プログラムPROGRAM

新作

あったまら銭湯?¤?­ B5表AT1108ATオール淡路島ロケ映画
『あったまら銭湯』
2017年5月12日(金)〜16日(火)

「あったまら銭湯」
(2016/70分/ブルーレイ上映)
監督:大継康高
脚本:酒井麻衣、大継康高、谷垣里都希
撮影:山内隆弘、山本晃大、山内泰
照明:笠井拓児 録音:中村崇志 美術:大野賀世
主題歌:ガガガSP「時代はまわる」
製作:海の映画館をつくろうプロジェクト実行委員会
制作:株式会社海空

出演:笹野高史、松原智恵子、ささの堅太、中尾萌那
コザック前田、山本聡、桑原康伸、田嶋悟士、春田純一

 

淡路島にある小さな銭湯「扇湯」。
銭湯の番台・前田は4世代にも渡り、島の人々の様々な人間関係を見守ってきた。
常連客のひとり、佐々木正信(笹野高史)は、高校生の時、
ある女の子がきっかけで銭湯に行くようになり、
50年たった今も通い続けている・・・
2代目番台の前田は、佐々木正信の高校時代を見つめ、
4代目番台の前田は、67歳になった佐々木正信を見つめる。
これは、銭湯で繰り広げられる不器用な男の恋物語である。

オール淡路島ロケ映画
本作品は、オール淡路島ロケで行われた映画です。
主演の佐々木正信役を演じたのは、淡路島出身の俳優・笹野高史。
その50年前の役を演じたのは、笹野高史の息子で俳優のささの堅太。
佐々木正信の初恋の女性・慶子役には、日本を代表する女優・松原智恵子。
その50年前の役を演じたのは、淡路島全域オーディションでヒロインに選ばれた現役高校生の中尾萌那。
そして、本作品のキーマンである番台役として、神戸を代表するロックバンド・ガガガSPのコザック前田が務めます。
劇中に流れる曲もガガガSPが担当。主題歌「時代はまわる」は、本作品とリンクしている部分も多いので、エンディングでしっかり歌詞を聞いていただけるとよりこの映画を楽しんでもらえると思います。

大継康高(監督)
淡路島出身の映像ディレクター。2012年に映像制作会社・海空を設立。TV番組を中心にCM・MVなどを手掛ける。2016年、自身が脚本・監督を務める映画「あったまら銭湯」を制作。また同時に、「海の映画館をつくろうプロジェクト」を企画し、同年、地元・淡路島に海の映画館をつくり「うみぞら映画祭」を開催する。

→公式サイト
→予告編

[連携企画]
【映画「あったまら銭湯」上映スペシャルツアー
 ~神戸ディープゾーン・新長田の下町食べ歩きと名物銭湯・扇港湯~】
5月14日(日) 主催:ふろいこか~プロジェクト

《料金》 一律 1000円


特別先行試写会『自由なファンシィ』
2017年5月14日(日)16:30〜

公開準備中の筒井武文監督最新作『自由なファンシィ』を特別上映。今回が関西初上映となります。

上映終了後 筒井武文監督 Q&A

「自由なファンシィ」
(2015/115分/HD[ブルーレイ上映])

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監督・脚本:筒井武文 脚本:久保寺晃一、松平英子 プロデューサー:桝井省志、土本貴生、山川雅彦
撮影:谷口和寛 撮影監修:柳島克己 照明:森紀博、浦田寛幸 録音・整音:鈴木昭彦 録音:光地拓郎
音楽:中野弘基 音楽監修:長嶌寛幸 美術:柴田正太郎、玉林亜理 美術監修:磯見俊裕 編集:大川景子
制作プロダクション:アルタミラピクチャーズ

出演:岩瀬亮、松平英子、浜崎茜、新井晴み(友情出演)、金橋良樹、奥瀬繁、藤沢大悟、渡邊りょう、 田中里奈、花柳琢兵衛、佐々木一平、羽田野直子、島崎奈央、張丹妮、李嫚倫、馬雅欣、久保寺晃一、菊地結丹佳、篠崎誠、万田邦敏、佐藤歩、諏訪敦彦、鈴野美子、鈴野麻衣、中村研一、趙心智

ぼくの目に映るきみは誰ですか。 きみの目に映るひとは誰ですか。
fancy03〈運命〉であろうとした女と〈運命の女〉だけを求めた男。まだ始まっていない恋。あり得たかもしれないもうひとつの宇宙で、孤独な惑星同士が引きあい、夢を見る。 「擬似=フィクション」であることのあやうさが、2人の隠れた欲望と遊び心にほんの一瞬火をともす。それは素敵な映画の魔法。

もう始まってしまった恋。無限にあり得た可能性のなかから選びとられ、この地上にありふれた関係。移転、恋愛、死別、誕生。過ぎゆくものばかりの世のなかで、2人は日々、自由を得るためになにかを失って生きてきたことを知る。「擬似=フィクション」でしかなかったとしても、いやだからこそ、そのかけがえのない大切な瞬間を「記録=ドキュメント」すること。それもまた、まぎれもない映画の魔法。

ひとまず、『自由なファンシィ』は青年を狂気の愛へと駆り立てるファムファタール(=運命の女)についての映画であるといえる。だがまた同時にこの映画は、そのファムファタール自身の内面に引かれた、現実と夢想の曖昧な境界線をめぐる映画でもあるのだ。そこに映るのは、自らを探求し、内なる空白のキャンバスと対峙しなければならない女/優という不可思議な存在の真実。

fancy02そんな「演じること」と「リアルであること」の間で葛藤しながら、自らと向き合い真摯に歩み続ける主人公のゆかり役に本作が映画初主演となる松平英子。ゆかりに一途な思いを抱きながら、それゆえに翻弄されてゆく千尋をコミカルかつシリアスに演じるのは、『イエローキッド』(10)や「深夜食堂」(09)など舞台・テレビ・映画等で活躍する岩瀬亮。

『孤独な惑星』に続いて、筒井武文監督が贈る「愛の3部作」第2作『自由なファンシィ』。チャーミングでファンタスティックな映画の魔法を愛するすべての人へ。

 

《料金》
一般:1500円 会員:1100円


日本映画史上初! ロシアで撮られたSF映画
『レミニセンティア』
2017年4月14日(金)〜18日(火)

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「レミニセンティア」
(2016/89分/ロシア語/HD[ブルーレイ上映])
監督・脚本・撮影・編集:井上雅貴
プロデューサー:井上イリーナ
配給:INOUE VISUAL DESIGN

出演:アレクサンダー・ツィルコフ、井上美麗奈、ユリア・アサードバ

アレクサンドル・ソクーロフ監督『太陽』の
日本人スタッフが描くロシアSF感動作

忘れたい記憶がありますか? 取り戻したい記憶はありますか? あなたの記憶は真実ですか?
記憶をテーマに日本人監督がロシアに渡り、ロシアSF感動作を作り上げた。
記憶を消すことのできる父と絵が大好きな娘、父は悩める人々の記憶を消し、その記憶で小説を書いていた。しかし、ある日、愛する娘との思い出が消えている事に気づく。
忘れたい記憶と取り戻したい記憶、果たして記憶に翻弄される人間の存在とは何なのか?

