新作ドキュメンタリー「二つの祖国で 日系陸軍情報部」
第25回東京国際映画祭 公式出品
2012年12月29日(土)〜2013年1月22日(火)
*12月31日・1月1日は休映。
*水・木休館(ただし1月2日(水)・3日(木)は特別開館)
初日29日(土)13:00の回上映前
すずきじゅんいち監督舞台挨拶
日米両国で差別された日系二世。
太平洋戦争に翻弄され、
そして…
兄弟が敵味方に分かれて戦った──
「二つの祖国で 日系陸軍情報部」
MIS ─ Human Secret Weapon
(2012/日米合作/100分/HD[ブルーレイ上映])
製作:MISフィルムパートナーズ(ワック、UTB、NTTラーニングシステム、かねふくアメリカ、米国日本ハム)
制作:UTB、ワック 配給:フィルムヴォイス
企画・脚本・監督:すずきじゅんいち
音楽:喜多郎 撮影監督:小渕将史
編集:水原徹 録音:宮武亜伊
日系陸軍情報部は、日系人二世で構成された米国の秘密情報機関=MIS(ミリタリーインテリジェンスサービス)で、国家の最高機密として極秘にされた歴史を持つ。本作は元MIS日系兵士たちが活動した戦前から戦後を通して、今まで隠されていた歴史を解き明かす重要な証言集である。
米国国籍を持ちながら、人種差別を乗り越えて、父母の国・日本と戦う運命を受け入れた日系二世。長い沈黙を破り、二つの祖国への想いを語り始める…。
すずきじゅんいち監督、渾身の日系史ドキュメンタリー三部作がいよいよ完結!
[公式サイト]
《料金》
【当日券】
一般1800円 学生1500円 高校生以下・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
【特別割引価格】
「東洋宮武が覗いた時代」あるいは「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」の半券提示
一般1500円 学生1200円
[貸館]第5回”ずっと・こころ・つなぐ基金” 上映会&トークサロン
2013年1月21日(月)18:30〜
詳細→しみん基金・KOBE 事務局ブログ
プログラム(予定)
18:00 開場・受付開始
18:30 開会・ご挨拶
18:40 映画「禁じられた大地・フクシマ」(栗本一紀監督作品)
(休憩)
19:50 トーク:栗本一紀監督「フクシマ」の最新事情(仮称)
20:40 ふりかえり
21:00 閉会開場:17:30
主催・お問い合せ:特定非営利活動法人しみん基金・KOBE
お申込み方法
2013年1月18日(金)までに、申込書に必要事項を記入の上、FAX又はE-mail にてご連絡ください。
定員:30名(申し込み先着順。定員になり次第締め切ります。)
申込書→PDF版
FAX:078-230-9786 E-mail:kikin@stylebuilt.co.jp
《参加費》 1,500円(ワンドリンク付き)
※当日受付時精算
※参加費のうち、1,000円は寄附金として、「ずっと・こころ・つなぐ基金」を通じて、被災者支援のボランティア活動への助成金として活用させて頂きます。
※ワイン・ビール・おつまみなどの持ちこみ大歓迎!
