プログラムPROGRAM

新作

「坂本君は見た目だけが真面目」+中短篇
2014年6月6日(金)〜10日(火)
Aプログラム「坂本君は見た目だけが真面目」
(2014/57分/HD[ブルーレイ上映])
監督・プロデュース:大工原正樹
脚本:鳥井雅子 撮影・照明:四宮秀俊
録音・整音:光地拓郎 音楽:長嶌寛幸
編集:和泉陽光 美術:浅雄望 鈴木知史
製作:映画美学校
出演:藤本泉、伊藤凌、ジェントル、宮田亜紀、よこえとも子、大久保了、美輪玲華

大人げない女教師×超マイペース天才中学生。
勝つのはどっち!?

聡子のクラスには問題児がいた。自分の出たい授業にしか出ずに、必要ない授業だと思ったら家に帰ってしまう坂本君。ところが彼は成績優秀、教室で暴れるわけでもなく、出ている授業態度はいたって真面目。そんな坂本君を他の先生もどこか容認していた。しかし、生真面目な聡子は彼がどうしても許せなかった。実力行使、彼が抜け出そうとする廊下や昇降口で待ち伏せては教室へ引き戻そうとする。最近は、面白がる他の生徒が坂本君の脱走に加担するようになって事態はエスカレート。生徒指導に燃える聡子は、あきれる坂本君の誹りにもくじけず、授業に出るよう説得を続ける。ある日、あまりのしつこさに坂本君がついに反撃開始!引くに引けない聡子の教師生命は?!ついにクラスを巻き込んで二人のバトルが始まる!!
映画美学校から、新たなエンターテインメントを発信!
富田克也、古澤健、横浜聡子ら個性的で精力的に活動し続ける映画監督を輩出してきた映画美学校が、2011年にシナリオライター開発に着手。日本映画に新たなエンターテインメントを発信すべく選ばれた第1回作品は、村越繁の脚本、『ただいま、ジャクリーン』を大久明子監督(『モンスター』)が映像化し好評を博した。
第2回にあたる今回は、「もしスティーブ・ジョブスが中学生だったら」という出発点から、お互い何かかけている生徒と教師がぶつかり合いながら分かり合う『坂本君は見た目だけが真面目』が選ばれた。脚本は講師、小中千昭の指導を受けた鳥井雅子のオリジナル作品。講評会では映画監督である高橋洋、篠崎誠、大工原正樹の3人に映像化したいと惚れこまれ、実際に大工原により映像化され、生き生きと、さらにポップにしあがった。

[公式サイト]
併映『純情No.1』(2011/20分/HDV)
監督・脚本:大工原正樹
出演:長宗我部陽子、北山雅康、猪原美代子、市沢真吾
映画美学校に通う良江(長宗我部陽子)はトイレで講師・緒方(北山雅康)の恥かしい姿を偶然見てしまったことから身の危険を感じるようなる。そしてある日、教室で死んでいる女生徒(猪原美代子)を発見した良江は、彼女が自分の身代わりに殺されたのだと確信する。

Bプログラム大工原正樹監督 中短篇集
「赤猫」
(2004/42分/DV)
監督:大工原正樹 脚本:井川耕一郎 撮影:福沢正典
出演:森田亜紀、李鐘浩、藤崎ルキノ、永井正子
私(李鐘浩)の出張中、妻の千里(森田亜紀)が流産した。風呂の電球を替えようとして、椅子から転落して流産したのだ。退院後の千里は何もしゃべらず、マンションのベランダからただ遠くを見つめているだけだった。だが、ある夜、ふとしたことをきっかけに、千里は流産に至る経緯を私に話しだした。

「姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う」(2010/49分/HDV)
監督:大工原正樹  脚本:井川耕一郎  撮影・照明:志賀葉一
録音・整音アドバイザー:臼井勝 音楽:中川晋介
出演:長宗我部陽子、岡部尚、森田亜紀、高橋洋、光田力哉
蠱(こ)とは古代中国の呪術である。母の葬式を終え、かつて暮らした町をぶらりと訪れた妙子(長宗我部陽子)と治(岡部尚)は、次第に心に巣食うバケモノ「あいつ」の幻に襲われ始める……。
「恋の季節」(2013/9分/HD)
監督・脚本:大工原正樹
出演:仲村怜緒、二宮未來、松下仁、市沢真吾、大迫茂生
映画美学校で脚本を教える真理恵(二宮未來)はロビーで自分を触った痴漢(大迫茂生)を捕まえ責めたてる。同じころ、MAルームで自慰をしているところを先輩(松下仁)に見られてしまった瑶子(仲村怜緒)は、真理恵と痴漢の諍いを見てある決心をする。

《料金》1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円

《割引》当日、2プログラム目は200円引き

万田邦敏監督 最新作
「イヌミチ」
2014年6月6日(金)〜10日(火)
「イヌミチ」
(2013/72分/HD[ブルーレイ上映])
監督・編集:万田邦敏 脚本:伊藤理絵
撮影:山田達也 照明:玉川直人
録音・整音・効果:臼井 勝
音楽:齋藤浩太、下社敦郎 音楽監修:長嶌寛幸
美術:萩原周平、赤松直明、鈴木知史
製作・配給・宣伝:映画美学校
映画美学校 2012年度高等科コラボレーション作品

出演:永山由里恵、矢野昌幸、小田篤、小田原直也、古屋利雄、茶円茜、古内啓子、中川ゆかり、古川博巳、柏原隆介、兵藤公美

向き合うことを知らない若い男女の孤独と異形の愛を描いた、
進化し続ける映画監督 万田邦敏 5年ぶりの最新作!

目の前の物に満足し、信じて待つ「イヌ」。その目をみつめて可愛がり、惜しみなく与える「飼い主」。男女がセックスを介在させず肉体関係を結べるもの、それは「イヌ」「飼い主」の関係になる事だけかもしれない。
仕事や恋人との生活において選択する事に疲れている編集者の響子はある日、クレーマーや上司に簡単に土下座をする男・西森と出会う。プライドもやる気もない西森の、無欲な「イヌ」の目に興味を持つ響子。出来心から訪れた西森の家で、二人はおかしな「イヌ」と「飼い主」という遊びを始める。「イヌ」としての盲目的な生活に浸る響子と、その姿に安らぎ「飼い主」になる西森。ほの暗い家の中で、決して交わることのない身勝手な愛を垂れ流す二人の遊びはどこへ向かうのだろうか。

