プログラムPROGRAM

新作

全篇新長田ロケ 「ペデストリアンデッキの対話」初公開
2012年11月2日(金)~6日(火)
神戸映画資料館は、2008年より未来の映像文化の担い手を育成することを目的とした「神戸映画ワークショップ」を開講し、その一環として若手監督を招いて映画製作にも取り組んでいます。
『ペデストリアンデッキの対話』は、『MISSING』(監督:佐藤央)に続く第二弾。全篇新長田ロケでつづる現代の不条理悲喜劇の誕生です。
 
初日の上映終了後、唐津正樹監督の舞台挨拶を予定しています。
  
「ペデストリアンデッキの対話」
(2012/50分/HD[ブルーレイ上映])
製作:神戸映画資料館 
監督・脚本:唐津正樹
撮影・照明:岡山佳弘 
録音:中島雄介 美術:塩川節子 
制作:佐藤麻衣子 助監督:大岸智博
音楽:山川亜紀
出演:丹羽実麻子、田邊正和、岩谷美花、谷五郎 ほか
 
取り立てて目立った人生を送ってこなかった千田は、ふと「自分の店」を持ちたいと思い、不動産屋で働く奥村に協力を仰ぐ。テナントの入居契約を取り付けた千田だったが、想像のみで決意した出店に途方もない現実を見る。それから2人は多少ちぐはぐながらも、出店への可能性をさぐるが…。
  

唐津正樹
1979 年京都生まれ。大阪電気通信大学在学時に大森一樹監督の研究室で映画を学ぶ。卒業後、インターネットTV 会社勤務、一年間で40 本近くの映像を制作&配信。神戸ビエンナーレ(2007/2009 年)やハーバーランドFamilio 内イベントにおいて過去に映像制作&記録を担当。また新長田神戸映画資料館で2008 年より4 度にわたるワークショップのおいて講師を務める。現在は京都にあるKyotoDU においてパナソニック映像機器のコーディネート業務に従事。

試写会でお寄せいただいたご感想
自分が知っている街並みがロケ地だったのもあって、凄く親しみやすい作品だなと思いました。今の自分にピッタリな内容。(20才・女性)
 
常に不穏な空気に満ちている点が良かった。それは街の印象にもつながる。出ている登場人物もまともだと思っていた人が少しずつズレている印象。(38才・男性)
 
なんなんでしょう このジャンル……。コメディのような社会派のような人間ドラマのような。なんなんでしょう……(51才・女性)
 
私も、やりたい事がたくさんあるにも関わらず空回りしたり、体力的にも精神的にも疲れたりとか、やるせない事があります。周りの気持ちを考えられなくなったり、突っ走ってしまったりと、そういうところが色々と気づかされるような作品だったんじゃないかなと。(18才・女性)
 
ひとことで言って荒けずりな作品だなと。けっして悪い意味だけでは無いんで評価がムズカシイんですが…。(34才・男性)
 
現代の若者の不安と無気味さを感じさせる。(62才・女性)
 
おもしろい題材だと思うが、描ききれていたのかどうか。(29才・男性)
 
生きる事に自信のない人間のなさけなさ。やはり、目的をしっかり持って生きなければいけない事が判りました。(79才・女性)
 
訳がわからん。単なる若者の行動ととらえることもできず消化不良です。(20才・女性)
 
OLさんの心の動きがよめました。その後の起業の様子を知りたいです。(65才・女性)
 
不思議な作品。屈折した世相を映し出しているか。(55才・男性)
 
続きがすごく気になります。予想外のラストでした。でも、とてもリアルで説得力があります。(女性)
 
主人公と相手役の心の「かっとう」が上手く表現できていた。(男性)

《料金》
特別鑑賞券(ドリンク&お菓子付き)1000円
映画のみ 700円
※学生、および神戸映画資料館会員は上記価格の200円引きにてご鑑賞頂けます。


新作ドキュメンタリー「ほかいびと 伊那の井月(せいげつ)
     同時上映:「神屋原の馬」+「海南小記序説・アカマタの歌
 ─西表島・古見─
2012年8月10日(金)~14日(火)
北村皆雄監督の新作『ほかいびと』の公開にあわせ、映像民俗学の重要作である『神屋原(カベール)の馬』と『海南小記序説・アカマタの歌 ─西表島・古見─』を上映します。

  芥川龍之介に見いだされ、
  山頭火に慕われ、
  つげ義春が漫画に描いた
  井月(せいげつ)
 
  野垂れ死の終末への〈物言わぬ沈黙〉の
        盛り上がりに感銘しました
            ───俳人・金子兜太
 
「ほかいびと 伊那の井月(せいげつ)(2011/119分/ブルーレイ)
製作:一般社団法人井上井月顕彰会、ヴィジュアルフォークロア
監督:北村皆雄 撮影:高橋愼二、金沢裕司、明石太郎、北村皆雄、櫻庭美保、石曽根志季子
美術:北澤一伯 音楽:一柳慧
 
主演:田中泯 語り:樹木希林
 
井月愛好の伊那人が80年かけて集めた1800の句、逸話、日記の断片、聞き書きにもとづいた
ドキュメント&フィクション。
4年の歳月をかけて、井月の謎の生涯を明らかにする。
 