サイレント映画鑑賞会 マック・セネットのキーストン喜劇①
2013年2月2日(土)・3日(日)
サイレント喜劇の大プロデューサー、マック・セネットが作った「キーストン社」で製作した4本を上映。
いいをじゅんこさんの第2講コメディ学入門「喜劇王は俺だ!マック・セネットvsハル・ローチ」とあわせてお楽しみください。
「バーニー・オールドフィールドの人生競争」*Barney Oldfield’s Race for a Life
(アメリカ/1913/16mm/無声/16分[16コマ])
製作・監督:マック・セネット
出演:メーベル・ノーマンド、マック・セネット、フォード・スターリング
「女房様々」☆Wife and Auto Trouble
(アメリカ/1916/16mm/無声/18分[16コマ])
製作:マック・セネット 監督:デル・ヘンダーソン、マック・セネット
出演:ウィリアム・コリアー、ブランシュ・ペイソン、ジョセフ・ベルモント
「珍飛行」☆Dizzy Heights and Daring Hearts
(アメリカ/1916/16mm/無声/30分[16コマ])
製作:マック・セネット 監督:ウォルター・ライト
出演:チェスター・コンクリン、クレア・アンダーソン、ニック・コグレイ
「雨中の逃亡」Teddy at the Throttle
(アメリカ/1917/16mm/無声/30分[16コマ])
製作:マック・セネット 監督:クラレンス・G・バジャー
出演:グロリア・スワンソン、ボビー・ヴァーノン、ウォーレス・ビアリー
*過去にシネマテーク上映された時の邦題
☆神戸映画資料館の2・3月の総合チラシでは仮の日本語題を表記しましたが、公開題が判明しましたので、訂正いたします。
《料金》
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア700円
《割引》[第2講コメディ学入門] 参加者は200円引き
西日本初公開「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」
2013年2月8日(金)〜12日(火)
ピンクリンク編集部 企画
ピンク映画50周年 特別上映会 〜映画監督・渡辺 護の時代〜
→特集上映
渡辺 護監督・井川耕一郎監督、来場トークショー
2月9日(土)17:20〜 2月10日(日)13:00〜 *要 映画鑑賞チケットの半券
「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」
(2011/122分/DVCAM)
構成:井川耕一郎
出演・語り:渡辺 護
撮影:松本岳大、井川耕一郎
録音:光地拓郎 編集:北岡稔美
構成補:矢部真弓、高橋 淳
製作:渡辺 護、北岡稔美
協力:渡辺典子、太田耕耘キ、淡島小鞠、荒木太郎、広瀬寛巳、向井淳子、映画美学校
監督生活50年にならんとする巨匠・渡辺護にカメラは密着する。本作は渡辺護の映画演出を具体的に探るドキュメンタリーでありつつ、また渡辺護が自分の人生を題材にして作った新作映画でもある。
ピンク映画というのは1時間前後の尺の中に、セックスシーンが4回、5回ないといけないとか、何分間に1回ないといけないとかいう条件のもとで作られますよね。その条件は、監督にとってふつう「制約」として受け止められるじゃないかと思うんです。できたら無理矢理セックスシーンなんて入れたくはないけど、そうしないといけない決まりだから仕方なく撮る、というふうに。しかし、ある一群の監督や脚本家たちにとってはそれが制約ではなく、いや始めは制約であったにもかかわらず、すぐにセックスそのものがドラマの中心テーマに据えられるようになるという奇妙な逆転が起りますよね。渡辺さんもそうだったのか。でなければ、2百本以上のピンク映画は撮れないのか。しかしこのドキュメンタリーを見ていると(聞いていると)、渡辺さんにとっての関心はピンクそのものではなく、ピンクだろうとなんだろうと如何に面白く撮るか(如何に面白く語るか)、ただそれだけなんだということがわかってきました。つまり渡辺さんにとってピンクは、驚くべきことに今もなお「たまたまそうだった」であり続けているのではないかということです。渡辺さんには「映画」という糸が、ずっと切れないままつながっているんではないでしょうか。
───万田邦敏(映画監督)
もしオリヴェイラが渡辺護を見たら、ええ! サイレント時代から映画を撮ってた人が俺以外にもいたの!とビックリするのではないだろうか。もちろん渡辺護は100歳ではない。ピンク映画の黄金期を支え、200本以上の映画を撮り続けた彼のデビューは1965年。彼の映画にずいぶんと遅れて出会った私たちは、その画面に、彼が語る言葉に、肉体に、マキノ、伊藤、衣笠ら活動大写真の興奮が息づいている不思議に呆然とした。井川耕一郎がドキュメンタリーの製作に踏み切ったのも、何としてもこの不思議を記録せねばならないと思ったからに違いない。渡辺護が語るのは体験談ではない。“体験”なのだ。クラシカルな嗜好とは無縁の、現在であり続ける“体験”。彼の映画がオリヴェイラ同様刺激的なのはそれ故だ。我々はスクリーンを通じて、スクリーンを見ている時だけ、この“体験”を共有できる。渡辺護の演出を捉えたメイキング映像は抱腹絶倒の面白さ!
