神戸と映画 第5回 見出されたもの
2015年3月1日(日)
定期イベントの第5回目。第一部は神戸近郊の企業や機関が所属する映画フィルムの調査報告と関連作品の上映、そして神戸映画資料館で新たに調査・発掘されたフィルムのお披露目上映(戦前の大阪や京都のカラー映像が記録されたコダカラー・フィルムの上映もあり)。第二部では、昨年度から濱口竜介監督が継続している神戸人へのインタビューを上映し、監督による解説も行う。

tsutenkaku01第一部 13:00〜15:00
神戸映像アーカイブプロジェクトの
今年の成果

報告者
安井喜雄(神戸映画資料館館長)
板倉史明(神戸大学准教授)

関連上映
1930年代のコダカラーによるアマチュア映像(技術解説:株式会社IMAGICAウェスト松尾好洋氏)、「宝探し試写会」で反響の大きかったフィルムなど。

 

第二部 15:30〜16:30
濱口竜介監督による神戸人インタビュー3

 

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

共催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会(神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援」)、一般社団法人神戸映画保存ネットワーク(平成26年度文化庁美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業)


一人からはじまる映画保存活動
──「ホームムービーの日」各地の取り組みとともに

2015年2月7日(土)14:00〜(終了予定17:00)
HMD2014

「ホームムービーの日」は、名もなきフィルムに光をあてる記念日。
アメリカのフィルムアーキビストたちが2003年に立ち上げた、家庭や地域に埋もれているプライベートフィルムを持ち寄って上映する国際的企画です。毎年10月の第3土曜日に世界同時開催されます。
このたび、日本各地の会場から選出された「今年の一本」を持ち寄って、神戸で上映会を開催します。
選りすぐりのフィルム上映を、どうぞお楽しみに!

参加会場(予定):宮城(仙台)、長野(飯綱)、東京(神田、北区、中野、谷根千、調布)、大阪(新世界、大阪)、兵庫(神戸)、京都(京都)、埼玉(川越)

《参加費》無料
《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
協力:NPO法人映画保存協会 HMD日本事務局「ホームムービーの日」各会場世話人
助成:平成26年度 まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成

NPO法人映画保存協会(東京)が〈ホームムービーの日〉の日本での普及につとめています

2月8日(日)10:30~12:00「ホームムービーの日」世話人会議
「ホームムービーの日」主催者(世話人)が集まって意見交換や情報共有を行います。「ホームムービーの日」や開催に興味のある方はどなたでも参加できます。
*事前予約をお願いします
info@kobe-eiga.net 宛に、お名前、連絡先(電話)、参加希望日を書いてお送りください。
追って予約受付確認のメールを差し上げます。


神戸映像アーカイブプロジェクト
みんなで発掘・宝探し試写会
   2014年6月14日(土)13:30〜
   2014年8月3日(日)13:30〜
   2014年11月8日(土)13:30〜
   2015年2月14日(土)13:30〜
 
神戸映画資料館には、1万本を超える収蔵フィルムがありますが、内容が未調査のものも多数あります。劇映画のほか、教育目的で作られたものやホームムービーなどなど。それらを実際に映写機にかけて上映し見ていきます。一口に映画フィルムといっても多様であることを知っていただく機会です。どんな映像が写っているでしょうか。宝探しの気分でご参加ください。
 

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
助成:神戸市「平成26年度 まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


収蔵フィルムで綴る戦前記録映画


【特集1】 収蔵フィルムで綴る戦前記録映画

神戸映画資料館が収蔵するフィルムの中から明治、大正、昭和にかけて作られた戦前記録映画をまとめて上映し、日本の記録映画作家たちが辿った苦難の歴史を振り返る。プログラムは「記録映画の創世記」「教育映画」「企業の宣伝紹介映画」「長編記録映画」「満蒙開拓啓蒙映画」「文化映画」「ホームムービー」の7つのカテゴリーとし、全17プログラムで構成した。

戦後すでに70年が経とうとする今日、大半の日本人が戦争を知らない世代となり、戦前の日本人の考えや時代背景などを理解し難い状況になっている。今回の大特集では当時の人々がどのように教育され悲惨な戦争に巻き込まれて行ったのかを記録映画を観ることで振り返り、明るい未来へと繋ぎたい。なお、今回の上映フィルムは欠落部分の多いものも多数存在するが、資料価値が高いのでそのまま上映する。フィルムの材質劣化や送り穴の欠損などにより映写機に掛からないものはデジタル上映とした。ご了承ください。