哲学的なテーマを持つ、エンターテイメント作品
監督の井上雅貴は、アレクサンドル・ソクーロフ監督の映画『太陽』のメイキング監督を務め、その時ロシアの映画制作を学んだ。本作が初監督であるが、映画を作るならスケール感のある作品を作りたいという監督の熱意と、今まで培った映画製作のノウハウにより、商業映画に匹敵するクオリティの作品が出来上がった。自主映画ながらロシアロケを敢行、監督自ら脚本、撮影、編集を兼ね、日本の自主制作映画の限界に挑んだ。ちなみにこの作品は出資が日本の為、日本映画に分類される。

撮影場所はモスクワから300km離れた古都ヤロスラブリ。黄金の輪と呼ばれる歴史的な建造物が立ち並ぶ街でありながら、旧ソ連時代は工業地帯だった街。
主人公の娘を演じるのは監督とプロデューサーの娘、井上美麗奈。それ以外の出演者は実際にこの街に住むヤロスラブリ劇場に所属する本格的な役者達で、この映画のテーマを感じ取り出演してくれた。

ロサンゼルスシネマフェスティバル・オブ・ハリウッドで主演男優賞、監督賞、長編作品賞など主要部門を受賞、ハリウッドで評価されたことが全世界の人々に伝わる作品であることを証明している。

レミニセンティア=記憶の万華鏡
映画は現実ではなく虚構の世界、現実とは記憶による曖昧なもの。美しい映像と様々な仕掛けの物語があなたの脳を刺激する。

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4月15日(土)各回上映後 ミニトーク:井上雅貴(監督)、井上美麗奈(出演)
4月16日(日)15:30の回上映後 監督挨拶+トーク:扇千恵(ロシア語講師/ロシア映画研究)

井上雅貴(監督)
1977年、兵庫県生まれ。日本工学院専門学校映画科にて16mmの短編映画を製作し始める。卒業後、MVビデオ、CM、TV番組などのディレクターをつとめ、2005年に有限会社INOUE VISUAL DESIGNを設立。映画編集として石井岳龍監督の『DEAD END RUN』『鏡心』に参加。メイキング監督として、『スカイハイ』『最終兵器彼女』『ラフ』『ディアフレンズ』『犯人につぐ』『腑抜けども、悲しみに愛を見せろ』『シャカリキ!』『しあわせのかおり』『きみの友だち』『毎日かあさん』『深夜食堂』など数々の映画作品に参加。映画制作のノウハウを多方面から学ぶ。アレクサンドル・ソクーロフ監督のロシア映画『太陽』にメイキング監督として参加。3ヶ月ロシアに滞在し、ロシアの映画製作を学ぶ。ロシアでの撮影を決意し、映画企画を進める中、内容、撮影、共に商業映画の企画として難しい為、自主制作を決意。いままで参加した映画の知識をすべて使い初長編映画『レミニセンティア』を完成させる。

→公式サイト
→予告編

《料金》 特別鑑賞券(前売り):1400円
一般:1700円 大学・専門学校生:1500円 中高生:1200円 シニア:1100円
会員:1100円
*初日サービスDAY 一律1100円


木村卓司・井手豊 新作上映会
2017年3月11日(土)・12日(日) 18:00〜
木村卓司監督は両日来館、井手豊監督は12日来館。

ミクロとマクロが交錯する木村卓司と井手豊の映像宇宙。

「宙」

「宙」

「懐中散策」

「懐中散策」

 

木村卓司 監督作品
「宙」

(2016/59分/DVD上映)
常に映画とは何かを追求していたが、最近映画は存在しないと思えてきた。無時間だけが存在していると思えてきた。映画の消滅と再生を石を使って撮りました。なんじゃそれ、と気になる方は是非見に来てください。

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木村卓司
1964年京都生まれ。スピルバーグや宮崎駿に憧れ高校時代から自主映画を撮り始める。主な作品は『さらばズゴック』 (1986)、『眼の光』『非在/風景』(2004)、『阿呆論』(2008)、『シネマトグラフオブエンパイア』(2009)、『街に映画館を造る』(2011)、『時』(2012)『庭』(2015)

 

井手 豊 監督作品
「懐中散策」

(2016/18分/サイレント/ブルーレイ上映)
虫と風景に自分の心の世界を思い浮かべます。

「静寂の光」
(2016/11分/サイレント/ブルーレイ上映)
桜で有名な地元津山の鶴山公園で心惹かれた光景。

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「懐中散策」

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「静寂の光」

井手 豊
1965年生まれ。出身の岡山県津山で、1988年頃から映像づくりをはじめる。最初は劇映画をめざすが、個人的なイメージ映像の存在を知りその時々に出会い、心惹かれた人や風景や生き物などを心象映像として作り続けている。 映像展として、2014年「アートの今・岡山2014『時のカタチ』巡回展」(岡山県天神山文化プラザ)、2015年「井手豊映像の世界~仄かに灯る宇宙~」(奈義町現代美術館)がある。
 

魅了するものに留まる眼差し、ひたすら現在であり続ける時間、主体と客体の距離化や弁証法は井手さんの作品からは消え失せているように感じられる。でもその対象物ははっきりと世界の法則の中にある。風を光を受け、具象的な場にとどまりながら生を格闘している。井手さんの映画は世界への感嘆であり、そしていつもどこか残酷だ。その対象物の生命や美が映画作家の技巧や語りで生まれるのではないことを知っているからなのだろう。そう、世界は残酷なまでに奇跡に満ちていることを、その映像は教えてくれる。
──渋谷哲也(ドイツ映画研究)

 

《料金》入替なし
一般:1400円 学生・シニア:1300円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1200円