───高橋洋(映画監督)
渡辺 護(わたなべ まもる)
1931年、東京生まれ。1965年 、成人映画『あばずれ』で監督デビュー。映画監督本数:約230作品。谷ナオミ、東てる美、美保純、日野繭子、可愛かずみ…数々のスター女優を発掘しヒロインに育て上げてきたピンク映画界の第一人者であり、現役映画監督。
井川 耕一郎(いかわ こういちろう)
1962年生まれ。脚本家・映画監督、映画美学校 講師。ピンク映画の脚本は、1994年『女課長の生下着 あなたを絞りたい』(監督:鎮西尚一)、1996年『黒い下着の女教師』(監督:常本琢招)など。最近作は2008年『喪服の未亡人 ほしいの…』(監督:渡辺護)。2000年『寝耳に水』(出演:長曾我部蓉子)監督。
《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
『あるいは佐々木ユキ』公開記念
福間健二監督作品集
2013年2月15日(金)〜19日(火)
「急にたどりついてしまう」
Suddenly Arriving
(1995/90分/35mm)英語字幕版
製作・配給:タフ・ママ
製作:本多昇、禰屋順一、福間健二
監督・脚本:福間健二
撮影:小西泰正 照明:櫻井雅章
同期同時録音:浅沼幸一
編集:金子尚樹 記録:田中小鈴
制作:サトウトシキ、瀬々敬久
音楽:THE WAR BABYS、dè-ga-show
出演:伊藤猛、松井友子、北風太陽、今泉浩一、小林節彦、田中要次、伊藤清美
『急にたどりついてしまう』は詩人福間健二による初の長編劇映画である。
舞台は東京郊外の町。ソーセージ屋で働く青年信次。彼の出会った女の子リサ。二人をとりかこむさまざまな人物たち。《いつのまにか大事な場面に立ち会っている》それぞれの春。
『急にたどりついてしまう』は、この地上に生きる者たちの息づかいをしっかりとつかまえたリアルライフ・ムーヴィーだ。
福間健二は『結婚入門』『行儀のわるいミス・ブラウン』『きみたちは美人だ』『旧世界』といった詩集で、現在の生活風景の隅々にまで言葉を届かせながら、新鮮な映画的イメージを紡いできた。同時にその一方で、1960年代からの映画体験にこだわりつづける独自な視点をもった映画批評を書き、さらに映画を撮りたいという夢を育んできた。
その夢は、彼がこのところ交流をもってきた瀬々敬久、サトウトシキ、上野俊哉、松岡邦彦といったピンク映画の俊鋭監督たちの全面的な協力によって、一気に実現されることになった。
『急にたどりついてしまう』というタイトルは、福間健二の詩集のひとつの題をそのまま持ってきたものだが、作品の内容ばかりでなく、この映画が作られるにいたった過程をも語っているように思えてくる。
「岡山の娘」
My Dear Daughter of Okayama
(2008/92分/HD[ブルーレイ上映])
製作:tough mama、岡山映画祭実行委員会、幻野映画事務所
製作:福間恵子
脚本・監督:福間健二
撮影・照明:大西一光 音楽:吉田孝之
録音:進巧一、折元亮 記録・編集:福間雄三
出演:西脇裕美、家ノ上美春、石原ユキオ、季羽和喜、入海洋一、東井浩太郎、岡本文子
『岡山の娘』は、詩人福間健二の、『急にたどりついてしまう』以来13年ぶりの監督作品である。
日本の地方都市岡山の、ひとりの娘の夢と現実、ひと夏の経験。彼女と彼女をとりまく人々の物語。だれもが立つ地面に詩をひきよせる、いままでになかった語り方の映画である。
私たちはいま、ここで、何に抗議し、何を許すべきなのか。
近年、詩集『侵入し、通過してゆく』と評論集『詩は生きている』で話題をあつめた福間健二が、根底に人間へのあたたかい肯定のまなざしをもって、世界と映画への新しいヴィジョンをつむいでいる。
撮影は、『映画の記憶』『IZANAMI』『青空(映画の記憶2)』を撮影・監督した大西一光。
音楽は、朗読テープ『地下帝国の死刑室』を福間健二と作った吉田孝之。
主演の西脇裕美は、オーディションで選ばれた新人。そのほかのスタッフ・キャスト全員が、この映画への呼びかけに応えて参加した岡山在住の人たちである。