安井喜雄
(神戸映画資料館館長)

 



明治二十八年の両國大相撲明治から大正にかけての実写フィルム集。アメリカ帰りの土屋常二(ジョージ)が撮影した日本映画史上有名な明治の大相撲の記録や、北米で撮影されたと思われる戦闘の再現シーンを含む日露戦争、大阪安治川河口の爆発火災の惨状、大阪の澤田順介が撮影したシベリアに派遣された日本軍、関係者の証言から明治40年代と推定される別子銅山、帝キネ封切館「中井座」などが写る奈良町の貴重な記録など。

明治二十八年の両國大相撲 (撮影・土屋常二/1900/11分/16コマ/無声/35mm)

懐ひ起せ日露大戦 (製作・杉本商会/1905頃撮影/1932 /9分/16コマ/無声/35mm染色)

大阪倉庫の爆発 (天活大阪/1917/5分/16コマ/無声/35mm染色)

西比利亜派遣軍之情況 (撮影・澤田順介/1921頃/14分/16コマ/無声/35mm染色)

別子銅山・採鉱より精錬 (撮影・寺田活動写真店/1910年代/9分/16コマ/無声/35mm/DVカム上映)

奈良町の風景 (帝国キネマ演芸・中井座〈推定〉/1920/21分/16コマ/無声/35mm/DVカム上映)

関東大震災実況

関東大震災実況

摂政宮(後の昭和天皇)が尾上松之助の演じる「史劇楠公訣別」を見学する実写や、溝口健二作品などのカメラマン高阪利光ら日活の撮影技師が駆け付けて撮影した関東大震災と、後に震災の復興を描いた題名不詳のトーキー作品、田泉保直撮影による明治の白瀬中尉南極探検フィルムに解説を入れトーキー化した「白い大陸」など。「史劇楠公訣別」のオリジナル・ネガは重要文化財に指定されたが、今回の上映プリントにはネガには存在しない摂政宮の帰還するシーンが含まれている。

摂政宮殿下活動写真展覧会御台覧実況・史劇楠公訣別 (1921/6分/16コマ/無声/16mm)

関東大震災実況 (日活向島/撮影・高阪利光、伊佐山三郎/1923/21分/16コマ/無声/35mm染色)

題名不詳・関東大震災もの (1930年代/10分/35mm)

白い大陸・白瀬南極探検の壮挙 (構成・中川順夫/撮影・田泉保直/1957/24分/35mm/DVカム上映)

東京から青森まで

東京から青森まで

昭和初期の無声映画時代、映画館のみならず教育現場でも様々な無声の教材映画が利用された。大正12年創立の横浜シネマ商会は社長の佐伯永輔、教育者の青地忠三、線画の村田安司ら有能な人材を得て「さくらグラフ」「アテナライブラリー」の名称で数多くの教育映画を製作販売した。教室では教員が弁士を務めたであろう無声の横浜シネマ3作品に加え、全日本映画教育研究会監修で短篇映画各社が製作した「小学校地理映画体系」全13作品の内、大阪のサワタ映画製作所(社主・澤田順介)が担当した「近畿地方」を上映。

捕鯨船 (横浜シネマ商会/編集・青地忠三/1928/16分/16コマ/無声/16mm)

日光大観 (横浜シネマ商会/1931/8分/16コマ/無声/16mm)

東京から青森まで (横浜シネマ商会/監修・青地忠三/1931/14分/16コマ/無声/16mm)

小学校地理映画体系・近畿地方 (サワタ映画製作所/1935/26分/16コマ/無声/16mm)

蝉の一生

蝉の一生

十字屋映画部の仕事を振り返るプログラム。レコードや楽器の販売店である十字屋は大正10年から9ミリ半パテ・ベビーの販売を始め、社内に十字屋映画部を創設。「マーベルグラフ」の名称で劇映画の縮写版を販売。昭和初期に16ミリも扱い始め、国産映写機「ベル」の製造や映画教育雑誌の出版。十六ミリ映画教育普及会を組織して昭和9年から「通俗科学映画全集」「理科映画体系」として多数の作品を製作販売。太田仁吉の指導の下、鈴木喜代治、丸子幸一郎、小林米作、奥山大六郎らその後の日本の教育映画を支えた名カメラマンが活躍した。ここでは「理科映画体系」4本を一挙上映。