幕末、一人の男が3000m級の山々の裾に広がる伊那谷にやってきた。俳諧師と名乗る以外、一切自分のことは語らなかった。彼が村人に受け入れられるようになるのは、人々の苦しみ、悲しみ、喜びに寄り添って句を詠むことにある。正月、雪、子供の節句、花見、お蚕様、葬式、お盆、紅葉など、四季の風景と行事に合わせ、井月を登場させ再現風に描く。井月を演ずる田中泯は、井月ゆかりの場所や家を訪ね、井月の沈黙の奥に何があるかを演ずることになる。
幕末から明治という時代の大きな波が井月を覆う。明治維新の戊辰戦争では故郷長岡の壊滅に、伊那の高遠藩士も参加した。風雅の道を夢見る井月は故郷を見捨てた。井月の葛藤。明治になって新しく戸籍法ができ、神仏分離令で無住のお堂が壊され、井月のような放浪者は暮らしにくくなった。伊那に侍姿で登場した井月も晩年は、乞食井月とさげずまれ、子供にも石を投げられるような惨めな姿になった。師走、伊那の火山(ひやま)峠で野垂死に同然で発見された井月は、2か月後、遺句を残して死んでいった。明治という時代が追いやった死である。

井上井月(いのうえ・せいげつ)
ふらりとやってきた漂泊の俳人、井月。幕末から明治にかけて、伊那谷をおよそ三十年放浪した男。家もない、家族もない、ここに一泊、あそこに二泊と一所不在を貫く。
井月は伊那の自然、風土、生活を詠う。訪れる家を寿ぎ、死者への追悼句を捧げる。
乞食井月、一宿一飯のお礼にと句を置いて去る姿は、日本古来の「ほかいびと〈寿・祝人〉」を思わせる。

 
同時上映(2本立て)
「神屋原
(カベール)の馬」
(1969/28分/DV上映[原版16mm])
製作・演出:北村皆雄
脚本:赤羽敬夫、河手禎、北村皆雄
撮影:市川雅啓 編集:金沢信二郎
音楽:小杉武久 制作:集団眼
出演:内間秀子、内間豊三、内間マック
語り:北林谷栄
北村皆雄24歳の1966年、琉球王朝の聖地・久高島で十二年に一度午年に行われる神事「イザイホー」を記録すべく、友人に借りた16mmカメラのボレックスを持ち、カメラマンと二人でアメリカ統治下の沖縄へ渡った。3年後の1969年に再び久高島を訪れ追加撮影してまとめ上げた作品。
久高島北端のカベール岬は、琉球神話で沖縄の祖神が初めて降り立ったと言われる場所。島の始祖神話、オナリ神信仰、御嶽、風葬などを、島の老女(語り:北林谷栄)が沖縄口と日本語を交えて語る。
「海南小記序説・アカマタの歌
  ─西表島・古見─」

2006年新編集版
(1973/81分/DV上映[原版16mm])
製作構成:北村皆雄、松村修、三上豊、小川克巳、深元敬、内藤陽子
撮影:柳瀬裕史 制作:夜行鬼
作曲:上地昇
演奏:鈴木和子、竹脇仁美、定成庸二、上地昇
語部:鈴木瑞穂
 
沖縄の島々の中で写真撮影や映像記録を許さない秘儀が二つある。一つは宮古島諸島でおこなわれている「祖神祭」、もう一つは八重山諸島に残っている通称「アカマタ・クロマタ」と呼ばれる祭りである。
沖縄、西表島の古見に残る豊年祭はアカマタと呼ばれ、よそ者が見ることも撮影することも禁じられている。島に乗り込んだスタッフは村入に近づこうとするうちに彼らの生活かアカマタを中心にして展開していることを発見する。結局、秘儀そのものを画面に捉えることことは出来ないが、彼らの内面、生活、人生にいたるまでがアカマタに支配され、そのタブー性が画面に浮かび上がってくる。北村は自らが撮影・製作したものの、30年間封印していた映画で、ようやく一般の眼にも触れることが出来るようになった。

北村皆雄(きたむら・みなお)
1942年伊那市生まれ。早稲田大学卒業と同時に記録映画、TVドキュメンタリーの監督として活動。78年「日本映像民俗学の会」を野田真吉らと設立。81年ヴィジュアルフォークロア設立し、NHK、TV朝日、TBSなど多数のテレビドキュメンタリー番組を製作。上映作品としては『神屋原の馬』『アカマタの歌』のほかに『見世物小屋』(97)『修験 羽黒山・秋の峰』(05)が知られている。
ヴィジュアルフォークロア作品一覧

《料金》
1プログラムあたり
一般1700円 学生・シニア1300円
会員1300円 学生会員・シニア会員1000円


セット券(「ほかいびと」+「神屋原の馬」+「アカマタの歌」)
一般2500円 学生・シニア2000円
会員2000円 学生会員・シニア会員1700円


ドキュメンタリー映画 東日本大震災を記憶する証言集・学校篇
「3月11日を生きて 〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜」
2012年7月20日(金)〜24日(火)

7月21日(土)14:40〜(13:00の回上映終了後) 参加無料・要当日の映画鑑賞券
トーク:青池憲司監督
21日は各回上映前に監督挨拶がございます。

「3月11日を生きて 〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜」(2012/97分/DV)
監督:青池憲司  撮影:一之瀬正史 編集:村本勝
録音:滝澤修 音楽:森拓治 語り:三國裕子 監督助手:尾崎日出夫
製作:『宮城からの報告 〜こども・学校・地域〜』製作委員会
 
2011年3月11日、東日本の太平洋岸一帯を襲った大津波は、宮城県石巻市にも大きな災厄をもたらしました。被害を受けた人びとは、その体験をどのように語り、伝えるのか。ことばは、そのとき、どんな力を持つのか。
この映画は、津波と火災で壊滅的な被害を受けた、石巻市立門脇小学校の児童・教師・保護者が、かつて体験したことのない大地の揺れと、迫りくる大津波の危機を乗り越えて生きた約16時間(11日午後2時46分から12日朝まで)を、37人の「ことば」=証言で紡いだ作品です。

