プログラムPROGRAM

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堀禎一監督特集 part2
2017年4月22日(土)〜24日(月)

昨年末のpart1に続く今回は、堀禎一が自主製作するドキュメンタリー映画「天竜区」シリーズを一挙上映します。

4月22日(土)16:15〜
トーク 堀禎一 + 細馬宏通
(人間行動学/コミュニケーション論/滋賀県立大学教授)
*参加無料(要当日の映画チケット半券)

「天竜区」シリーズについて
cha02堀禎一が初めて手掛けるドキュメンタリー作品。堀が以前から興味を持っていた山の暮らしや風景をテーマとしている。具体的な始まりは、静岡県在住の内山丈史と知り合い、2013年の6月より大井川流域、天竜川流域を月2回程度の頻度でロケハンを始めたことである。この準備期間に山の中腹に位置する斜面集落のひとつである天竜区奥領家大沢集落に偶然辿り着く。そこで集落の眼前にそびえる麻布山の姿、道を歩く竹腰さん(『夏』の終盤でカヤを背負って歩いている女性)の姿を目にし深く心うたれたという。山々の形、端々に長い歴史をうかがわせる山の生活風景を撮影するには、4:3のスタンダードサイズ、またHDよりSDでの撮影がふさわしいと判断し、2014年の4月末までロケハンとテスト撮影を続ける。また、この準備期間にジャン=クロード・ルソー監督の作品など小規模予算、小規模スタッフ編成による“説明というより余白の多い映画”を数多く見たことが制作を始めるきっかけにもなった。 撮影は2014年の5月から1年間続けられる。大沢集落だけが持つ時間、空間、人々をあるがままに捉えている。

Aプログラム
cha01「天竜区奥領家大沢 別所製茶工場」
(2014/64分/DVD上映)
制作:内山丈史 監督:堀禎一
5月後半の、大沢での茶摘み、そして工場での製茶の様子を淡々と捉える。雨に打たれ霧に包まれた大沢の茶畑と緑に輝く茶の新芽の美しさに触発され、撮影された。

 

 

Bプログラム
gion01「天竜区旧水窪町 祇園の日、大沢釜下ノ滝」
(2014/27分/DVD上映)
制作:内山丈史 監督:堀禎一
6月、祗園祭の日に合わせ年に一度だけ花火を楽しむ「ぎおん」という風習や、町の中心部を流れる水窪川の様子を捉える。『別所製茶工場』より後に撮影されたが、「天竜区」シリーズで最初に完成した作品。

 

 

natsu02「天竜区奥領家大沢 夏」
(2014/67分/DVD上映)
話:別所賞吉 制作:内山丈史 監督:堀禎一
「別所製茶工場」の持ち主である別所賞吉さんの大沢についての話や思い出をナレーションに、大沢の夏の様子を捉える。ナレーションは夏の風景と重なって心地良いリズムを刻む。

 

 

Cプログラム
fuyu02「天竜区奥領家大沢 冬」
(2015/94分/DVD上映)
話:別所賞吉 制作:内山丈史 機材協力:葛生賢
監督:堀禎一
別所賞吉さんのナレーションとともに、山の長い冬を捉える。度々登場する写真は村人たちが自身の生活を写したもの。それはこの映画に写る大沢での営みと同様に、今まで過ごしてきた膨大な時間が刻み込まれていることを感じさせる。映画は、大沢集落の春の訪れと共に終わる。

「天竜区旧水窪町 山道商店前」
(2017/2分/DVD上映)
制作:内山丈史 監督:堀禎一
「天竜区」シリーズの最新短編。水窪町にある山道商店の駐車場にカメラを据え山々を見上げる。

 

