プログラムPROGRAM

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ソヴィエト映画会①『嘆くな!』
2011年12月17日(土)・18日(日)

 
1991年12月25日、ソヴィエト連邦が解体して今年で20周年。ソヴィエト、ロシア映画の古典や代表作から異色作まで、不定期のシリーズとして上映していきます。
 
「嘆くな!」Не горюй!
(ソヴィエト/1969/94分/35mm)
モスフィルム、グルジアフィルム撮影所
配給:ロシア映画社
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
脚本:レヴァス・カブリアゼ
撮影:ワジーム・ユーソフ
音楽:ギア・カンチェリ
出演:ヴァフタング・キカビッゼ、セルゴ・ザカリアッゼ、アナスタシヤ・ヴェルチンスカヤ、ソフィコ・チアウレリ
 
『不思議惑星キン・ザ・ザ』のダネリヤ監督作品。人々の営みから滲むユーモア、そして死が、歌と踊りの宴会とともに描かれる。舞台は19世紀末のグルジアの小さな町。ペテルブルグで医学を修めた主人公・ベンジャミンが故郷で開業するも患者は集まらない。それを苦にせず呑気に暮らす彼を、姉のソフィコは心配し、裕福な町医者の娘との結婚を画策する。

 ダネリヤ監督は常々、自分が喜劇監督ではないということを繰り返し言い続けています。その例として挙げるのが、『嘆くな!』では三人もの死が描かれているということ。人を笑わそうとして撮る映画には少しも興味がなく、それに似たような要素が見つかるのだとしても、それは我々が日頃感じるユーモアなのだと。
 本作の見所は、主人公の友人の医師レヴァンが自ら開く生前葬の喧噪と静寂のシーンです。
 喧噪の侘しさと別れの虚しさに涙するレヴァンが最後にレースのカーテンを摑むでもなく触るでもなくただ撫で下ろす手をじっと捉えていたカメラが、甕を遠くへ運んでいく子供たちのワンカットを挟んでから再び部屋に戻ると、いつしか静かに消えていなくなったレヴァンを追うようにして隣の部屋の暗闇を覗き込む一連のシークエンス。彼が死の床へ向かったのは確かだとしても、それはすでに映画の外の出来事となっていて、もはや覗き込むこともままならない。この映画で最も美しいシーンだと思います。
 ── 東海晃久
[関連企画] 神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外
第6回『不思議惑星キン・ザ・ザ』と知られざるダネリヤの宇宙  講師:東海晃久

《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1300円 会員学生・シニア1200円

《割引》
[レクチャー:第6回 『不思議惑星キン・ザ・ザ』と知られざるダネリヤの宇宙] 参加者は100円引き


第3回神戸ドキュメンタリー映画祭 3.11後を生きる 早く、遅く。
2011年12月3日(土)、4日(日)

         9日(金)、10日(土)、11日(日)


  
 3月に起きた東日本大震災後、ドキュメンタリー界だけでなく、広く映像に携わる人々が厄災がもたらしたものについて考え、すぐに作品としてかたちにしました。この動きは阪神淡路大地震の時とは大きく異なるものです。
 第3回神戸ドキュメンタリー映画祭は「3.11後を生きる 早く、遅く。」をテーマに据えました。
 神戸映画資料館は、神戸でも最も震災の被害の大きかった地・長田区にあります。
 被災地の街の復興、そこに暮らす人々の心の問題……。
 迅速な対応と解決が求められると同時に、長い年月が必要な側面もあることを神戸の人たちは知っていることでしょう。映画を通して、そのことを考えたいと思います。
 
 
 
     「なみのおと」
     
     (監督:濱口竜介、酒井耕/2011/142分/ブルーレイ上映)
津波被害を受けた三陸沿岸部に暮らす人たちが、震災発生当時のことを中心に語る “口承記録” 。『PASSION』『The Depths』などで注目される濱口竜介が、同じく東京藝術大学大学院映像研究科出身の酒井耕と共同で監督した。142分の最新版での上映。
この“語り”は、実際は過去や未来のためという以上に、今まさに起こっている「復興」の活動そのものなのではないだろうか、という気がしています。それは、瓦礫をただの瓦礫にしないための、個人と共同体の歴史を取り返す作業であるからなのです。
(山形国際ドキュメンタリー映画祭・東日本大震災復興支援上映プロジェクト「Cinema with Us ともにある」カタログより、作者のことば)
 
 
     「相馬看花 奪われた土地の記憶」
     
     (監督:松林要樹/2011/111分/ブルーレイ上映)
福島第一原子力発電所から20キロ圏内の避難指示地域、福島県南相馬市の江井地区。4月3日にこの地域に入ったドキュメンタリー監督・松林要樹は、地元の市議会議員・田中京子に同行し、彼女らが震災前まで暮らしていた今は静まりかえった町、そして現在身を寄せる避難所を訪れる。そこから浮かび上がるのは人々の個人史や地域と家族の絆だが、避難所を転々とすることを余儀なくされる彼らは、土地とともにそれをも奪われてしまうのか。山形国際ドキュメンタリー映画祭での初公開時よりサブタイトルを改題。
 
 
     311仙台短篇映画祭映画制作プロジェクト作品「明日」
     
     (41人の監督たち/2011/137分/ブルーレイ上映)
仙台短篇映画祭の呼びかけにより、映画祭ゆかりの監督たちがそれぞれの3.11以降を描いた3分11秒の新作を撮りおろしたオムニバス作品。参加する監督は、今回上映する『なみのおと』の濱口竜介、『劇場版 その街のこども』の井上剛のほか、冨永昌敬(『アトムの足音が聞こえる』)、鈴木卓爾(『ゲゲゲの女房』)、瀬田なつき(『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』)、塩田明彦(『カナリア』)、河瀬直美(『朱花の月』)、佐藤央(『MISSING』)、山下敦弘(『「マイ・バック・ページ』)などの豪華メンバー。
 