青池憲司監督からのメッセージ
あの圧倒的な津波の被害に立ち向かうには何をもってすればよいのか。それは「ことば」だ、と被災地の人びとはいいます。「おとなもこどもも、自分の体験をことばにすること、それを繰り返し語ること。それがたいせつ。とてもつらいけど」。この映画は、小学生から高齢者まで、人びとが語る「ことば」で3月11日をみつめました。阪神大震災被災地のみなさんには、その「ことば」を聴きとり、観とっていただければと思います。
 
主な作品
『日本幻野祭三里塚』、『合戦』東京都教育映画祭金賞、『ベンポスタ・子ども共和国』日本カトリック映画賞、『琵琶法師 山鹿良之』毎日映画コンクール・記録文化映画賞・文化庁優秀映画作品賞
【阪神大震災関連作品】
記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部(14時間38分)  
『阪神大震災 再生の日々を生きる』(2時間36分)
【東日本大震災関連作品】
『3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜』
『タイトル未定作品』(2012年4月撮影終了)2012年8月完成予定
石巻市立門脇小学校児童の震災後の授業を中心に、学校、家庭、地域の人びとが、困難を克服し、再生していく道のりを見つめる長編ドキュメンタリー映画。

青池組@宮城応援ページ

《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円 高校生以下500円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


ハードゴア・スリラー「セルビアン・フィルム」
2012年6月8日(金)〜12日(火)19:00〜

 
世界中の映画祭が狂乱し、騒然となった! 
ここにノーカット版が日本、解禁!!!!!

 
 
「セルビアン・フィルム」A SERBIAN FILM
(セルビア/2010/104分/ブルーレイ上映)
配給:エクリプス
監督・脚本:スルディアン・スパソイエヴィッチ
主演:スルディアン・トドロヴィッチ、スルディアン・スパソイエヴィッチ、セルゲイ・トリフュノヴィッチ、エレナ・ガブリロヴィッチ
 
*20歳未満の方はご覧いただけません。
 
 
ミロシュは元ポルノ男優のスター。現役の頃は幾多の女優をイカせ続けたが、今は引退し、美人妻と幼い息子を愛する平凡な家庭人になっていた。そんな彼の元に、昔なじみの女優から呼び出され、俳優の仕事をやらないかと誘われる。その仕事とは、外国市場向けの大掛かりなポルノ映画であり、かなりのギャラがもらえるという。何か怪しそうな感じではあるが、収入に困っていたミロシュは、その話に興味を持った。
高級車のお迎えが来て、ある大豪邸に連れて行かれる。その豪邸から謎の男が登場する。ヴィクミルと名乗る男は、ミロシュを絶賛しながら、こんな話を始める。「私には大金持ちのクライアントがいて、彼らの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画を撮りたい。そのためには貴方の出演が絶対なのだ!」と。具体的な内容の話もなく、ミロスは高額な報酬に釣られ契約書にサインしてしまう。これが、悪夢と狂気な世界への入り口であった・・・・。
 
公式サイト
 
ドイツ ミュンヘン 国際批評家連盟2010 脚本賞
セルビア ヴルニャツカ・バニャ映画祭 2010 脚本賞
モントリオール ファンタジア映画祭 2010 新人賞
モントリオール ファンタジア映画祭 2010 観客賞(ヨーロッパ映画部門)金賞
モントリオール ファンタジア映画祭 2010 観客賞(革新的映画部門)金賞
アメリカ サウス・バイ・サウスウェスト映画祭正式招待作品
ベルギー ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭正式招待作品
エストニア ハープサル ホラー・ファンタジー映画祭正式招待作品
セルビア ノヴィ・サド映画祭正式招待作品
アメリカ アナザー・ホール・イン・ザ・ヘッド映画祭正式招待作品
カナダ モントリオール ファンタジア映画祭正式招待作品
韓国 釜山国際映画祭正式招待作品
イギリス ロンドン・フライトフェスト映画祭正式招待作品
フランス エトランジェ映画祭正式招待作品
ギリシャ アテネ国際映画祭正式招待作品
ドイツ ハンブルグ国際映画祭正式招待作品
イギリス レインダンス映画祭正式招待作品
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1300円 学生会員・シニア会員1200円

*20歳未満の方はご覧いただけません。


ドキュメンタリー映画「“私”を生きる」
2012年3月30日(金)〜4月10日(火)[水・木休館]

 
 
  いま学校で、
 
  そして日本で
  何が起きているのか?
 
  “教育現場での言論と思想の統制” に抗う
  3人の教師たちの姿をみつめる
 
 
 
 
 
 

   4月1日(日)13時40分の回終了後 トークイベント 土肥信雄さん(出演者)
        (参加無料/要当日鑑賞チケット/13:40の回鑑賞者が優先)

 
「“私”を生きる」(2010/138分/DV)
監督・撮影・編集:土井 敏邦  編集協力:(株)らくだスタジオ・森内 康弘
製作:「”私”を生きる」制作実行委員会  配給・宣伝:浦安ドキュメンタリーオフィス、スリーピン
 
山形国際ドキュメンタリー映画祭2011 出品
  
[公式サイト]
 
