「神戸の映画・大探索」上映会 神戸1921・1952・1984
2016年3月5日(土)・6日(日)

「神戸の映画・大探索」プロジェクトではこの一年間、神戸に関連する映画の情報を収集してきました。その調査報告とともに、映画に描かれた三つの時代の神戸をご覧いただきます。
 
→上映時間

 

[上映]
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大正十年・川崎・三菱大争議の記録」

(1958年再編集版/22分/16mm)
製作:兵庫県労働運動史編纂委員会
日本で最も古い1921年(大正10年)の川崎・三菱大争議の労農記録映画を素材に、1910年代の第一次世界大戦、ロシア革命、米騒動、川崎造船ストへと続く日本の労働運動史を描く貴重な作品。鈴木文治、賀川豊彦ら「友愛会」の活動のほか、神戸駅、阪神電車滝道終点、栄町朝日新聞社前、大開通、新開地本通、川崎造船本社前、三菱造船所前などを労働者が行進する様子が描かれる。

 

ⓒ国際放映

ⓒ国際放映

「朝の波紋」
(1952年/103分/DVD上映)
製作:スタヂオ・エイト・プロ
監督:五所平之助 脚本:館岡謙之助 原作:高見順 撮影:三浦光雄
出演:高峰秀子、池部良、岡田英次、岡本克政、三宅邦子、瀧花久子、斎藤達雄、沢村契恵子、浦辺粂子、清水将夫、高田稔、田中春男、上原謙、沼田曜一、吉川満子、香川京子
仕事に燃える貿易会社の社長秘書(高峰)、彼女の同僚(岡田)、ライバル会社の社員(池部)の三人が織りなす恋愛模様。半年間のパリ遊学から帰国した高峰秀子の銀幕復帰に、池部良が天真爛漫な魅力を添える。名匠・五所平之助の演出の下、戦後の空気感を捉えた東京ロケや異国情緒を活かした神戸ロケが見事。上原謙・香川京子らスターから浦辺粂子・田中春男ら名脇役まで、豪華な出演陣にも注目。

ⓒ国際放映

ⓒ国際放映

 

sepia10「セピアタウン」
(1984年/90分 70分/16mm)
製作:KOBE映画フェスティバル、映画集団エレファントアイズ
プロデューサー:三村照雄 監督・脚本:白羽弥仁 撮影:原ひろし 照明:木下敏 録音:村上誠、岩井寿光
出演:取坂由起子、大橋秀清、浜田隼人、辻本敬仁、三浦摂郎、岡本明子
昨年『神戸在住』を監督した白羽弥仁監督がまだ日本大学藝術学部の学生のころ、弱冠二十歳で初監督した青春映画。神戸から芦屋、西宮を中心にロケーション撮影されており、80年代の阪神間の時代の空気が懐かしい風景とともにスクリーンに甦ります。
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《参加費》1000円(一日通し)
《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


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ⓒ日活

「神戸の映画・大探索」上映会 『紅の流れ星』
2015年12月19日(土)・20日(日)

 

「神戸の映画・大探索」プロジェクトでは、神戸に関連する映画の情報を収集中です。今回は、現在までに集まった情報の中間報告を兼ね、国際港神戸の魅力をふんだんに盛り込んだ『紅の流れ星』をご覧いただきます。
元神戸新聞論説委員で神戸100年映画祭総合プロデューサーを長年つとめられた伊良子序さんと、神戸フィルムオフィス代表の田中まこさんという、神戸の映画を語るにふさわしいお二人によるトークもお楽しみください。

 

 

 

『紅の流れ星』讃

山根貞男(映画評論家)   

 ジャン・ギャバン、石原裕次郎、ジャン=ポール・ベルモンド、そして渡哲也──映画『紅の流れ星』には、これら日仏の人気スター4人の連鎖が内包されている。
 題名でいえば、『望郷』、『赤い波止場』、『勝手にしやがれ』、そして『紅の流れ星』。監督はジュリアン・デュヴィヴィエ、舛田利雄、ジャン=リュック・ゴダール、そして再び舛田利雄。1930年代から60年代まで、4本の映画の連関が見られるのである。
 どこがどんなふうに繋がっているのかは、この短文では説明しきれない。ちょっとした映画ファンなら、一夜飲み明かして語ることになろうと思われるほどだから。
 『紅の流れ星』は要するにムチャクチャな映画で、だから素晴らしい。
 一点だけ具体的に強調しておこう。かんかん帽を目深にかぶって酒場で踊る渡哲也の魅力を、である。そこにはギャバンとも、裕次郎とも、ベルモンドとも、決定的に違う何かが感じられる。それは何なのか。思うに、渡哲也の姿には含羞が輝いている。