塩の話 (十六ミリ映画教育普及会/監修・太田仁吉/1935/16分/16コマ/無声/16mm)

蝉の一生 (十六ミリ映画教育普及会/監修・太田仁吉/1936/15分/16コマ/無声/16mm)

もんしろ蝶の話 (十六ミリ映画教育普及会/監修・太田仁吉/1937/15分/16コマ/無声/16mm)

地層の話 (十六ミリ映画教育普及会/監修・太田仁吉/1937/14分/16コマ/無声/16mm)

我等の明治

我等の明治

東洋紡績の女子工員の作業、寄宿舎生活、授業やお稽古事教室、病院など福利を紹介する「少女の躍進」と、明治製糖の砂糖製造工程を描く「製糖の実況」、南洋で採れたカカオビーンが明治の製菓工場に運ばれチョコレートなどに加工される「伸びゆく明治」、東京・京橋にある明治製菓本店の女子店員の作法を指導する「我等の明治」。

少女の躍進 (深田商会映画部/構成・岩田酉介/1939/27分/16コマ/無声/16mm)

製糖の実況 (1927/21分/16コマ/無声/35mm染色)

伸びゆく明治 (写真科学研究所/1936/9分/35mm)

我等の明治 (写真科学研究所/1936/10分/35mm)

北進日本横浜シネマが南洋諸島を描いた「海の生命線」( 1933)に続き、その姉妹編として樺太や千島列島に長期取材した作品。林業や漁業などの開発状況を描くとともに自然や風物を紹介。同じ素材から作られたと思われる「産業の樺太」(YouTubeにアップ)に含まれないシーンも多く、樺太ではウイルタ(オロッコ)やニブフ(ギリヤーク)という先住民の暮らしぶりが映っており民族学的にも資料価値が高い。

北進日本 (横浜シネマ商会/総指揮・佐伯永輔/1934/55分/16mm/DVカム上映)

ニュース映画発達史・躍進のあと朝日世界ニュースを中心に明治、大正、昭和の主なニュース映画を取り入れて日本近代史を構成したもの。生駒雷遊、中村茂、竹脇昌作の名調子で解説され、途中に映画現像、編集、効果音録音などの製作現場の様子が紹介される。伊藤博文暗殺の安重根(アン・ジュングン)逮捕のハルビン駅の情景なども挿入され、歴史的にも価値ある映画。

ニュース映画発達史・躍進のあと (朝日新聞社/構成・大内秀邦/1941/73分/35mm/DVカム上映)

空の神兵・陸軍落下傘部隊訓練の記録宮崎県新田原にあった陸軍落下傘部隊の訓練を描いた作品で、入隊した若者が立派な落下傘兵に成長する姿を描く。高木東六作曲による主題歌「空の神兵」は誰もが知る流行歌にもなった。陸軍航空本部が監修しただけあって本物の航空機や兵器が多数登場し見応え充分。

空の神兵・陸軍落下傘部隊訓練の記録 (日本映画社/演出・渡辺義美/1942/55分/16mm)

マレー戦記・進撃の記録日本軍の英領マレー及びシンガポール進攻作戦を描く。映画は輸送船団に始まり、マレー半島を列車、戦車、自転車などで南下、敵が破壊した橋を修理しながら快進撃が続き半島最南端ジョホール・バルに到着。続いてシンガポール総攻撃に移り、ブキテマ高地で激戦の末、大勝利。有名な山下奉文・パーシバル会談や敵兵捕虜の様子など。

マレー戦記・進撃の記録 (山下兵団報道班・日本映画社/構成・飯田心美/1942/71分/16mm)

航空基地解説:日中戦争中の 1941年 5月から 6月の間、山西省南部で行われた日本軍と中国軍の戦闘「中原作戦(中原会戦)」を3名のカメラマンが約1ヶ月決死的撮影を敢行した実戦記録映画。音楽は「空の神兵」の高木東六。この戦闘で中華民国国民革命軍には夥しい死者と捕虜が出たが、映画は捕虜の様子も捉えている。

航空基地 (大阪毎日・東京日日新聞社映画部/演出・高木俊朗/1941/72分/16mm)