鈴木卓爾監督最新作「ジョギング渡り鳥」
2016年7月15日(金)〜26日(火) *20日(水)・21日(木)は休映

トーク:鈴木卓爾(監督)+細馬宏通(滋賀県立大学人間文化学部教授)
7月16日(土) 参加無料(要当日の映画チケット半券)


JW_flyer_face_151031_ol_ti「ジョギング渡り鳥」

(2015/157分/HD[ブルーレイ上映])
監督・場面構成:鈴木卓爾
撮影監督:中瀬慧 音響:川口陽一 編集:鈴木歓
人物造形・台詞・撮影芝居・録音芝居・音響効果・宣伝:映画美学校アクターズ・コース第1期高等科
製作:映画美学校 Migrant Birds Association
宣伝・配給:Migrant Birds Association カプリコンフィルム
© 2015 Migrant Birds Association / THE FILM SCHOOL OF TOKYO

出演:中川ゆかり、古屋利雄、永山由里恵、古川博巳、坂口真由美
茶円茜、矢野昌幸、小田篤、古内啓子、柏原隆介、小田原直也
吉田庸、佐藤駿、山内健司、兵藤公美、古澤健

地球初!
宇宙人が撮影した「モコモコ系メタSF映画」ここに誕生!

遠い星からやってきたモコモコ星人は、神を探す長い旅を経て地球にたどり着いた。母船が壊れ帰れなくなった彼らは、とある町の人々をカメラとマイクで観察しはじめた。人間のように「わたし」と「あなた」という概念がない彼らは、いつしか町の人々が直面している「わたしはあなたではない」という近代人間的事実に直面する―。果たしてモコモコ星人は「神」と出会うことができるのか。
『私は猫ストーカー』、『ゲゲゲの女房』、『楽隊のうさぎ』といった話題の長編映画を監督する一方、先鋭的なインディペンデント映画を精力的に発表し続ける鈴木卓爾。待望の最新作は、3年がかりの初のオリジナル長編。カメラやマイクを握る俳優たちと監督が一丸となって挑んだリアルで自由な活劇フィクション。地球人と宇宙人が入り乱れて織りなすドタバタ青春群像は、不思議なポリフォニーとなって、やがて魂を震わすコーラスを奏で始める。
映画の現在を更新する前代未聞の革新的メタSF大作がここに誕生した! いまこそ映画を問い直す。ここではないどこかではなく、自分たちが生きるこの世界を信じるために。

[公式サイト]

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7月16日(土)・17日(日)
ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞を受賞した鈴木監督の自主制作時代の代表作『にじ』と、「1シーン1カット1話完結、カメラの移動/アフレコ/編集なし」というルールで撮られた「ワンピース」シリーズの新作を上映。
「にじ」(1987/70分/8mm)
新作ワンピース 「亀夫婦」(2014/2分)、「待つこと眩し」(2014/7分)、「チラシ配りは楽し」(2016/3分)、「犬の村、移民の瞳」(2016/6分)
《料金》 一般:1200円 学生・シニア:1000円 会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円

gaitoukisouみんなのフェスティバル連携企画
特別プログラム2 妖怪・地獄セレクション
7月23日(土)・24日(日)
*23日(土)は鈴木卓爾監督のミニトーク付き
鈴木監督の作品にはこの世のものとは思われないものの気配がする。それはユーモラスでチャーミング! でも、ほんとうはとっても恐ろしい?!
「街灯奇想の夜」(1984/7分/8mm/アニメーション)
「ヒドラと踊ろう」(1994/5分/16mm/アニメーション)
「おっけっ毛ビビロボス」(1996/19分/16mm)
ワンピースセレクション 「傘男」(1994/2分)、「地獄のおじいさん」(1994/4分)、「種をまいたのはばあば?」(2006/9分)、「失恋沼」(2010/6分)、『骨肉トライアングル」(2012/9分)
《料金》 一般:1000円 中学生以下:500円

 

《料金》 特別鑑賞券(前売り):1500円(神戸映画資料館で発売中/先着20名様に缶バッジ進呈)
一般:1800円 学生:1500円 シニア:1100円 会員:1000円

協力:ぴあフィルムフェスティバル事務局、みんなのフェスティバル(NPO法人DANCE BOX)


新作ドキュメンタリー
『子どもは風をえがく』
2016年2月12日(金)〜16日(火)13:30〜
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子どもたちは、都会の一角に佇むその園で
センス・オブ・ワンダーの感性を育む

kaze02「子どもは風をえがく」
(2015/113分/HD[ブルーレイ上映])
監督:筒井勝彦
撮影:石崎俊一、秋葉清功
企画・製作:中瀬幼稚園 オフィスハル
監修:井口佳子

出演:中瀬幼稚園の子どもたち、中瀬幼稚園の皆さん、井口佳子、上遠恵子(特別出演)、石川眞佐江、川島昭恵、金指修平、森本ミホ、ベイビー・ブー、村上康子

都会にひっそりと佇む園の一年間の奇跡の記録
kaze03東京杉並の閑静な住宅地にいまも武蔵野の面影を 色濃く残す一角がある。そんな都会の一角にひっ そりと佇む屋敷林の幼稚園が中瀬幼稚園である。
幼稚園不足の1966年に開園し今年で50年目を迎 える。
園長の井口佳子先生はこの園を地球の縮図と考え、 親たちの協力のもと子どももおとなも“ここにいる のが楽しい”という空間創りを進めてきた。
地道で丹念な手作業によって創られたその園庭は、 さながら園長の分身のようでもあり、生命力に満ち あふれ、いつものように子どもたちが雑草の小道 を元気に駆け抜けていく!
子どもたちはこの庭でさまざまな体験を通して たくましく成長していく。
そう、まさにここは子どもの“サンクチュアリ(聖地)”なのだ。
本来、子どもを見つめるということはいつも未完で 終わりのないことである。
この映画は、過去から現在、そして未来に向かって 歩み続ける中瀬幼稚園を長期にわたって見つめた 感動の長編ドキュメンタリー映画だ。
いまこそ子どもに関わるすべての方、必見の映画 といえる。