『UNLOVED』(02)、『接吻』(08)で国内外に衝撃を与えた映画作家・万田邦敏監督が5年の沈黙を破り、放つ最新作『イヌミチ』は、個性的で精力的な映画監督を輩出し続けている映画美学校のフィクション、アクターズ、脚本の3コースによるコラボレーション作品である。
第一線で活躍する高橋洋、三宅隆太、村井さだゆき三人の講師陣が揃って太鼓判を押した伊藤理絵によるリアルな女性心理が描かれた独創的なシナリオに、響子役の永山由里恵、西森役の矢野昌幸らがみずみずしくも大胆で躍動する演技と表情で挑み、そして映画に対し熱い血潮を滾らせるフィクション・コース15期生がスタッフとして現場を支える。これからの映画を担う若い世代の感性と万田監督の鋭い演出が混じり合うことにより、『イヌミチ』は現代の若者の孤独と倒錯した愛を描いた、新しい万田邦敏作品としてここに誕生した。

[公式サイト]

《料金》
一般1400円 学生・シニア1200円
会員一般1200円 学生会員・シニア会員1000円

《割引》当日、『坂本君は見た目だけが真面目』関連プログラムと連続鑑賞の場合200円引き

福島の3年間──消せない記憶のものがたり
「遺言 原発さえなければ」
2014年5月2日(金)〜4日(日)13:00〜

5月2日(金)上映終了後
初日舞台挨拶:豊田直巳監督
※舞台挨拶後、ロビーカフェでミニトーク
※ロビーカフェのミニトークは1ドリンクをご注文ください

第一章 汚染

第二章 決断

三章 避難

第四章 故郷

五章 遺言
ⓒTOYODA Naomi

「遺言 原発さえなければ」
(2013/225分/HD[ブルーレイ上映])
*途中15分の休憩あり
共同監督:豊田直巳、野田雅也
編集:安岡卓治 編集助手:吉田拓史
編集協力:濵口文幸記念スタジオ
製作助手:片岡和志 音楽:任キョンア
音楽協力:大瀧統丈 ㈱オリホトーン・ミュージック エンターテイメント
助成:高木仁三郎市民科学基金
製作協力:日本ビジュアル・ジャーナリスト協会/国際交流NGO ピースボート/フォーラム平和・人権・環境/原水爆禁止日本国民会議/全日本自治団体労働組合/全日本自治団体労働組合 関東甲地連/生活クラブ生活協同組合
製作:映画『遺言』プロジェクト
劇場宣伝協力:ウッキー・プロダクション
山形国際ドキュメンタリー映画祭 正式出品作品
 
一章 汚染 取り残された住民たち
二章 決断 酪農家人生の崩壊
三章 避難 ご先祖さまを残して
四章 故郷 つなぐ想い
五章 遺言 原発さえなければ

 
福島を描いた
ドキュメンタリー映画の決定版
3時間45分 800日間の記録
苦しみをのり越えて
新たな挑戦が始まる

  
2011年3月12日…
福島第一原発事故の取材現場に駆けつけた二人のフォトジャーナリストは、いち早く撮影を開始。以来、2013年4月まで、その土地の人々とともに過ごした日々を記録し続けた。絶望の淵からの試行錯誤、もがきの中で気づいた家族、仲間、奪われた故郷への思い、そして見えてきた本当に守るべきものの存在…
3年にわたり記録された250時間の映像が、3.11後の今を生きる私たちに問いかけるものとは ──
 
私たちもこの映画を応援しています。
 鎌田慧(ルポライター)
 落合恵子(作家)
 森達也(映画監督/作家)
 高橋哲哉(東大大学院教授)
 吉岡達也(ピースボート共同代表)
 吉岡淳(カフェスロー代表)
 渡辺一枝(作家)
 
[公式サイト]
 
豊田直巳(共同監督/取材・撮影)
1956年生まれ。イラクやパレスチナなどの紛争地を巡り、劣化ウラン弾問題やチェルノブイリを取材。新聞、雑誌やテレビで報道。平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞。近著に『フクシマ元年』(毎日新聞社)、『フォトルポルタージュ 福島 原発震災のまち』(岩波書店)他。
 
野田雅也(共同監督/取材・撮影)
1974年生まれ。チベットの核実験場をはじめアジアの紛争地や災害現場を取材。『正しい報道ヘリの会』では官邸前デモなどを空撮。DAYS JAPAN国際ジャーナリズム大賞特別賞。共著に『3•11 メルトダウン』(凱風社)他。共に日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。

《料金》
一般2000円 学生・シニア1800円 会員1500円
*招待券のご利用不可
*特別鑑賞引換券はご利用になれます

大阪朝高ラグビー部・長編ドキュメンタリー
「60万回のトライ」
2014年4月11日(金)〜15日(火)

監督(朴思柔・朴敦史)来館決定
4月11日(金)・13日(日)各回上映終了後、ミニトーク

「60万回のトライ」
(2013/106分/HD[ブルーレイ上映])
監督・撮影:朴思柔、朴敦史
ブロデューサー:岡本有佳、永田浩三
編集:村本勝 整音:滝澤修
音楽:大友良英
ナレーション:根岸季衣
製作:コマブレス、60万回のトライ製作委員会
後援:日本ラグビーフットボール協会
協賛:ジェイ・スポーツ
配給:浦安ドキュメンタリーオフィス
 
朝鮮半島の北と南、日本──
3つの社会をつなぐ大切な存在
在日朝鮮人高校生の“いま”を映し出す

  
大阪生まれ、大阪育ち。見た目は日本人と変わらない。そんな彼らが通うのは大阪朝高(オーサカチョーコー)。高校ラグビーの激戦地で強豪校の仲間入りを果たし、日本一を目指して闘っている彼らの胸には、いったいどんな想いがあるのか? J-POPも、K-POPも、朝鮮の大衆歌謡もこよなく愛する、いまどきの彼らの素顔を描いたドキュメンタリー映画、ここに完成!
彼らが目指す「ノーサイド」(No Side)。ラグビーで試合が終了する時に使うことばだが、この言葉には国籍や民族を越えてお互いを讃え合うという精神が込められている。近隣情勢の緊迫化、ヘイトスピーチや高校授業料無償化の問題などに注目が集まる中、ひたむきにまっすぐに生きる彼らにとっての「ノーサイド」は一体何なのか?
 