 
     「東日本大震災 東北朝鮮学校の記録 2011.3.15-3.20」
     
     (制作:コマプレス/2011/67分/DVD上映)
震災で校舎が全壊した仙台市の東北朝鮮初中級学校。日本行政からの支援が皆無の中、全国同胞から救援物資が次々と送られてくる。学校はその物資で地域の日本学校に、おにぎりの差し入れや炊き出しを行う。緊迫しつつも相互扶助を実践した震災発生直後の日々。震災の破壊力が社会的状況によって何倍にも増してマイノリティを襲う日本社会の状況に問題を投げかける。制作のコマプレスは、“小さな声 低い視点”をモットーに、声なき声、不可視の葛藤、抵抗とみなされない抵抗を明るみに出し、世界に伝えることを目的に活動している。
 
 
     「劇場版 その街のこども」
     
     (監督:井上剛/2010/83分/ブルーレイ上映)
脚本:渡辺あや 音楽:大友良英 撮影:松宮拓、青木智紀
出演:佐藤江梨子、森山未來
阪神・淡路大震災からちょうど15年目にあたる2010年1月17日、NHKで放送された「その街のこども」の劇場版。こどもの頃に震災を体験し、いまは東京で暮らす勇治と美夏。彼らは「追悼のつどい」が行われる前日に神戸で偶然知り合い、震災15年目の朝を迎えるまでの時間を共に過ごすことになる。全く異なる震災体験をしたふたりの間には、大きな溝が広がっているように見えた。しかし、“ある場所”に差し掛かったとき、美夏は勇治が長年抱え込んできた過去を垣間見ることになる。復興を遂げた真夜中の神戸の街を背に、これまで語ることのできなかったふたりの想いが、不器用にあふれ出そうとしていた。
 
  
     参考上映 [鑑賞無料]
     「わたしはここにいます〜石巻・門脇小学校・夏」
     
     (監督:青池憲司/2011/29分/DVD上映)
かつて、『記憶のための連作「野田北部・鷹取の人びと」』、『阪神大震災 再生の日々を生きる』で神戸・長田地区の町の再生を記録した青池憲司監督が、現在、宮城県石巻市で長篇ドキュメンタリーに取り組んでいる。東日本大震災の復興期を活きる「こども・家族・教師・地域の人たち」の6月〜8月の記録を、2012年夏完成予定のドキュメンタリー本篇の〔予告篇〕として参考上映。
 

12月3日(土)ゲストトーク
濱口竜介、酒井耕
(「なみのおと」共同監督)
 
12月10日(土)トークセッション
コマプレス
(「東日本大震災 東北朝鮮学校の記録」制作)
金千秋(FMわぃわぃ総合プロデューサー)
 
《参加費》無料(要・当日の上映会チケット)

12月3日(土)18:30〜 交流芋煮会 in 神戸
芋煮会とは、東北地方で行われる季節の野外行事。肉や野菜を炊いた素朴な味噌鍋です。
今回は屋内ですが、仙台市出身者が仙台味噌で「仙台風芋煮」をお作りいたします。
被災地での活動報告もあります。ぜひご参加ください。
 
《参加費》500円 *ドリンクのご注文は別途お願いいたします(ビール、東北の地酒など)

《料金》入れ替え制
1回券
一般・シニア:1200円 学生:1000円
会員一般・シニア:1000円 会員学生:900円

3回券(前売り)
2800円(非会員共通) 2400円(会員共通)

〈前売りチケットの取り扱い〉 神戸映画資料館
前売りチケットは、メール連絡でも受け付けます(締め切りは12月2日18:00)。受け取り・お支払いは映画祭期間中の来館時で結構です。info@kobe-eiga.net 宛に、種類(非会員/会員)、お名前、連絡先(電話)、枚数を書いてお送りください。追って受付確認のメールを差し上げます。
 
*当日券、および整理券は、12:00からその日のすべての上映会分を販売、発行いたします。
*前売り3回券、および招待券をお持ちの方は、受付にて整理券をお求めください。

主催:神戸プラネット(神戸映画資料館)
後援:長田区役所
協力:新長田まちづくり株式会社、山形国際ドキュメンタリー映画祭、仙台短篇映画祭、東京藝術大学大学院、福興サロン和~Nagomi~
助成:芸術文化振興基金、アサヒビール芸術文化財団


50年代 白黒映画の女優たち
2011年11月26日(土)・27日(日)
久保菜穂子、三ツ矢歌子、大空真弓など1950年代に活躍した女優たちが初々しい姿で登場する白黒映画2本を上映。シナリオライターとして有名なシナリオ文芸協会の猪俣勝人が監督した『殺されたスチュワーデス 白か黒か』と、富士映画を主宰した大蔵貢の実弟で歌手の近江俊郎が監督した『坊ちゃんの野球王』の異色の取り合わせ。
「殺されたスチュワーデス 白か黒か」
(1959/95分版/16mm)シナリオ文芸協会
監督・原作・脚本:猪俣勝人
撮影:木塚誠一
音楽:伊福部昭
美術:岡田戸夢
出演:久保菜穂子、ベルナール・ヴァーレ、田宮二郎、左幸子、根上淳、笠智衆
新東宝の第一期スター、久保菜穂子が新東宝を退社後、東映入社前に主演した作品で、実際に起こった「BOACスチュワーデス殺人事件」を題材にしたもの。日本人スチュワーデスが殺害され、容疑者の外国人神父が国外に逃亡して迷宮入りになった事件で、カトリック教会からの批判などで公開が短期に終わった。シナリオ・ライターは監督や会社に従属せず作家として強く自己主張すべきだとして「シナリオ文芸協会」を興し、雑誌「シナリオ文芸」を創刊、後に「日本名作映画全史」「外国映画名作全史」(社会思想社)を著した猪俣勝人の代表作。
 