国の経済の発展が優先されている世の中で、次の世代に生きる子ども達のことが置き去りにされているようで なりません。
子ども達を取り巻く環境の問題、自ら感じ考える余裕を与えず、流れ作業のように詰め込んでいく昨今の教育 の傾向、これに疑問を感じ、次に来る世の中のことを案じているのは私ばかりではないと思います。
先祖から受け継いできたこの武蔵野の地をいかし、子どもの姿を見つめながら積み上げてきました保育。これ はひとつのあり方です。
子どもの世界はまだ未知の世界です。大人達が勇気をもって、様々な問題を孕んでいるこの応用問題とも言え る世界に、少しでも足を踏み入れて欲しいと願っています。

中瀬幼稚園 園長 井口佳子

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公式サイト

《料金》
一般:1300円 学生・シニア:1000円 会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円
小学生:500円 未就学児:無料


陸前高田から届いた記録
『息の跡』
2016年1月23日(土)・24日(日)

1月23日(土)小森はるか・瀬尾夏美 来館
「息の跡」「波のした、土のうえ」上映後、質疑応答/17:00〜カフェコーナーでアフタートーク

「息の跡」
(2015/112分/HD[ブルーレイ上映])
監督・撮影・編集:小森はるか
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2012年より、瀬尾夏美と共に岩手県陸前高田市を拠点に制作している小森はるかの単独監督作。山形国際ドキュメンタリー映画祭2015の「ともにある Cinema with Us」で初上映され注目を集めた。
主な作品に、映画美学校修了制作『oldmaid』、『彼女と彼女たちの部屋』(2009)、桃まつり presents『the place named』(2012)がある。

この町には、津波によって失ったものと残されたものとを結ぶ痕跡を、
自身の方法でどうにか伝え残そうとする人達がたくさんいる。
私は彼らの日常を撮りためた記録を用いて、この町の記憶をとどめておくための映画をつくりたいと思う。
その第一弾として、種苗店を営みながら英語で震災の手記を綴る佐藤貞一さんの日々を追ったドキュメンタリーを制作した。(小森はるか)

 

笑いごとではないのである。
だが、いまだ復興の途上にある陸前高田で種屋を再開した活力あふれる中年男性が、独学で身につけた英語で被災体験を綴って世界に向けて発信するという無鉄砲さには誰だって頬がゆるむのを抑えられないだろう。
自分で書いた手記の一部を朗々たる節までつけて読みあげるこのドン・キホーテ的人物には、あるいは「あなたにわかる?」と男性から何度も問われ試されるキャメラの背後の若き女性監督が、寡黙なサンチョ・パンサとして寄り添っているということなのだろうか。
ところがこの笑いごとではない可笑しみを見守りつづけるうち、迂闊なわれわれにも見えるもの、撮られているものだけがすべてではないということがしだいに了解されてくる。
そのとき、英語に続いて中国語までも修めつつある現代のドン・キホーテの日々の営みは、死者の霊を鎮めるための終わりのない写経、読経のように見えはじめるのだ。
一人の人間の生が無数の死者によって支えられているように、この映画を形づくるすべての画面は見えぬものと聞こえぬもの、不在のものとともにある。
あれほどの出来事を早くも忘却しつつあるこの国に今、そっと差し出される小森はるかの『息の跡』は、その慎ましさとは裏腹に、やはり笑いごとではない。

──藤井仁子(映画評論家)

 

「波のした、土のうえ」
(2014/69分/HD[ブルーレイ上映])
制作:小森はるか+瀬尾夏美 撮影・編集:小森はるか テキスト:瀬尾夏美
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2015年11月に第7回神戸ドキュメンタリー映画祭で上映された作品を再上映。映像作家・小森はるかと画家で作家の瀬尾夏美によるアーティストデュオが、岩手県陸前高田で三年かけて制作した作品で、「置き忘れた声を聞きにいく」「まぶしさに目の慣れるまで」「花を手渡し明日も集う」の3篇から構成される。各篇、一人の被災者に焦点をあて、変化し続ける暮らしや風景へのそれぞれの思いを丁寧に写し出す。

予告編「波のした、土のうえ」神戸ドキュメンタリー映画祭ver.

小森はるか+瀬尾夏美 巡回展 波のした、土のうえ in 神戸
1月9日(土)〜31日(日)デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)

《料金》
一般:1200円 学生:1000円
会員一般:1000円 会員学生:900円

《割引》当日2本目は100円引き


特別限定上映
「茜色クラリネット」+トーク
2015年10月18日(日)13:30〜

トーク「札幌発!地域映画の可能性」 中島洋シアターキノ代表)

akaneiro01「茜色クラリネット」
(2014/81分/HD[ブルーレイ上映])
監督:坂本優乃 指導監督:早川渉
プロデューサー:久住邦晴、麻生榮一、中島洋
配給:シアターキノ
 
出演:佐藤楓子、佐藤莉奈、森田有紀、永井洸伎、大橋千絵

 
10代の今だからこそ描ける
「信じるチカラ」「夢見るチカラ」

琴似中学3年の茜は夢の世界で、事故で寝たきりになった同級生藍ちゃんの「助けて!」の声を聞く。その頃、琴似の町の異変を聞かされる。それは子どもの姿のまま、大人になってしまう「大人病」。調べるうちに琴似のゆるキャラ「トニ子」が関わっているらしい・・。
藍ちゃんを助けることができるのか、トニ子の正体とは?大人でも子供でもない中間の「いま」だからこそ伝えれるものはなにか。坂本監督率いる中高生達がプロの大人達のバックアップで誕生させた等身大の成長物語。

 
監督は高校一年生!
中高生×映画・演劇のプロ×琴似の地域コミュニティが、
夢の共同制作!

toniko01札幌で6年間続く中学生の映画制作ワークショップは、近年の作品が高く評価され、映画祭や海外でも上映されるほどになった。その集大成として制作された劇場公開長編が本作「茜色クラリネット」だ。札幌の映画・演劇のプロが共同制作、舞台となった屯田兵開拓の歴史がある琴似地区の人々、企業、市民サポーターが全面的にバックアップ、世界でも例のない夢のプロジェクトが実現した。
監督および演出チームを導く指導監督は、カンヌ国際映画祭正式出品「7/25」や、堺雅人主演「壁男」などで知られる札幌在住の映画監督早川渉。大人キャストには、演出家であり、数多くの映画やTVで俳優として活躍する斎藤歩、また躍進目覚ましい劇団yhsの南参や小林エレキが脇を固め、撮影、照明、録音、衣装等スタッフも札幌のCM界のプロが集まり、本格的な劇場公開映画として結実した。

 

[公式サイト]

