ゴールデンウィーク名画座 ジョン・フォード
2012年5月4日(金・祝)〜6日(日)
大映画監督ジョン・フォードの『黄色いリボン』と『肉弾鬼中隊』を35ミリプリントで上映。
「黄色いリボン」She Wore A Yellow Ribbon
(アメリカ/1949/103分/35mm/テクニカラー)
監督:ジョン・フォード
原作:ジェームズ・ワーナー・ベラ
脚本:フランク・ニュージェント、ローレンス・スターリングス
撮影:ウィントン・C・ホック
音楽:リチャード・ヘイグマン
出演:ジョン・ウェイン、ジョーン・ドルー、ジョン・エイガー、ベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・Jr、ヴィクター・マクラグレン
“騎兵隊3部作”の第二作。1876年の西部。退役を間近に控えた騎兵隊の大尉ネイサン(ジョン・ウェイン)は、隊長の妻と姪を護送役に任命される。しかし、戦況の悪化により二人を伴って隊に戻った彼は、退役までの限られた時間の中、部下とともにインディアンに抗戦する。
「肉弾鬼中隊」The Lost Patrol
(アメリカ/1934/66分/35mm)
監督:ジョン・フォード
原作:フィリップ・マクドナルド
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:ハロルド・ウェンストロム
音楽:マックス・スタイナー
出演:ヴィクター・マクラグレン、ボリス・カーロフ、ウォーレス・フォード、レジナルド・デニー
第一次大戦中のメソポタミア砂漠で、姿の見えないアラブ軍に追い詰められる英国軍中隊。限られた空間と登場人物で作られたフォード初めての戦争映画。一人また一人と味方が銃弾にたおれていく中で極限状態に陥る兵士たちの心理を描き出す。『フランケンシュタイン』(1931)のボリス・カーロフが伍長を演じている。
《料金》1本あたり
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 学生会員・シニア会員700円
《割引》
2本目は200円引き
ハードゴア・スリラー「セルビアン・フィルム」
2012年6月8日(金)〜12日(火)19:00〜
世界中の映画祭が狂乱し、騒然となった!
ここにノーカット版が日本、解禁!!!!!
「セルビアン・フィルム」A SERBIAN FILM
(セルビア/2010/104分/ブルーレイ上映)
配給:エクリプス
監督・脚本:スルディアン・スパソイエヴィッチ
主演:スルディアン・トドロヴィッチ、スルディアン・スパソイエヴィッチ、セルゲイ・トリフュノヴィッチ、エレナ・ガブリロヴィッチ
*20歳未満の方はご覧いただけません。
ミロシュは元ポルノ男優のスター。現役の頃は幾多の女優をイカせ続けたが、今は引退し、美人妻と幼い息子を愛する平凡な家庭人になっていた。そんな彼の元に、昔なじみの女優から呼び出され、俳優の仕事をやらないかと誘われる。その仕事とは、外国市場向けの大掛かりなポルノ映画であり、かなりのギャラがもらえるという。何か怪しそうな感じではあるが、収入に困っていたミロシュは、その話に興味を持った。
高級車のお迎えが来て、ある大豪邸に連れて行かれる。その豪邸から謎の男が登場する。ヴィクミルと名乗る男は、ミロシュを絶賛しながら、こんな話を始める。「私には大金持ちのクライアントがいて、彼らの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画を撮りたい。そのためには貴方の出演が絶対なのだ!」と。具体的な内容の話もなく、ミロスは高額な報酬に釣られ契約書にサインしてしまう。これが、悪夢と狂気な世界への入り口であった・・・・。
→公式サイト
ドイツ ミュンヘン 国際批評家連盟2010 脚本賞
セルビア ヴルニャツカ・バニャ映画祭 2010 脚本賞
モントリオール ファンタジア映画祭 2010 新人賞
モントリオール ファンタジア映画祭 2010 観客賞(ヨーロッパ映画部門)金賞
モントリオール ファンタジア映画祭 2010 観客賞(革新的映画部門)金賞
アメリカ サウス・バイ・サウスウェスト映画祭正式招待作品
ベルギー ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭正式招待作品
エストニア ハープサル ホラー・ファンタジー映画祭正式招待作品
セルビア ノヴィ・サド映画祭正式招待作品