生きる。傷つく。誘惑する。
魅力あふれる岡山の娘たちが駆け抜けるリアルライフ+ファンタジーのなかに、「私たちがいま出会うべき大事なもの」が生まれ、未来への視界をさえぎられて疲労のなかにうずくまるように見えるこの世界へと、あざやかに発信される。
「わたしたちの夏」
Summer for the Living
(2011/89分/HD[ブルーレイ上映])
製作・配給 tough mama
製作:福間恵子
脚本・監督:福間健二
撮影:鈴木一博 編集:秦岳志
音響設計:小川武
出演:吉野晶、小原早織、鈴木常吉、千石英世、松本雅恵、川野真樹子
『岡山の娘』から3年。
冒険的な映像構成に体温とやさしさを引きよせる福間健二の新作です。
詩と映画を結びつけるその果敢な挑戦が、日本が大きく揺れたいまこそ見てもらいたい作品として、そして何よりも女性たちへのオマージュとなる作品として、結実しました。
〈映画は、夢と現実をひとつにする。そして、ひとは、どんなに遠い夢に迷い込んでも、生きて、現実に帰ってくることができる〉。
二人の女性。アラフォー世代と20歳前後。戦争と死者を思い出す日本の夏。
〈つらいこと、苦しいことのなかにこそ、自分を救ってくれるものがある〉。
生きていること、その大切さ。夏の光と影、女性たち、植物の生命力。
この世界の隠された「蜜」を感じとる映像と言葉が、あなたを誘い、あなたに問いかけます。
ヒロイン千景には、瀬々敬久監督『汚れた女〈マリア〉』(98)以来の主演作となる吉野晶。その千景の元恋人・庄平を、一昨年TVドラマ『深夜食堂』のオープニング曲「思ひ出」が話題になった歌手の鈴木常吉、その娘・サキを新人の小原早織が演じます。
この三人をメインに、個性豊かな人物たちが、それぞれの言葉と存在感をもって登場します。
撮影は『ヴァイブレータ』『blue』『あしたの私のつくり方』などの鈴木一博、編集は『エドワード・サイード OUT OF PLACE』『チョコラ!』などの秦岳志、音響設計には『ぐるりのこと』『マイ・バック・ページ』などの小川武が参加しています。
《料金》
【各作品】1000円
*「あるいは佐々木ユキ」の半券提示で100円割引
福間健二監督最新作「あるいは佐々木ユキ」
2013年2月15日(金)〜19日(火)
もうすこし歩いて
もうすこしへんになってみる。
「あるいは佐々木ユキ」
A Fairy Tale(2013/79分/HD[ブルーレイ上映])
製作・配給:tough mama
製作:福間恵子
監督・脚本:福間健二
撮影:鈴木一博 編集:秦岳志
音響設計:小川武
出演:小原早織、吉野晶、千石英世、文月悠光、川野真樹子、籾木芳仁、萩原亮介、川島加奈代
2011年、詩集『青い家』で萩原朔太郎賞と藤村記念歴程賞をW受賞した詩人であり、1995年『急にたどりついてしまう』、2008年『岡山の娘』、2011年『わたしたちの夏』と、精力的に映画づくりに取り組んできた福間健二の新作。
20歳の女の子、佐々木ユキの夢と現実を、インタビュー、詩、ダンスをふくむ斬新な構成によってとらえる。ユキは、その分身的存在や彼女を見守る人物たちと出会い、別れ、次のステップへと向かう。アゴタ・クリストフ、アンデルセン、文月悠光、そして「青い家」をはじめとする福間健二の詩を盛り込んだ、アイドル・コミック・ポエトリーファンタジー。21世紀の妖精物語。
主役の佐々木ユキには、『わたしたちの夏』のサキ役で注目を浴びた小原早織。
吉野晶、千石英世、川野真樹子の、『わたしたちの夏』のメンバーに加えて、詩人文月悠光も出演。主要スタッフは、『わたしたちの夏』につづいて、撮影・鈴木一博、編集・秦岳志、音響設計・小川武。福間健二のあらたな冒険をささえている。
2月16日(土)18:30の回上映前 福間健二監督による詩の朗読
2月17日(日)16:15〜
トークイベント《詩から映画までを生きる》 福間健二 × 細見和之
ぼくは、詩を書き、映画をつくっている。青春期を送った1960年代後半にこの二つの魅惑につかまり、そこから紆余曲折した人生の迷路の先にそういうことになった。