《料金》
一般:1200円 学生・シニア:1100円
会員一般:1100円 会員学生・シニア:1000円

OPEN THE COVER 未公開映画のフタを開ける
8月1日(土)〜11日(火)
思わずドキドキする日本映画3作品の連続公開が決定!
良質な未公開作品の発見シリーズ第一弾として、先どり、蔵出し、カルト感が漂う、何れもいまどきジャパンの青き春を描いたラインアップ。

damn01「ダムライフ」
(2011/84分/ HD[ブルーレイ上映])
監督・脚本・撮影・編集:北川仁
出演:笠継景太、菅原佳子、米元信太郎、小野孝弘、武井哲郎、菊池翔空
第33回ぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2011グランプリ作品
第24回東京国際映画祭 日本映画・ある視点出品
釜山国際映画2011 ニューカレンツ部門ノミネート出品

子供の頃、妹を殺してしまいトラウマを持って育ったロボットのような青年小谷。ダム工事の現場で働き始めるとすぐにいじめにあう。偶然に起きた同僚の転落死をきっかけに事態は急変、小谷はトンデモ大殺戮を引き起こしてしまう。引きの演出、狙った画面、意外な展開…。北川仁監督の強烈な長編デビュー作!

併映「りんご」
(2013/10分/ HD[ブルーレイ上映])
監督:北川仁 出演:池脇千鶴 制作・提供:ユニジャパン
第66回カンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー出展
第12回ウラジオストク国際映画祭短編コンペティション部門出品
被災した土地で、略奪を重ねながら生き抜く女。ある日、朽ち果てた一軒家に侵入した女が見た光景とは…。主人公のセリフを一切排し、荒涼とした風景の中に生と死を強烈に描き出した、ひとつの極北の物語。女を演じた池脇千鶴の圧倒的な演技が印象を残す。

 

SRチラシ表面入稿原稿「スーパーローテーション」
(2011/77分/HD[ブルーレイ上映])
監督:斎藤久志
脚本:加瀬仁美 撮影:水口智之
出演:下村響子、藤原慧、小泉将臣、倉持幸歩、中村圭吾、安藤尋
日本映画学校 25期俳優科卒業ドラマ作品

若い男女のありようを優れた洞察力で描いてきたPFF出身の斎藤久志監督の軽やかな恋愛劇。演劇学校に通うヒロイン恋愛の心変わりをユーモアでほろ苦く切り撮った演出は、良質の映画を撮れる監督として再評価が望まれる。

 

 

 

 

 

SRチラシ表面入稿原稿「つまさき」
(2014/102分/HD[ブルーレイ上映])
監督・脚本:加瀬仁美 撮影:岩永洋
プロデューサー:斎藤久志
出演:河野桜、圓若創、松井美波、小川智子、川瀬陽太、クノ真季子

相手がいなくなった交換日記…女子中学生の繭子は好きな友達が拒食症で入院したことで心の変化が訪れる。中年男との寒々しい出会いや気になるイケメンの先輩。抜けるような空と孤独感をキーワードに、少女の魂の成長を全編手持ちのカメラで温かく見守る視点は、女性監督群の新たな一翼となるだろう。

 

 

 

北川仁 中・短篇集
「ポストガール」(2010/49分)PFFアワード2010入選作品
「コレクト」(2007/10分)福井映画祭入選
「大根侍」(2008/11分)
「blanc」(2009/22分)ふかや映画祭優秀賞受賞 福井映画祭審査員特別賞受賞

 

《料金》入れ替え制
当日券 一般1700円 学生・シニア1100円 会員1000円
前売券 3回券3000円 1回券1300円[当館で発売中]


木村卓司監督最新作『庭』
+映画美学校フィクションコース ミニコラボ

7月11日(土)・12日(日)

niwa01前作『時』から三年、21世紀の異端映画作家・木村卓司最新作『庭』がついに完成。
その初公開にあわせて、映画美学校より提供いただいた「フィクション・コース第18期ミニコラボ実習制作」の4作品を同時上映。ミニコラボ実習とは、プロの映画監督である講師が監督を担当、受講生はスタッフとして監督の演出風景を間近で見ながら映画を作るという実習。1日の撮影で10分程度の短編を作るという制約の中で生まれたこれらの作品は、映画の核がむき出しになった面白さ。
そして、京都造形芸術大学卒業制作作品で、新たに再編集した斗内秀和の『シネパトス』も上映。

 

「庭」(2015/サイレント/18分/DVD)
監督:木村卓司
制作期間は2014年1月から今年の3月までの15ヶ月。木村が暮らす自宅のごく普通の庭に、森羅万象、大自然を描き出す野心作。

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映画美学校フィクション・コース第18期ミニコラボ実習制作作品(2014年制作)
「恋のいちじく」(11分)監督:西山洋市
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愛するがあまり人を恨み、愛するがあまり人を殺す。様々な愛が入り混じり、仮想と現実の垣根を越えていく。

「くびすじに卍」(14分)監督:市沢真吾
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父親は殺された、くびすじに卍のあざのある女に。

「新しい人」(16分)監督:大工原正樹
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あるオーディション会場。現れた女は奇妙な発言を繰り返す。

「4:45 2nd chance」(24分)監督:三宅唱
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4:44から4:45の1分間、幽霊は人間に戻ることができる。

 

cinepathos01「シネパトス」
(2015再編集版/21分/HD[ブルーレイ上映])
監督:斗内秀和 撮影:竹田岳
出演:関谷和希、大西礼芳、中川春樹、松野泉
京都造形芸術大学2012年度映画学科卒業制作作品で、今回、新たに再編集した新バージョンでの上映。恋人同士である2人の男女。女が突然姿を消し、男は彼女を追いかける。2人は再会、彼女はそこで映画を作っていた。そして、男は次第に彼女の映画撮影に巻き込まれていく。
→コメント

 

協力:映画美学校

《料金》入れ替え無し(通し券)
一般1400円 会員1200円 学生500円
*招待券のご利用不可


「クレヴァニ、愛のトンネル」
2015年5月15日(金)〜26日(火)[水・木 休館]

舞台挨拶&サイン会 5月16日(土)
今関あきよし監督舞台挨拶 13:30の回上映終了後
今関あきよし監督・未来穂香さん舞台挨拶 18:30の回上映終了後
サイン会 20:00〜(要当日の「クレヴァニ、愛のトンネル」チケット半券)
*16日(土)の鑑賞券ご予約受付中[18:30の回は満席につき受付終了]
info@kobe-eiga.net 宛に、お名前、連絡先(電話)、ご希望の上映回を書いてお送りください。追って予約受付確認のメールを差し上げます。
今関あきよし監督8mm上映トークライブ
5月16日(土)15:30〜
監督がトークを交えながら自ら映写機を廻します!