本作は、ソウル出身の女性監督・朴思柔(ぱく・さゆ)が大阪朝高ラグビー部を3年間密着取材し、在日朝鮮人3世の朴敦史(ぱく・とんさ)が共同監督を務めた初の劇場公開向け作品となる。音楽は、前衛的かつ多彩な音楽活動で海外でも評価の高い大友良英。昨年、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の音楽を担当し脚光を浴びた。ナレーションは、朗読劇でも定評のある俳優の根岸季衣が務め、脇を固めている。
 
[公式サイト]
 

大阪朝鮮高級学校(大阪朝高)
1952年創立。所在地は東大阪市。大阪一円、広くは和歌山、奈良、三重から在日朝鮮人の生徒約350名が通う。ラグビー部をはじめ、全国区のスポーツ強豪校として知られている。しかし、ラグビー部が公式戦に参加することができるようになったのは1991年。創部から20年近くが経っていた。全国大会初出場は2003年。以来、着実に力をつけ、ベスト4を二度、ベスト8を一度経験している。
朝鮮学校の歴史は、日本の敗戦直後、日本に残ることになった朝鮮人が民族の言葉を学ぶため、「国語講習所」をつくったことに始まる。現在、全国に64校。近年、高校授業料無償化からの排除、自治体の補助金停止など、学校をとりまく日本社会の状況が生徒たちを脅かしている。

《料金》
一般1500円 学生・シニア1200円 高校生以下1000円
会員一般1200円 学生会員・シニア会員1000円
特別鑑賞券1000円(劇場窓口にて4/8まで販売)
*ラガー割
ラガーシャツ着用、もしくはラグビーボール持参のお客様は当日1000円


津軽三味線 高橋祐次郎
「祭爆 SAIBAKU」〜までぃに三味線奏でるべ〜

2013年8月2日(金)〜6日(火)

急遽決定 監督トーク 8月4日(日)11:00の回上映終了後
冨沢 満
1964年NHK函館放送局赴任。その後、NHKのドキュメンタリー畑を歩き続ける。主な作品に教養特集「五稜郭」「ある人生 605号室のカルテ」「人間列島 春昴丸の人々」「特集 天王寺界隈」「NHK特集 井伏鱒二の世界」「NHK特集 トンボに なりたかった少年」「ぐるっと 海道3万キロ~涙で書いたラブレター~」「NHKスペシャル 空海の風景」「地球に好奇心 アンデスに響く黒人音楽」など多数。著書に「僕のNHK物語~あるTVドキュメンタリストの追憶」がある。

「祭爆 SAIBAKU」
(2013/91分/HD)
企画:蘇秋月 監督:冨沢満
撮影:中野英世
録音:芝丕東、矢島隆太
プロデューサー:平林猛
製作:株式会社ボス
男、命を三筋の糸にかけて……
すべての人へ贈る、
感動のドキュメント

  
この映画は、その民謡の達人の厳しくも豊かな人生を追った人間記録です。
昭和9年生まれの祐次郎は多くの秋田民謡、郷土芸能「ささら舞」や村芝居などに触発され、その芸を目覚めさせました。
やがて昭和30年、出稼ぎで一旗揚げようと大工道具と三味線を持って高度経済成長入り口の東京へ。結局、彼は大工道具を捨て、民謡酒場の下足番になります。 そこで目を凝らし、プロの芸人たちの芸を盗み続けました。
やがて日本はもちろん世界70ヵ国に花開く祐次郎の津軽三味線の音と楽しい話術が人々を魅了することになりました。
撮影開始の2011年から彼が亡くなる2012年9月までの、この2年間の記録は、祐次郎の元気な日々、その奏でる見事な音曲の世界、稽古場を中心に次の時代へ伝える命と技と芸の燃焼を追ったものです。
そして、弟子たちと交わす愛情こもった言葉や表情を豊かに伝え、また、「祐次郎先生」「祐次郎師匠」「祐ちゃん」とさまざまな言葉で彼に親しんだ多くの人々の証言が、彼の魅力を多面的に語ってくれています。

若き日の高橋裕次郎(左から2人目)
民謡歌手を志して入店した民謡酒場「らんまん」で
昭和30年代前半撮影、東京・浅草

[公式サイト]
 

高橋祐次郎とは
昭和9年、秋田県仙北郡角館町(現:仙北市角館町)生まれ。子どもの頃から民謡の中で育つ。昭和30年、大工道具と三味線を携えて上京。浅草の国際劇場で三橋美智也のショーに感激し、民謡の世界に入る。民謡酒場で修行し、32年、日本民謡協会に入会。33年、浅草松竹演芸場にて初代浜田喜一一行に参加、初舞台。39年、民俗芸能団の一行でハワイにて6ヵ月公演。その後、民祐会を創立、アジア民俗芸能祭、海外公演などを行う。62年、津軽三味線合奏団を結成し、高橋祐次郎&KAZEとして、国内各地、海外にて公演。 また、TV、ラジオ、レコード他で活躍。平成24年9月永眠。享年78才。

《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員一般1300円 学生会員・シニア会員1000円


ドキュメンタリー「異国に生きる 日本の中のビルマ人」
2013年7月12日(金)〜16日(火)
誰のために、何のために、
遠い“異国”で生きるのか
自分には何がいちばん大切なのか――
東京で暮らすビルマ人青年の14年間の記録

 
「異国に生きる 日本の中のビルマ人」
(2012/100分/HD[ブルーレイ上映])
監督・製作:土井敏邦
撮影・編集:土井敏邦、横井朋広
整音:藤口諒太
写真撮影・デザイン:野田 雅也
配給:浦安ドキュメンタリーオフィス  
 
1991年、ビルマ(ミャンマー)軍事政権の弾圧を逃れ、家族を祖国に残したまま、政治難民として日本に渡ったビルマ人青年チョウチョウソー(チョウ)。生活のためにレストランで働きながら、祖国で封じられた民主化運動を続ける日々。数年後、妻ヌエヌエチョウとの再会が叶うと、日本でビルマ料理店をオープンし、2人での亡命生活が始まる。第三国タイでやっと実現した14年ぶりの老父との再会。しかしその後の父の死の報にも帰国は実現しなかった。
日本での滞在はすでに20年以上になり、暮らしも安定した。しかし、そこはチョウにとって将来の保障もなく、祖国に貢献する役割も担えない“異国”であり、“自分の居場所”ではない。「家族に会いたい」「祖国で暮らしたい」という願いと、“祖国の民主化運動”のためにその望郷の想いを捨てなければならないという思い。その狭間で揺れ、迷ってきたチョウは、今の祖国の「民主化」をどう捉え、その中でどう生きようとするのか…。
『沈黙を破る』(2009)、『”私”を生きる』(2010)
で注目を浴びた土井敏邦監督の最新作!