 

[上映]12月19日(土)・20日(日)13:30〜
「紅の流れ星」
(1967/97分/35mm)日活
監督:舛田利雄 脚本:池上金男、舛田利雄 撮影:高村倉太郎 美術:木村威夫 照明:熊谷秀夫 音楽:鏑木創
出演:渡哲也、浅丘ルリ子、杉良太郎、松尾嘉代、奥村チヨ、藤竜也、宍戸錠

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ⓒ日活

無国籍アクションが似合った港町 ────伊良子序
神戸でロケが行われた多くの作品群でもっとも強い印象を残しているのは、往年の日活のアクション映画だろう。「無国籍アクション」といささか揶揄的に表現された一連のプログラム・ピクチャーの最盛期は昭和の30年代であった。石原裕次郎、赤木圭一郎、渡哲也らが演じたアンチヒーローが暗黒街のシンジケートと戦い、恋人とせつない別れを告げる場が国際港都・神戸だった。もっとも有名なのは、神戸出身の舛田利雄監督が人気絶頂期の裕次郎を主演に、フランスのジャン・ギャバン主演の名作「望郷」をイメージして作った「赤い波止場」(昭和33年)。五千人の見物客が殺到し、ロケがしばしば中断した騒ぎはいまも語り草になっている。さらに9年後、やはり舛田監督が「赤い波止場」を渡哲也主演でリメークした「紅の流れ星」(昭和42年)は、日活アクションが消えゆく寸前に作られた。メリケン波止場のハシケだまりなど、現在ではすっかり姿を消した懐かしい港町風景を銀幕にとどめた日活アクションは、古き良き「神戸」の面影をもっとも鮮明にとどめている。

 

[トーク]12月19日(土)15:15〜
伊良子序(作家)+ 田中まこ(神戸フィルムオフィス 代表)

 

《参加費》500円
《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」

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ⓒ日活


神戸映像アーカイブプロジェクト
みんなで発掘・宝探し試写会
[終了]2015年6月13日(土)13:30〜
[終了]2015年12月5日(土)13:30〜
[終了]2016年1月17日(日)13:30〜
[終了]2016年2月20日(土)13:30〜
 
神戸映画資料館には、1万本を超える収蔵フィルムがありますが、内容が未調査のものも多数あります。劇映画のほか、教育目的で作られたものやホームムービーなどなど。それらを実際に映写機にかけて上映し見ていきます。一口に映画フィルムといっても多様であることを知っていただく機会です。どんな映像が写っているでしょうか。宝探しの気分でご参加ください。
 

《参加費》無料   《会場》神戸映画資料館

主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
助成:神戸市「平成27年度 まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


松本俊夫特集

日本の前衛映画の巨匠・松本俊夫は映像作家としてだけでなく、「映像の発見―アヴァンギャルドとドキュメンタリー」などの著作を通じて制作・理論の両面から「映像とは何か」を問うてきた。記録映画、劇映画、実験映画、ヴィデオ・アートなど、領域を横断して映像史を体現する松本俊夫の軌跡を辿る新作ドキュメンタリー『映像の発見=松本俊夫の時代』五部作を軸に特集上映する。

 

matsumoto5-02『映像の発見=松本俊夫の時代』五部作
(2015/計700分)ブルーレイ上映
製作:プロダクション・バンブー
監督:筒井武文
撮影:瀬川龍、小野寺真、鈴木達夫
照明:市川元一
録音:山崎茂樹
サウンドデザイン:森永泰弘
編集:山崎梓
プロデューサー:武井登美

 

matsumoto1-01第Ⅰ部 記録映画篇(137分)
主な登場人物:藤原智子、湯浅譲二、観世栄夫、一柳慧、工藤充、佐々木守
1932年生まれの松本俊夫、その青春時代の映画との出会いから、初期の記録映画時代を語る。新理研映画で実験的なPR映画『銀輪』を手がけた後フリーとなり、映画のみならずラジオ、テレビ、演劇と多彩な活動を繰り広げる。