堀禎一
1969年兵庫県たつの市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。1994年に佐藤真監督が構成・編集を担当した『おてんとうさまがほしい』の制作に参加。1996年から小林悟、北沢幸雄、サトウトシキ監督らの助監督を務める。1998年『樹海熟女狩り』(小林悟監督)の脚本を手がけ、2003年『宙ぶらりん(SEX配達人 おんな届けます)』で監督デビュー。2005年『草叢』、2006年『笑い虫(色情団地妻 ダブル失神)』とピンク映画、2007年『妄想少女オタク系』で一般映画を監督する。その後も『憐 Ren』や『魔法少女を忘れない』などのライトノベルや漫画が原作の映画や、『東京のバスガール』などのピンク映画を監督。一方、「映画芸術」、「月刊シナリオ」、「ユリイカ」、「中央評論」では映画論、映画評の執筆も行う。最新作「天竜区」シリーズは自身初となるドキュメンタリー映画である。

 
協力:アテネ・フランセ文化センター

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
Aプログラム一般1000円 学生・シニア900円 会員900円 学生・シニア会員800円
BプログラムCプログラム一般1200円 学生・シニア1100円 会員1100円 学生・シニア会員1000円
《割引》当日に限り2本目は200円割引


神戸大学・国際文化学研究科の研究プロジェクト
映画/ファッション/食

多様な研究者が集まる神戸大学・国際文化学研究科の研究プロジェクトとして開催する2日連続の公開研究会。1日目は「映画とファッション」というテーマで、衣装から日本映画の魅力を読み解くトークと上映。2日目は「映画と食」をテーマに、アメリカ、日本、イタリアの映画を解明する。当日の会場では、たかぎみき氏のイラストの展示も実施。

司会:板倉史明(国際文化学研究科准教授)

 

©日活

©日活

映画とファッション
2017年1月28日(土)

13:30~ トーク
たかぎみき(ホームページ「キネマ洋装店」店主)

14:30~ 上映
『街燈』

(中平康監督、日活、1957年、91分、35mm)
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター

上映終了後、ディスカッション(16:30終了予定)
たかぎみき、朝倉三枝(国際文化学研究化准教授)、板倉史明

たかぎみき イラスト展

たかぎみき イラスト展

 

映画と食
2017年1月29日(日)

13:30~ 講演「アメリカン・ホラーと人肉食——食肉の視点から」
小澤卓也(国際文化学研究科准教授)

14:15~ 講演「屠畜と日本映画」
岡田尚文(学習院大学大学院助教)

15:15~ 講演「イタリア映画における食」
中島梓(立命館大学非常勤講師)

16:00~ ディスカッション(16:30終了予定)

 

《参加費》 無料

協力:東京国立近代美術館フィルムセンター

企画:神戸大学大学院国際文化学研究科 国際文化学研究推進センター 研究プロジェクト 「領域横断的映画研究の推進」(代表者:板倉史明)


年末特別企画 ホームシアター DAYS
2016年12月24日(土)〜27日(火)

神戸映画資料館のシアタールームを特別料金でご提供します。おひとりでもグループでもご利用いただけます。
年末の冬休みに入る楽しい時期、ゆったり気ままにお過ごしください。

特別料金 6,000円 会員5,000円 (180分あたり/オペレーター料込み)
通常 貸室使用料+オペレーター料5,000円のところ

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ご利用時間
10:00〜13:00 13:00〜16:00 16:00〜19:00
→ 空室状況(随時更新)

ご予約方法
078-754-8039 info@kobe-eiga.net
電話かメールでご希望利用日時とお名前、連絡先をお知らせください。
空き状況を確認し、ご返信いたします。空きがある場合、当日のお申し込みも受付ます。

お支払い方法
ご利用1週間前までに、指定の口座にお振込ください。
サポーター会員・正会員に限り、当日のお支払いも可能です。

* キャンセル料
1週間前まで:無料  6日前から前日まで:50%  当日:100% 

* 上映可能な素材はBlu-rayとDVDです。上映素材は当日お持ちください。
上映準備に10~15分ほどのお時間を頂きます。
パソコンで作成したディスクは、通常のBlu-ray、DVD再生機で再生できることをご確認ください。
また、事前にご郵送くだされば、再生確認をいたします。