 
「坊ちゃんの野球王」
(1958/75分/16mm)富士映画
監督・原作:近江俊郎
脚本:近江俊郎、松林秀司
撮影:杉本正二郎
音楽:鴎比呂志
美術:朝生治男
出演:高島忠夫、三ツ矢歌子、大空真弓、万里昌代、古川ロッパ、由利徹
 
神戸市御影出身の高島忠夫は関西学院大学の学生時に新東宝のニューフェイス第一期生として映画界入りし、後に東宝へ移籍するまで新東宝の主演級スターだった。この作品は「坊ちゃんシリーズ」の一本で、大学野球部主将の高島忠夫と、それを取り巻く三ツ矢歌子、万里昌代、大空真弓などの新東宝女優陣が絡んで恋愛とプロ野球のスカウト合戦が展開される。古川ロッパ、大泉晃、トニー谷などお馴染みの喜劇人が脇を固めてのお笑い合戦も見どころ。「湯の町エレジー」など歌手として有名な近江俊郎は、映画監督としても活躍。これは「小説の泉」に載った近江俊郎の原作を、自ら脚色、監督したもの。
    

《料金》入れ替え制
1本あたり
会員900円 学生会員・シニア会員700円
《割引》2本目は200円引き
*非会員のかたは、1日会員(登録料100円)のご登録でご覧いただけます。


日本未公開B級映画 ①
2011年11月19日(土)・20日(日)
[連続講座:第3回 仮面と影──カーペンター的活劇空間について]にちなみ、ジョン・カーペンター的なB級活劇性を感じる日本未公開のホラーとSF映画を上映。
日本語字幕無し。当日解説を配布。
  

《料金》入れ替え制
1本あたり 
会員900円 学生会員・シニア会員700円
*非会員のかたは、1日会員(登録料100円)のご登録でご覧いただけます。
《割引》
2本目は200円引き
[連続講座:第3回 仮面と影──カーペンター的活劇空間について] 参加者は1本目も200円引き


第9回ホームムービーの日 in 神戸
まなざしの距離~映像作家にとっての記録とは

2011年10月29日(土)14:00〜(16:30終了予定)
文化映画、映像画家、劇映画と三者三様の映像作家の方に集まってもらい、それぞれの映像作品やホームムービー(記録映像)を上映することで、昔の映像を見て懐かしむだけでなく、映像で世界を「記録」してゆくという営みはどういうものかを考えてゆきたいと思います。
 
チラシPDF(ファイルをダウンロード)
 
第一部 本田裕信氏(日本アマチュア映像作家連盟 理事、ドキュメント作品)来場
○ 本田氏 ドキュメント「作品」上映
『神戸、港の祭り』(1960年、7分、8mm)
   神戸タワーや花電車が通る光景、元町通で行われた懐古行列や、神戸市役所にあるトーテム
   ポール建立の記録映像を収めたフィルムです
『1965年、さよなら神戸市電』(1972年、18分、8mm )
 
○ 本田氏「ホームム-ビー」上映
『万博親子』(1971年、10分、8mm)
 
第二部 唐津正樹氏(映画監督、劇映画)来場
○ 唐津氏 ホームムービー上映
『渡辺カヨ再会』(2002年、3分、8mm)
『岡藤テスト』(2002年、3分、8mm)
『唐津の岩倉旅行』(2002年、3分、8mm)
 
○ 唐津氏 映像「作品」上映
『座子寝』(1999年、3分、VHS→DV)
『団地』(1999年、3分、VHS→DV)
 
第三部 藤原次郎氏(映像画家、映像詩)来場
○ 藤原氏 映像「作品」上映
 『戦車メンの歌』(1975年制作、3分)
  
○ 藤原氏映像 ホームムービー上映
 『戦車メンの歌 アウトテイク』(1975年、3分、8mm→DVD)
 
○ 藤原氏 映像「作品」上映
 『風土樹』(2011年、3分、blu-ray)
 
第四部 対談「映像作家にとっての記録の価値とは」
登壇者 本田氏、藤原氏、唐津氏
 
 
文化映画、映像画家、劇映画、三者三様のスタイルを持ち、なおかつ8mmフィルムの興隆、またその全盛期、そして黎明期と異なる時代を体験してきた映像作家が制作する映像「作品」。それらは「作品」という形で価値を持つ一方、被写体と撮影者との間に流れた時間の記録としての価値を持つものでもあります。そのような「映像作品が持つ価値の二重性」。そういった観点から、各々の映像作家が持つ作品制作に対する姿勢を話しあってもらうことで、映像で世界を記録するという営みやそれぞれが持つ映像(フィルム)に対するメディア観などについて考えてみます。

平成23年10月22日(土曜日)に京都、29日(土曜日)に神戸で開催する「第9回ホームムービーの日」で、上映するフィルムを募集しています。
 
募集内容: 家庭や地域の記録、自主制作映画など
特に「今」から見ても「昔」の京都や神戸の風景がよく表されているようなフィルムを募集しております。
 
募集期限: 10月16日(日曜日)まで
 
形状: 8mm、9,5mmから16mmフィルム(DVD・ビデオは上映しません)
イベントの詳細は「第9回ホームムービーの日」HPをご覧ください。

《参加費》 無料

 
イベント主催者:『HMD in 京都・神戸』実行委員会
神戸会場世話人:和田泰典
京都会場世話人:安藤葉月・柴田幹太
連絡先:PC:kaurisumaki9◎hotmail.com(◎を@に替えて送信してください)
    電話:090-3998-7801
 