 

matsumoto2-01第Ⅱ部 拡張映画篇(153分)
主な登場人物:西嶋憲生、かわなかのぶひろ、波多野哲朗、金井勝、坂尻昌平、高山英男
3面マルチプロジェクション『つぶれかかった右眼のために』(1968)でカオスをはらんだ時代を捉え、大阪70年万博「せんい館」での映像表現に挑戦。第一批評集「映像の発見」の影響力の大きさが各氏の証言から浮かび上がる。

 

matsumoto3-01第Ⅲ部 劇映画篇(140分)
主な登場人物:中条省平、渡辺哲也、菊池滋、押切隆世、佐々木伯
松本の劇映画第一作『薔薇の葬列』(1969)から『修羅』(1971)、秋吉久美子のデビュー作ながら一時公開中止となった『十六歳の戦争』(1973)、そして『ドグラ・マグラ』(1988)に至る劇映画の系譜を探る。

 

matsumoto4-01第Ⅳ部 実験映画篇(109分)
主な登場人物:川村健一郎
実験映画の流れをたどりつつ、90年代以降の沈黙の意味を問う。2006年に川崎市市民ミュージアムで開催された特集上映「映像の変革」の関連企画展「眩暈の装置:松本俊夫をめぐるインターメディアの鉱脈」でのインスタレーションも記録。そこには松本の遺作(!)が展示されている。

 

matsumoto5-01第Ⅴ部 映画運動篇(161分)
松本と同様、映像作家で批評家である筒井武文が松本の書斎を訪ね、批評・映画運動に関する証言をまとめる。「記録映画作家協会」「映像芸術の会」「季刊フィルム」などで共闘した作家たちや、大島渚との論争などについて語られる。

 

 

 

 

松本俊夫監督作品集

haruwoyobu01春を呼ぶ子ら
(1959/20分)16mm上映
製作:新世界プロダクション
脚本・演出:松本俊夫 撮影:上村龍一
企画:進路指導シリーズ企画委員会
集団就職で都会へ出て行く若者を通して、日本の社会構造に疑問を投げかける。撮影現場は岩手県の山村と、労働力不足で中卒者を受け入れる工場の多い東京の下町。盛岡駅から中学生たちが送り出されてゆくラストシーンは松本監督の熱い思い入れが感じられる。

 

nshijin01西陣
(1961/26分)16mm上映
企画・制作:京都記録映画を見る会、「西陣」製作委員会 製作:浅井栄一 演出:松本俊夫
脚本:関根弘、松本俊夫 撮影:宮島義勇
「京都記録映画を見る会」の上映運動の成果として生まれた。当時のチラシのコピーには「日本で初めて作られた映画詩、機械と手と気のとおくなるようなハタ織り、その入り組んだ小路の奧に住む悪魔祓い釘抜き地蔵、伝統の地に現代の孤独をあばいた異色ドキュメンタリー」とある。1962年度ベネチア国際記録映画祭グランプリ受賞。

 

ishinohana01石の詩
(1963/25分)16mm上映
製作:東京放送、東京テレビ映画 構成:松本俊夫 音楽:秋山邦晴
瀬戸内海に臨む四国庵治村は、庵治石と呼ばれる御影石の産地。この村で営々と山の石に挑む石工たちの姿を写真構成で描く映画詩。

 

 

 

 

syura01修羅
(1971/134分)35mm上映
製作:松本プロ+ATG 脚本・監督:松本俊夫
撮影:鈴木達夫 美術:朝倉摂
出演:中村賀津雄、唐十郎、三条泰子
1960年代から1970年代にかけ映画ファンを魅了した日本アートシアターギルド(ATG)との提携作品で『薔薇の葬列』に続く松本の長編二作目。日本の古典、鶴屋南北の狂言「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」と、それを改作して青年座が上演した石沢秀二の台本をもとに、松本が映画用に脚色した異色の時代劇。全編夜の闇、しかも登場人物12人中、9人が死に果てるという凄惨な怨念劇で、松本はパンフレットに「私は積もりに積もった私と私の時代の青春のうめきを、力の及ぶかぎり塗りこめることによって、鎮魂のはなむけとなる映画をつくろうとした。そうでもしなければ、私は私なりに70年代へと向うことができなかったからである」と作品の狙いを述べている。

 