アメリカ アナザー・ホール・イン・ザ・ヘッド映画祭正式招待作品
カナダ モントリオール ファンタジア映画祭正式招待作品
韓国 釜山国際映画祭正式招待作品
イギリス ロンドン・フライトフェスト映画祭正式招待作品
フランス エトランジェ映画祭正式招待作品
ギリシャ アテネ国際映画祭正式招待作品
ドイツ ハンブルグ国際映画祭正式招待作品
イギリス レインダンス映画祭正式招待作品
《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1300円 学生会員・シニア会員1200円
*20歳未満の方はご覧いただけません。
妄想の操り師 石井輝男
2012年6月22日(金)〜24日(日)
〈キング・オブ・カルト〉の石井輝男監督が、晩年に自らプロダクションを興し製作した3作品を一挙上映。フィルムによる保存を目的として作られた『盲獣vs一寸法師』の35ミリプリントを関西初公開する。
「山根貞男 連続講座 〈新編:活劇の行方〉 5」でも石井輝男を取り上げ、その活劇世界を論じていただきます。
[関連企画] [山根貞男 連続講座〈新編:活劇の行方〉5]
写真右:『盲獣vs一寸法師』撮影中の石井輝男監督 左:丹波哲郎
「盲獣vs一寸法師」
(2001/95分/35mm)
製作: 石井プロダクション
監督・脚色・撮影:石井輝男
原作:江戸川乱歩
美術:鈴屋港、八木孝
音楽:藤野智香
出演:リリー・フランキー、塚本晋也、平山久能 、藤田むつみ、リトル・フランキー、丹波哲郎、及川光博、しゅう、手塚眞、園子温、中野貴、熊切和嘉
江戸川乱歩の「盲獣」と「一寸法師」をもとにした猟奇ミステリー。石井輝男が製作・監督・脚色、そして撮影まで手がけた異色の自主製作映画にして遺作である。デジタルカメラで撮影された低予算映画ではあるが、石井輝男の職人的な演出術がきわだっている。フィルムによる保存を目的として今年2012年に作られた35ミリプリントで上映する。当時映画初出演のリリー・フランキーが主演。
「注目すべきは、呆然とするほど安っぽいのに、全篇、どの画面もきちんと形をなし、有機的な関係のもとに画面が展開されていって、運動感を刻み出すことである。だから、チープさにほとほと呆れつつ、見る人によるかもしれないが、馬鹿馬鹿しさを楽しめる。つまりショットが成立しているのである。そして、そのことはDVカメラで撮影されたという製作過程のあり方と何にも関係がない。」(山根貞男/「キネマ旬報」2004年5月下旬号「日本映画時評188」より)
「地獄」
(1999/101分/35mm)
製作: 石井プロダクション
監督・脚本:石井輝男
撮影:柳田友貴
音楽:竹村次郎
美術監督:原口智生
出演:佐藤美樹、前田通子、斉藤のぞみ、丹波哲郎、平松豊、鳴門洋二、大地輪子、若杉英二
世紀末の日本を騒がしたカルト教団、連続幼女殺害事件、毒入りカレー事件…。これら実際に起きた事件の犯人たちが地獄で裁かれる。石井輝男のキワモノ魂が炸裂。伝説のグラマラス女優・前田通子が閻魔大王を演じている。
「ねじ式」
(1998/85分/35mm)
製作: 石井プロダクション
監督・脚色: 石井輝男
原作:つげ義春
撮影: 角井孝博
美術:松浦孝行
音楽:瀬川憲一
出演:浅野忠信、藤谷美紀、金山一彦、丹波哲郎、アスベスト館
つげ義春の漫画4篇(「別離」「もっきり屋の少女」「やなぎ屋主人」「ねじ式」)をオムニバス形式で映画化。主人公である売れない貸本漫画家ツベを浅野忠信が演じている。スーパー16ミリからのブローアップ。
「つげ義春も石井輝男も、明らかに現実体験にこだわるぶん虚構意識が強い。妄想性がそれを示している。
つくりものに対する尋常ならざる執着といいかえてもいい。つげ義春でいえば、なによりの現れは漫画「ねじ式」のデタラメなまでの超現実性であり、(略)それらはまさに夢でしかない荒唐無稽な世界だが、石井輝男はストレートに受け止め、忠実に模型やセットでスクリーン上に描き出す。」(山根貞男/「ねじ式」パンフレットより)
わが狂気をえがくためには、
理屈はいらない、ストーリーもいらない、予算と役者はほどほどでいい。
イメージさえあればいい───。