関連イベント:第9回ホームムービーの日 in 京都


「KOBEデザインの日」記念イベント2011 [映画とブックデザイン]
本にしたい映画人
2011年10月15日(土)・16日(日)
映画とブックデザインをテーマにした、展示・上映・対談の3つのスペシャル企画。
この人の本をつくりたい     山根貞男
 今回の特集では鈴木一誌氏の仕事を展示し、鈴木氏とわたしが対談するが、映画の本なのだから、ぜひ映画も上映したいということになり、何を選ぶかを話し合った。
 鈴木氏とわたしが組んでつくった本や雑誌などは数多くあり、それに関係のある映画を上映するという案がまず出てくる。阪東妻三郎や市川雷蔵の主演作、加藤泰の作品などで、つぎつぎ題名が思い浮かぶ。だが、そんなにストレートな選び方ではなく、何かヒネリがほしい。そこで出てきたのが、ふたりで「この人の本をつくりたい」と思う人の映画を、というアイデアである。
 これまた、たちまち何人もの名前が挙がり、どれもこれも捨てがたい。あれこれ話すうち、2本立てだから、ひとりは俳優、ひとりはスタッフに、と絞り込む。と、俳優のほうはすぐ決まった。小林旭である。鈴木氏もわたしも昔からアキラの大ファンで、彼の本はすでにあるが、映画の本とはいいがたい。よし、小林旭の映画の本をつくろう、と、その場は一気に盛り上がった。ちなみに鈴木氏もわたしもアキラの歌を何曲も歌える。
 さて、もうひとりは、となって、ふたつの名前に行きつく。プロデューサーの黒澤満とキャメラマンの仙元誠三である。監督や脚本家の名前も挙がったが、映画づくりの仕掛け人たるプロデューサー、映画の画面を実際につくるキャメラマン、という人選はより面白い。では、どちらを選ぶか。これには迷ったが、悩みはすぐに解消した。黒澤満と仙元誠三が組んだ作品を選べばいい。
 こうして『やくざの詩(うた)』と『ヨコハマBJブルース』が決定した。数ある作品のなか、なぜこの2本が選ばれたかについては、いろいろ理由をつけられるが、要するに好きな映画なので、みなさんと一緒に見たい、という以外ない。横浜を舞台にした活劇で、主演俳優が歌うことでは、2本は共通している。
 
[関連企画]
10月16日(日)
[映画の本を作る_ブックデザインと編集]
対談:鈴木一誌(ブックデザイン)× 山根貞男(映画評論)

10月7日(金)〜18日(火)[水・木休み]
展示:[映画のデザイン_鈴木一誌の仕事]
 
 
「やくざの詩(うた)」                              (C)日活
(1960/88分/35mm)日活
監督:舛田利雄 原作:山崎豊子
脚本:山田信夫 撮影:藤岡粂信
音楽:中村八大 美術:佐谷晃能
出演:小林旭、芦川いづみ、金子信雄、
二谷英明、垂水悟郎、南田洋子、和田浩治
 横浜のナイトクラブへ流れてきたピアノ弾きの男が、かつて行きずりに恋人を殺した何者かを捜し出して復讐しようとする。犯人の正体は判らないが、スペイン製の拳銃ゲルニカの持ち主で、主人公は恋人の命を奪った弾丸をペンダントにして下げている。
 小林旭がピアノを弾きながら主題歌を歌う。そのムードたっぷりの抒情歌と、彼がペンダントを手にとって見つめる弾丸とが、もうそれだけで独特の世界を成立させる点で、当時の日活アクションの一典型といってよかろう。小林旭は1959年に「渡り鳥」「流れ者」の両シリーズが始まり、人気が急激な上り坂にあったが、この作品は、西部劇タッチの「渡り鳥」とも、現代やくざ映画の「流れ者」とも違って、ロマネスクな魅惑をくりひろげる。
 二谷英明と垂水悟郎による拳銃ブローカーの兄弟、金子信雄の老医師、南田洋子のクラブ歌手と、周りの諸人物がそれぞれのドラマを熱く感じさせる。過去へのこだわりという一点で、彼らは主人公と同じ煩悶を抱えているのである。
 脚本の山田信夫は1959年にデビューした新鋭で、この作品は4本目。多彩な登場人物の抱える記憶の痛みを組み合わせ、立体的なドラマをつくりだす手腕は、この作品から本格化した。その延長線上に、石原裕次郎・浅丘ルリ子の『銀座の恋の物語』『憎いあンちくしょう』(ともに1962年)が生まれる。
 監督の舛田利雄は1958年にデビューし、1960年代の日活アクションの全盛期を担う。どちらかといえば石原裕次郎の主演作が多いが、小林旭とも初期に『夜霧の第二国道』『錆びたナイフ』『完全な遊戯』(以上1958年)、『女を忘れろ』(1959年)で組み、『やくざの詩』は5本目に当たる。この作品では、登場人物の想いやそれゆえの激情を切れ味のいいアクションと重ねて、みごとなカット割りで描き、これが日活アクションの魅力だと思わせる。(山根)
 