トーク(11月1日)
筒井武文
(映画監督) 川村健一郎(映画研究者/立命館大学教授)

 

協力:NPO法人 戦後映像芸術アーカイブ


Kobe Documentary Film Festival 2015
第7回神戸ドキュメンタリー映画祭
10月17日(土)、31日(土)〜11月10日(火)

上映時間・入場料金会場・問合せ
〈ホームムービーの日 in 神戸〉松本俊夫特集ロビンソン三部作
「波のした、土のうえ」上映と対話ドキュメンタリーの宝箱 山形国際ドキュメンタリー映画祭セレクション


ロビンソン三部作

いつもと異なる視点で日常の風景を意識的に観察することから
世界の転換を標榜するパトリック・ キーラー監督の「ロビンソン三部作」、関西初公開。

 

LONDON02ロンドン London
(イギリス/1994/82分)DVD上映
脚本・撮影:パトリック・キーラー
編集:ラリー・サイダー
プロデューサー:キース・グリフィス
ナレーション:ポール・スコフィールド
1994年ミュンヘン国際ドキュメンタリー映画祭最優秀賞

1992 年1月、7年間イギリスを離れていた語り手が、友人のロビンソンに頼まれロンドンに戻る。ロビンソンはこの都市のなかに19・20世紀のパリの残響を追い求めながら、現代ロンドンを蝕む政治的・社会的諸問題に大胆に切り込んでいく。彼の視点はどこか偏狭でもあるが、ユーモラスでもある。奇妙な二人組がシュルレアリスト的な着想をもとにロンドンの風景を切り取った一風変わったロンドン文学散歩。

 

ROBINSONINSPACE01空間のロビンソン Robinson in Space
(イギリス/1997/78分)DVD上映
脚本・撮影:パトリック・キーラー
編集:ラリー・サイダー
プロデューサー:キース・グリフィス
ナレーション:ポール・スコフィールド
1997年ロッテルダム国際映画祭最優秀作品賞

1995 年春。レディングに移り住んだロビンソンから久しぶりに連絡があり、語り手はイングランドの産業問題についての調査にまもなく同行することになる。5か月にわたる大規模な調査旅行によって、二人組はイングランドの地方都市と郊外の風景に、それを形づくっている諸産業(エネルギー産業、軍事・防衛産業、自動車産業、海運、多国籍企業など)の存在をマーキングしていく。イングランドの産業構造を風景の視点から観察した秀作。

 

robinsonstills01廃墟のロビンソン Robinson in Ruins
(イギリス/2010/101分)ブルーレイ上映
脚本・撮影・編集:パトリック・キーラー
ナレーション:ヴァネッサ・レッドグレイヴ
製作総指揮:キース・グリフィス
2010年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品

オクスフォード近郊に放置されたトレーラーから19本のフィルム缶とノートが発見される。その元々の持ち主は、この地球での人間という種の生き残りの可能性について調査すべく、周辺地域の風景を記録し始めたのだという。研究対象を都市から田舎へと変えたこのロビンソンによる単独調査では、近代以降の権力と土地との関係をめぐる歴史が詳細に描出されている。美しい田園風景に孕まれた経済問題を風景をとおして考察した、ロビンソンによる最終研究報告書。

 

ティーチイン(11月6日・7日)・トーク(11月7日)
木内久美子
(比較文化研究者/東京工業大学准教授)

 

協力:英国映画協会(BFI)、パトリック・キーラー、アテネ・フランセ文化センター

神戸映画資料館にて販売中
ブックレット
『時間のランドスケープス パトリック・キーラー「ロビンソン三部作」』

landscapes_in time01s目次

巻頭 作品解説+監督紹介
ロンドン……2(旅程図+解説)
空間のロビンソン……6(旅程図+解説)
廃墟のロビンソン……10(旅程図+解説)
「ロビンソン三部作」イコノグラフィ……14
*旅程図とイコノグラフィはカラーページです。
*旅程図は本ブックレットのために監督が特別に提供してくださったものです。
『ロンドン』の作品旅程図が見られるのは、世界でこのブックレットだけ!