石井輝男監督の遺作となった『盲獣VS一寸法師』は、2001年にビデオで作られたものだったため、なんとかフィルムで保存しておこうということになり、最近その試写が行われた。東映時代の問題作『恐怖奇形人間』(1969年)と原作が同じ乱歩ということもあって、32年の間隔はあるものの連作の思い入れがあったと考えられる。晩年、「キング・オブ・カルトムービー」ともてはやされていた石井さんは、本当に確信をもってわが狂気に向かい合っている。あんなにも折り目正しい紳士である石井さんに、その覚悟がごく自然に膨らんでいったのはなぜなのか。1950年代から60年代にピークを迎えた日本映画の一角を確実に支えた石井さんが到達した表現が女体であり、流れる血であり、バラバラにされた手と足だった。単なる猟奇趣味では決してない。一部の浮世絵にみられるような血みどろの世界、そして春画が石井さんの心象の奥に拡がっていたことは間違いない。彼は青春時代を浅草で過ごし、浅草で映画を学んでいる。あのダンディーは、江戸文化に裏打ちされていたのだ。
「来なかったのは軍艦だけ」と言われた東宝大ストで、共産党にコリゴリという人達が新東宝に結集。石井さんもその一員。新東宝の組合は当初みどりの旗をかかげて東宝の配給網を支えていたが、経営側にも分裂が伝染して東宝と対立し、私たちが新東宝に助監督として入社した1955年頃にはもう赤旗を振っていた。その頃、石井さんはチーフ助監督。清水宏、成瀬巳喜男という日本映画の中軸ともいうべき監督に付いていた。57年に石井さんは監督デビュー、われわれは喜んで石井組に付いた。ところが配給網が弱体だった新東宝は、6社体制から弾き飛ばされて61年に潰れる。東映から移籍した石井さんは、しゃれたギャングものから『網走番外地』でヒットを飛ばし、68年から73年にかけ独自のエログロ路線を突っ走る。その東映京都撮影所で、石井監督排斥運動が起きたことも忘れられない。女優さんを裸にして縛り上げ拷問するとかいうことで、ハレンチに騒がれたのだが、石井さんはビクともしなかった。東映大泉からは小松範任・伊藤俊也両氏から京都批判が展開され、私たち新東宝時代の石井組の面々も両氏に共感した。撮影所の中で、監督の表現をめぐる排斥運動があり、撮影所横断的に石井監督支持の動きもあったという事実は正当に伝えられるべきだ。そうしたねじれの続く映画史の中で、石井さんはわが狂気の表現に到達した。上記の乱歩原作2作をぜひ見たうえで検証してほしい。
山際永三(日本映画監督協会会報「映画監督」2011.9 №656より転載)
石井輝男(1924-2005)
清水宏や成瀬巳喜男などの助監督をつとめた後、1957年『リングの王者・栄光の世界』で監督デビュー。代表作に『花と嵐とギャング』(1961)、『黒線地帯』、『黄線地帯(イエローライン)』(1960)、「網走番外地」シリーズ(1965-67)などがあり、『徳川女系図』(1968)、『徳川いれずみ師・責め地獄』、『江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』(1969)などの〈異常性愛路線〉が再評価され、〈キング・オブ・カルト〉の監督として人気を博す。90年代に入り、10年以上のブランクの後、映画界に復活し石井プロダクションとして3作品を自主製作した。
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円
《割引》
2本目は200円引き
[貸館]『ディスクロージャー 人類史上最大の秘密』
2012年7月14日(土)18:00〜
『ディスクロージャー 人類史上最大の秘密』
THE DAY BEFORE DISCLOSURE the greatest story in human history
テリー・トフテネス監督作品
New Paradigm Filmes 2010年 105分
http://newparadigmfilms.squarespace.com/
2010年 最優秀ドキュメンタリー、アーサー・クラーク賞受賞
2011年 インターナショナル・UFO・コンファレンス・ピープルズ・チョイス賞受賞
数々の名誉ある賞を受賞した、テリー・トフテネス監督のUFOドキュメンタリーを遂に劇場公開致します。
さまざまな分野から高い評価を受けた超話題作が世界中に大きな衝撃を与えています。
各国政府が長い間、隠してきたUFOの存在がいま完全に暴かれたからです。
宇宙飛行士、パイロット、軍のエリート高官、レーダーオペレーター、警察官から直接のインタビュー証言により今まで覆われていた秘密のベールが取られ、そしてUFOに関する真実があからさまに暴 露されました。
これは、もう誰にも止めることの出来なくなった新しい人類への歴史の始まりかも知れません!