2009年度キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位に輝いた『沈黙を破る』、2012年度ベスト・テンで第2位を獲得した『“私”を生きる』の土井敏邦監督が、在日ビルマ青年を14年もの歳月をかけて追い続けた注目の最新作。
主人公チョウが愛する“国”とは “国家”なのか、“故郷”なのか、それとも“大切な人”なのか。彼の生き方を通して、「愛国心」の真の意味を震災後の日本社会に静かに問いかける。
 
[公式サイト]
 

トーク付き上映 7月14日(日)13:00の回上映終了後
  中尾恵子(日本ビルマ救援センター代表)
    ×
   箱田徹
(ビルマ情報ネットワーク・ディレクター)
 
中尾恵子(なかおけいこ)
日本ビルマ救援センター代表
日本ビルマ救援センターは20年以上にわたり、関西を拠点にタイ・ビルマ国境と日本国内のビルマ難民支援を行うNGO。中尾氏は90年代後半から活動に参加。優しく誠実な人柄からビルマ人の信頼も厚い。
 
箱田徹(はこだてつ)
ビルマ情報ネットワーク・ディレクター、立命館大学専門研究員
ビルマ情報ネットワークは、ビルマの抱える様々な問題をインターネットを使って日本語で紹介する情報系NGOで、箱田氏は大学時代から創設メンバーとして15年あまり活動を行う。東京ではアドヴォカシーに力を入れる。

ビルマ(ミャンマー)料理 7月13日(土)・14日(日)11:30ごろ〜
シネマカフェ・チェリー(神戸映画資料館内)
 
新長田のミャンマー料理店TeTe(テテ)さんのメニューを、2日間限定でご提供します。
通常よりミニサイズでお出ししますので、気軽にお楽しみください。
  ミャンマーカレー300円 モヒンガー(麺類)250円 サモサ(1ッ) 180円

《料金》
一般1500円 学生1300円 シニア・高校生以下1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円


篠崎誠監督最新作『あれから』 +特別上映『おかえり』
6月14日(金)〜25日(火)[水・木休館]
 
「あれから」Since Then
(2012/63分/HD[ブルーレイ上映])
原案・監督・脚本:篠崎誠
脚本:酒井善三 監督補:久保朝洋
撮影監督:山田達也
照明:玉川直人 録音:臼井勝
音楽:柳下美恵
プロデューサー:松田広子
製作:コムテッグ、映画美学校
配給:コムテッグ
 
出演:竹厚 綾、磯部泰宏、太田美恵、木村知貴、川瀬陽太、杉浦千鶴子、伊沢磨紀
公式サイト
 
あの時、真っ先に浮かんだのは、
あなたのことでした。

 
2011年3月11日。東日本を襲った大震災。その夜、東京郊外の靴屋に勤める祥子(竹厚綾)は被災地に暮らす恋人、正志(礒部泰宏)と連絡がつかずにいた。余震が続く中、ようやく通じた電話で、正志が大震災をきっかけに心のバランスを崩して入院したことを家族から知らされる。すぐに駆けつけたいとの申し出も、「これを機に別れた方があなたのためでもある」と断られてしまう。母亡きあと、祥子を気にかけてくれている叔母の直子(伊沢磨紀)も、「今は行かない方がいい」との意見だった。
容赦なく戻ってくる日常生活。同僚の真実(太田美恵)の結婚式も予定通り行なわれるという。
一見、いつもどおりの日々を送りながらも、彼への想いに“揺れる”祥子。そんなとき、いるはずのない正志が目の前に現れる…。
 
『おかえり』で商業映画監督デビューし、『忘れられぬ人々』(2000)、『東京島』(2010)などを手掛けてきた篠崎誠監督が映画美学校フィクション・コースとのコラボレーション作品として制作した新作映画『あれから』。東京で311を過ごした人が感じた被災地との距離、直後に訪れた非日常への不安、急速に静けさを取り戻して行く日常に対するとまどいは、共通の体験として胸に迫ります。主演はモデルとして活躍しながら、近年は女優としても注目される竹厚綾。綾野剛と共演した『孤独な惑星』(2011/監督:筒井武文)に次ぐ主演作となります。
誰もが体験する大切な人との時間が様々な手法で折り込まれ、何層もの「あれから」が浮かび上がります。
 
二日間、限定上映
『おかえり』
6月15日(土)・16日(日)
「おかえり」
(1995/99分/35mm)
監督:篠崎誠 脚本:篠崎誠、山村玲
撮影:古谷伸 照明:鈴木一博
録音:栗林豊彦 整音:本間喜美雄
製作:筒井武文、松田広子
製作:コムテッグ 配給:ビターズ・エンド
 
出演:寺島進、上村美穂、小松正一、青木富夫、諏訪太朗
国境を越えて感動を呼ぶ 篠崎誠の鮮烈なデビュー作
 
『おかえり』は誰もが潜在的に抱える孤独感や対象のない焦燥感、そしてそこにいつもつきまとう不安を乗り越えて、共に生きてゆこうとする夫婦の愛の物語である。そばにいるから通じ合うと信じ、疑うこともなかった二人の絆は、いつの間にか少しずつ音もたてずに崩れ、遠く離れて行く。確かに二人の愛は揺るぎないまま存在しているはずなのに…。
 
完全なインディペンデント作品として製作された『おかえり』は、全世界30ヶ所以上の映画祭で上映され、フランスでの劇場公開も見事に成功を収めた。
ベルリン国際映画祭・最優秀新人監督賞
モントリオール国際映画祭・新人監督グランプリ/国際映画批評家連盟賞
ほか
 

《料金》入れ替え制
[あれから]
一般1500円(一般のみ、「おかえり」の半券で200円割引)
学生・シニア1200円 会員1000円
 
[おかえり]
一律:1000円
*招待券のご利用不可


『ポッポー町の人々』&鈴木卓爾短篇集
5月18日(土)〜28日(火)[水・木休館]
 
山本政志プロデュース「シネマ☆インパクト」第一弾で製作された鈴木卓爾監督による長篇『ポッポー町の人々』を関西初上映。大地震の発生から1年後、ポッポー町の人々を通して、鈴木卓爾監督が新たなフィクションの在り方を問う野心作です。
初日5月18日、鈴木監督来館!
 
「ポッポー町の人々」
(2012/83分[決定版]/HD[ブルーレイ上映])
監督:鈴木卓爾
プロデューサー:山本政志
構成:鈴木クラス 受講生全員
制作担当:吉川正文 
助監督:加治屋彰人
撮影:鎌苅洋一 録音:島津未来介
記録:高尾憲子 編集:早野亮
美術協力:磯見俊裕
制作スタッフ:岡崎雅、鈴木徳至、荒 陸、向悠一、小林宏彰、広井砂希、白麗奈
出演:有元由妃乃、岡崎雅、小澤雄志、影山聡美、加納浩太、高麗靖子、高橋隆大、武田祐一、中鉢奈津美、長尾卓磨、長坂弘介、松下貞治、三輪江一、山田将大、諏訪敦彦
 
予告篇
 
[ストーリー]
2011年3月11日、日本で大地震が発生した。それから約1年、路面電車が行き交う東京のとある下町、ポッポー町に住む人々は、それぞれが自分の生活や人生、身の回りの小さな問題を抱えながら生きていた。その中で震災や原発事故といった大きな問題と自分たちなりの仕方で向き合っていくのだが、いよいよ2012年の3月11日を迎え、雑谷田の人々は、何かに導かれるようにして次なる一歩を踏み出していくのだった。
 