近年、教育現場では教師たちの言論が厳しく統制され、卒業式・入学式では 「日の丸・君が代」が強制されているが、それらの「教育統制」の巨大な流れに毅然と抗い、“教育現場での自由と民主主義”を守るため、弾圧と闘いながら “私”を貫く教師たちがいる。
 「自分に嘘をつきたくない。生徒に嘘をつきたくない」
  ―― 根津 公子(元中学校教員・家庭科)
 
 「炭鉱の危険を知らせるカナリヤの役割を担いたい」
  ―― 佐藤美和子(小学校教員・音楽専科)
 
 「今言わなければ後悔する。その後悔だけはしたくない」
  ―― 土肥 信雄(元三鷹高校校長)
2011年11月の大阪市長選で橋下徹前知事が当選するなか、11月28日には 出演者のひとり、根津公子さんの君が代不起立による停職処分取消訴訟の最高 裁弁論が行なわれ、その最高裁判決が2012年1月16日に、そして1月30日 には同じく出演者の土肥信雄元都立三鷹高校校長の非常勤教員採用拒否訴訟の 地裁判決が予定されており、その動向が注目されている。彼らの真摯な思いは、 果たして行政を、教育を動かすことができるのか。3人の今後に目が離せない。

  これは「教育」問題や「日の丸・君が代」問題を論じるドキュメンタリーではない。
  日本社会の“右傾化” “戦前への回帰” に抵抗し、“自分が自分であり続ける” ために
  凛として闘う、3人の教師たちの “生き様”の記録である。
                                    土井敏邦

《料金》
当日
一般1500円 学生・シニア1000円 高校生以下800円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


関西初上陸「死ね!死ね!シネマ」
2012年2月10日(金)〜14日(火)

       映画は確実にそして無残に人間を破壊します。 
      映画やめますか? それとも、人間やめますか?

 
「死ね!死ね!シネマ」DIE, DIRECTORS, DIE!
(2011/72分/DV)
製作・監督・脚本:篠崎誠
助監督:宮崎圭祐、杵築啓祐、原健一
音楽:長嶌寛幸 撮影:秋山由樹、染谷有輝、植村将之 
録音:飯野洋平、久保紫苑
製作・配給:コムテッグ 製作協力:映画美学校
出演:森京子、鈴木あけみ、藤井義浩、工藤トシキ、福井瑠香、金子裕昌
 
[イントロダクション]
映画美学校の実習として作られた短編を発端に、篠崎誠のあくなき映画作りの追求により度重なる追加撮影を経て、“究極の映画”が誕生した。
140名以上ものエキストラを動員して惨劇が撮影されたロケ現場であるオーディトリウム渋谷での初公開から、全国に拡散中!
今まさに、地獄の門が開かれる!
予告篇
*プチョン国際ファンタスティック映画祭正式招待
*ゆうばり国際ファンタスティック映画祭(36分)版より追加撮影
 
[あらすじ]
東京・渋谷に移転したばかりの映画美学校で惨劇が起きる。卒業制作の試写会で学生の映画を酷評した講師シマザキが、逆に観客から野次られて発狂。42人を虐殺する。それから4年後、事件当時、女子高生だったなつきは、廃墟となった映画美学校で究極のホラー映画を撮ろうとし、周囲を地獄に巻き込むことになる……。
 
[併映]「殺しのはらわた」
(2006/30分/DV)
監督・脚本・編集:篠崎誠
撮影:木暮洋輔 照明:高井大樹 録音:臼井勝 音楽:長嶌寛幸
製作:コムテッグ、映画美学校
出演:嶋田久作、唐橋充、藤田陽子、黒沢清、万田邦敏、高橋洋、井川耕一郎、長宗我部陽子
殺し屋どもの頂上決戦!

監督 篠崎 誠
1963年東京生まれ。96年公開の『おかえり』で商業映画監督デビュー。ベルリン映画祭最優秀新人監督賞など、海外で11冠を受賞。その後の劇場公開作品として、『忘れられぬ人々』(00)、『犬と歩けば チロリとタムラ』(03)、『0093女王陛下の草刈正雄』(07)、『東京島』(10)、『怪談新耳袋 怪奇』(10)がある。黒沢清監督との共著として「恐怖の映画史」(青土社刊)があり、ホラー映画について造詣が深い。立教大学原題心理学部映像身体学科教授、映画美学校講師。

《料金》2本立て
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1300円 学生会員・シニア会員1200円


「久高オデッセイ ─生章─」
2012年1月20日(金)〜24日(火)11:00〜

 
 
    神の島、
 
    祈りの島、
 
    沖縄県「久高島」
 
 
 
「久高オデッセイ ─生章─」
(2011年/76分)沖縄映像文化研究所 
監督:大重潤一郎
 
 『黒神』『光りの島』『小川プロ訪問記』などの映画で知られ、阪神・淡路大震災を神戸で体験した大重潤一郎が、沖縄県本島東南部に位置し神の島と言われる久高島の祭事や神事を中心とした日常を描いたドキュメンタリー。
 琉球開闢(かいびゃく)の地とされ神聖視される久高島では数多くの祭事が執り行なわ れる。ノロ(祝女のこと)が行う祭事や、97歳の祝い事「カジマヤー」といった普段見ることのできない貴重な光景をはじめ、島の日常、子どもたちの遠足や学校行事、イラブー(海ヘビ)漁とその加工の様子などありふれているようでどこか厳かな雰囲気を感じる生活模様が収められている。そして、場面をつなぐ久高島の自然、海・林・畑が見るものを魅了する。
 2006年の前作『久高オデ ッセイ(第一部)』の続編と位置づけらる作品で、脳出血に倒れ電動車椅子に乗って島々を回りながらカメラを回し続けた大重監督による執念の最近作。今年9月に沖縄の桜坂劇場で2週間ロードショウの成功に続く待望の神戸公開である。
 

《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


新作ドキュメンタリー「田中さんはラジオ体操をしない」
2011年10月28日(金)〜11月8日(火)11:00〜[水・木休館]

 
  ヘンテコな国ニッポン?
  どうなの日本!!
  世界中の映画祭で満員・拍手喝采の問題作が遂に公開!!
 