上映予定作品
8mm映画
「ORANGING’79」三留まゆみ主演、ぴあフィルムフェス入選
「スプリング・ハズカム日記3」風野桂子主演
「APPLE’84」和久井志保主演
16mm映画
「フルーツバスケット」矢野ひろみ、庄司真由美、大蔵悦子主演(デジタルDVD変換版)
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《料金》1500円
*「クレヴァニ、愛のトンネル」16日当日鑑賞者:500円割引

*ご予約受付中
info@kobe-eiga.net 宛に、お名前、連絡先(電話)、イベントタイトルを書いてお送りください。追って予約受付確認のメールを差し上げます。

klevanichirashi_w「クレヴァニ、愛のトンネル」
(2014/85分/HD[ブルーレイ上映])
製作・企画・原案・監督:今関あきよし
脚本:いしかわ彰、今関あきよし
撮影監督:藍河兼一 音楽:宮﨑道
配給宣伝:アイエス・フィールド
宣伝協力:アルゴ・ピクチャーズ

出演:未来穂香、小山田将、水野勝、板尾創路、岡村洋一、嵯峨周平、魚住ちえこ、川村虹花、小柳朋恵

 

ウクライナに実在する緑のトンネル、
そこは奇跡を起こす場所
世界初の映画ロケ敢行!
日本・ウクライナ初の合作映画が遂に完成

ウクライナの田舎町の外れに実在する、緑に包まれたトンネル。貨物列車が1日に1往復するだけの幻想的な美しい場所。ここでキスした恋人たちは永遠に結ばれる……。20年前に失った恋人の幻影を追い求めてそのトンネルにたどり着いた男、そして現れた少女。だが彼女に逢えるのはその場所だけだった――。狂おしいまでの愛のせつなさが胸に迫る映像叙事詩。
Klevani01緑のトンネルで再会する恋人・一葉に『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』『思春期ごっこ』の未来穂香。恋人を失い喪失感を抱えて生きる圭に小山田将。少女たちのきらめいた一瞬を切り取ることに定評のある今関あきよし監督が、20年の時を越えて人たちの切ない愛の物語を作り上げた。
「愛のトンネル」と言われ世界的に有名なウクライナ・クレヴァニ村の緑のトンネルは実際に存在し、映画で撮影されたのは世界初となる。

 

[公式サイト]

《料金》
一般:1500円 学生・シニア:1300円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1100円

「劇場版 神戸在住」
2015年1月31日(土)〜2月15日(日)11:00[水・木 休館]

ミニトーク 11:00の回上映終了後
1月31日(土) 白羽弥仁(監督)
2月1日(日) 安田真奈(脚本)・大西昭彦(企画プロデュース)
2月7日(土) 白羽弥仁(監督)

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「劇場版 神戸在住」
(2014/97分/HD[ブルーレイ上映])
監督:白羽弥仁 原作:木村紺「神戸在住」(講談社刊)
脚本:安田真奈 撮影:豊浦律子 照明:鈴村真琴
美術:嶋田良一 編集:渋谷陽一 音楽:妹尾武
製作:サンテレビジョン
配給・制作:アイエス・フィールド

出演:藤本泉、菅原永二、浦浜アリサ、松永渚、柳田小百合、松尾貴史、田中美里、仁科貴、愛華みれ、竹下景子

美しい神戸の風景… 海風のような心地よさと、新緑のような鮮やかさ!

震災を街の記憶としてどこかに感じつつ、
いまを生きる彼女たちを描く。

神戸の大学に通う東京出身の辰木桂。ナイーブかつ関西気質の違和感も手伝ってなかなか心を開くことができない彼女はある日、車椅子のイラストレーター、日和洋次と出会うことで心境に変化が生じる。しかし、桂は日和が命の砂時計を刻んでいることを知ってしまい…。

兵庫県・大阪府を放送対象地域とするサンテレビジョンは2014年に開局45周年を迎え、その記念事業として、また2015年1月17日が阪神・淡路大震災から20年目を迎えるにあたり、同局が制作したのがこの『神戸在住』です。
テレビ放送版となる『神戸在住』は主人公の辰木桂の視線から神戸を捉えるように描かれ、その20年目にあたる2015年1月17日に同局でオンエア。更に、桂と友人たち3人を加えた4人の視線で神戸を捉えるように描かれた『劇場版 神戸在住』が同じく2015年1月17日に劇場公開。劇場公開とCS放送やBS放送などが連動される試みは今までも何度もありましたが、『神戸在住』は劇場公開と地上波が同日に展開されるという日本のメディア史上初の試みというビッグプロジェクトなのです。再生のメッセージも込め、“震災の記憶”と“いまを生きる”というメッセージを現代から未来へと神戸から全国に伝えます。

kobezaiju01撮影は、三宮、元町、旧居留地、南京町、メリケンパークなどの名所を中心にオール神戸、阪神間でロケが行われ、神戸に深く関わる人々の姿を、街の景観や匂いと共に映像に収めました。神戸の大学に通う19歳の女子大生たちが20年前に起きた震災の記憶を街の中のどこかに感じつつ、この街で“いま”を生きる彼女たちの青春が描かれています。

原作は講談社の「月刊アフタヌーン」で1998年から2006年まで連載され、日本漫画家協会賞新人賞を受賞した木村紺の『神戸在住』。監督は『She’s Rain』で同じく神戸の街を舞台に高校生の淡い青春の刻を描いた白羽弥仁。主演の辰木桂役には、『神様のカルテ2』、『小川町セレナーデ』での演技が好評だった藤本泉。桂が真に心の扉を開く日和洋次役には小演劇の世界を中心に活躍している菅原永二。桂の友人・泉海洋子役には「神戸コレクション」でも活躍する人気モデル浦浜アリサ。生きる事の辛さと喜びを伝える武内真弓役に1999年から2012年まで震災をテーマとした詩の朗読コンサートに参加するなど神戸にゆかりの深い竹下景子。その他、個性溢れる豪華キャスト陣が脇を固め作品を盛り上げます。

 

[公式サイト]

《料金》
一般:1500円 学生:1300円 シニア:1100円 高校生以下:1000円
会員一般:1300円 会員学生・シニア:1000円

ダンスを撮る ──振付家・黒沢美香の世界──
1月10日(土)・11日(日)