パトリック・キーラー フィルモグラフィ/ビブリオグラフィ/ディスコグラフィ……16

インタヴュー
風景の未来に向けて パトリック・キーラーに聞く(聞き手・訳 木内久美子)……21
*映画の見所がわかる監督へのインタヴュー

寄稿エッセイ
佐藤元状  「パトリック・キーラーとシュールレアリズム的な想像力」  ……36
萩野亮   「ロンドンの憂鬱」  ……40
東志保   「変わりつつある風景のなかで――パトリック・キーラーの『ロンドン』とクリス・マルケルの映画作品」……47
*新進気鋭の映画研究者・批評家のお三方の寄稿エッセイ

『廃墟のロビンソン』論考
ドリーン・マッシー 「風景/空間/政治――試論」(訳 木内久美子)……53
*現在と歴史をいかにしてつなぐか。日本の今の政治的状況でこそ読まれるべきマッシーの試論。

ロビンソン年代記……xii

“For the Future of the Landscape: An Interview with Patrick Keiller” (Kumiko Kiuchi)……i

編集・執筆・翻訳:木内久美子
編集協力:中村大吾
デザイン:éditions azert
発行元:Office 903
発行年月日:2015年10月16日
印刷・製本:三松堂
定価:1000円
問い合わせ先:flaneurinruins@gmail.com

神戸映画資料館が通信販売を承ります(日本国内のみ)。下記フォームからご注文ください。ご注文をいただいてから、お支払い銀行口座をメールでご連絡いたします。入金確認後、メール便にて発送いたします。
料金(1冊あたり):本体価格1000円(税込み)+送料82円+振込手数料
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Kobe Documentary Film Festival 2015
第7回神戸ドキュメンタリー映画祭
10月17日(土)、31日(土)〜11月10日(火)

上映時間・入場料金会場・問合せ
〈ホームムービーの日 in 神戸〉松本俊夫特集ロビンソン三部作
「波のした、土のうえ」上映と対話ドキュメンタリーの宝箱 山形国際ドキュメンタリー映画祭セレクション


「波のした、土のうえ」上映と対話

映像作家・小森はるかと画家で作家の瀬尾夏美によるアーティストデュオが、岩手県陸前高田で三年かけて制作した記録活動を上映し、作者がゲストや観客と対話する。

 
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波のした、土のうえ
(2014/69分)ブルーレイ上映
制作:小森はるか+瀬尾夏美 撮影・編集:小森はるか テキスト:瀬尾夏美

「置き忘れた声を聞きにいく」「まぶしさに目の慣れるまで」「花を手渡し明日も集う」の3篇から構成される。各篇、一人の被災者に焦点をあて、変化し続ける暮らしや風景へのそれぞれの思いを丁寧に写し出す。

 
予告編「波のした、土のうえ」神戸ドキュメンタリー映画祭ver.
 

トークゲスト
11月8日(日)濱口竜介
(映画監督) 木内久美子(比較文学研究者)
11月9日(月)砂連尾 理(振付家・ダンサー)

 

共催:新長田アートコモンズ実行委員会


Kobe Documentary Film Festival 2015
第7回神戸ドキュメンタリー映画祭
10月17日(土)、31日(土)〜11月10日(火)

上映時間・入場料金会場・問合せ
〈ホームムービーの日 in 神戸〉松本俊夫特集ロビンソン三部作
「波のした、土のうえ」上映と対話ドキュメンタリーの宝箱 山形国際ドキュメンタリー映画祭セレクション


ドキュメンタリーの宝箱
山形国際ドキュメンタリー映画祭セレクション

選者:矢野和之

(山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局/シネマトリックス代表)

1989年に始まった山形国際ドキュメンタリー映画祭も、今年2015年で14回目になる。この間特集等を含めれば、毎回100〜200本の作品を上映してきたが、インターナショナル・コンペティションでは、毎回約15本上映し、そのなかのかなりの本数の作品が、映画祭後にも各地で上映されてきた。今や多くの劇場でドキュメンタリー作品が公開されるようになったが、映画祭が始まった頃は、劇場公開される作品は少なく、ドキュメンタリーというとある固定観念があるようであったが、映画祭ではそれをぶち破ろうと思っていたところ、実に多様な作品を上映していくことができたのであった。今回の5本は、映画としての魅力にあふれたものであると思う。山形のライブラリーからの提供のみに限ったので、配給されて劇場公開された作品、ペドロ・コスタ監督『ヴァンダの部屋』や王兵監督『鉄西区』『鳳鳴』などの作品は挙げられなかったことを付記しておく。