興亜の礎

興亜の礎

満州事変以降国策による満蒙開拓移民を啓蒙する映画が数多く作られた。移民団は日本の各地で結成され、農業研修や軍事的な訓練を渡航前に受け「満州開拓移民団」として大陸に渡った。また、拓務省は15歳から19歳までの青少年たちを募集し茨城県下中津村内原の内地訓練所で満蒙開拓を担う人物を育成し「満蒙開拓青少年義勇軍」として大陸に送った。これらの映画は内地訓練の様子や満蒙での入植地の様子を詳しく紹介する。

鋤の光・大東亜の建設へ (満州移住協会/1937/47分/16コマ/無声/16mm)

我等は若き義勇軍 (大日本文化映画製作所/1939/10分/35mm/DVカム上映)

興亜の礎 (国策文化映画協会/撮影・高城泰策/1940年頃/12分/35mm/DVカム上映)

実る大陸 (大日本文化映画製作所/撮影構成・日向清光/1940/10分/35mm/DVカム上映)

展び行く開拓団

展び行く開拓団

満蒙開拓に旅立った義勇軍の活動を描く拓務省製作の国策映画「御稜威に副はん」をはじめ、開拓団や義勇軍の活躍を描く啓蒙映画の数々。なお、御稜威(みいつ)とは天皇の威光、権力を表す表現。

展び行く開拓団 (大日本文化映画製作所/構成・恒吉忠康/1939/21分/35mm/DVカム上映)

御稜威に副はん (拓務省・日本電報通信社活動写真部/1940年頃/30分/35mm/DVカム上映)

満蒙開拓青少年義勇軍・内地訓練篇 (同盟通信社/1940年頃/11分/35mm/DVカム上映)

子供と工作

子供と工作

1939年の映画法の制定によって「文化映画、時事映画の上映」が義務づけられ、これらの文化映画が映画館で盛んに上映された。大藤信郎アニメが挿入される「子供と工作」や、伊勢志摩・和具の漁村を詩的に描いた「和具の海女」。大宅壮一が製作した我等の兵器シリーズの一篇「戦車」。

子供と工作 (十字屋文化映画部/演出・渡辺義美/1941/20分/16mm)

和具の海女 (横浜シネマ/演出・上野耕三/1941/25分/16mm)

我等の兵器・戦車 (理研科学映画/演出・安積幸二/1941/18分/16mm)

警察犬

警察犬

警視庁防犯課警察犬訓練所における警察犬訓練の様子を描く「警察犬」、長良川の鵜飼を鵜匠の立場から描いて伝統の尊さに迫る「鵜匠」、鉄に熱を加え鍛え鉄製品を作る技を高木東六作曲のリズムに乗せて描いた「鍛錬」、国歌君が代をフィルムに定着させた「聖壽万歳」。

警察犬 (第一映画社/演出・持田米彦/1941/13分/35mm)

鵜匠 (松竹文化映画製作所/監督・松村清四郎/1941/21分/16mm)

目で見る工作術・第二篇 鍛錬 (日本映画社特別映画製作所/19分/35mm/DVカム上映)

聖壽万歳 (君か代映画製作所/撮影・国産活動写真協会/6分/35mm/DVカム上映)

空の第二陣

空の第二陣

明治43年に始まる日本国の軍用機の歴史を紹介し、小学生から大学生までの航空教育の実践を滑空機(グライダー)を中心に描いた「空の第二陣」、日本赤十字社の救護看護婦の養成と病院船での活躍を描く「戦ふ女性」、石川啄木の短歌に渋谷村や小樽、札幌などの情景を重ねた「啄木の歌」。

空の第二陣 (大日本飛行協会/演出・山口順弘/24分/35mm/DVカム上映)

戦ふ女性 (朝日映画/監督・永富映次郎/1939/16分/16mm)

啄木の歌 (理研科学映画/演出・山下武郎/1942/15分/16mm)

日本の姿・都市の建築美

日本の姿・都市の建築美

スパイへの警戒を訴える「防諜線を行く」、皇国臣民の心の支え神社の意義を紹介する「神ながらの道」、東京・大阪の近代建築や京都の日本建築を描く「都市の建築美」、昭和13年度総予算80億円(内、戦費48.5億、一般会計31.5億)の財源確保のため貯蓄を訴える「八拾億円」、廃品を回収し資源を確保、貯蓄を敢行し国民精神総動員で戦い抜くことを決意する「國策読本」、国民的愛唱歌を画面に合わせ観客が歌うように作られた「愛國行進曲」。