「田中さんはラジオ体操をしない」
Tanaka-san Will Not Do Callisthenics
(オーストラリア/2008/75分/DV)
製作:ブルー・ルーム・プロダクション
配給・宣伝:浦安ドキュメンタリーオフィス、スリーピン
監督・撮影:マリー・デロフスキー
編集:モーガン・グレゴリー
録音:グレッグ・フィッツジェラルド
音楽: 田中広幸、田中哲朗、デイヴィッド・ミッチェル
出演 :田中哲朗、田中かほる、田中 剣、田中広幸、北野好人、根津公子、長橋美保、上田恵弘 ほか
 
[公式サイト]
 
山形国際ドキュメンタリー映画祭2009 ニュードックス・ジャパン正式出品
カナダ国際労働者映画祭2009 ベストインフェスティバル賞(グランプリ)受賞
 
たったひとりでも現実は変えられる
田中さんは30年間、毎日ひとりで、
いまも歌い続けている

田中哲朗さん。63歳。30年前に毎朝のラジオ体操を拒否したために大手電機会社を解雇された。
それ以来、抗議のために会社の前で毎朝プロテストソングを歌い続けている。
携帯もない、インターネットもない、もちろんfacebookもない、そんな時代からたったひとりで大きな力と闘ってきた。
 
そんな田中さんの姿をカメラに収めたのは、オーストラリア人女性監督マリー ・デロフスキー。
インターネットで偶然見つけた田中さんに興味を持ち、ドキュメンタリー映画をつくるために来日。
テンガロンハットを被り、木刀で鍛錬する田中さんの姿は“ガイジン”の彼女にどう映ったのか?
ブロークンな英語でやりとりし、時にはぶつかり合うふたり。
田中さんを通して見えてくる現代ニッポンの姿をユーモアたっぷりに映し出す。

コメント
  タナカさんが滑稽なのか?
  日本が滑稽なのか?
  タナカさんが闘っている相手は、
  会社を通りこしてその先の自分をふくめた
  ムニャムニャしたニッポンそのものなんだと思う。
   ……しりあがり寿(漫画家)
 
  これはすごい! 「自分は頑固者だ!」と言い放ち、
  きまりごとに疑問を呈して茶道を破門になるほどの田中さん。
  なぜかみんな従順になり、奴隷根性が染みついて
  ニッチもサッチもいかなくなっている今の日本社会に必要なのは、
  このとんでもない不服従の精神だ!!
   ……松本哉(リサイクルショップ 素人の乱5号店・店主)
 
  田中さんが寅さんに、周囲の支援者たちが、とらやの面々に重なってきた。
  人情味溢れるプロテスト。事実が寅さん映画を超えた。
   ……山根基世(「ことばの杜」代表/元NHKアナウンサー)
 
  泣き寝入りせず、正しいと思うことを淡々と伝え続ける姿に感心しました。
  それを取り上げるのが海外の監督だという皮肉には残念ながら納得できます。
   ……ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
 
  不当な職質に黙秘を貫き氏名不詳のまま裁判にかけられたという人の話を思い出しました。
  職質もラジオ体操もそれを抑圧だと全く感じないひとが大多数だということが
  なにより恐ろしいことだと思います。
   ……ECD(ラッパー)
 
  25年前、工場の門前に田中さんを訪ねて、生き方に感動、共感。
  「君が代」不起立で停職にされた私が校門前に「出勤」したヒントは、田中さんにある。
   ……根津公子(元教員/「君が代」解雇をさせない会)

《料金》
当日
一般1800円 学生:1500円 シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

 
前売 1300円
《田中さん割引》1000円
田中さん(という名字の方)はどなたでも当日1000円でご覧になれます。
当日受付で、顔写真付きの身分証明書をご提示の上、「わたしは田中です」と申告ください。


新作ドキュメンタリー「まなざしの旅 土本典昭と大津幸四郎
     同時上映:「パルチザン前史」

2011年9月2日(金)~6日(火)

 
時代へのまなざし、人間へのまなざし。
 
ドキュメンタリー映画における
「まなざしの在り方」を問いつづけた
ふたりの男の記録である。
 
 
「まなざしの旅 土本典昭と大津幸四郎
(2010/92分/DV)
企画・製作:映画美学校
映画美学校2008年度ドキュメンタリー高等科コラボレーション作品
監督・編集:代島治彦
 
スタッフ:映画美学校2008年度ドキュメンタリー高等科生
 五十嵐恭子、今泉秀夫、木邨千尋、杉本暁子、鈴木洋三、舘野素子、環 健一郎
 中田 文、渕脇 勤、美野大輔、保田則子、吉田孝行、渡辺真吾
 
撮影指導・題字:大津幸四郎 録音指導:奥井義哉
整音:米山 靖(ヒポ・コミュニケーションズ)
音楽・演奏:パスカルズ
映像提供:映画同人シネ・アソシエ、ビジュアル・トラックス、記録映画保存センター、青林舎、シグロ、自由工房、ユーロスペース、アテネ・フランセ文化センター
写真提供:映画同人シネ・アソシエ、奥村祐治、井坂能行
協力:岩佐寿弥、久保田幸雄、東 陽一、土本典子、伏屋博雄、藤岡朝子
藤原敏史、山上徹二郎、山形国際ドキュメンタリー映画際
 