[鈴木卓爾監督のことば]
今回の企画を受けた時、「よし群像劇だ」と思った。制作者側が一切キャストを選ばず、自発的に参加した全13人の俳優と7人の制作志望者と共に、脚本もなく手探りで映画は作られた。物語の人物達が住む架空の町の名前を「ポッポー町」と名付けた。ポッポー町は日本中どこにでもあるような町で、この町の時間軸は2011年3月11日から一年後の未来だ。これは現実の撮影日でもあった。現実の響きを映像と音響に記録しつつ、どこまで我々のフィクションとグルーブが持ち堪え、ファンキーに弾めるか?が試された。
 

鈴木卓爾監督の新作『ポッポー町の人々』、とても気に入りました。雨の街頭がよい。路面電車がよい。薬屋と本屋がよい。とりわけ、どこか行き違った老若男女の出会いと別れが愉快でした。秀逸! ───蓮實重彦(映画評論家)

最近の日本映画は半径数メートル以内のことしか描かないというよくある批判を逆なでするように、鈴木卓爾は半径数メートル以内に社会の一切合財を見いだす。というか、昔からそうだった鈴木は、ご近所から一歩も出ることなく猫でも妖怪でも見つけてきては、とうとうその場にいながらにして迷子になる術まで発見してしまった。「3・11」の扱いをめぐっては異論もあろう。大いに結構。見てから談論風発、みんなでやりあえばよい。『ポッポー町の人々』は、そんな広場のような映画だ。 ───藤井仁子(映画評論家)

 
鈴木卓爾短篇集
ワンピース2012「喫茶 対岸の火事」(2012/10分)
監督:鈴木卓爾 撮影:鎌苅洋一 録音:黄永昌 編集:田巻源太 美術 : 稲川理香子、向悠一 制作:戸田幸延 
出演:久保山智夏、川口茂人、カノユースケ、大迫茂生、佐藤彩乃、文嶋ことり、安木一之、春原陽
監督コメント:意識も気持ちもまるでばらばらに存在する人々を1カットで撮ったらどうなるかという発想の元、戸田幸延氏のムービーワークショップで知り合った俳優さん達に、再度声をかけて集まってもらいました。喫茶店を作るのに苦労をしました。2012年2月撮影、ロケ地・笹塚
 
ワンピース2012「骨肉トライアングル~骨まで愛して」 (2012/9分)
監督:鈴木卓爾 撮影:鎌苅洋一 録音:黄永昌 編集:田巻源太 制作 : 神林理央子(ビー・ナチュラル)
助監督 : 稲川理香子、向悠一 ロケ地マネージメント : 強瀬誠(深谷フィルムコミッション)
出演:竹厚綾、礒部泰宏、宮崎達也、勇人、石坂友里、安藤多丘
監督コメント:1カットで過去と現在を同時並走させる。ワンピースで度々試みている手法を、サイコサスペンスの方向に向けてみました。ビーナチュラルの俳優さん達に参加してもらったところ、皆さんの若々しくも激しい身体性が前面に出て来ました。2012年2月撮影、ロケ地・深谷
 
ワンピース2012「計測少女百合1号」(2012/12分)
監督:鈴木卓爾 撮影:鎌苅洋一 録音:黄永昌 編集:田巻源太 美術:中嶋義明 制作 : 神林理央子(ビー・ナチュラル)
助監督 : 向悠一 ロケ地マネージメント : 強瀬誠(深谷フィルムコミッション)
出演:上原剛史、石坂友里、稲川理香子、勇人、礒部泰宏、宮崎達也、安藤多丘
監督コメント:今迄に作った事のないワンピースになりました。2012年2月撮影、ロケ地・深谷
 
ワンピース2012「鈴の音」(2012/8分)
監督:鈴木卓爾 撮影・録音:中瀬慧 編集:田巻源太
出演:唯野未歩子、宇野祥平、鈴木卓爾
監督コメント:最近、14年暮らした家を引き払いました。そこでは沢山の映画やワンピースを撮影しました。これがそこで撮影した最後のワンピースになりました。2011年12月撮影、ロケ地・登戸
 
「駄洒落が目に沁みる」ロングバージョン
(2011/8分)
監督:鈴木卓爾 撮影:鎌苅洋一 録音:川井崇満 整音 : 島津未来介 編集:菊井貴繁 音楽:松本龍之介
ロケ地マネージメント : 深谷フィルムコミッション
出演:廣田朋菜、土居伸彰、強瀬誠、加藤行宏、中嶋義明、鈴木卓爾
監督コメント:『ショートピース!仙台短篇映画祭』の菅原睦子さんから依頼を受けて、仙台短篇映画祭オムニバス映画『311明日』の一編として作った『駄洒落が目に沁みる』のロングバージョンです(『311明日』は全42篇の短篇から成ります。)。規定の3分11秒の尺に仕上げようとしたら収まらず、一度7分39秒で落ち着いた、それがこのバージョンです。電気と人との相克に荒れる惑星に住む、自転車修理屋の兄妹をとりまく人々を描いた、近似値未来SFです。隣の熊谷市で38度の記録を出した日に、猛暑の深谷市で撮影していて、みんな順番に熱中症にかかり遭難しかけました。その太陽からの思わぬ恩恵が出演者&スタッフに憑衣し、みんな気が狂ったようになって撮影しました。そういったものが映っているような気がします。2011年8月撮影、ロケ地・深谷
 
ワンピースとは「1シーン1カット固定画面、アフレコダビングなし」がルールの短篇制作企画。その新作4本に加え、仙台短篇映画祭制作プロジェクト、オムニバス映画『311 明日』のために作られた『駄洒落が目に沁みる』の特別ロングバージョンを上映。
 

《料金》入れ替え制
[ポッポー町の人々]
一般1300円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

 
[短篇集]
非会員:1000円 会員:900円


ドキュメンタリー「モバイルハウスのつくりかた」
2013年4月5日(金)〜9日(火)
建てない建築家・坂口恭平
初のドキュメンタリー

 
「モバイルハウスのつくりかた」
(2011/98分/HD[ブルーレイ上映])
製作:戸山創作所
配給:戸山創作所、スリーピン
監督・撮影・編集:本田孝義
整音:米山靖
音楽:あらかじめ決められた恋人たちへ「calling」
 
出演:坂口恭平、鈴木正三、船越ロビンソン、隈研吾、磯部涼
 
「建てない」建築家がいる。———名前は坂口恭平。
「0円ハウス」「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」といった著作で現代のライフスタイルに問いを投げかけ、故郷の熊本につくった“ゼロセンター”で新しい生き方を模索する。
坂口さんは早稲田大学建築学科在学中に路上生活者の家と出会い、家について、都市について、生活について根本的に考えることを始めた。
なぜ、建築家は巨大な建築物を建てるのだろう? なぜ、私たちは身の丈に合った巣のような家を建てることが出来ないのだろう?
数々の著作で路上生活者の生活をレポートしてきた坂口さんは、2010年11月、ついに初の建築作品“モバイルハウス”の製作にとりかかる。
 