防諜線を行く (国民教育映画協会/演出・櫻庭喜八郎/1941/11分/35mm/DVカム上映)

神ながらの道 (1940年頃/17分/35mm/DVカム上映)

日本の姿・都市の建築美 (1940年頃/10分/35mm/DVカム上映)

國策短篇シリーズ・八拾億圓 (聯合映画社/構成・大島屯/1940年頃/11分/35mm/DVカム上映)

國策読本 (加治商会/1940年頃/8分/35mm/DVカム上映)

愛國行進曲 (鱗映社/1938/11分/35mm/DVカム上映)

大阪百景

大阪百景

大阪の夕凪橋に金物屋を営む播計一(播秀蓉)は、大阪や京都の風景を多く撮影している。京都の帝国キネマ太秦撮影所や、知恩院における東亜キネマのロケーション、日活、新興キネマ、寛プロ、そして宝塚キネマの市川龍男、大谷日出夫主演「艶姿影法師」撮影風景。大阪の労働者を描いた「パンの為に」や天保山、心斎橋、通天閣など大阪の情景を集めた「大阪百景」ほか。そして、四国松山で活躍したアマチュア映画作家・岡本達一の「秋の横顔」を参考上映。

太秦スタジオめぐり (撮影・播秀蓉/1930年代/18分/16コマ/無声/16mm/DVカム上映)

「パンの為に」「大阪百景」ほか (撮影・播計一/1930年代/34分/16コマ/無声/16mm/DVカム上映)

秋の横顔 (撮影・岡本達一/1931/9分/16コマ/無声/16mm)


2014title4_06上映時間・入場料金会場・問合せ特集1特集2特別イベント


実験と遊び 戦前のアマチュア映画作家たち

【特集2】 実験と遊び 戦前のアマチュア映画作家たち

映画愛好家たちが製作する「アマチュア映画」の文化が日本に生まれたのは、1920年代後半である。戦前は主に9.5mm、16mm、8mm(レギュラー8) が、1965年以降はレギュラー8に加えてスーパー8やシングル8が主に使用され、1980年代以降はビデオカメラでの撮影へと移行する。アマチュア映画は、35mmフィルムに対する「小型映画」と呼ばれたり、家族の日常風景を記録したジャンルとしての「ホームムービー」とも呼ばれたが、それらの映像は、商業映画では映しだされることのない市井の人々の日常を現代の私達に伝えてくれると同時に、戦災や災害などによって失われてしまった風景や建造物などが記録された重要な歴史資料でもある。最近は「ホームムービーの日」のイベントが全国各地で開催され、アマチュア映画の再活用と再評価が進みつつある。

今回は3つのプログラムによってアマチュア映画文化の多様性を紹介する。1930年代には全国に愛好家のサークルが生まれ、定期的な撮影会・上映会・コンクールなどが実施されていた。当時精力的に製作していた作家のうち、今回は東京の荻野茂二と大阪の森紅もり・くれないの作品群を紹介する。荻野のフィルムは現在、東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されており、今回はじめて関西圏で特集上映が実現した。なお本映画祭のQプログラムも1930年代のアマチュア映画の作品群をまとめた関連プログラムなので合わせてご覧いただきたい。

板倉史明
(映画研究/神戸大学国際文化学研究科准教授)

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◎企画協力
浅利浩之(東京国立近代美術館フィルムセンター 客員研究員)
松谷容作(神戸大学大学院人文学研究科 研究員)

*記載以外はすべて無声作品

 

PRO_R2

AN EXPRESSION

AN EXPRESSION

抽象映画・実験映画的な手法とコンセプトで製作された作品群と、当時のアマチュア映画サークルの活動がわかる作品群を集めたプログラム。『?/三角のリズム/トランプの爭』は抽象的なモチーフを扱ったアニメーション作品。『RIVER』は渓流の流れを美的対象として詩的に描く。『PROPAGATE(開花)』は花の種が成長する様子を幾何学的デザインで表現したアニメーション。『AN EXPRESSION(表現)』と『RHYTHM』は幾何学的なイメージを用いた抽象映画で、前者はフィルムのコマを赤と緑に手作業で塗り分け、秒間32コマで高速上映することで色彩を生み出す「キネマカラー」方式の作品。『A STUDY』は鏡をモチーフにした抽象映画。『球面衝撃 高速度撮影』は高速度撮影を使って物体が割れる瞬間をスローモーションで捉えた作品。戦後作品の『光の幻想』と『水の幻想』は特殊フィルターを用いた抽象映画。『或る日のP.C.L』はアマチュア映画サークルの会員がP.C.L.撮影所で撮影会を実施したときの記録で、俳優の大川平八郎や千葉早智子を撮影している。『SCREEN GRAPH オール・ニッポン』は全日本パテーシネ協会関東支部が主催した浦安での撮影会の記録。(板倉史明)