人類始まって以来のターニングポイントをいま迎えようとしている我々に、このドキュメンタリー『ディクロージャー』の内容がこれからの宇宙史の幕開けと、新たな希望へのメッセージとして、みなさんの意識の中に伝わることが出来れば嬉しく思います!
過去多くの発表がありましたが、この映画はエキサイトNo.1でした!
ジム・マルズ(ジャーナリスト)
これは人類史上、最も重大な話である。
ロバート・ディーン(元合衆国陸軍最上級曹長)
お問い合せ:Cradle of Images Pro.
電話:075-644-9670 メール:cradle.of.images@gmail.com
《料金》 1,500円(当日券のみ)
[貸館]『新近未来』
2012年7月15日(日)19:00〜
『新近未来』(76分/HDV)
監督・脚本:舟木 健児
音楽:こどものこども
出演:吉田 圭佑、竹中 実、藤田 直美、真塩 優
アパートの一部屋で暮らしている、二人の男(酢田、森本)。
森本には恋人ができ、酢田は車を手に入れる。
森本はアパートで恋人と二人で生活をし、 酢田は車で生活するようになる。
やがて、酢田の方は車で失踪し、その先で、女と出会う。
酢田はその女を車に乗せ、行き先もなく、お互いの関係、存在が希薄なまま、車を走らせていく。
舟木 健児
1987年生まれ、兵庫県出身、ビジュアルアーツ専門学校(大阪)卒業後、放送・映像業界に就労する傍ら、関西で複数の映画制作に精力的に参加。第12回 京都国際学生映画祭に卒業制作作品「Pal」が入選。
お問い合せ 2009.k.funaki@gmail.com
《料金》 無料
「マルグリット・デュラスのアガタ」
2012年7月13日(金)〜22日(日)[水・木休館]
「マルグリット・デュラスのアガタ」Agatha et les lectures illimitées
(フランス/1981/86分/35mm)配給:ジェイ・ブイ・ディー
監督・脚本:マルグリット・デュラス
撮影:ドミニク・ルリゴール、ジャン=ピエール・ムーリス
編集:フランソワーズ・ベルヴィル
出演:ビュル・オジェ、ヤン・アンドレア
声の出演;マルグリット・デュラス、 ヤン・アンドレア
愛の作家デュラス、「終わりなき朗読」
永遠の別れのために冬の海辺で再会をはたす兄と妹。二人の秘められた愛の記憶が、断片的な映像とデュラス自身の朗読によって語られていく。ジャック・リヴェット作品などで鮮烈なイメージを残すビュル・オジェとデュラスの当時38歳年下の恋人ヤン・アンドレアの美しい孤独と彷徨が、言葉とイメージ、身体と声、死と生、すべてのものがラジカルに分離する世界で描き出される。小説「愛人」や「ヒロシマ、モン、アムール」で著名だが、映画監督として『インディア・ソング』や『破壊しに、と彼女は言う』など数多くの作品を監督しているものの日本では上映の機会が稀だった「映画作家」デュラスの真髄がここにある。本作はゴダールとの共同企画の後に執筆された小説を自身で監督したものである。
→予告篇
《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1300円 学生会員・シニア会員1200円
リピーター1000円(半券をご提示ください)
※初日7月13日(金)先着10名様に35㎜カットフィルムをプレゼント!