 

route-one01ルート1 Route One/USA
(フランス/1989/255分)35mm上映
’89山形市長賞
監督:ロバート・クレイマー

アメリカからヨーロッパに移住したロバート・クレイマーが10年ぶりにアメリカに戻り、友人であり同志のポール・マクアイザックとともに、ルート1(国道1号線)を旅するロード・ムーヴィー。カナダ国境から東海岸を南下しフロリダまで、ポールは医者ドクとして風景の中に入り人々と接していく。カメラの後にいるロバート、被写体ポール、そしてポールの演じるドクが、複雑に絡み合い、ドキュメンタリーとフィクションの境界を彷徨う。

 

アフリカ、痛みはいかがですか?Afriques: Comment ça va avec la douleur?
(フランス/1996/165分)35mm上映
’97山形市長賞
監督:レイモン・ドゥパルドン

南アフリカの喜望峰から、アンゴラ、ルワンダ、ブルンジ、ソマリア、スーダン、エジプトのアレキサンドリアまで、アフリカを縦断し、フランスの監督の実家まで旅をする。そこに描かれるのはアフリカのそれぞれの地の過去と現在の姿—アパルトヘイト、飢餓、病い、内戦などのアフリカの「痛み」。写真家としても何度も訪れたアフリカに対する監督の想いが画面からほとばしり、突き刺さってくる。

 

S21_01S21 クメール・ルージュの虐殺者たち S21, la machine de mort Khmère rouge
(フランス/2002/101分)DVCAM上映
2003優秀賞
監督:リティー・パニュ

カンボジアのクメール・ルージュ時代の悪名高き政治犯収容所「S21」。1975年から1979年にかけて1万7千もの人々が尋問、拷問を受け、処刑されていった。大虐殺を生き残った被害者と看守たち加害者をその場所に集め、非人間的で過酷な日々を再現していく。証言で明らかになる真実の数々、対峙する2人のやりとりの迫真性が25年という時を越える。リティー・パニュ監督が故国を舞台に作り続ける作品のなかでも、ひときわ戦慄を誘う。

 

apuda01阿仆大(アプダ) 阿仆大的守候
(中国/2010/145分)ブルーレイ上映
2001優秀賞
監督:和淵(ホー・ユェン)

中国雲南省北部。ナシ族の農夫阿仆大(アプダ)は、老いて体の自由のきかなくなった父親と二人暮らしをしている。暗い室内で、父が服を着て、煙草に火をつけ、床の上に起き上がるのを助ける。阿仆大自身は、父の介護のかたわら、果樹の手入れや水汲みにいそがしい。時には近所の老人が来て、不人情な息子の愚痴をこぼす。山の奥深い村に生きる父子を、悠揚たるリズムと深みのある映像で見つめ、生と死のドラマを映し出す。

 

kumo-no-chi01蜘蛛の地 거미의 땅
(韓国/2013/150分)ブルーレイ上映
2013特別賞
監督:キム・ドンリョン、パク・ギョンテ

ほどなく取り壊されるであろう、韓国・京畿地方北部にある米軍キャンプ近くの旧歓楽街。沈黙だけが残された町で、3人の元売春婦の女性が、それぞれの体と心に刻まれた傷、記憶、幻想に悩まされながらひっそりと生きている。今は廃墟となった跡地をさまよう彼女たちの姿、そして記憶の断片が、入念に作り込まれた忘れがたい映像とともに、置き去りにされた哀切極まりない真実を暴露する。

 

後援:山形国際ドキュメンタリー映画祭


Kobe Documentary Film Festival 2015
第7回神戸ドキュメンタリー映画祭
10月17日(土)、31日(土)〜11月10日(火)

上映時間・入場料金会場・問合せ
〈ホームムービーの日 in 神戸〉松本俊夫特集ロビンソン三部作
「波のした、土のうえ」上映と対話ドキュメンタリーの宝箱 山形国際ドキュメンタリー映画祭セレクション


第7回神戸ドキュメンタリー映画祭 ホームムービーの日 in 神戸

 

ちいさなフィルムのためのちいさな祭典! 世界で同時開催
ホームムービーの日 in 神戸
みなさんのホームムービーを見せてください!
画:椿崎和生

画:椿崎和生

上映フィルム募集中
フィルムをお持ちのかたは、事前に神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会事務局(神戸映画資料館内)までご連絡ください。
お寄せいただいたフィルムは、傷みや内容を確認後、持ち主の方と上映のご相談をします。上映させていただいたフィルムは、その後も内容を簡単に確認できるようDVD化してお渡しいたします。

hmd2015sub2015年10月17日(土)13時半〜
会場:神戸市立地域人材支援センター
参加無料

司会:金千秋(FMわぃわぃ総合プロデューサー)