?/三角のリズム/トランプの爭 (1932/4分/9.5mm/ブルーレイ上映)

RIVER (1933/6分/9.5mm/35mm上映)

PROPAGATE(開花) (1935/4分/9.5mm/ブルーレイ上映)

AN EXPRESSION(表現) (1935/3分/9.5mm/ブルーレイ上映)

RHYTHM (1935/2分/9.5mm/ブルーレイ上映)

A STUDY (1937/3分/9.5mm/ブルーレイ上映/音声あり)

球面衝撃 高速度撮影 (1930年代前半/6分/9.5mm/ブルーレイ上映)

光の幻想 (1967/12分/シングル8/ブルーレイ上映)

水の幻想 (1981/13分/スーパー8/35mm上映/音声あり)

或る日のP.C.L (1933/6分/9.5mm/ブルーレイ上映)

SCREEN GRAPH オール・ニッポン (1937/10分/9.5mm/35mm上映)

 

作品提供:東京国立近代美術館フィルムセンター

 

PRO_S2

FELIXノ迷探偵

FELIXノ迷探偵

抽象アニメーション以外の多様なアニメーション作品と、戦時下の「文化映画」的な記録映画作品を紹介するプログラム。『FELIXノ迷探偵』はフィリックスの人形を使った実写アニメーション。『百年後の或る日』は、未来の戦争で死んだ男が百年後の世界で目覚めるというSF的な影絵アニメーション。『色彩漫画の出来る迄』はアニメーション作家・大藤信郎が『かつら姫』を制作している風景を記録したカラー作品。今回は編集段階でカットされた素材映像もあわせて上映。『寒天』は、寒天の採取から加工までのプロセスを記録した作品で、水中撮影や微速度撮影が活用されている。荻野自身はパートカラーで制作したが、今回上映するのは当時市販された白黒版。『器用な手』は日舞を踊る娘の小物や衣装の作成過程を記録したカラー作品。『隣組』は防災訓練や慰問袋作りなどの「隣組」の活動を記録した戦時下の作品。荻野作品の全容については、浅利浩之「荻野茂二寄贈フィルム目録」(『東京国立近代美術館研究紀要』18号、2014年)をご覧いただきたい。(リンク先はPDFファイル)(板倉史明)

FELIXノ探偵 (1932/10分/9.5mm/35mm上映)

百年後の或る日 (1933/11分/9.5mm/35mm上映)

色彩漫画の出来る迄 (1937/5分/16mm/ブルーレイ上映/音声あり)

色彩漫画の出来る迄 素材 (1937/1分/16mm/ブルーレイ上映)

寒天 (1937/16分/16mm/神戸映画資料館収蔵)

器用な手 (1938/12分/16mm/ブルーレイ上映/音声あり)

隣組 (1930年代後半/12分/16mm/ブルーレイ上映)

 

作品提供(記載以外):東京国立近代美術館フィルムセンター

 

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開会の挨拶

開会の挨拶

昭和初期の大阪でアマチュア映像文化を牽引したアマチュア映像制作者森紅もり・くれない(1895?-1941)の作品を紹介するプログラム。彼はパテ・ベビーを手に映像制作をし、国内外の作品競技会で数々の秀作を発表した。本プログラムでは、アマチュア映画倶楽部のメンバーと共に制作した『開会の挨拶』、劇仕立ての『遺訓によりて』、昭和初期のメディア文化を前景化する『競馬放送』、家族との日々を記録した『納骨の日』、『四天王寺/森展利二歳/或る日の母/淀川公園にて露子つ多子/散策の榮子/スケッチ』そして『寂光』、ヨーロッパの実験映像の雰囲気漂う『臺所の戯曲』や『千鳥の曲』、多彩な映像技巧で自身の子供たちの日常を描く『私の子供』を上映する。これらの作品は、バラバラで統一感がないようにみえるが、「日常」をライトモチーフとし、時間への深い洞察が通奏低音として流れている。なお、『私の子供』、『四天王寺/…』、『寂光』は、神戸映画資料館で新たに発掘された作品であり、今回が初上映となる。また『開会の挨拶』は、フランス国立図書館によって復元された森紅の肉声と共に上映する。(松谷容作)