僕の先生は多摩川のロビンソンクルーソー
 
坂口さんを手ほどきする「師匠」は多摩川の河川敷に長年暮らす“多摩川のロビンソンクルーソー”。材料はホームセンターで購入。しめて制作費26,000円。二畳の家に移動用のかわいい車輪付き。師匠の叱咤激励を受けてようやく完成、設置場所は吉祥寺の駐車場。多摩川から設置場所の吉祥寺に移動という前日、東日本大震災が起こった……。
住むとは? 暮らすとは? 生きるとは? ここには私たちが生きていくためのヒントがいっぱい詰まっています。
 
[公式サイト]
 

《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円


ドキュメンタリー映画
「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」
2013年3月8日(金)〜12日(火)

3月11日(月)・12日(火)11:00の回上映後 青池憲司監督、来館挨拶

3月11日(月)・12日(火)13:45〜 ─お茶会─青池監督を囲んで
場所:シネマカフェ・チェリー(神戸映画資料館内)
参加費:500円(コーヒーか紅茶+東北のお菓子付き)

「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」(2012/125分/HD[ブルーレイ上映])
編集:村本勝 撮影:一之瀬正史 録音:滝澤修 音楽:森拓治 語り:三國裕子
監督助手:尾崎日出夫 監督:青池憲司
 あの日、東日本太平洋沿岸の多くの学校が津波に襲われ、石巻市立門脇小学校も壊滅的な打撃を受けた。児童300名のうち7名が犠牲になり、校舎は津波と火災で使用不能、地域(校区)もそのほとんどが荒野と化した。
 4月、門脇小学校は、高台にある門脇中学校の一画に間借りして新学期を迎えた。そこには、震災と向き合うこどもたちの姿があった。
 3年生の授業「よみがえれ石巻」では、自分たちが住んでいた町をどんなふうに創りかえるか? 新たな災害に備えるにはどうすればいいか? こどもたちの奔放なアイディアあふれる授業は3学期まで続いた。
 地域では、生活とコミュニティの復興をめざして、住民と行政の意見交換会が始まり、いまも続いている。
 そして、・・・震災後の6月から門脇小学校にキャメラを据えて1年、この映画は、教室と地域、こどもとおとなの再生の日々を、石巻の四季とともに織り上げた作品である。
【映画「宮城からの報告」映画製作委員会より】
 東日本大震災直後すさまじい被害報道が流れる中で、わたし達は未来に向かって生きていかなければならない被災地の人びと、とりわけ子どもたちの〈現在・未来〉に焦点を当て、記録映画を製作しようと考えました。2012年5月、宮城県石巻市で映画製作委員会を発足させ、阪神淡路大震災を記録した青池憲司監督に映像記録づくりを依頼し、6月末から撮影を開始しました。そして、東日本大震災による災害の実態と人びとがそれに対しどう立ち向かっているのかという経緯を、子ども達・学校・地域の姿を通して約1年間200時間以上の撮影を行ってきました。
 これまで「予告編特報・わたしはここにいます~石巻・門脇小・夏~」(2011年10月完成・27分)と「学校証言篇・3月11日を生きて~石巻・門脇小・人びと・ことば~」(2012年2月完成・97分)を製作し、現在「学校証言篇」は、全国各地で公開中です。
 この度、約1年間の記録をまとめた作品である「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」が完成しました。当製作委員会は、県内はもとより全国からの製作支援金で映画製作しておりますので、皆様からの尚一層のご支援をお願いします。

青池憲司監督の主な作品
『日本幻野祭三里塚』、『合戦』東京都教育映画祭金賞、『ベンポスタ・子ども共和国』日本カトリック映画賞、『琵琶法師 山鹿良之』毎日映画コンクール・記録文化映画賞・文化庁優秀映画作品賞
【阪神大震災関連作品】
記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部(14時間38分)  
『阪神大震災 再生の日々を生きる』(2時間36分)

【東日本大震災関連作品】
『3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜』
『津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録』

青池組@宮城応援ページ

《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円 高校生以下500円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


新作ロードショー「空の境界(くうのきょうかい)
2013年2月22日(金)〜26日(火)

愛を知る為に真実を受け入れる。
誰しもが“境界”を超えて強くなる。

 
「空の境界」
(2013/92分/HD[ブルーレイ上映])
監督:堀江慶 監修:松本明 原案・心理学監修:藏本天外
脚本:堀江慶、井土紀州 音楽:三枝伸太郎
撮影:ふじもと光明
製作:[空の境界]製作委員会
配給:横田佳代子事務所、セントラルメディアプロモート
 
出演:河北麻友子、藏本天外、井上正大、伊藤かずえ、あめくみちこ、永澤敏矢、工藤綾乃、牧田哲也
 
県立水泳競技場の事務職員として働いている澤村悠子(河北麻友子)は、ジュニア時代、有望な飛び込み選手であったが、8年前から飛び込みが出来なくなる。ある日、悠子は恋人の笹原聡(牧田哲也)からプロポーズされるが踏み切れない。そんな中、悠子はメンタリストである「響翔(藏本天外)」の講演会に足を運び、カウンセリングを受ける事に。飛び込みが出来なくなった事、そして結婚に踏み切れない事は8年前に悠子に起こった事件がトラウマとなっての事だった……。
 
急増する精神的トラブル(うつ、虐待、いじめ、自殺、トラウマ、アダルトチルドレン等)に答えを見出せない現代社会──。
現役メンタリスト(心理カウンセラー)の実体験をドラマ化した野心作。
 
[公式サイト]
 

《料金》
一般1500円 学生1300円 シニア1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円


福間健二監督最新作「あるいは佐々木ユキ」
2013年2月15日(金)〜19日(火)

もうすこし歩いて
もうすこしへんになってみる。

 
「あるいは佐々木ユキ」
A Fairy Tale(2013/79分/HD[ブルーレイ上映])
製作・配給:tough mama
製作:福間恵子
監督・脚本:福間健二
撮影:鈴木一博 編集:秦岳志
音響設計:小川武
出演:小原早織、吉野晶、千石英世、文月悠光、川野真樹子、籾木芳仁、萩原亮介、川島加奈代
 
2011年、詩集『青い家』で萩原朔太郎賞と藤村記念歴程賞をW受賞した詩人であり、1995年『急にたどりついてしまう』、2008年『岡山の娘』、2011年『わたしたちの夏』と、精力的に映画づくりに取り組んできた福間健二の新作。
 