* シアター内への食べ物の持ち込みはご遠慮ください。飲み物は可能です。
併設のカフェでは、ドリンクをご注文いただければ食べ物の持ち込みは可能ですので、合わせてご利用ください。

* 個人利用以外(有料上映等)や、1枠(180分)に2枚以上のディスクを使用される場合は、通常の貸室利用となります。こちらもお気軽にご相談ください。


『映画という《物体X》』刊行記念 上映とトーク
2016年12月11日(日)

日本で初めて映画の《アーカイブ》を堂々と名乗ったのは、映画の保存機関ではなく、実は「黙壺子(もっこす)フィルム・アーカイブ」だったのではないか。映画評論家佐藤重臣が一本一本築き上げた、実験映画、アンダーグラウンド映画専門の自主上映組織だが、上映団体なのにアーカイブを標榜したところがむしろ佐藤の強靭な志にほかならない。その定番の一つだった外国の前衛映画などの短篇集を通じて、「もう一つの映画アーカイブ」の幻視を試みる。(岡田秀則)
 
17:20~ 上映
meshes01s「ひとで」
L’ Étoile de Mer
(フランス/1928/11分)監督:マン・レイ
「午後の網目」Meshes of the Afternoon
(アメリカ/1943/20分)監督:マヤ・デレン
「パシフィック231」Pacific 231
(フランス/1949/10分)監督:ジャン・ミトリ
「コンクリート作戦」Opération Béton
(フランス/1954/16分)
監督:ジャン=リュック・ゴダール
 ほか(すべて16mm/計86分)

 

19:05~ トーク (20:00終了予定)
「私のシネマテーク修業日記」こぼれ話
岡田秀則

 

buttaix『映画という《物体X》
フィルム・アーカイブの眼で見た映画』

立東舎刊 定価1,800円(税別)
著者:岡田秀則
1968年愛知県生まれ。東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員として、映画のフィルム/関連マテリアルの収集・保存や、上映企画の運営、映画教育などに携わり、2007年からは映画展覧会のキュレーションを担当。また、学術書から一般書まで内外の映画史を踏まえたさまざまな論考、エッセイを発表している。共著に『映画と「大東亜共栄圏」』(森話社、2004年)、『ドキュメンタリー映画は語る』(未來社、2006年)、『甦る相米慎二』(インスクリプト、2011年)、『岩波映画の1億フレーム』(東京大学出版会、2012年)、『クリス・マルケル遊動と闘争のシネアスト』(森話社、2014年)など。

 

《参加費》 1000円

 
[関連企画]
ノンフィルム資料の保存と活用
2016年12月
11日(日)公開講座:映画関連資料の現在
12日(月)勉強会:映画関連資料の取り扱い


堀禎一監督特集 part1
2016年12月3日(土)・4日(日)

2003年の監督デビュー以降、精力的に作品を発表している堀禎一。この特集のpart1ではピンク映画とアイドル映画を、来年春に予定しているpart2では最新作のドキュメンタリー映画を上映します。ジャンルを横断して展開する堀禎一の映画世界に出会う機会です。

堀禎一監督 来館 *参加無料(要当日の映画チケット半券)
12月3日(土)16:05〜 トーク 堀禎一 + 木下千花(映画研究者)
12月4日(日)『魔法少女を忘れない』上映後 堀禎一ミニトーク

kusamura01「草叢」(公開題「不倫団地 かなしいイロやねん」)
(2005/64分/35mm)
製作:国映、新東宝映画
監督:堀禎一 脚本:尾上史高 撮影:橋本彩子
照明:山本浩資 音楽:綱元順也
出演:速水今日子、吉岡睦雄、伊藤猛、森田りこ、佐々木ユメカ
大阪で団地に暮らす秋江は、テレクラで知り合った進次とその場限りの関係を持つ。彼女の夫である和彦は愛人のもとに行ったきりでほとんど家に帰ってこない。そんな中、偶然、団地で進次と再会した秋江は彼との情事に溺れていく。「月刊シナリオ」誌第二回ピンク映画シナリオ募集で準入選した尾上史高の脚本による堀の監督第二作。堀が出演を切望したという速水今日子(大阪出身)が揺れる中年女性を好演。
→自作を語る・堀禎一監督① ── 『草叢』