長い物語であるが、ぼくはそれを自分だけの物語だとは考えていない。
ふつうは、詩は自分ひとりで書き、映画はスタッフ・キャストとの共同作業でつくっているという違いがある。
自分で写真を撮ることの延長のように映画をつくる、いわゆる個人映画という領域もあるが、ぼくの場合、規模は小さくても、スタッフ・キャストとつくるやり方にこだわっている。理由のひとつは、創作の過程で他者に出会っていたいということ。もうひとつは、たくさんの名作のならぶ映画史を意識した表現をつくりたいということだ。
四本の長篇映画をつくったいま、詩と映画で、別のことをやっているという意識は次第に薄らいできたけれど、それは意識の上でそうだということであり、実際にやることはちがう。映画には、机の上で原稿を書いているのとはちがう体の使い方が必要だ。言葉も、そこでは、紙のページに印刷して読んでもらうのとはちがうものになる。
詩から映画までを生きる。大きく言えば、どんなジャンルにおいても、そのことが必要なのだとぼくは思っている。そして、詩と映画のあいだにおこるフィードバックから、詩についても映画についても新しいヴィジョンが生まれる。そのことを語りたい。
――――福間健二
ゲスト:細見和之
大阪府立大学人間社会学部教授、詩人。主な著書に『アドルノ』(講談社)、『アドルノの場所』『ポップミュージックで社会科』(みすず葛房)、『「戦後」の思想――カントからハーバーマスへ』(白水社)、『永山則夫――ある表現者の使命』(河出書房新社)、『アイデンティティ/他者性』『言葉と記憶』『ベンヤミン「言語一般および人間の言語について」を読む』『ディアスポラを生きる詩人 金時鐘』(岩波書店)、『「戦後」の思想』(白水社)、『永山則夫』(河出書房新社)。主な詩集に『言葉の岸』(思潮社)『ホッチキス』(書肆山田)『家族の午後』(澪標)などがある。
福間健二 監督・脚本
1949年、新潟県生まれ。都立大学在学中に16ミリ作品『青春伝説序論』を高間賢治の撮影で監督する。同時に詩を書きはじめ、現代イギリス詩の研究者としての道を歩みながら、詩と映画への情熱を燃やしつづける。首都大学東京教授。
95年、劇場映画第一作『急にたどりついてしまう』を発表。08年には『岡山の娘』、11年に『わたしたちの夏』を発表し、若い世代の映画作家・批評家たちから熱い支持を受ける。詩論集に『詩は生きている』(05/五柳書院)。詩集に『きみたちは美人だ』(92/ワイズ出版)、『旧世界』(94)、現代詩文庫版『福間健二詩集』(99)、『秋の理由』(00)、『侵入し、通過してゆく』(05/以上、思潮社)など。2011年7月に出した新詩集『青い家』(思潮社)で第19回萩原朔太郎賞と第49回藤村記念歴程賞をW受賞。映画関係の本として、『石井輝男映画魂』(92/ワイズ出版)、『大ヤクザ映画読本』(93、山﨑幹夫との共編著/洋泉社)、『ピンク・ヌーヴェルヴァーグ』(96/ワイズ出版)などがある。
[公式ブログ]
[公式ツイッター]
[フェイスブック あるいは佐々木ユキページ]
《料金》
一般1500円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
トークイベント1000円
*ポエトリー割引:詩集ご提示で映画鑑賞一般料金を200円引き
新作ロードショー「空の境界(くうのきょうかい)」
2013年2月22日(金)〜26日(火)
愛を知る為に真実を受け入れる。
誰しもが“境界”を超えて強くなる。
「空の境界」
(2013/92分/HD[ブルーレイ上映])
監督:堀江慶 監修:松本明 原案・心理学監修:藏本天外
脚本:堀江慶、井土紀州 音楽:三枝伸太郎
撮影:ふじもと光明
製作:[空の境界]製作委員会
配給:横田佳代子事務所、セントラルメディアプロモート
出演:河北麻友子、藏本天外、井上正大、伊藤かずえ、あめくみちこ、永澤敏矢、工藤綾乃、牧田哲也