 映画美学校での受講生による大津幸四郎へのインタビューと生前にさまざまなかたちで記録された土本典昭の証言を時系列に絡ませ、1960年代からの映画作品を参照しながら、水俣シリーズで二人が「孤高の映画」に到達するまでを描く。
 第11回(2009年)山形国際ドキュメンタリ−映画祭の関連企画「日中ドキュメンタリ−映画道場」で若手映画作家に撮影術を教える大津幸四郎の姿を追う短編映像詩が冒頭と最終部に置かれ、また各章に合間に挿入される。
 
 
同時上映
「パルチザン前史」

(1969/120分/16mm)小川プロダクション
監督:土本典昭 撮影:大津幸四郎、一之瀬正史
関西小川プロが製作参加した作品。京都大学全共闘のノンセクト学生を組織する京都大学助手の滝田修の革命運動を追う。軍事訓練の様子のほか、家庭を持ち、予備校の教壇に立ちながら大学解体を唱えることの矛盾について率直に語る滝田の姿。60年代末の学生運動の空気を伝える歴史的作品。
 

《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


セット券(「まなざしの旅」+「パルチザン前史」)
一般2000円 学生・シニア1800円
会員1800円 学生会員・シニア会員1600円


神戸再上映!『AI〜ある彼女の世界征服!?』
2011年8月19日(金)〜23日(火)11:00〜
『AI〜ある彼女の世界征服!?』
(2011/104分/ブルーレイ)
脚本:澤田耕耶 監督:加藤謙司
プロデューサー:伊藤真一
出演:小泉麻耶、籠谷和樹、浅井純、こままりえ、真田せつこ、水井 真希、内野未来
 
パソコンのモニター上に、理想の女性の姿をした人工知能を生み出したひきこもりのオタク青年。彼女が求める“せかいせいふく”実現のため、現実世界に飛び出す。現代日本のビルドゥングスロマン。
 
2009年日テレジェニック小泉麻耶を主演に迎えたサイエンスロマンス
音楽監督には元ZIGGYのギタリスト松尾宗仁とねユニットZINXのボーカリスト妹尾研祐を迎えた。
液晶モニタの中で彼女は目覚めた。
彼女は目覚めると僕がプログラムした通り『貴方がマスターですか?』と笑顔で聞 いてきた。
「そ、そう。僕が君を創ったんだ」僕が満足そうにそう言ってやると彼女は笑顔を絶やさずに『死ね変態!』と言っ た。
『キモいんだよ!何この暗い部屋。ヲタクじゃん。ニートじゃん。引きこもりじゃん。』
僕は驚愕のあまり「こ、こんな口の悪いの創ってない!』そういうと、彼女の表情が変わった。
『そうよ、本当はこの娘を創りたかったのよね、マスター?』
『そっくりよ ねぇ?自分の欲求のためにこのアイドルに似せて私を創って、いやらしい事しようと考えていたんでしょう?キモいっつーの!』
僕はあまりの恥ずかしさのあまりマウスに手をかけた。
「失敗だ!こんなの消してやる!」『あら、私を消す気?でもその瞬間に貴 方の個人情報をの世界中に発信するわ!』
彼女はそう言って僕を嘲笑した。マウスの手が止まる。血の気が引いていくのが解った。
僕はとんでもないものを創ってしまった。しかし彼女は不敵に笑うと『私の言う事を聞いてくれればそんな事しな いわ』と囁く。
「な、何をする気だ」僕がそう聞くと、彼女の唇はこう動いた。
『セ・カ・イ・セ・イ・フ・ク』

《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1200円 会員学生・シニア1000円

[前売り]1200円


[貸館]『AI〜ある彼女の世界征服!?』
2011年7月2日(土)10:30 / 13:00 / 15:00 / 17:00 / 19:00
『AI〜ある彼女の世界征服!?』
(2011/104分)
脚本:澤田耕耶 監督:加藤謙司
プロデューサー:伊藤真一
 
2009年日テレジェニック小泉麻耶を主演に迎えたサイエンスロマンス
共演には期待の新人籠谷和樹、(ウォーターボーイズ)の浅井純、
(SEGA三国志大戦イメージガール)こままりえ、(初代オールナイターズ)真田せつこ
更に(沖縄映像祭準グランプリ作品で主演を演じた)水井 真希
(グラビアアイドル)内野未来などが友情出演者!
音楽監督には元ZIGGYのギタリスト松尾宗仁とねユニットZINXのボーカリスト妹尾研祐を迎えた。
液晶モニタの中で彼女は目覚めた。
彼女は目覚めると僕がプログラムした通り『貴方がマスターですか?』と笑顔で聞 いてきた。
「そ、そう。僕が君を創ったんだ」僕が満足そうにそう言ってやると彼女は笑顔を絶やさずに『死ね変態!』と言っ た。
『キモいんだよ!何この暗い部屋。ヲタクじゃん。ニートじゃん。引きこもりじゃん。』
僕は驚愕のあまり「こ、こんな口の悪いの創ってない!』そういうと、彼女の表情が変わった。
『そうよ、本当はこの娘を創りたかったのよね、マスター?』
『そっくりよ ねぇ?自分の欲求のためにこのアイドルに似せて私を創って、いやらしい事しようと考えていたんでしょう?キモいっつーの!』
僕はあまりの恥ずかしさのあまりマウスに手をかけた。
「失敗だ!こんなの消してやる!」『あら、私を消す気?でもその瞬間に貴 方の個人情報をの世界中に発信するわ!』
彼女はそう言って僕を嘲笑した。マウスの手が止まる。血の気が引いていくのが解った。
僕はとんでもないものを創ってしまった。しかし彼女は不敵に笑うと『私の言う事を聞いてくれればそんな事しな いわ』と囁く。
「な、何をする気だ」僕がそう聞くと、彼女の唇はこう動いた。
『セ・カ・イ・セ・イ・フ・ク』
主催:∞SpiralRecord(有)アップルプロモーション
お問い合せ:∞SpiralRecord