ドキュメンタリー映画 東日本大震災を記憶する証言集・学校篇
「3月11日を生きて 〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜」
2012年7月20日(金)〜24日(火)
7月21日(土)14:40〜(13:00の回上映終了後) 参加無料・要当日の映画鑑賞券
トーク:青池憲司監督
21日は各回上映前に監督挨拶がございます。
「3月11日を生きて 〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜」(2012/97分/DV)
監督:青池憲司 撮影:一之瀬正史 編集:村本勝
録音:滝澤修 音楽:森拓治 語り:三國裕子 監督助手:尾崎日出夫
製作:『宮城からの報告 〜こども・学校・地域〜』製作委員会
2011年3月11日、東日本の太平洋岸一帯を襲った大津波は、宮城県石巻市にも大きな災厄をもたらしました。被害を受けた人びとは、その体験をどのように語り、伝えるのか。ことばは、そのとき、どんな力を持つのか。
この映画は、津波と火災で壊滅的な被害を受けた、石巻市立門脇小学校の児童・教師・保護者が、かつて体験したことのない大地の揺れと、迫りくる大津波の危機を乗り越えて生きた約16時間(11日午後2時46分から12日朝まで)を、37人の「ことば」=証言で紡いだ作品です。
青池憲司監督からのメッセージ
あの圧倒的な津波の被害に立ち向かうには何をもってすればよいのか。それは「ことば」だ、と被災地の人びとはいいます。「おとなもこどもも、自分の体験をことばにすること、それを繰り返し語ること。それがたいせつ。とてもつらいけど」。この映画は、小学生から高齢者まで、人びとが語る「ことば」で3月11日をみつめました。阪神大震災被災地のみなさんには、その「ことば」を聴きとり、観とっていただければと思います。
主な作品
『日本幻野祭三里塚』、『合戦』東京都教育映画祭金賞、『ベンポスタ・子ども共和国』日本カトリック映画賞、『琵琶法師 山鹿良之』毎日映画コンクール・記録文化映画賞・文化庁優秀映画作品賞
【阪神大震災関連作品】
記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部(14時間38分)
『阪神大震災 再生の日々を生きる』(2時間36分)
【東日本大震災関連作品】
『3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜』
『タイトル未定作品』(2012年4月撮影終了)2012年8月完成予定
石巻市立門脇小学校児童の震災後の授業を中心に、学校、家庭、地域の人びとが、困難を克服し、再生していく道のりを見つめる長編ドキュメンタリー映画。
→青池組@宮城応援ページ
《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円 高校生以下500円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
[貸館]CCCプレゼンツ
「微サイレント~無声映画&弁士&パントマイム&ピアノ~」
2012年7月28日(土)14:00~15:30
映画発祥の地、神戸、関西を舞台に映画を通して、まちの発展、映画文化・産業の推進を図る目的で2012年7月28日に設立を予定しているのが、「シネマ・カルチャー・カンパニー(映画文化推進協会)」です。
「Cinema(映画・映像)」「 Culture(文化)」「Company(仲間)」をキーワードに、新たな文化や産業を構築したいと考え、「映画de コミュニケーション(Communication、交流)」を目指します。
CCC(シネマ・カルチャー・カンパニー) では、発足を記念して、7月28日(土曜)に、神戸映画資料館で、「微サイレント」と題して、会長である増井孝子さんによる「映画の楽しみ方」の話にはじまり、同資料館からお借りしました世界初のSF無声映画「月世界旅行」を関西では数少ない女流活動弁士大森くみこさんの活弁にて上映。その後、神戸を舞台にしたCCC初制作「死神」を上映・上演致します。パントマイムの伝三Fさん、ピアノの金谷こうすけさん、活弁の大森くみこさんのコラボとなります。無声映画にパントマイムが加わることは珍しく、ぜひご覧頂きたいと思います。
