGRAM

神戸ゆかりの映画人・大重潤一郎監督 没後四年追悼上映
2019年7月20日(土)・21日(日)

大重潤一郎監督は鹿児島出身で1946年生まれ。岩波映画助監督を経て、35ミリ自主映画『黒神』でデビュー。大阪での上映を機に結婚し神戸に定住、その後東京に移住するも再び神戸に戻り大阪に事務所を設けて活動、阪神淡路大震災を体験し自然に対する畏敬の念が益々深まり、『光りの島』『風の島』など自然の中における人間の位置を常に自然の側から問いかける作品を製作。12年に一度行われ1978年が最後となった秘儀イザイホーの舞台、久高島を描く映画『久高オデッセイ』三部作を那覇に事務所を構え12年かけて製作。第三部の『風章』完成後、2015年7月22日享年69歳で永眠した。四年目の命日を前に、大重へのロング・インタビュー作品『友よ! 大重潤一郎 魂の旅』と遺作となった『久高オデッセイ 風章』を上映し、大重の偉業を偲ぶ。

 
「友よ! 大重潤一郎 魂の旅」
(2014/109分/DVD上映)
構成・編集:四宮鉄男 撮影・製作:森田恵子
語り:青山吉良 音楽:遠藤春雄 
協力:須藤義人、堀田泰寛、NPO沖縄映像文化研究所、海プロダクション、青山録音センター
製作協力:桜映画社、スリーエー工房
 
沖縄に定住し癌と闘いながら映画作りに専念する大重の仕事場を、朋友であるドキュメンタリー映画監督・四宮鉄男が訪ねてインタビュー。大重は沖縄で撮影し続ける思想を熱く語る。『まわる映写機めぐる人生』の森田恵子監督が撮影を担当。
 
 

「久高オデッセイ 風章」(三部作最終章)
(2015/95分/ブルーレイ上映)
沖縄映像文化研究所作品 監督:大重潤一郎 助監督:比嘉真人 演出助手:高橋あい 撮影:堀田泰寛、比嘉真人 整音:市川文武 整音助手:江藤直樹 編集協力:四宮鉄男、森田恵子 技術:重枝昭典 制作協力:岡野恵美子、山田宏道、伊豆有加、牧優佑 進行協力:大重生 製作:鎌田東二
語り:鶴田真由 音楽:新実徳英 

琉球王朝時代以降「神の島」と呼ばれてきた久高島では12年に一度、神女の継承式であるイザイホーが行われてきたが、1978年を最後に後継者不足のため途絶えた。大重は2002年から2014年までの12年間、未だにその地下水脈が流れる久高島を撮影し続け、『久高オデッセイ 第一部・結章』(2006)、『第二部・生章』(2009)に続いて完成した第三部の最終章である。大重の遺作となった。

 

参考上映
「未来の子供たちへ
 日本のナショナル・トラスト運動」

(1992/31分/35mm)
企画・脚本・監督:大重潤一郎 撮影:川口徹也 録音:岩橋政志、市川文武 選曲:園田芳伸 ナレーター:見城美枝子、宮内幸平 制作デスク:大重敦子 ネガ編集:今村和子 プロデューサー:橋浦方人 企画:日本ナショナル・トラスト協会 制作:UMI inc.
 
日本のナショナル・トラスト運動は1960年代に始まり、1983年に「ナショナル・トラストを進める全国の会」が結成され、さらに1992年に法人化され「社団法人日本ナショナル・トラスト協会」が誕生。この記念すべき年に、全国各地で美しい自然を未来へ繋げようと活動する人々の姿を、大重が得意とする自然描写の映像を交えて35ミリ・フィルムに定着した。
 

参考上映
「小川プロ訪問記(完全版)」
(完全版2001年[短縮版1981年]/61分/DVCAM上映[原版16mm])英語字幕付
監督:大重潤一郎 撮影:堀田泰寛
製作:日本文化デザイン会議
出演:小川紳介、大島渚
ベルリン国際映画祭2003フォーラム部門上映
 
仙台で開かれた第2回日本文化デザイン会議に呼ばれた小川紳介は撮影のために出席できなかったが、代わりにその語りをフィルム撮影して上映することになった。大重は大島渚監督と堀田泰寛カメラマンとともに山形・牧野の小川プロや『日本国古屋敷村』の舞台である古屋敷を訪ねて小川の熱い語りをフィルムに定着した。仙台では時間の関係で入れられなかった部分を、山形国際ドキュメンタリー映画祭での上映に際し追加編集して完全版を作成、その後ベルリン国際映画祭フォーラム部門に招待された。

 

《料金》
「友よ」+「風章」(2本立) 一般1500円 学生1000円 会員1200円
参考上映 一般800円 学生500円 会員700円

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