料金 一律1500円
(受付は当日10:00〜)


完成披露上映会「ミッシング」「コウノトリが…」
2011年4月24日(日)16:30〜
*13:30〜関係者のみの上映あり
神戸映画資料館では、毎夏、映画作りのワークショップを開催してきました。
昨2010年は、ワークショップ生が主要スタッフ(脚本・監督・出演ほか)をつとめた『コウノトリが・・・』を製作。
さらに年末には『シャーリーの好色人生』などを手がける佐藤央監督を招聘して、『ミッシング』の撮影を新長田で行いました。この撮影にはワークショップ生の有志や神戸芸術工科大学の学生も参加し、低予算の自主製作で出来ることを、映画のプロの現場から実地に学ぶ機会としました。脚本に小出豊を迎え、佐藤央監督の新境地を示す作品です。
この度、完成したばかりの2作品の披露上映を行います。
「ミッシング」
(2011/55分/HD)製作:神戸映画資料館
監督・編集:佐藤央 脚本:小出豊 撮影・照明:四宮秀俊
録音:新垣一平 音楽:近藤清明 美術:大石佳奈
助監督:大岸智博 制作:唐津正樹
キャスト:土田愛恵、きく夏海、信國輝彦、昌本あつむ、八尾寛将、堀尾貞治
夫と1人息子のヒロと幸せな生活を送っていた清瀬晧子は、軽い気持ちからヒロとの約束を破ってしまう。その日以来、ヒロは二度と帰ってこず、「自分のせいだ」と自らを責める晧子は夫と別れ1人ヒロを待ち続ける。それから5年の月日が過ぎ…。

 この映画は、何かとても大事なものを失ってしまった人々について語った映画です。自分にとってとても大事なものを失ってしまうと、弱さからか、たとえそれが自分のせいでなくても自分のせいだと思ってしまう。この映画ではそのことを「因果」と呼んでいますが、そのような「因果」と呼ばれる事柄に直面してしまった人々を見つめる眼差しが、この映画のテーマとなっています。
 ほぼ映画初出演であるキャストの昌本あつむと堀尾貞治さん始め、主演の土田愛恵さん、きく夏海さんらキャストの方々と、スタッフとしてみぞれの振る年末に獅子奮迅の活躍を見せてくれた神戸芸工大の若者たちの息吹が息づいたこの映画を楽しんでいただければと切に願います。

  監督・佐藤央

[監督]佐藤央
1978年大阪生れ。映画美学校フィクションコースを卒業後、2005年、短編ドキュメンタリー『キャメラマン 玉井正夫』を監督(フィルムセンター、三重映画フェスティバル、神戸映画資料館などで上映)。2007年、オムニバス映画『夢十夜 海賊版』の一本「不安」(第八夜)、2009年には『シャーリーの好色人生』を監督し、冨永昌敬(『パンドラの匣』『乱暴と待機』)との二本立て映画『シャーリーの好色人生と転落人生』として全国で公開。各方面で高い評価を得る。2009〜10年には自主制作で『結婚学入門(恋愛篇・新婚篇)』の2作を続けざまに監督した。
 
[脚本]小出豊
1974年生まれ。映画美学校フィクションコースを卒業後、2006年、『お城が見える』(第4回CO2オープンコンペ部門優秀賞)を監督。2009年には初長編『こんなに暗い夜』(ハンブルグ映画祭、シネマ・デジタル・ソウルなどで上映)、オムニバス映画『葉子の結婚』「月曜日」を監督し、各地で話題を呼んだ。その他の仕事に、万田邦敏「県境」「一日限りのデート」(BS-i)の脚本などがある。映画批評誌「シネ砦」団員。
 
 
「コウノトリが…」
(2011/45分/HD)製作:神戸映画資料館
監督:村津蘭 脚本:小林紗季 撮影:岡山佳弘 
録音:堀修生 美術:南山真之 助監督:大岸智博 
制作:山本暢俊、橋口明弘
キャスト:小川尊、真塩優、根村茂次、西山真来、佐々木嘉子、岩村襟子、
原田佐之助、上田洋子
10年後、少子化対策で政府は代理母制度を奨励するが、代理母の数は足りていない。産婦人科医である洋介は中絶と養子へ出す母親が多い現実に違和感を感じつつも、子どもセンターで働いている。ある日古い友人に頼まれ、非正規の代理母出産を引き受けるが、依頼した葉子も代理母の亜紀も子どもに関心は薄く…。

 「10年後」という設定で脚本を書くこと、映画の文法に沿って作品を組み立てていくことが今回WSのお題でした。WS生で選んだテーマは「10年後母性はどこに行くのか」。「10年後」というテーマは現代という時代をどのように捉えるか、ということでもあります。WS生自身が作った脚本を基に、俳優・演出・美術・制作等それぞれの役割から想像し、手探りで作った「10年後」。多くのWS生が映画製作が初体験の中で、猛暑の下撮られたこの作品で「現代」が少しでも浮かびあがればと願います。
  監督・村津蘭

《料金》1000円


アンコール上映「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
第23回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 正式出品作品
2011年2月11日(金・祝)〜15日(火)
名誉のために命を賭け、栄光と偏見に挑んだ65年目の真実。
兵士たちの最後の証言で綴るドキュメンタリー
知られざる歴史のヴェールが開かれる!