 
「ヨコハマBJブルース」                              (C)東映
(1981/112分/35mm)
東映セントラルフィルム
プロデューサー:黒澤満 監督:工藤栄一
原案:松田優作 脚本:丸山昇一
撮影:仙元誠三 美術:今村力
出演:松田優作、内田裕也、辺見マリ、
蟹江敬三、財津一郎、田中浩二、宇崎竜童
 横浜のうらぶれたカフェバーのブルース歌手の男が、歌の合間に私立探偵の真似事をするうち、親友の刑事が殺された事件に首を突っ込む。親友の死には麻薬シンジケートが関わっていて、主人公は身の危険にさらされつつ、見えない敵を追ってゆく。
 松田優作が劇中で何曲もブルースを歌う。彼が歌手としても活動しているのは周知のことで、レコードも出ているが、映画のなかで歌うのはこれが唯一ではなかろうか。冬枯れの横浜の風景、オーバーにマフラー、長髪にヒゲ。それらが哀切なブルースと渾然一体となり、ほかの作品にはない魅力を見せる。松田優作のアクション映画といえば、彼の鮮やかな疾駆がすぐ目に浮かぶが、ここではむしろ仙人のような格好と表情でゆったりと歩む姿が印象深い。
 黒澤満は日活出身で、1970年代には日活ロマン・ポルノの中枢で腕をふるったが、単独のプロデューサーとして手掛けた最初は東映セントラルフィルム作品『最も危険な遊戯』(1978年)である。いうまでもなく主演は松田優作で、キャメラは仙元誠三。そこから『殺人遊戯』(1978年)『処刑遊戯』(1979年)が生まれ、脚本の丸山昇一が『処刑遊戯』でデビューする。
 仙元誠三は大島渚の『新宿泥棒日記』(1969年)でキャメラマンとしてデビューし、『最も危険な遊戯』が6本目、この『ヨコハマBJブルース』が14本目に当たる。大都会のなかに人間をとらえる流動的なキャメラワークは鮮烈で、ここでもその持ち味が発揮される。以後、黒澤満・仙元誠三・松田優作のトリオ、あるいは丸山昇一を加えてのカルテットは数多くの魅惑作を生み出す。
 監督の工藤栄一は1959年デビューのベテランで、時代劇と現代劇の別を問わない活劇の名手として活躍する。意欲的な若い俳優に慕われることで知られ、松田優作と意気投合したであろうことは画面に歴然とあらわれている。(山根)
 

《料金》2本立て
特別料金 1000円

後援:神戸市


外国映画名画鑑賞会
2011年10月8日(土)・10日(月・祝)[9日(日)は別プログラム]
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
今回は、丹生谷貴志氏の新刊『〈真理〉への勇気 現代作家たちの闘いの轟き』(青土社/9月21日発売予定)にちなんだ1970年代のアメリカ映画2作品です。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)
  

《料金》入れ替え制
1本あたり 
会員900円 学生会員・シニア会員700円
*非会員のかたは、1日会員(登録料100円)のご登録でご覧いただけます。
《割引》
2本目は200円引き
[レクチャー:第5回 映画の夜と戦争②_〈真理〉への勇気] 参加者は1本目も200円引き


生伴奏付き上映会 京阪神生まれのモダン活劇『黄金の弾丸』
2011年10月9日(日)13:30〜
関東大震災以後の一時期、阪神間の各地に映画撮影所が生まれ、ハイカラな都市イメージを背景として現代劇が盛んに作られました。
今回上映する『黄金の弾丸』は、東亜キネマが現代劇部として設置した西宮・甲陽園撮影所で生まれた作品で、1927年(昭和2年)公開。大正から昭和に替わるサイレント黄金時代の活劇を、神戸を中心に活躍する山川亜紀さんの生伴奏でご覧いただくスペシャル企画。
 
 
「黄金の弾丸」
(1927 / 89分[16fps]欠落あり/ 染色 / サイレント / 35mm)東亜キネマ
監督:印南弘 原作:ヘルマン・ランドン
脚本:竹井諒 撮影:小野平一郎
出演:宮島健一、一木突破、大岩栄二郎、千種百合子、中村園枝、島田富美郎、月岡正美
 
東亜キネマ甲陽園撮影所で製作された探偵活劇。神戸で撮影された現代劇はフィルムがほとんど残っておらず貴重である。神戸の旧居留地跡でのカーチェイスや、神戸港でのラストシーンなど大正末期の風景を見ることができる。プラネット映画資料図書館所蔵(現在は神戸映画資料館で収蔵管理)の染色フィルムを、国立近代美術館フィルムセンターが復元した。全7巻のうち5巻目は欠落。
 

伴奏:山川亜紀(コンポーザーピアニスト)
大阪音楽大学音楽学部ピアノ科卒業。各種コンサートにおいて独奏、伴奏、 アンサンブル等、多数出演。その他、教育CD-ROMの音楽制作、編曲、司会、高齢者や障害児の音楽療法にも携わる。 2000年、オリジナル曲1stアルバム「clear wind」を、2009年、2ndアルバム「with Friend」を発表。 大阪音楽大学演奏員。日本ピアノグレード認定協会審査員。長田のピフレホールで定期的に開かれている演奏会「おもしろ音楽博物館」でもおなじみ。

《料金》
一般1800円 学生・シニア1500円
会員1500円 学生会員・シニア会員1300円


没後10年 甦る相米慎二
2011年9月23日(金・祝)〜25日(日)

相米慎二という偉大な映画作家を失って、早10年が経ちました。享年53歳。1980年、薬師丸ひろ子主演『翔んだカップル』での監督デビューから、劇場映画の遺作となった『風花』(2001)まで、日本映画を牽引し続けた相米慎二監督を21世紀に召還します。
 