地域や家庭に眠るフィルムを持ち寄る上映会です。
個人的な記録(映像)が、地域の、そして時代の記憶を呼び覚まします。
この機会に、みなさんの思い出を映像とともに甦らせてください。

スライド上映(協力:神戸アーカイブ写真館) 映画館のある風景
解説:板倉史明(神戸大学准教授)

上映 みなさんからお寄せいただいたホームムービー

 

お問い合せ

神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会事務局 (神戸映画資料館内)
078-754-8039 info@kobe-eiga.net

HMD Japan LogoNPO法人映画保存協会(東京)が〈ホームムービーの日〉の日本での普及につとめています
 


Kobe Documentary Film Festival 2015
第7回神戸ドキュメンタリー映画祭
10月17日(土)、31日(土)〜11月10日(火)

上映時間・入場料金会場・問合せ
〈ホームムービーの日 in 神戸〉松本俊夫特集ロビンソン三部作
「波のした、土のうえ」上映と対話ドキュメンタリーの宝箱 山形国際ドキュメンタリー映画祭セレクション


〈ホームムービーの日 in 神戸〉プレ企画──8ミリ映画のゴールデン・デイズ
2015年9月26日(土)13:30〜(終了予定15:30)

8mm2015

 

本当に「ついこの間」と思っていたのに、随分昔のことだと気付く――8ミリ映画もその一つでしょう。1965年のマガジン式の登場により一般にも広く普及し、1974年のある統計では、8ミリカメラの家庭への普及率は約7パーセント(東京都では約12パーセント)という数字が出ていました。でも今は……。絶滅したわけではありませんが、その危機に瀕しています。私が現在もこのメディアに注目するのは、単なる懐古趣味からではありません。一寸前の、しかし今日では失われた光景、風俗が8ミリフィルムによって甦るという、最近の流行語を使えば「アーカイヴ」的なこともあります。それだけではなく、8ミリ映画を使った映像表現がやり尽くされてしまったとは到底思えないからなのです。私たちは8ミリ映画の可能性をあの頃に置き去りにしたままなのではないでしょうか? 時の流れはとても速く、次々とビデオやデジタル機器が登場して眼がくらみ、8ミリ映画に寄り添う暇などなかったかのようです。ですから今、あえてその黄金時代に遡ってみたいのです――現在こそ、8ミリ映画を正視出来るのではないかと。神戸市に在住されたアマチュア映画作家の松本一郎さん(1927~2014年)の諸作品や遺された機材などを手掛かりに、かつて何があったのかを辿ろうと思います。何かとても豊かなものが見えてくるかもしれません。

森下明彦(メディア・アーティスト/美術・音楽・パノラマ愛好家)

 
[上映]松本一郎さんの8mm作品

[講座]森下明彦(メディア・アーティスト/美術・音楽・パノラマ愛好家)
    安井喜雄(神戸映画資料館館長)
 

《参加費》無料 《会場》神戸映画資料館

今年も開催!〈ホームムービーの日 in 神戸〉
2015年10月17日(土) 会場:神戸市立地域人材支援センター

上映フィルム募集中
フィルムをお持ちのかたは、事前に神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会事務局(神戸映画資料館内)までご連絡ください。
お寄せいただいたフィルムは、傷みや内容を確認後、持ち主の方と上映のご相談をします。上映させていただいたフィルムは、その後も内容を簡単に確認できるようDVD化してお渡しいたします。

 
主催:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
助成:神戸市「まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


神戸映像アーカイブプロジェクト/2015夏休み子ども教室「ふたば夏の陣!」
ぐるぐるアニメワークショップ アニメーションを作ろう!
2015年8月4日(火)13:00〜15:00
 
講師:郷田真理子
対象:小学生以上(保護者付き添い可)

→詳細・申込方法
 

《参加費》500円   《会場》神戸市立地域人材支援センター、神戸映画資料館

共催:特定非営利活動法人ふたば、神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
助成:神戸市「平成27年度 まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成」


※内容は予告無く変更する場合があります。