プログラム(予定)
13:30 開場
14:00 史上初のSF映画とされるサイレント映画『月世界旅行』
14:20 映画評論家・増井孝子による「映画の楽しみ方」
14:40 新作オリジナルショートムービー
「死 神」
制作・・・・・・・・・増井孝子/八木純子(編集分室)
監督・撮影・編集・・・山村ひろし
脚本・・・・・・・・・藤原伊織
プロデューサー・・・・北村圭司・古賀卓
15:20 大森くみこなど舞台挨拶など
お問い合せ press@amail.plala.or.jp
→神戸観光@地域情報 まるっぽ神戸 シネマカルチャーカンパニー
《料金》 2,000円(定員約40名。定員になりましたら入場できません)
新作ドキュメンタリー「ほかいびと 伊那の井月(せいげつ)」
同時上映:「神屋原の馬」+「海南小記序説・アカマタの歌 ─西表島・古見─」
2012年8月10日(金)~14日(火)
北村皆雄監督の新作『ほかいびと』の公開にあわせ、映像民俗学の重要作である『神屋原(カベール)の馬』と『海南小記序説・アカマタの歌 ─西表島・古見─』を上映します。
芥川龍之介に見いだされ、
山頭火に慕われ、
つげ義春が漫画に描いた
井月(せいげつ)
野垂れ死の終末への〈物言わぬ沈黙〉の
盛り上がりに感銘しました
───俳人・金子兜太
「ほかいびと 伊那の井月(せいげつ)」(2011/119分/ブルーレイ)
製作:一般社団法人井上井月顕彰会、ヴィジュアルフォークロア
監督:北村皆雄 撮影:高橋愼二、金沢裕司、明石太郎、北村皆雄、櫻庭美保、石曽根志季子
美術:北澤一伯 音楽:一柳慧
主演:田中泯 語り:樹木希林
井月愛好の伊那人が80年かけて集めた1800の句、逸話、日記の断片、聞き書きにもとづいた
ドキュメント&フィクション。
4年の歳月をかけて、井月の謎の生涯を明らかにする。
幕末、一人の男が3000m級の山々の裾に広がる伊那谷にやってきた。俳諧師と名乗る以外、一切自分のことは語らなかった。彼が村人に受け入れられるようになるのは、人々の苦しみ、悲しみ、喜びに寄り添って句を詠むことにある。正月、雪、子供の節句、花見、お蚕様、葬式、お盆、紅葉など、四季の風景と行事に合わせ、井月を登場させ再現風に描く。井月を演ずる田中泯は、井月ゆかりの場所や家を訪ね、井月の沈黙の奥に何があるかを演ずることになる。
幕末から明治という時代の大きな波が井月を覆う。明治維新の戊辰戦争では故郷長岡の壊滅に、伊那の高遠藩士も参加した。風雅の道を夢見る井月は故郷を見捨てた。井月の葛藤。明治になって新しく戸籍法ができ、神仏分離令で無住のお堂が壊され、井月のような放浪者は暮らしにくくなった。伊那に侍姿で登場した井月も晩年は、乞食井月とさげずまれ、子供にも石を投げられるような惨めな姿になった。師走、伊那の火山(ひやま)峠で野垂死に同然で発見された井月は、2か月後、遺句を残して死んでいった。明治という時代が追いやった死である。
井上井月(いのうえ・せいげつ)
ふらりとやってきた漂泊の俳人、井月。幕末から明治にかけて、伊那谷をおよそ三十年放浪した男。家もない、家族もない、ここに一泊、あそこに二泊と一所不在を貫く。
井月は伊那の自然、風土、生活を詠う。訪れる家を寿ぎ、死者への追悼句を捧げる。
乞食井月、一宿一飯のお礼にと句を置いて去る姿は、日本古来の「ほかいびと〈寿・祝人〉」を思わせる。
同時上映(2本立て)
「神屋原(カベール)の馬」
(1969/28分/DV上映[原版16mm])
製作・演出:北村皆雄
脚本:赤羽敬夫、河手禎、北村皆雄
撮影:市川雅啓 編集:金沢信二郎
音楽:小杉武久 制作:集団眼
出演:内間秀子、内間豊三、内間マック
語り:北林谷栄