 

busgirl01「東京のバスガール」
(公開題「したがる母さん 若い肌の火照り」)
(2008/63分/35mm)
製作:国映、新東宝映画、Vパラダイス
監督:堀禎一 脚本:佐藤稔 撮影:清水正二
編集:有馬潜 音楽:神尾光洋
出演:かなと沙奈、吉岡睦雄、下元史朗、飯島大介、水沢萌子、速水今日子
二十代の若き未亡人摩耶は義理の息子である周平とひとつ屋根の下、ごく自然に肉体関係を持ち、母子であり友達、時には恋人のように暮らしていた。そんなある日、摩耶は亡き夫の実家から夫の弟である周造との縁談を持ちかけられる。堀が『妄想少女オタク系』(2007)、『憐 Ren』(2008)と一般映画を手掛けた後に撮られたピンク映画復帰作で、小津を思わせる細部も見所のラブコメディ。
→自作を語る・堀禎一監督② ── 『東京のバスガール』

 

maho-main01「魔法少女を忘れない」
(2011/95分/HDCAM)
製作:「魔法少女を忘れない」パートナーズ
監督:堀禎一 脚本:中野太、ますもとたくや
原作:しなな泰之 撮影:橋本彩子 音楽:伊藤幸毅
照明:山本浩資 編集:岡本浩明
出演:高橋龍輝、谷内里早、森田涼花、碓井将大、前田亜季
高校生の悠也の家で、“元魔法少女”のみらいが妹として暮らすようになる。みらいは次第に悠也の友達や学校に馴染んでいくが、“元魔法少女”は人々の記憶から消えていく運命にあった。超現実的な設定ながら、みらいを演じる谷内里早の透明感とあふれるような光を捉えた撮影が相まった青春ファンタジー。
→自作を語る・堀禎一監督③ ── 『魔法少女を忘れない』

 

堀禎一
1969年兵庫県たつの市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。1994年に佐藤真監督が構成・編集を担当した『おてんとうさまがほしい』の制作に参加。1996年から小林悟、北沢幸雄、サトウトシキ監督らの助監督を務める。1998年『樹海熟女狩り』(小林悟監督)の脚本を手がけ、2003年『宙ぶらりん(SEX配達人 おんな届けます)』で監督デビュー。2005年『草叢』、2006年『笑い虫(色情団地妻 ダブル失神)』とピンク映画、2007年『妄想少女オタク系』で一般映画を監督する。その後も『憐 Ren』や『魔法少女を忘れない』などのライトノベルや漫画が原作の映画や、『東京のバスガール』などのピンク映画を監督。一方、「映画芸術」、「月刊シナリオ」、「ユリイカ」、「中央評論」では映画論、映画評の執筆も行う。最新作『天竜区』シリーズは自身初となるドキュメンタリー映画である。

 

《料金》入れ替え制1本あたり
一般1200円 学生・シニア1100円 会員1100円 学生・シニア会員1000円
《割引》当日に限り2本目は200円割引
*招待券のご利用不可


1124rouseau_omoteジャン=クロード・ルソー レトロスペクティヴIII
2016年11月23日(水・祝)

 

同志社大学寒梅館で行われてきたフランスの現代映画作家、ジャン=クロード・ルソーの特集上映「ジャン=クロード・ルソー監督レトロスペクティヴ」。三回目の今年は、神戸、京都、東京の三都市で開催します。

 

 