開会の挨拶 (1930年代後半/3分/DVカム上映/ホノマトンの復元音声付き)
遺訓によりて (1937/11分/35mm上映)
競馬放送 (1931/9分/35mm上映)
四天王寺/森展利二歳/或る日の母
/淀川公園にて露子つ多子/散策の榮子/スケッチ
(1932/9分/DVカム上映)
寂光 (1930年代初頭/13分/DVカム上映)
納骨の日 (1930年代初頭/10分/DVカム上映)
臺所の戯曲 (1935/6分/35mm上映)
千鳥の曲 (1930年代/3分/35mm上映)
私の子供 (1934/6分/DVカム上映)

 

作品提供:神戸映画資料館(オリジナルはすべて9.5mm)

2014title4_06上映時間・入場料金会場・問合せ特集1特集2特別イベント


第6回神戸ドキュメンタリー映画祭 ホームムービーの日 in 神戸

 

ちいさなフィルムのためのちいさな祭典! 世界で同時開催
ホームムービーの日 in 神戸
みなさんのホームムービーを見せてください!
画:椿﨑和生

画:椿﨑和生

上映フィルム募集中
フィルムをお持ちのかたは、事前に神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会事務局(神戸映画資料館内)までご連絡ください。
お寄せいただいたフィルムは、傷みや内容を確認後、持ち主の方と上映のご相談をします。上映させていただいたフィルムは、その後も内容を簡単に確認できるようDVD化してお渡しいたします。

2014年10月18日(土)13時半〜
会場:神戸市立地域人材支援センター
参加無料

聚楽館前(1953年)

聚楽館前(1953年)

地域や家庭に眠るフィルムを持ち寄る上映会です。
個人的な記録(映像)が、地域の、そして時代の記憶を呼び覚まします。
この機会に、みなさんの思い出を映像とともに甦らせてください。

スライド上映
写真でふりかえる懐かしの神戸
解説:東 充(神戸アーカイブ写真館)

上映
みなさんからお寄せいただいたホームムービー

 

お問い合せ

神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会事務局 (神戸映画資料館内)
078-754-8039 info@kobe-eiga.net

発掘パートナー:みんなのフェスティバル(NPO法人ダンスボックス)


 予約制

神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会事務局 (神戸映画資料館内)
078-754-8039 info@kobe-eiga.net

現在、ご予約を受け付けています。
参加費のお支払いは、当日、会場でお願いします。



特別料金:一般1,500円/学生1,000円
大人の見る繪本 生れてはみたけれど

(松竹蒲田/1932/91分/20コマ/無声/16mm)

otonano監督:小津安二郎
原作:ゼェームス槇
脚本:伏見晁
撮影:茂原英朗
出演:斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄、突貫小僧、阪本武

近代化する東京の周辺に広がる新興住宅地。私鉄線路沿いの家に引っ越してきた一会社員とその二人の息子が繰り広げるユーモアたっぷりの社会風刺喜劇。ある日、重役が作った16ミリ・ホームムービーの上映会が開かれ、その社員たちに混じって息子二人も一緒に見ることになった。スクリーンに映し出された親父の三枚目姿を見た息子たちは、偉いと思っていた自分の親が重役より偉くない現実を見せられ失望する。小津安二郎監督のサイレント時代の代表作で、移動撮影を多用するなど戦後小津作品の特徴を覆す。突貫小僧の名子役ぶりも見所で、 1932年のキネマ旬報ベストテン第一位に輝いた。

 

弁士:井上陽一
1938年、姫路市生まれ。浜星波に師事。60年から活動写真弁士として活躍。「OSAKA映像フェスティバル」で『雄呂血』、京都映画祭では『特急三百哩』などを名調子で活弁するなど、各地の映画祭等で活躍。伝統的な話芸を現代に伝える関西随一の弁士である。

伴奏:今田健太郎(ヴァイオリン) 、米田浩子(キーボード)


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