県立水泳競技場の事務職員として働いている澤村悠子(河北麻友子)は、ジュニア時代、有望な飛び込み選手であったが、8年前から飛び込みが出来なくなる。ある日、悠子は恋人の笹原聡(牧田哲也)からプロポーズされるが踏み切れない。そんな中、悠子はメンタリストである「響翔(藏本天外)」の講演会に足を運び、カウンセリングを受ける事に。飛び込みが出来なくなった事、そして結婚に踏み切れない事は8年前に悠子に起こった事件がトラウマとなっての事だった……。
急増する精神的トラブル(うつ、虐待、いじめ、自殺、トラウマ、アダルトチルドレン等)に答えを見出せない現代社会──。
現役メンタリスト(心理カウンセラー)の実体験をドラマ化した野心作。
[公式サイト]
《料金》
一般1500円 学生1300円 シニア1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円
ドキュメンタリー映画
「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」
2013年3月8日(金)〜12日(火)
3月11日(月)・12日(火)11:00の回上映後 青池憲司監督、来館挨拶
3月11日(月)・12日(火)13:45〜 ─お茶会─青池監督を囲んで
場所:シネマカフェ・チェリー(神戸映画資料館内)
参加費:500円(コーヒーか紅茶+東北のお菓子付き)
「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」(2012/125分/HD[ブルーレイ上映])
編集:村本勝 撮影:一之瀬正史 録音:滝澤修 音楽:森拓治 語り:三國裕子
監督助手:尾崎日出夫 監督:青池憲司
あの日、東日本太平洋沿岸の多くの学校が津波に襲われ、石巻市立門脇小学校も壊滅的な打撃を受けた。児童300名のうち7名が犠牲になり、校舎は津波と火災で使用不能、地域(校区)もそのほとんどが荒野と化した。
4月、門脇小学校は、高台にある門脇中学校の一画に間借りして新学期を迎えた。そこには、震災と向き合うこどもたちの姿があった。
3年生の授業「よみがえれ石巻」では、自分たちが住んでいた町をどんなふうに創りかえるか? 新たな災害に備えるにはどうすればいいか? こどもたちの奔放なアイディアあふれる授業は3学期まで続いた。
地域では、生活とコミュニティの復興をめざして、住民と行政の意見交換会が始まり、いまも続いている。
そして、・・・震災後の6月から門脇小学校にキャメラを据えて1年、この映画は、教室と地域、こどもとおとなの再生の日々を、石巻の四季とともに織り上げた作品である。
【映画「宮城からの報告」映画製作委員会より】
東日本大震災直後すさまじい被害報道が流れる中で、わたし達は未来に向かって生きていかなければならない被災地の人びと、とりわけ子どもたちの〈現在・未来〉に焦点を当て、記録映画を製作しようと考えました。2012年5月、宮城県石巻市で映画製作委員会を発足させ、阪神淡路大震災を記録した青池憲司監督に映像記録づくりを依頼し、6月末から撮影を開始しました。そして、東日本大震災による災害の実態と人びとがそれに対しどう立ち向かっているのかという経緯を、子ども達・学校・地域の姿を通して約1年間200時間以上の撮影を行ってきました。
これまで「予告編特報・わたしはここにいます~石巻・門脇小・夏~」(2011年10月完成・27分)と「学校証言篇・3月11日を生きて~石巻・門脇小・人びと・ことば~」(2012年2月完成・97分)を製作し、現在「学校証言篇」は、全国各地で公開中です。
この度、約1年間の記録をまとめた作品である「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録」が完成しました。当製作委員会は、県内はもとより全国からの製作支援金で映画製作しておりますので、皆様からの尚一層のご支援をお願いします。
青池憲司監督の主な作品
『日本幻野祭三里塚』、『合戦』東京都教育映画祭金賞、『ベンポスタ・子ども共和国』日本カトリック映画賞、『琵琶法師 山鹿良之』毎日映画コンクール・記録文化映画賞・文化庁優秀映画作品賞