北村皆雄24歳の1966年、琉球王朝の聖地・久高島で十二年に一度午年に行われる神事「イザイホー」を記録すべく、友人に借りた16mmカメラのボレックスを持ち、カメラマンと二人でアメリカ統治下の沖縄へ渡った。3年後の1969年に再び久高島を訪れ追加撮影してまとめ上げた作品。
久高島北端のカベール岬は、琉球神話で沖縄の祖神が初めて降り立ったと言われる場所。島の始祖神話、オナリ神信仰、御嶽、風葬などを、島の老女(語り:北林谷栄)が沖縄口と日本語を交えて語る。
「海南小記序説・アカマタの歌
─西表島・古見─」
2006年新編集版
(1973/81分/DV上映[原版16mm])
製作構成:北村皆雄、松村修、三上豊、小川克巳、深元敬、内藤陽子
撮影:柳瀬裕史 制作:夜行鬼
作曲:上地昇
演奏:鈴木和子、竹脇仁美、定成庸二、上地昇
語部:鈴木瑞穂
沖縄の島々の中で写真撮影や映像記録を許さない秘儀が二つある。一つは宮古島諸島でおこなわれている「祖神祭」、もう一つは八重山諸島に残っている通称「アカマタ・クロマタ」と呼ばれる祭りである。
沖縄、西表島の古見に残る豊年祭はアカマタと呼ばれ、よそ者が見ることも撮影することも禁じられている。島に乗り込んだスタッフは村入に近づこうとするうちに彼らの生活かアカマタを中心にして展開していることを発見する。結局、秘儀そのものを画面に捉えることことは出来ないが、彼らの内面、生活、人生にいたるまでがアカマタに支配され、そのタブー性が画面に浮かび上がってくる。北村は自らが撮影・製作したものの、30年間封印していた映画で、ようやく一般の眼にも触れることが出来るようになった。
北村皆雄(きたむら・みなお)
1942年伊那市生まれ。早稲田大学卒業と同時に記録映画、TVドキュメンタリーの監督として活動。78年「日本映像民俗学の会」を野田真吉らと設立。81年ヴィジュアルフォークロア設立し、NHK、TV朝日、TBSなど多数のテレビドキュメンタリー番組を製作。上映作品としては『神屋原の馬』『アカマタの歌』のほかに『見世物小屋』(97)『修験 羽黒山・秋の峰』(05)が知られている。
→ヴィジュアルフォークロア作品一覧
《料金》
1プログラムあたり
一般1700円 学生・シニア1300円
会員1300円 学生会員・シニア会員1000円
セット券(「ほかいびと」+「神屋原の馬」+「アカマタの歌」)
一般2500円 学生・シニア2000円
会員2000円 学生会員・シニア会員1700円
早稲田大学演劇映像学連携研究拠点平成24年度公募研究「「映画以後」の幻灯史に関する基礎的研究」
昭和幻灯会
2012年8月26日(日)
第一部 19:00〜19:50
上映『ぼくのかあちゃん』(約20分)
レクチャー「《生活芸術》としての幻灯」講師:鷲谷花
第二部 20:00〜21:10
合唱付き上映『日鋼室蘭首切り反対闘争記録 嵐ふきすさぶとも』第一・二巻(約70分)
「幻灯」―光源とレンズを利用した静止画像の拡大映写装置―は、19世紀末の映画の誕生に際して、技術面でも興行文化面でも多大な影響を及ぼしたことから、もっぱら「映画以前」の映像メディアとして関心を集めてきました。反面、「映画以後」の幻灯の運命については、映画の大衆的メディアとしての本格的普及とともに歴史的役割を終え、衰退していったと、従来は理解されてきました。
しかし、日本における幻灯は、戦時国策教育メディアとして1941年前後に復興を果たし、占領期にも、視聴覚教育を重視した占領政策のもと着実に需要を伸ばし、そして戦後の一時期にめざましい発展を遂げることになります。幻灯は学校・社会教育の場で視聴覚教材として活用されたばかりでなく、誰にでも作り、上映することのできる映像メディアとして、社会福祉運動、労働運動、反基地運動、原水禁運動など、戦後に勃興したさまざまな社会運動の教育宣伝目的に幅広く活用されました。
今回は、神戸映画資料館に保管されていた貴重な幻灯フィルムを、幻灯機を用いて上映し、併せて1950年代の幻灯史に関するレクチャーを行います。「前映画」にも「映画の代用品」にも留まりきらない独自のポテンシャルをもつメディアとしての幻灯を再発見する貴重な機会にお立会いください。