「南郷ジャズズ jazzzzzzzzz-dance」

「南郷ジャズズ jazzzzzzzzz-dance」

日本のコンテンポラリーダンス界のゴッドマザーとも称されているダンサー・振付家の黒沢美香。2015年2月にArt Theater dB 神戸で、黒沢美香&神戸ダンサーズの「jazzzzzzzzzzzz- dance ジャズズダンス」が上演される。
これに合わせ、ここ数年黒沢美香を撮り続けている崟利子の2作品と、黒沢が講師を務めたDANCE BOXの育成プログラム「国内ダンス留学@神戸」の2013年の特別ワークショップの様子がおさめられた濱口竜介監督の『Dance for Nothing』を上映する。

1月10日(土)上映後トーク(終了予定18:00) 崟利子監督・濱口竜介監督

「南郷ジャズズ jazzzzzzzzz-dance」
(2013/32分/HD[ブルーレイ上映])
監督:崟利子
2012年11月に「黒沢美香&ダンサーズ」の青森ツアーに同行した5日間の記憶のコラージュ。同作は山形国際ドキュメンタリー映画祭2013にて審査員作品として上映された。

「横浜ジャズズ jazzzzzzzzzzz-dance」
(2015/30分[予定]/HD[ブルーレイ上映])
監督:崟利子
2014年11月横浜・中華街の同發ホールで4日間・7公演が行われた。総勢27人(ダンサー25名+バンド2名)の舞台の記録と約1年に渡る稽古のドキュメントの、今回はショートバージョン。

「jazz….-dance」初演は1992年。タイトルはジャズダンスのjazzではない。
jazz音楽の仕組みを尊敬してのタイトルである。
ダンスでjazzを泳ぐ。zの数は上演の度に増えていく。

崟は、2011年から黒沢美香の撮影を始め、現在ドキュメンタリーを製作中。また2011年以降の黒沢美香のソロ、黒沢美香&ダンサーズの全舞台記録映像の担当をしている。


dancefor「Dance for Nothing」

(2013/27分/HD[ブルーレイ上映])
製作:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
監督:濱口竜介 撮影:北川喜雄、野原位、濱口竜介
第5回神戸ドキュメンタリー映画祭(2013年10月)のオープニング作品として、神戸在住の映画監督・濱口竜介が撮り下ろした作品。ダンスという身体表現を映像化することは可能か、という問いとともに作られた本作は、ダンサーだけではなく、街、行き交う人々、そこに吹く風など、すべてのものがダンスするさまを写し出す。

 

《料金》
一般1500円 学生1300円 会員1300円 会員学生1000円
Art Theater dB 神戸の「国内ダンス留学@神戸 ショーイング公演(2015年1月10日・11日)のチケット半券か、「jazzzzzzzzzzzz- dance ジャズズダンス」(2015年2月7日〜9日)の予約番号をお持ちの方は200円割引。


サイレント映画『時』 生演奏上映
11月8日(土)16:00〜

 
21世紀の異端映画作家・木村卓司の代表作『時』を、今回は生演奏とともに上映します。
演奏は、活動写真弁士・大森くみこさんと活躍中の深海無声團のメンバーである藤代敦さん。

「時」(2012/サイレント/60分/DVD)

監督:木村卓司
演奏:藤代 敦(キーボード)

 

 

一瞬一瞬、見えないはずの時が猛々しく発露し姿を現す。それは霧の様に実体のない幻想で意識下の深遠に降りて行く。日だまりの様にこの上なく心地のよいものだ。──木村卓司
『シネマトグラフ オブ エンパイア』(2009)、元町映画館が出来るまでを描いた『街に・映画館を・造る』(2011)で知られる木村卓司。その最新作『時』は、闇と光を往還する独自の世界である。
 
作品に寄せられたコメント
 

作者の「気持ちはよくわかる」という反応は、決して誉め言葉ではない。ただ、「気持ちはよくわかる」という反応が積極的な意味を持つケースも、ごく稀に存在する。木村卓司の『時』がそれにあたる。この作品を撮った監督の「気持ち」は、とめどもなく「高貴」なものだからである。
──蓮實重彦(映画評論家)

手で覆われた女の胸。平面の画面のはずが一瞬、たゆやかな膨らみの感触を漲らせる。そんなバカなと画面を凝視する頃には、「時は後戻りするはずないだろう」と笑うかの如く画面が呆けていく。そんな一瞬と流れと集約を、戯れ事としてではなく、作り手の過剰な激しさとして画面に焼き付けていく。実は、私が見たときは画面が一度フリーズを起こしたのだが、監督の呪いにも似た念に呼応しているかのようだった。
──家久智宏(「劇場分子」No.33 より)

ふわりと風に揺れるカーテンの影の向こうに横たわる女性の絵がどうしてこんなにもなまめかしくみえるのか。世界が垣間見せてくれる美しい一瞬が切り取られてゆく……。
──伊藤久美子(シネルフレ ライター)

過去への痛いほどのあこがれと欲望を満たしてくれるのは映画だけ。うまれたての映画が持っていたあの卑俗さと野蛮と高貴と可笑しさが、無声映画『時』には満ち満ちてる。
──いいをじゅんこ(クラシック喜劇研究家、ライター)

映画の中で、男は女(女体?)を渇望しているように見えました。石像や写真、絵画の女に対して男は倒錯した欲望をぶつけています。『さらばズゴック』では感じられなかった人間的なモチーフが『時』には感じられたのです。それも、極めて激しい形で。
人間のいない世界をひたすら追求した『さらばズゴック』から、人間のいる世界(女のいる世界?)を作り手は求め始めている。
──井土紀州(映画監督)

いやまあなんとも前衛的な……。ビデオカメラのレンズ性能を確認する実証実験のような……。サイレントで60分もあるのに眠くはならなかったです。ともかく一度観てもらうしかないと思います。
──太田耕耘キ(ぴんくりんく編集部)

『ラ・ジュテ』は静止画の連続の中に動画がワンカット入っていたが、今から考えると映画的に素朴である。がしかし、本作は静止している映像が、映画表現の命そのものである編集という躍動を得た幸福に満ちている。編集点が次から次へと圧倒的な間隔/感覚で放たれる時、そこに観客は別次元のゆらぎを得るのである。人はそれを時間と呼ぶのであろう。まさしく映画が司れるもの、時である。私は確かにこのスクリーンで映画の時間が醸造される瞬間を見た。
──金子光亮(「劇場分子」No.33 より)