左:『朗読紀行 にっぽんの名作「月山」』撮影中の相米慎二監督
 
[関連企画] 9月24日(土)
連続講座:映画批評_新しい映画と観客のために 第2回 甦る相米慎二
講師:藤井仁子(映画批評) ゲスト:濱口竜介(映画監督)

 
「ラブホテル」
(1985/88分/35mm)
製作:ディレクターズ・カンパニー 配給:日活
監督:相米慎二 脚本:石井隆 撮影:篠田昇 音楽:林大輔
出演:速水典子、寺田農、志水季里子、益富信孝、中川梨絵
 
劇画作家・石井隆による、「天使のはらわた」シリーズの1作品。かつて死を決意した夜に出会った娼婦・名美と運命的に再会するタクシー運転手・村木の愛の物語。にっかつロマンポルノの現場で育った相米慎二が手がけた唯一のロマンポルノ作品。1985年は『ラブホテル』『台風クラブ』『雪の断章 情熱』と立て続けに公開され、相米の時代を印象づけた。
 

(C)日活

「朗読紀行 にっぽんの名作
「月山」」

(2001/50分/HD)劇場初上映
共同制作:NHKエンタープライズ21、カズモ
監督:相米慎二 撮影:町田博 照明:木村太朗 美術:横尾嘉良 朗読:柄本明
 
毎回異なる映画監督が演出を担当したNHKハイビジョン・衛星放送の朗読シリーズ「にっぽんの名作」の1本で、相米慎二監督の最後にして唯一のテレビ作品。森敦が、自身の体験を基につづった1974年発表の異色作「月山」を取り上げている。死の山といわれる月山で、一人の男が一冬を過ごし、生死の境を歩くような不思議な体験をする。演出するにあたり「月山」を再読した相米監督は、「生と死」というテーマが身近に感じられたと語っている。今回が劇場初上映。
   
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き
講座「第2回 甦る相米慎二」参加者は1本目も200円引き

協力:東京国立近代美術館フィルセンター、インスクリプト


日本映画名画鑑賞会
2011年9月11日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》
一律500円


佐藤央作品集
8月20日(土)・21日(日)
神戸映画資料館の製作で、昨年末にここ新長田で撮影を行い、今年4月に『MISSING』として作品を完成。新境地を開いたと好評を得て一般公開準備中の佐藤央監督。これまでにも洗練されたコメディ作品なども数多く手がけています。それら2008年以降の監督作品をまとめて上映。また、『MISSING』では脚本で参加した小出豊監督の短編も特別上映します。

より不可解な、より奇妙なものへ
            濱口竜介
(映画監督 『PASSION』『THE DEPTHS』)
 佐藤央は、上手い。そのことは厳然たる事実として確認しておきたい。おそらく日本で現在活動している映画監督の中でも2番目ぐらいに上手いし、そしてそのことはおそらく、世界で10本の指に入るぐらい上手い、ということでもある。
 しかし、佐藤央のフィルモグラフィを彼が手練れていく過程として捉えてはいけない(彼は劇場デビュー作『シャーリーの好色人生』の時点で既にその域に達している)。彼のフィルモグラフィはどちらかと言えば、彼の映画がより不可解な、より奇妙なものへと生成して行く過程である。その奇妙さがあまりに威風堂々たるもので、奇妙なのは映画の方ではなくむしろ我々の暮らすこの世界の方に思えて来るほどだ。案外、それこそ事実なのかも知れない。
 そして、まさかそんなわけはあるまいと思う貴方こそ、佐藤央の映画を見るのに最も相応しい観客でもある。神戸に急げ。

 
Aプログラム3本立て
「シャーリーの好色人生」
(2008/44分/DVCAM)製作:シネマパンチ
監督:佐藤央 脚本:佐藤央、冨永昌敬 
撮影・照明:芦澤明子(JSC)
美術:田中浩二 衣装:小磯和代 
音楽:近藤清明 編集:佐藤央、桝田亮
制作:渡辺裕子 企画:大内立子
プロデューサー:冨永昌敬、直井卓俊
制作協力:ユーロスペース、ぽんずフィルム
出演:福津屋兼蔵、夏生さち、杉山彦々、宮田亜紀、小田豊、中川安奈
姉の家に転がりこんだシャーリーを待っていたのは、女性たちからの誘惑だった。彼が選ぶ女性はいったい誰……?冨永昌敬の「シャーリー」シリーズの一篇で、同監督の『シャーリーの転落人生』とともに公開された。2008年水戸短編映像祭特別招待作品。
「結婚学入門(恋愛篇)」
(2009/18分/DVCAM)製作:gpm
監督:佐藤央 
脚本:チームナム(高木幹也・三宅唱・佐藤央)
撮影・照明:四宮秀俊 録音:新垣一平
美術:田中浩二 衣装:小磯和代 
メイク:小櫃香菜 編集:山崎梓 
音楽:近藤清明 制作:阿部史嗣、草野なつか
助監督:三宅唱  プロデューサー:佐々木利記
出演:汐見ゆかり、スズキジュンペイ、小野ゆり子、杉山彦々、小田豊
万田邦敏の呼びかけによるオムニバス映画『葉子の結婚』の一篇。ドタバタ喜劇でありながらソフィスティケイトされた作品。2009 大阪ヨーロッパ映画祭上映作品。
「結婚学入門(新婚篇)」(2011リマスター版)
(2010/31分/DVCAM)製作:gpm 
監督:佐藤央 
脚本:チームナム(高木幹也・佐藤央)
撮影・照明:四宮秀俊 録音:新垣一平
音楽:長嶌寛幸 美術:田中浩二
衣装:小磯和代 メイク:知野香那子
編集:桝田亮 助監督:堀切基和
スチール:鈴木淳哉
プロデューサー:佐々木利記、佐藤央
出演:汐見ゆかり、スズキジュンペイ、小野ゆり子、杉山彦々、小田豊
カツラ会社で働く新婚夫婦。新婚旅行を前日に控えた彼らだが、突然部長の命令により、自社の新型カツラを売り込むべく、長官も出席するカツラシンポジウムに乗り込む…。『結婚学入門(恋愛篇)』に続く作品。2011 ニッポンコネクション上映作品。
 