【阪神大震災関連作品】
記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部(14時間38分)
『阪神大震災 再生の日々を生きる』(2時間36分)
【東日本大震災関連作品】
『3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜』
『津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録』
→青池組@宮城応援ページ
《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円 高校生以下500円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
転形期のインディペンデント映画
第2回 マイナー映画の方へ
3月23日(土)〜26日(火)
映画制作と上映のデジタルへの移行、そして見る環境の多様化により、いよいよ“映画”の転形期を実感する今日。とりわけインディペンデント映画の状況はダイナミックに変化していくことでしょう。
自由な環境で作られるインディペンデント映画であるからこそ、作り手はそれぞれに映画の在り方を模索しています。このシリーズでは、この転形期に誕生した作品から映画の未来を見ていきます。
今回は、「マイナー映画の方へ」と題し、三人の映画作家の作品を取り上げます。いわゆる「個人映画」に分類される作品ですが、突き詰めた個人の表現がもたらす過激さとユーモアに触れてください。
「時」
(2012/サイレント/60分/DVD)
監督:木村卓司
一瞬一瞬、見えないはずの時が猛々しく発露し姿を現す。それは霧の様に実体のない幻想で意識下の深遠に降りて行く。日だまりの様にこの上なく心地のよいものだ。──木村卓司
『シネマトグラフ オブ エンパイア』(2009)、元町映画館が出来るまでを描いた『街に・映画館を・造る』(2011)で知られる木村卓司。今回が初公開となる最新作『時』は、闇と光を往還する独自の世界である。
触手のようなキャメラが平面像の女体をまさぐる。すると静止していたはずの被写体が一瞬息を吹き返したように動き出す。この瞬間に戦慄を覚える。この個人映画作家が自宅の納屋から発見されたという戦前のポルノグラフィーに眼差しを向けると、そこに津山三十三人殺しが実験映画と交差する時空が出現する。そして我々は思い出す。映画は3D技術など使わなくとも初めから立体映像だったのだと。
───葛生賢(映画批評家、映画作家)
「おしゃれ29/29」
(2003/25分/8mm)
「べっぷ、たまがわ」
(2005/31分/8mm)
監督:内村茂太
8mmフィルムによる日記形式の作風で知られる内村茂太。とぼけた語り口につい気を許してしまいそうになるが、実はかなりの技巧派である。
今回上映する『べっぷ、たまがわ』は、イメージフォーラム・フェスティバル2006寺山修司賞、『おしゃれ29/29』は、調布映画祭第9回ショートフィルム・コンペティション・グランプリ、コダック8ミリフィルムワークス in ジャパン奨励賞受賞。
内村茂太氏の8ミリ日記は、日曜洋画劇場で観た『ポリスアカデミー』を明日学校でどうネタにしようかとワクワクする、そんな中坊時代の日曜・晩の気分に満ちている。コマ落し気味のスピードで展開する妻と愛猫チャコとの多摩川住宅生活、地方への旅。終わらない休日として「問わず語り」のフィルムは回り続ける。
そんな内村氏の肩書きの1つは、自主的に務める『オールナイトニッポン』のパーソナリティ。『天才バカボン』の目玉のお巡りさんが如くである。500円で販売している収録テープがどれだけ売れたのかは謎だ。カセットテープが聴けない人も多いこのご時勢、内村氏は真顔で「聴く」かどうかではなく、「買う」という行為が重要なのだと淡々と言い切るのである。
───デューイ松田(ライター)
「Blessed ―祝福―」
(2001/78分/DV)
監督:崟利子