20歳の女の子、佐々木ユキの夢と現実を、インタビュー、詩、ダンスをふくむ斬新な構成によってとらえる。ユキは、その分身的存在や彼女を見守る人物たちと出会い、別れ、次のステップへと向かう。アゴタ・クリストフ、アンデルセン、文月悠光、そして「青い家」をはじめとする福間健二の詩を盛り込んだ、アイドル・コミック・ポエトリーファンタジー。21世紀の妖精物語。
主役の佐々木ユキには、『わたしたちの夏』のサキ役で注目を浴びた小原早織。
吉野晶、千石英世、川野真樹子の、『わたしたちの夏』のメンバーに加えて、詩人文月悠光も出演。主要スタッフは、『わたしたちの夏』につづいて、撮影・鈴木一博、編集・秦岳志、音響設計・小川武。福間健二のあらたな冒険をささえている。
 

2月16日(土)18:30の回上映前 福間健二監督による詩の朗読

2月17日(日)16:15〜
トークイベント《詩から映画までを生きる》 福間健二 × 細見和之
 
 ぼくは、詩を書き、映画をつくっている。青春期を送った1960年代後半にこの二つの魅惑につかまり、そこから紆余曲折した人生の迷路の先にそういうことになった。
 長い物語であるが、ぼくはそれを自分だけの物語だとは考えていない。
 ふつうは、詩は自分ひとりで書き、映画はスタッフ・キャストとの共同作業でつくっているという違いがある。
 自分で写真を撮ることの延長のように映画をつくる、いわゆる個人映画という領域もあるが、ぼくの場合、規模は小さくても、スタッフ・キャストとつくるやり方にこだわっている。理由のひとつは、創作の過程で他者に出会っていたいということ。もうひとつは、たくさんの名作のならぶ映画史を意識した表現をつくりたいということだ。
 四本の長篇映画をつくったいま、詩と映画で、別のことをやっているという意識は次第に薄らいできたけれど、それは意識の上でそうだということであり、実際にやることはちがう。映画には、机の上で原稿を書いているのとはちがう体の使い方が必要だ。言葉も、そこでは、紙のページに印刷して読んでもらうのとはちがうものになる。
 詩から映画までを生きる。大きく言えば、どんなジャンルにおいても、そのことが必要なのだとぼくは思っている。そして、詩と映画のあいだにおこるフィードバックから、詩についても映画についても新しいヴィジョンが生まれる。そのことを語りたい。
                                     ――――福間健二
 
ゲスト:細見和之
大阪府立大学人間社会学部教授、詩人。主な著書に『アドルノ』(講談社)、『アドルノの場所』『ポップミュージックで社会科』(みすず葛房)、『「戦後」の思想――カントからハーバーマスへ』(白水社)、『永山則夫――ある表現者の使命』(河出書房新社)、『アイデンティティ/他者性』『言葉と記憶』『ベンヤミン「言語一般および人間の言語について」を読む』『ディアスポラを生きる詩人 金時鐘』(岩波書店)、『「戦後」の思想』(白水社)、『永山則夫』(河出書房新社)。主な詩集に『言葉の岸』(思潮社)『ホッチキス』(書肆山田)『家族の午後』(澪標)などがある。

福間健二 監督・脚本
1949年、新潟県生まれ。都立大学在学中に16ミリ作品『青春伝説序論』を高間賢治の撮影で監督する。同時に詩を書きはじめ、現代イギリス詩の研究者としての道を歩みながら、詩と映画への情熱を燃やしつづける。首都大学東京教授。
95年、劇場映画第一作『急にたどりついてしまう』を発表。08年には『岡山の娘』、11年に『わたしたちの夏』を発表し、若い世代の映画作家・批評家たちから熱い支持を受ける。詩論集に『詩は生きている』(05/五柳書院)。詩集に『きみたちは美人だ』(92/ワイズ出版)、『旧世界』(94)、現代詩文庫版『福間健二詩集』(99)、『秋の理由』(00)、『侵入し、通過してゆく』(05/以上、思潮社)など。2011年7月に出した新詩集『青い家』(思潮社)で第19回萩原朔太郎賞と第49回藤村記念歴程賞をW受賞。映画関係の本として、『石井輝男映画魂』(92/ワイズ出版)、『大ヤクザ映画読本』(93、山﨑幹夫との共編著/洋泉社)、『ピンク・ヌーヴェルヴァーグ』(96/ワイズ出版)などがある。

[公式ブログ]
[公式ツイッター]
[フェイスブック あるいは佐々木ユキページ]
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
トークイベント1000円

*ポエトリー割引:詩集ご提示で映画鑑賞一般料金を200円引き


新作ドキュメンタリー「二つの祖国で 日系陸軍情報部」
第25回東京国際映画祭 公式出品
2012年12月29日(土)〜2013年1月22日(火)
*12月31日・1月1日は休映。
*水・木休館(ただし1月2日(水)・3日(木)は特別開館)
初日29日(土)13:00の回上映前
すずきじゅんいち監督舞台挨拶

 
日米両国で差別された日系二世。
太平洋戦争に翻弄され、
そして…
兄弟が敵味方に分かれて戦った──

 
「二つの祖国で 日系陸軍情報部」
MIS ─ Human Secret Weapon
(2012/日米合作/100分/HD[ブルーレイ上映])
製作:MISフィルムパートナーズ(ワック、UTB、NTTラーニングシステム、かねふくアメリカ、米国日本ハム)
制作:UTB、ワック 配給:フィルムヴォイス
企画・脚本・監督:すずきじゅんいち
音楽:喜多郎 撮影監督:小渕将史
編集:水原徹 録音:宮武亜伊
 
日系陸軍情報部は、日系人二世で構成された米国の秘密情報機関=MIS(ミリタリーインテリジェンスサービス)で、国家の最高機密として極秘にされた歴史を持つ。本作は元MIS日系兵士たちが活動した戦前から戦後を通して、今まで隠されていた歴史を解き明かす重要な証言集である。
米国国籍を持ちながら、人種差別を乗り越えて、父母の国・日本と戦う運命を受け入れた日系二世。長い沈黙を破り、二つの祖国への想いを語り始める…。
すずきじゅんいち監督、渾身の日系史ドキュメンタリー三部作がいよいよ完結!
 