第一部 19:00〜19:50
上映「ぼくのかあちゃん」
(1953年/約20分)製作:東大セツルメント川崎こども会
構成:加古里子 協力・配給:日本幻灯文化社
「セツルメント」とは、知識人が都市の貧困地区に住み込み、住民との親密な関係を築きつつ、物質的及び精神的環境を改善することをめざす地域福祉活動。1924年に発足した帝大セツルメントは、38年の左翼大弾圧に伴う関係者一斉検挙によって一旦途絶するが、49年のキティ台風被災の救援活動を機に東大セツルメントとして再組織され、以来、全国的な活動へと広がってゆく。今日まで日本を代表する絵本作家として活躍を続けている加古里子(かこ さとし)は、東大セツルメント復活直後から、川崎こども会の運営に参画し、会に集まる子どもたちと共同で紙芝居及び幻灯の創作活動に取り組んでいた。
当時の川崎こども会の幻灯活動は、『山びこ学校』の反響によって活気づく生活綴方・生活記録運動の流れを汲みつつ、創作・上映プロセスへの子どもたちによる自主的・積極的な参加を促すという方針を採っており、子どもたちの作文と児童画をアレンジして構成した本作もそうした実践のユニークな一例といえる。加古の自伝『絵本への道―遊びの世界から科学の絵本へ―』(福音館書店、1999念)によると、「『ぼくの母ちゃん』(一九五三年)はセツルの子どもに題材をとった生活もので、子どもの作文という形でやりました。雑誌に載った後で日本幻灯文化社が幻灯に作って出してくれました。本数は百本か二百本でした。これで入ってくる何がしかのお金が子供会の活動の資金にもなりました」(34頁)。
レクチャー「《生活芸術》としての幻灯」
講師:鷲谷花
早稲田大学演劇博物館招聘研究員。映画学、日本映像文化史研究。共編著に『淡島千景 女優というプリズム』(淡島千景、坂尻昌平、志村三代子、御園生涼子編著、青弓社、2009年)。
第二部 20:00〜21:10
「日鋼室蘭首切り反対闘争記録 嵐ふきすさぶとも」第一・二巻
合唱付き上映(約70分)
製作:日鋼室蘭労働組合 配給:日本幻灯文化社
合唱:日吉聖美、遠藤美香、田中裕介、中西金也
三井財閥傘下、日本最大の民間兵器工場として名高かった日本製鋼室蘭製作所は、朝鮮戦争特需景気下、在日米軍のいわゆるPD工場として兵器製造を再開し、経営合理化と労働強化を推し進める。1954年6月18日、会社は戦争特需終結とデフレ政策による業績悪化を理由に、976名の人員整理を含む合理化案を発表、これに反対する日鋼室蘭労働組合はストライキに突入、その後、第一組合と第二組合の分裂と相互対立など、事態は混迷を極めるが、争議開始以来224日目に中労委の斡旋案を労使双方が受諾することで収束に至った。最終的な解雇者は662名だった。
第一組合(旧労)の立場から争議の全過程を記録する、この全110コマに及ぶ長大な幻灯は、1952年10月17日に始まる日本炭鉱労働組合(炭労)主導の63日間の賃上げ要求争議を記録する『激斗63日 われらかく斗う』(製作:炭労、1953年)と並び、1950年代を中心に盛んに製作された労働争議幻灯の中でも、とりわけ成功した作品だったらしい。総評が1955年に主宰した組合員向けの文化講習会に際して、配給元の日本幻灯文化社の社員が、「日鋼室蘭の幻灯のように、正しくその闘いをあらわにし、国民の運命につながるものをもつならば、強く心に訴える作品になるということです。日鋼室蘭の幻灯は素晴らしい評判でした。いままで幻灯を馬鹿にしていたという神奈川鶴見の国鉄の労働者は『はずかしいけど涙が出た……』また、東京の日通両国支部では幻灯をみて『早速カンパしようじゃないか』と決められました。」(日本労働組合総評議会教育文化部『現代文化講座』、1956年、167頁)と発言しており、本作の影響力の強さが伺い知れる。
《料金》無料
主催:早稲田大学演劇映像学連携研究拠点平成24年度公募研究「「映画以後」の幻灯史に関する基礎的研究」(研究代表者:鷲谷花)
共催:プラネット映画資料図書館、神戸映画資料館