テキスト・ナレーター:高橋章代
穏やかに慎ましく、時には衝撃的なほど直裁に、愛、恐れ、親密さ、渇望、性愛のもっとも深い感情を探っていく私的ドキュメンタリー。詩的で喚起的なテキストが、即時性を感じさせる触覚的な映像と見事なバランスを成す。
本作は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2001「アジア千波万波」で上映され、ニヨン国際映画祭にて特別賞を受賞。その他、ソウル女性映画祭、台湾ドキュメンタリー映画祭、マレンマ(イタリア)国際ドキュメンタリー映画祭に招待上映。
崟利子は関西での自主上映活動や福田克彦監督の助監督を経て、1998年から映像制作を開始。2005年より東京茅場町にあるギャラリーマキにて定期新作発表上映会「季刊タカシ」をスタートし、2009年秋から神戸映画資料館で「タカシ時間」を不定期で開催している。
《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
《割引》2プロ目は200円引き
ドキュメンタリー「モバイルハウスのつくりかた」
2013年4月5日(金)〜9日(火)
建てない建築家・坂口恭平
初のドキュメンタリー
「モバイルハウスのつくりかた」
(2011/98分/HD[ブルーレイ上映])
製作:戸山創作所
配給:戸山創作所、スリーピン
監督・撮影・編集:本田孝義
整音:米山靖
音楽:あらかじめ決められた恋人たちへ「calling」
出演:坂口恭平、鈴木正三、船越ロビンソン、隈研吾、磯部涼
「建てない」建築家がいる。———名前は坂口恭平。
「0円ハウス」「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」といった著作で現代のライフスタイルに問いを投げかけ、故郷の熊本につくった“ゼロセンター”で新しい生き方を模索する。
坂口さんは早稲田大学建築学科在学中に路上生活者の家と出会い、家について、都市について、生活について根本的に考えることを始めた。
なぜ、建築家は巨大な建築物を建てるのだろう? なぜ、私たちは身の丈に合った巣のような家を建てることが出来ないのだろう?
数々の著作で路上生活者の生活をレポートしてきた坂口さんは、2010年11月、ついに初の建築作品“モバイルハウス”の製作にとりかかる。
僕の先生は多摩川のロビンソンクルーソー
坂口さんを手ほどきする「師匠」は多摩川の河川敷に長年暮らす“多摩川のロビンソンクルーソー”。材料はホームセンターで購入。しめて制作費26,000円。二畳の家に移動用のかわいい車輪付き。師匠の叱咤激励を受けてようやく完成、設置場所は吉祥寺の駐車場。多摩川から設置場所の吉祥寺に移動という前日、東日本大震災が起こった……。
住むとは? 暮らすとは? 生きるとは? ここには私たちが生きていくためのヒントがいっぱい詰まっています。
[公式サイト]
《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円
サイレント映画鑑賞会 『喜劇の王様たち』
2013年4月7日(日)15:00〜
「喜劇の王様たち」When Comedy was King
(アメリカ/1960/16mm/80分)
製作・監督・脚本: ロバート・ヤングソン
出演:チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、チェスター・コンクリン、ロスコー・アーバックル、メイベル・ノーマンド、グロリア・スワンソン、ハリー・ラングドン、ベン・ターピン、ローレル&ハーディ
サイレント・コメディ黄金時代の名場面集。
(日本語字幕無し/解説を配布)
いいをじゅんこさんの第3講コメディ学入門「スラップスティックの極北、3ばか大将」とあわせてお楽しみください。
《料金》
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア700円
《割引》[第3講コメディ学入門] 参加者は200円引き