[公式サイト]
 

《料金》
【当日券】
一般1800円 学生1500円 高校生以下・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

 
【特別割引価格】
「東洋宮武が覗いた時代」あるいは「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」の半券提示
一般1500円 学生1200円


ドキュメンタリー映画 「鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言」
2012年12月1日(土)〜4日(火)

法隆寺昭和の大修理の最初から携わり、金堂・五重塔が完成するまで棟梁として修理に従事し、薬師寺金堂を復興した宮大工として有名な故・西岡常一(1908-1994)。その発言を中心に、その教えを現在に受け継ぐ若き棟梁の姿などを盛り込み完成したドキュメンタリー。今年2月に公開され、大ヒットにより全国60数館に拡大公開された。
神戸映画資料館では西岡常一生誕100年を記念し、2008年9月に宮大工志望者向けの「西岡常一 社寺建築講座」4部作を上映したが、『鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言』は劇場公開を前提とした作品である。今回の上映は、神戸出身の山崎佑次監督による本年の上映の締めくくりの意味を込めている。
西岡常一の教えを受けた宮大工の石井浩司氏と山崎佑次監督とのトークも聞き逃せない。

12月1日(土)14:40〜
トーク:石井浩司(薬師寺宮大工) × 山崎佑次(監督)
石井浩司=薬師寺中門建設より西岡常一棟梁に師事。現在、東塔解体修理に参加中。

「鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言」(2011/88分/HD[ブルーレイ上映])
製作:『鬼に訊け』製作委員会 配給:太秦
監督:山崎佑次 音楽:佐原一哉 撮影:多田修平 編集:今岡裕之 録音:平口聡 タイトル:上浦智宏
聞き手:青山茂(帝塚山短大名誉教授)、中山章(建築家)、山崎佑次
出演:西岡常一、西岡太郎、石井浩司、速水浩、安田暎胤(薬師寺長老)
ナレーター:石橋蓮司
 
そんなことしたら木が泣きよります
西岡家の床の間には今でも「不東」と書かれた軸が掛けられている。玄奘三蔵法師が経典を求めてインドに旅立、途中で危険な西方に行くのを諌められた時、「志を遂げるまで唐には帰らない」と自らに誓った言葉である。同時に法隆寺の昭和の大修理、薬師寺白鳳伽藍復興工事に携わった西岡常一が終生大事にした言葉でもある。
 
西岡常一、明治41年奈良県生まれ。木のいのちを生かし千年の建物を構築する。戦争による幾度かの応召を挟み、法輪寺三重塔、薬師寺金堂・西塔の再建を棟梁として手がけ、飛鳥時代から受け継がれていた寺院建築の技術を後世に伝え、「最後の宮大工」と称せられる。平成7年没。
技術の伝承、とりわけ宮大工の奥儀は、言葉ではなく体で覚えるもの、技術は盗むものといわれ長い時間をかけ、厳しい修練の後にごく一握りの者だけが獲得できるものである。しかし、西岡は宮大工の経験と技術、研ぎ澄まされた感覚を若い人たちに最後の力を振り絞り、残された時間と戦いながらあえて言葉で伝えようとしていた。西岡が言葉に託したものは、技術の取得の領域をはるかに超え、我々日本人の失ったものに対する警鐘と回帰ではなかったのではないか。西岡の言葉である「飛鳥に帰れ」とは、永遠なるものへの思いにほかならない。
 
「千年の檜には千年のいのちがあります。建てるからには建物のいのちを第一に考えなければならんわけです。風雪に耐えて立つ―それが建築の本来の姿やないですか。木は大自然が育てたいのちです。千年も千五百年も山で生き続けてきた、そのいのちを建物に生かす。それがわたしら宮大工の務めです」と西岡は言う。木は鉄を凌駕する、速さと量だけを競う模倣だけの技術とは根本的に異なる日本人のいにしえの叡智、そして自然への洞察、千年先へいのちを繋いでゆくという途方もない時間へ執念が、所縁ある人々へのインタビューから浮かび上がってくる…。
 
西岡の「永遠なるものへの想い」、「木との対話」を記録した本作は、我々が顧みることのなくなった根源的な日本人の有り方に再び目を向け、心の復興を願う「祈り」のドキュメンタリー映画だ。
 

西岡常一が関わった建築
「法隆寺三経院」及び「西室」(国宝) 「法隆寺東院礼堂」(重要文化財)
「法隆寺大講堂」(国宝) 「法隆寺東院舎利殿」及び「絵殿」(重要文化財)
「法隆寺東院伝法堂」(国宝) 「法隆寺金堂」(国宝) 「法隆寺五重塔」(国宝)
「法隆寺東室」(国宝) 「明王院本堂」(国宝) 「明王院五重塔」(国宝)
「法隆寺中院本堂」(重要文化財) 「唐招提寺講堂」(国宝)
「法輪寺三重塔」(旧国宝、焼失のため新築再建) 「薬師寺金堂」
「薬師寺西塔」 「玄奘三蔵院伽藍」

山崎佑次
大島渚の『東京戰争戦後秘話 』(1970)『愛の亡霊』(1978)、黒木和雄の『日本の悪霊』(1970)の助監督を務め、金井勝の『無人列島』(1969)『GOOD-BYE』(1971)の美術に携わる。ドキュメンタリー映画『アイヌ・シタッピリ』(1972)『反国家宣言 非日本列島地図完成のためのノート』(1972)を監督。その後、大阪で製作プロダクション(サンクラフト)を立ち上げテレビ番組やPR映画づくりを行う。現在は神戸に住み著述家兼映画監督として活動中。主な著書に「宮大工西岡常一の遺言」(彰国社)、「李朝白磁のふるさとを歩く」 (洋泉社)、「還暦をすぎて始めた骨董露天商という生き方 」(宝島社)、「すかたん」(神戸新聞総合出版センター、11月刊)。

公式サイト

《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

トークイベント 1000円(映画半券持参の方は700円)


急遽上映決定!「子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実」
2012年11月24日(土)〜30日(金)[水・木曜日休館]

 
噂のアダルトメーカーの大ヒット作品
「女体拷問研究所」シリーズが遂に映画化!
全ての女性に捧げる愛とファンタジー。

 
 
「子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実」
(2012/84分/XDCAM[ブルーレイ上映])R18+
STUDIO GREAT HOPE 作品
配給:STUDIO GREAT HOPE +生駒隆始
監督:Koolong
プロデューサー:生駒隆始、SHIN-ICHI
脚本:淵井正文、SHIN-ICHI
撮影:渡辺厚人 音楽:石山理
出演:飛坂光輝、江波由実子、姫川亜由美、塩入正章、大塚真弓、木内あきら、村野武範
 
女性に対してトラウマを持つ主人公テツヲ。そんな彼の前に、突然現れた女捜査官・鈴と女体拷問研究所の所員達。テツヲは「愛する」ことが出来ない。愛が生まれそうになると身体が拒絶してしまうから……。
AVスタッフ&キャストと映画スタッフが本格的なチームを組んで製作、女体オーガズムAV作品の鬼才Koolongが映画監督に初挑戦。これまでありそうでなかった注目の青春エロス作品だ。
 
[公式サイト]
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。