木村卓司の映画は孤独だ。滅び行くものの大いなる黄昏の僻地に立っている。滅び行くものの絶壁のしかし明確にある、縁(エッヂ)に立っている。いま数多くの映画が生まれ上映を終えていくが木村卓司の『時』はいま立たされている絶壁の縁(エッヂ)が幻などではなくくっきりそこに存在することを知らしめてくれる時間である。
──木村文洋(映画監督)

触手のようなキャメラが平面像の女体をまさぐる。すると静止していたはずの被写体が一瞬息を吹き返したように動き出す。この瞬間に戦慄を覚える。この個人映画作家が自宅の納屋から発見されたという戦前のポルノグラフィーに眼差しを向けると、そこに津山三十三人殺しが実験映画と交差する時空が出現する。そして我々は思い出す。映画は3D技術など使わなくとも初めから立体映像だったのだと。
──葛生賢(映画批評家、映画作家)

普通、人が「時」を感じているものを接写で破壊している映画だと思いました。
──高橋洋(映画監督)

木村卓司さんは膨大な量の映画を観る。ふつうそれだけ観る人の撮る映画は自分の好きな映画を再現─更新する方向に向かうと思うが木村さんはそうはしない。『時』は膨大な数の触覚性に満ちたカットをつるべ打ちし観る者に眩暈を強いる映画だ。リビドーに満ちてつるべ打ちされる膨大なカットは一つ一つが木村さんの射精だ。なんと絶倫な人だろうか。自分が撮れる映画を撮る。木村さんは映画ファンだけではなく映画作家だったのだ。
──常本琢招(映画監督)

物質の肌理(きめ)がいずれ時間の肌理を浮き立たせる。それは禁欲とは無縁の激しい欲望の結実した姿でもある。日本の同時代でそのように感じることは少ないが、嗚呼自分もこのように撮ることができたなら、と思わずにはいられなかった。
──濱口竜介(映画監督)

60分のサイレントの自主映画と聞けば、はっきりいって悪い予感しかしない。だが、勧められて渋々『時』を見た私にもいくつかのことは断言できる。この作家が、無声映画を「音を差し引かれた映画」だとはまったく考えていないということ。長くキャメラを回していれば「時」が映るなどというおめでたい発想とはまるで無縁だということ。そして、映画館の暗闇でみんなして息を凝らしてスクリーンを見つめつづけるという経験を絶対に必要としている映画だということ。最後に、これがもっとも肝腎なことだが、めっちゃエロいです。
──藤井仁子(映画評論家)

《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1300円 学生会員・シニア会員1100円


「こどもこそミライ ‐まだ見ぬ保育の世界‐」
2014年7月4日(金)〜8日(火)

講演:「どの子もよっといで! ─インクルーシブ保育のつくりかた─」
7月6日(日)13:00〜 *参加無料(要・映画半券。前日までの鑑賞者も可)
講師:堀 智晴(ほり・ともはる/元大阪市立大学教授)堀は、障害のある子どもの保育・教育について、実践研究をしてきた。その中で、障害のある子ない子が共に育ち合い、学び合っていくことが大事だと考えるようになった。また、これまでの保育と教育を再考する必要も出てきた。
今回の映画は、そのような子どもたちの育ち合いの保育実践の一端をみていただく。大阪で一番早くから障害のある子どもも共に保育をしてきた聖愛園は、もう40年の歴史がある。日本が、今年の1月に批准した「障害者権利条約」においても、障害のある子の教育は、インクルーシブ教育(障害のある子もない子も、共に学び合う教育)であるべきだと謳っている。
乳幼児期から、子どもたちが多様な他者(仲間)たちと出会い、共に生活し育ち合っていくことは、障害があるなしにかかわらず、現代子どもたちには一層必要なことではないかと考える。この映画をヒントに、現代の子育て、保育、教育のあり方について一緒に考えましょう。
字幕付き上映
聴覚障害のある方に映画をお楽しみいただく為に字幕付きで上映します。
7月5日(土)・6日(日) 11:00の回

「こどもこそミライ
‐まだ見ぬ保育の世界‐」

(2013/84分/HDV[ブルーレイ上映])
編集・監督:筒井勝彦
製作:オフィスハル
プロデューサー:筒井勝彦、秋葉清功、佐舗和生
企画:宮川 勉(小学館『新 幼児と保育』編集部)、筒井勝彦(オフィスハル)
撮影:秋葉清功、山口正芳、石﨑俊一
音楽:近藤久美子、稲葉 光、阿部浩二(トリンダージ)、近藤裕圭子、熊田 洋
唄:塩澤直美
イラストデザイン:ソ・ミジ
撮影協力:りんごの木、森のようちえんピッコロ、社会福祉法人路交館、保育所 聖愛園
配給:「こどもこそミライ」上映委員会
出演:りんごの木の子どもたち、柴田愛子、青山 誠、森のようちえんピッコロの子どもたち、中島久美子、聖愛園の子どもたち、野島千恵子、保育士・保護者のみなさん、常磐会学園大学 国際こども教育学部、堀 智晴

「きみたちこそ未来、みんなで手をつなぐともっと大きくなるよ!」

横浜にある「りんごの木」では、その日に園でおこったさまざまな出来事をテーマに子どもたちが自分の言葉で話し合います。一生懸命話し合って、心のもやもやを出し合って、結論はすぐにでないけど、子どもたちは考えます。
ここにはまったく新しい保育のかたちがあります。
「森のようちえんピッコロ」は、山梨の森の中にあります。この園の子どもたちは一日中、自然のふところに抱かれて全力を出しきって遊んでいます。それは子ども本来の姿であり、まさに人間の原点をみるようで、わたしたちに自然と人間のつながりの大切さをもう一度気づかせてくれます。
大阪の「保育所聖愛園」はインクルーシブ保育を実践している園です。インクルーシブ保育とは、ハンディのある子もない子もみんな一緒に育ち合う保育のことです。この園の子ども同士の助け合いの姿をぜひご覧ください。そしてその保育の現場に存在する、一片の詩情に胸をふるわせてください。

[公式サイト]

併映『屋敷林の手入れと子どもたち(中瀬幼稚園)』(11分)
  『わこう村 和光保育園の子どもたち』(18分)

《料金》
一般1200円 シニア1100円 学生1000円 こども(未就学児)無料
会員1000円

これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。