ジャン=クロード・ルソー Jean-Claude Rousseau
1948年パリ生まれ。70年代、ニューヨークでアンディ・ウォーホルらアメリカのアンダーグラウンド映画の洗礼を受けると同時に、小津映画を発見する。フランスへ帰国後、ブレッソン作品をフェルメール絵画との関係において論じたテクストを著し、処女作『窓際で手紙を読む若い女』(1983)を制作。初長編作は『ローマの遺跡』 (1989) 。ルソーをヨーロッパで最も偉大な映画作家の一人と称賛するストローブとユイレが、シネマテーク・フランセーズでの自作の上映に際し、ルソーの『閉ざされた谷』を併映。彼らの支援によってオリジナルの8ミリから16ミリに変換される。2001年ヴェネツィア国際映画祭で全作品回顧上映。2007年『derives』ジャン=クロード・ルソー特集号刊行。2009年に『閉ざされた谷』DVD日本語字幕付がcapricci社より出版された。

 

13:00〜
「ローマの遺跡」Les antiquités de Rome
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(1989/105分/16mm)*解説書配布 *日本初上映
フィルム時代の代表作『閉ざされた谷』の前作だが、入口を通して見た部屋、窓辺、ベッド、断片的な言葉、遠くから聴こえてくる物音など、以後のルソー作品に登場する構図や事物のほとんどが登場し、原型的な作品となっている。

 

15:05〜
「彼の部屋から」De son appartement
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(2007/70分/ブルーレイ上映)*日本語字幕付き
マルセイユ国際映画祭グランプリ
監督自身が演じる一人の男の日常。煙草とグラス、ベレニスの朗読とタンゴ。ロベール・ブレッソンを想起させる映像と音をたった一人で作ってしまった、21世紀デジタル時代におけるルソー監督の驚くべき代表作。

 

16:35〜(2本立て)
「Keep in Touch」Keep in touch
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(1987/25分/16mm)
ニューヨーク滞在中に撮られた8mm映像。アパートの暗い部屋、照明と机とベッド、寒々とした雪の残る通り、車の通る昼と鳥だけがいる夕方、窓から見える屋根、聴こえてくるサイレン、スケート場と一面の雪・・・「そこに私は何かを見た」

「愛の歌」Chansons d’amour
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(2016/9分/ブルーレイ上映)*日本語字幕付き *日本初上映
監督自身が演じる男が部屋で座っていると、古い歌が聴こえてくる。鏡、人と扉とカーテンの開閉と黒画面のアクションから浮かび上がってくるノスタルジックなイメージ。

 

ジャン=クロード・ルソー監督 Q & A
通訳:太治和子
17:20〜 参加無料(要当日の映画チケット半券)

 

作品・監督解説:赤坂太輔
共催:アテネ・フランセ文化センター、同志社大学今出川校地学生支援課

《料金》入れ替え制1プログラムあたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生・シニア会員900円
《割引》2本目は200円割引

京都 11月24日(木) 同志社大学寒梅館ハーディーホール
東京 12月2日(金)、3日(土) アテネ・フランセ文化センター


katotai01加藤泰監督生誕100年 初期作品集

今年は加藤泰監督生誕100年の記念すべき年。加藤監督が亡くなられたのは1985年6月17日のことだったが、もうあれから31年が過ぎてしまったとは、信じられないくらい時の経過は早いものである。映画を愛していた加藤監督が生きておられたら、現在の映画状況をどう考えておられるのかを聞いてみたかった。
神戸映画資料館では加藤監督の偉大さを再確認するために、35ミリニュープリントで甦った『剣難女難』『清水港は鬼より怖い』『潜水艦』の3作品を上映する。この秋は京都文化博物館やシネ・ヌーヴォでも特集上映が企画されているので併せてご覧いただければ嬉しいところである。(安井喜雄)

 

第一週
2016年9月24日(土)・25日(日)

「剣難女難 第一部・女心流転の巻」(1951/70分/35mm)
「剣難女難 第二部・剣光流星の巻」(1951/71分/35mm)
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宝プロ・新東宝提携作品 製作:高村将嗣
監督:加藤泰 脚本:木下藤吉 原作:吉川英治 撮影:藤井春美 音楽:高橋半
出演:黒川弥太郎、市川春代、堀正夫、加賀邦男、阿部九州男、澤村國太郎、東龍子