 
Bプログラム3本立て+小出豊監督作品
「月曜日にはゲバラを殺せ」
(2010/25分/DVCAM)月イチ金曜会企画
監督・編集:佐藤央 脚本:小山侑子
撮影:矢野正義 照明:倉本光佑
録音:舟木健児 音楽:近藤清明
製作・助監督:横田蕗子
プロデューサー:神野輝、小山侑子
アソシエート・プロデューサー:富岡邦彦(PLANET+1)
出演:一ノ瀬美和子、市原文太郎、今西洋貴、佐々木嘉子、小谷可南子
ナナはこれまで心も身体も満足させてくれる男に出会ったことがない。姉のモモが憧れの「本当の男、チェ・ゲバラ」を探しに旅に出ることを知ったナナは…。映画制作に携わる人、興味のある人の交流の場 “月イチ金曜会”(現・KINEMIC)から生まれた作品。
「MOANIN`(モーニン)」
(2010/31分/DVCAM)
製作:佐藤央ワークショップ
プロデューサー・原案・監督・編集:佐藤央
脚本:高木幹也 撮影:四宮秀俊、三宅唱
録音:渡辺一輝 音楽:山田耕治
助監督:三宅唱 制作:草野なつか
コーディネーター:松井宏
公園で死体が発見された。死体をめぐって様々な人物たちが集い、交錯するなか、誰かがひとりの男を死体にそっくりだと主張しはじめる……。佐藤監督を講師に迎えた俳優ワークショップの成果として作られた。 
 
「MISSING」
(2011/55分/HD)製作:神戸映画資料館
監督・編集:佐藤央 脚本:小出豊
撮影・照明:四宮秀俊 録音:新垣一平
音楽:近藤清明 美術:大石佳奈
助監督:大岸智博 制作:唐津正樹
出演:土田愛恵、きく夏海、信國輝彦、昌本あつむ、八尾寛将、堀尾貞治
夫と1人息子のヒロと幸せな生活を送っていた清瀬晧子は、軽い気持ちからヒロとの約束を破ってしまう。その日以来、ヒロは二度と帰ってこず、「自分のせいだ」と自らを責める晧子は夫と別れ1人ヒロを待ち続ける。それから5年の月日が過ぎ…。
 
特別上映 「お城が見える」
(2006/11分/DV)
監督・脚本:小出豊
撮影:山岡太郎、深田晃司、四宮秀俊、川口力
出演:吉岡陸雄、おぞねせいこ、大谷伸
第4回CO2エキシビジョン・オープンコンペ部門優秀賞。夫による妻への暴力がきっかけで、妻は息子を殺してしまう。犯行を隠蔽しようと、息子の死体を海に遺棄する夫…。『MISSING』の脚本を手がけた小出豊監督の短編。

佐藤央
1978年大阪生れ。映画美学校フィクションコースを卒業後、2005年、短編ドキュメンタリー『キャメラマン 玉井正夫』を監督(フィルムセンター、三重映画フェスティバル、神戸映画資料館などで上映)。2007年、オムニバス映画『夢十夜 海賊版』の一本「不安」(第八夜)、2009年には『シャーリーの好色人生』を監督し、冨永昌敬(『パンドラの匣』『乱暴と待機』)との二本立て映画『シャーリーの好色人生と転落人生』として全国で公開。各方面で高い評価を得る。2009〜10年には自主制作で『結婚学入門(恋愛篇・新婚篇)』の2作を続けざまに監督。最新作『MISSING』の一般公開準備中である。

 

《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

*神戸映画ワークショップ2011の参加者は無料
《割引》2プロ目は200円引き


日本映画名画鑑賞会
2011年8月14日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》
一律500円


『恐るべき子供たち』『蜂の巣の子供たち』
2011年8月6日(土)・7日(日)
「恐るべき子供たち」
Les Enfants terribles
(フランス/1950/105分/35mm)
監督:ジャン・ピエール・メルヴィル
脚色:ジャン・コクトー、ジャン・ピエール・メルヴィル
原作:ジャン・コクトー
撮影:アンリ・ドカエ
音楽:ポール・ボノー
出演:ニコール・ステファーヌ、エドゥアール・デルミ、ルネ・コジマ、ジャック・ベルナール、メルヴィル・マルタン、マリア・シリアキュス
フランス犯罪映画(フィルム・ノワール)を代表する『いぬ』(1962)、『仁義』(1970)などの傑作を生み出し、ヌーヴェル・ヴァーグにも大きな影響を与えたジャン=ピエール・メルヴィル監督。彼の1947年のデビュー作『海の沈黙』を見たジャン・コクトーの依頼を受け『恐るべき子供たち』を映画化した。奇妙な結びつきを持つ姉弟の二人だけの世界に、やがて崩壊が訪れる。
 
 
「蜂の巣の子供たち」
(1948/86分/35mm)
監督・脚本:清水宏 
撮影:古山三郎 
音楽:伊藤宣二
清水監督は戦災孤児を引き取りともに生活をしていたが、その子どもたちを出演させてオール・ロケーションで撮影した自主製作作品。下関に降り立った復員兵が出会った浮浪児たちを連れて広島、神戸と山陽道を歩いて行く。山中貞雄、小津安二郎、そして溝口健二が天才と呼んだ、清水宏監督の「子ども」と「旅」のテーマが凝縮されている。
    