 
「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」
442 Live with Honor, Die with Dignity
(2010/日米合作/97分/HD[ブルーレイ上映])
製作:442フィルムパートナーズ(UTB フイルムヴォイス NTTラーニングシステム、かねふくアメリカ、米国日本ハム、トレンド社)
制作:UTB+フイルムヴォイス
企画・脚本・監督:すずきじゅんいち 
撮影監督:小渕将史 
編集:水原徹 音楽:喜多郎
 アメリカ陸軍442連隊は、第二次大戦時に日系二世で編成された部隊で、アメリカ軍史上最も多くの勲章を受けた。
 本作は父母の祖国・日本と戦う苦悩を抱えながら、アメリカの中で人種差別と戦い、ヨーロッパ戦線ではファシズムと戦った伝説の兵士たちのドキュメンタリー。終戦後、トルーマン合衆国大統領は「諸君は敵だけでなく偏見とも戦い、勝ったのだ」と賛辞を送り、自ら生還者を激励した。
 アメリカ国内における日系人の地位向上に寄与しただけでなく、フランスをはじめとしたヨーロッパ諸国では、長期間ナチスドイツに占領されていた自分たちの町を解放に導いたヒーローとして、現在も語り継がれている。
 しかし、日系人強制収容所から出征した兵士たちが、ユダヤ人強制収容所を解放したという真実は、ほとんど知られていない。
 日系アメリカ人として、星条旗を背負って戦う自尊心と愛国心、その一方で敵性国民に指定された人種差別への怒りと哀しみ、葛藤を描いた問題作。現在、元兵士たちは80代半ばから90代と高齢になり、当事者たちによる貴重な証言はこれが最後になるかも知れない。
 
「東洋宮武が覗いた時代 Toyo’s Camera – Japanese American History during WW2-」 に続く米国日系人史映画の第二作目。前作同様、監督はベテランのすずきじゅんいち、音楽はゴールデングローブ賞やグラミー賞受賞者の喜多郎、その他メインスタッフも、同じメンバーである。 ハリウッドの日米バイリンガル放送局UTBと、日本からはフイルムヴォイスが共同で製作に当る。
 
[公式サイト]
 

《料金》
【当日券】
一般1800円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


高橋克彦ミステリーコレクション
「オボエテイル」

2011年1月8日(土)〜11日(火)
2005年の作品完成後、
製作会社の諸事情から公開が凍結されていた
まぼろしのオムニバス映画が、遂に緊急公開!

 おぼえているけれど
 たぶんそれは自分に都合よく歪めた記憶
 本当のことはきっとちがうんだろう。
  ——— 高橋克彦

作家・高橋克彦の直木賞受賞作を含む、
傑作ミステリー3編を映画化!

 
(2005/125分/HD[ブルーレイ上映])
原作:高橋克彦 撮影:猪本雅三 美術:黒須康雄 照明:赤津淳一
音楽:上田砂代子 編集:普嶋信一 録音:松本昇和
第1話「遠い記憶」
監督・脚本:芳田秀明
出演:村上淳、麻生祐未、浅井江理名、
鈴木颯人、吉田日出子
新進作家の倉本雄二(村上淳)は母の明子(吉田日出子)と2人暮らし。テレビの取材で盛岡の行き、スナックに勤める相沢世里子(麻生祐未)という謎の女性に出会い、子どもの頃の記憶が突然甦る。彼女はいったい誰なのか…。
第2話「前世の記憶」
監督:明石知幸 脚本:久保朝洋
出演:中村美鈴、葛山信吾、結城しのぶ、
島かおり、篠井英介
藤山修子(中村美鈴)はひどい頭痛に悩まされていた。恋人の青柳(葛山信吾)の勧めから、精神科で治療を始める。退行睡眠で甦った記憶が、修子を前世の恐怖へと導いていく…。精神科医役の篠井英介の存在感と昭和時代のミューズ・島かおりと結城しのぶに注目!
第3話「緋い記憶」
監督・脚本:久保朝洋
出演:香川照之、光石研、柄本時生、
渡辺真起子、螢雪次朗
東京でデザイン事務所を経営する山野良彦(香川照之)。ある日、郷里・盛岡の友人(光石研)から訪問を受ける。手渡された古い住宅地図に、閉じ込められた思い出の街。あの少女の家は「空き地」とだけ記されていた…。高橋克彦の直木賞受賞作を完全映画化。
盛岡にこだわり、ミステリー作家として活躍する高橋克彦。直木賞作「緋い記憶」を始め、「遠い記憶」「前世の記憶」の三作品を、三人の監督が盛岡でオールロケで演出した、情感溢れる大人のためのオムニバス・ミステリー映画。
監督は全員が日活撮影所出身の実力派。「遠い記憶」を『スイート・スイート・ゴースト』(2000)でデビューした芳田秀明。「前世の記憶」をヒット作『免許がない!』(1994)、『キリコの風景』(1998)の明石知幸。「緋い記憶」は富江シリーズ第7作目『富江VS富江』(2007)が長編デビューの久保朝洋。個性的な監督たちが独自の感性で、全くテイストの違う作品に仕上げた。
 

《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。