加藤泰監督の記念すべき劇映画第一作で、吉川英治原作の痛快娯楽時代劇。加藤泰は「チャンバラ映画への初心とウンチクを、この前後篇一万三千呎のチャンバラにつぐチャンバラへ、唯一筋に、何の衒いもなく傾けて、脇目もふらず撮りあげたと言えるのを、今でも嬉しく思っている」と回想している。一部二部ともに東京国立近代美術館フィルムセンターでの特集上映のため、権利者である国際放映の協力のもと神戸映画資料館保存16ミリプリントからブローアップして作製したニュープリントを上映。

[第一部]主人公、福知山藩の春日新九郎は剣が全くダメな武士。兄の重蔵が宮津藩との剣道試合で自斉に破れため、兄共々藩を追われた。許嫁・千浪に横恋慕する玄蕃に命を狙われ、それを助けた女に惚れられるなど紆余曲折。江戸の道場に入門し剣に励むが、ある日、宿敵の自斉が現れ試合するも惨敗。その後、将軍家綱の側室の姉・お光の方に見初められ愛欲に溺れる。

[第二部]玄蕃に父を殺された千浪が、兄の重蔵とともに江戸に出てきた。新九郎は、お光の方から離れ賭場を転々とし、巷では「御曹子の新九郎」と呼ばれていた。千浪と重蔵に出会えた新九郎は心機一転、信州の山奥で剣の修行に励む。お光の方の取り計らいで宿敵・自斉との御前試合が実現。千浪と病に伏した重蔵は剣の達人となった新九郎の勝利を祈った。

 

第二週
2016年10月1日(土)
shimizuminato01「清水港は鬼より怖い」
(1952/79分/35mm)
製作:宝プロ 監督:加藤泰
脚本:木下藤吉、友田晶二郎 撮影:近藤憲昭
音楽:高橋半 美術:鈴木孝俊
出演:大泉滉、林加壽惠、桂春団治、広沢虎造、永田とよ子、加東大介、澤村國太郎、林田十郎、芦の家雁玉、鳳衣子、美ち奴、山茶花究、坊屋三郎
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター

「宝」の看板がかかった茶屋で繰り広げられる奇想天外なハチャメチャ・コメディー・ミュージカル。江戸の老舗の若旦那が侠客に憧れて次郎長の子分になるという次郎長もの映画だが、二代目広澤虎造や二代目桂春團治、歌手の美ち奴ら多彩な芸人が登場し歌って踊る。娯楽映画を志向する加藤泰ならではのサービス精神に満ちた作品。フィルムセンター所蔵35mmオリジナルネガの欠落部を、神戸映画資料館保存16mmプリントを35mmブローアップして補完作製した現存する最長版での上映。なお、メイン・タイトルは『虎造の清水港』と改変されている。

 

sensuikan01併映「潜水艦」
(1941/18分/35mm)
製作:理研科学映画 後援:海軍省
演出:西尾佳雄 原案:八木保太郎 脚本:加藤泰通
撮影:笠間公夫 音楽:永岡研介
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター

潜水艦に対する国民の認識を深めるため海軍省の絶大なる援助の下に製作された我国はじめての本格的な潜水艦映画。本物の潜水艦を使用、呉の海軍潜水学校を舞台に潜水艦の活動を縦横に描きその機能を科学的に解説したもの。加藤泰が初めて監督した作品だが、映画法下で監督として登録されていなかったため、クレジット上では西尾佳雄が演出となっている。劣化の激しかったフィルムセンター所蔵16mmプリントから復元した35mmプリントによる関西初上映。

 

協力:国際放映、東京国立近代美術館フィルムセンター

《料金》入れ替え制
一般1200円 学生・シニア1000円 会員1000円 会員学生・シニア900円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。