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き


アンドレ・マルロー監督作『希望 テルエルの山々』
2011年7月23日(土)・24日(日)

 
フランスの作家アンドレ・マルローが監督した唯一の映画『希望 テルエルの山々』。ゴダールの『フォーエバー・モーツアルト』のモティーフであり、ネオリアリズモの先駆的な作品とも称される。
今回参考上映するイタリアのネオリアリズモ、ロッセリーニ監督の『戦火のかなた』と併せてご覧いただきたい。
[関連企画] 神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外
第3回 映画の夜と戦争①_アンドレ・マルロー

 
「希望 テルエルの山々」Espoir__Sierra de Teruel
(フランス・スペイン/1939/73分/35mm)
監督:アンドレ・マルロー 脚本:アンドレ・マルロー、ドニ・マニオン
撮影:ルイ・パージュ
出演:アンドレス・メフト、ニコラス・ロドリゲス、ホセ・ラド
国際義勇軍を組織しスペイン市民戦争に参加したマルロー自身による小説『希望』が原作。俳優が出演し、演出もされているが、市街戦や空中戦など実際に戦闘が続くバルセロナで撮影された。物語の最後、山中に墜落した飛行士の遺体が村の教会に運ばれる。このシーンに共和国軍の兵士や地元の住民、千人のエキストラが参加した。延々と続く沈黙の葬列は、内戦の悲惨さ、人間の運命の残酷さを、現実と虚構を超えて観る者に訴えかける。
 
[参考上映]  
「戦火のかなた」Paisa
(イタリア/1949/114分/16mm)
監督:ロベルト・ロッセリーニ
脚本: セルジオ・アミディ、クラウス・マン、フェデリコ・フェリーニ、ヴィクター・ヘインズ、マルチェロ・パリエーロ、ロベルト・ロッセリーニ
撮影:オテッロ・マルテッリ
出演:マリア・ミーキ、ガール・ムア、ドッツ・M・ジョンソン
連合軍の上陸直前から解放まで、ナポリ、ローマ、フィレンチェ、ポオ河と、イタリアを北上しながら、各地の民衆と米兵の交流を中心に、パルチザンや従軍神父らの身に降りかかる悲劇を、六話のオムニバス形式で描く。ネオレアリズモの傑作で、『無防備都市』に続き、『ドイツ零年』とあわせてロッセリーニの「戦争三部作」第二弾。四名の職業俳優を除き、各地で市民や将兵が起用された。脚本にはフェリーニも参加している。 
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き
[レクチャー:第3回 映画の夜と戦争①_アンドレ・マルロー] 参加者は1本目も200円引き


ドキュメンタリー映画再見
2011年7月16日(土)〜18日(月・祝)
 
今回からスタートする連続講座《映画批評_新しい映画と観客のために》のテーマ「ドキュメンタリーを考える」にあわせて、ドキュメンタリーの傑作を上映。
古典的な名作に新たな魅力を発見するとともに、ドキュメンタリー映画の現在を再考する機会となるでしょう。
 
[関連企画]
連続講座:映画批評_新しい映画と観客のために
第1回ドキュメンタリー映画を考える
(7月16日)

 
「北京」
(1938/45分/16mm)
監督:亀井文夫
撮影:川口政一
日本軍が侵攻中の中国を記録した『上海』(1938)に続く亀井文夫の作品。紫禁城、景山、天壇などを紹介、そのあと市場、商店街、裏通りなどへカメラは入り、同時録音で延々と市民の表情を描く。巻頭を含め30分程度の欠落がある。
 
「カメラを持った男」Человек с киноаппаратом
(ソビエト/1929/100分[16fps]/無声/16mm)
監督:ジガ・ヴェルトフ
ロシア(旧ソビエト)の天才ジガ・ヴェルトフの代表作。映画における演劇的・物語的な要素を否定し、コラージュやモンタージュ、フラッシュ・バックなどの技術を駆使した実験的作品で、視覚表現としての映画の可能性を追求している。1970年前後の一時期、ゴダールらが「ジガ・ヴェルトフ」集団を名乗って政治的映画を製作した。
 
「意志の勝利」Triumph des Willens
(ドイツ/1935/114分/16mm)
監督:レニ・リーフェンシュタール
製作:レニ・リーフェンシュタール、アドルフ・ヒトラー
脚本:レニ・リーフェンシュタール、ヴァルター・ルットマン
音楽:ヘルベルト・ヴィント
ニュルンベルクで1934年に6日間行われたナチ党の全国党大会を記録した映画。リーフェンシュタール監督は、ヒトラー自身から直接の依頼により監督、戦後はプロパガンダによるナチズムへの協力者として排斥されることになった。リーフェンシュタール監督は「私は政治には全く興味はなかった。興味があったのは美だけ」と述べている。70年代以降は写真家として評価された。
 
「ルイジアナ物語」Louisiana Story
(アメリカ/1948/77分/16mm)
監督:ロバート・フラハティ
脚本:ロバート&フランシス・フラハティ
撮影:リチャード・リーコック
ヴェネチア映画祭国際賞受賞したフラハティ最後の長編作品。ルイジアナ州の湿地帯(バイユー)を舞台に、そこに暮らす少年とともに油田の採掘工事を描く。現在は守るべきものとして認知される“自然”が“驚異”として描かれる。石油会社がスポンサーの産業PR映画でもある。
   
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア700円

《割引》
2本目は200円引き
講座「第1回ドキュメンタリー映画を考える」参加者は1本目も200円引き


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。