プログラムPROGRAM
2013 4

ドキュメンタリー「モバイルハウスのつくりかた」
2013年4月5日(金)〜9日(火)
建てない建築家・坂口恭平
初のドキュメンタリー

 
「モバイルハウスのつくりかた」
(2011/98分/HD[ブルーレイ上映])
製作:戸山創作所
配給:戸山創作所、スリーピン
監督・撮影・編集:本田孝義
整音:米山靖
音楽:あらかじめ決められた恋人たちへ「calling」
 
出演:坂口恭平、鈴木正三、船越ロビンソン、隈研吾、磯部涼
 
「建てない」建築家がいる。———名前は坂口恭平。
「0円ハウス」「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」といった著作で現代のライフスタイルに問いを投げかけ、故郷の熊本につくった“ゼロセンター”で新しい生き方を模索する。
坂口さんは早稲田大学建築学科在学中に路上生活者の家と出会い、家について、都市について、生活について根本的に考えることを始めた。
なぜ、建築家は巨大な建築物を建てるのだろう? なぜ、私たちは身の丈に合った巣のような家を建てることが出来ないのだろう?
数々の著作で路上生活者の生活をレポートしてきた坂口さんは、2010年11月、ついに初の建築作品“モバイルハウス”の製作にとりかかる。
 
僕の先生は多摩川のロビンソンクルーソー
 
坂口さんを手ほどきする「師匠」は多摩川の河川敷に長年暮らす“多摩川のロビンソンクルーソー”。材料はホームセンターで購入。しめて制作費26,000円。二畳の家に移動用のかわいい車輪付き。師匠の叱咤激励を受けてようやく完成、設置場所は吉祥寺の駐車場。多摩川から設置場所の吉祥寺に移動という前日、東日本大震災が起こった……。
住むとは? 暮らすとは? 生きるとは? ここには私たちが生きていくためのヒントがいっぱい詰まっています。
 
[公式サイト]
 

《料金》
一般1300円 学生・シニア1000円
会員一般1000円 学生会員・シニア会員900円


サイレント映画鑑賞会 『喜劇の王様たち』
2013年4月7日(日)15:00〜
「喜劇の王様たち」When Comedy was King
(アメリカ/1960/16mm/80分)
製作・監督・脚本: ロバート・ヤングソン
出演:チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、チェスター・コンクリン、ロスコー・アーバックル、メイベル・ノーマンド、グロリア・スワンソン、ハリー・ラングドン、ベン・ターピン、ローレル&ハーディ
 
サイレント・コメディ黄金時代の名場面集。
(日本語字幕無し/解説を配布)
 
いいをじゅんこさんの第3講コメディ学入門「スラップスティックの極北、3ばか大将」とあわせてお楽しみください。
 

《料金》
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア700円

《割引》[第3講コメディ学入門] 参加者は200円引き


宝プロ・チャンバラ映画特集
2013年4月26日(金)〜29日(月・祝)
宝プロダクションは、東亜キネマの撮影所長だった高村将嗣(正次)が1950年に設立した独立プロダクションで、当初は立石電機(現在のオムロン)の敷地内にあった戦前からの双ヶ丘撮影所を使用して時代劇を専門に製作した。1953年に天神川沿いに新たな撮影所をオープンしたものの、1958年に倒産。その後は永らく「日本京映撮影所」という貸しスタジオだったが、今は面影もなくなっている。
大映京都で助監督をしていた加藤泰が監督に抜擢され手がけた劇映画デビュー作『剣難女難』前後篇を含む5作品を上映する。
加藤泰は宝プロについて「日本最低のプロダクションと云われていた」と繰り返し発言しているが、映画はとても最低とは思えない豪華版である。
 
「剣難女難 第一部・女心流転の巻」
(1951/70分/16mm)
製作:高村将嗣 監督:加藤泰 脚本:木下藤吉
原作:吉川英治 撮影:藤井春美 音楽:高橋半
出演:黒川弥太郎、市川春代、堀正夫、加賀邦男、阿部九州男、澤村國太郎、東龍子
加藤泰監督の記念すべき劇映画第一作。吉川英治原作の痛快娯楽時代劇。主人公、福知山藩の春日新九郎は剣が全くダメな武士。兄の重蔵が宮津藩との剣道試合で自斉に破れため、兄共々藩を追われた。許嫁・千浪に横恋慕する玄蕃に命を狙われ、それを助けた女に惚れられるなど紆余曲折。江戸の道場に入門し剣に励むが、ある日、宿敵の自斉が現れ試合するも惨敗。その後、将軍家綱の側室の姉・お光の方に見初められ愛欲に溺れる。
 
「剣難女難 第二部・剣光流星の巻」
(1951/71分/16mm)
スタッフは第一部に同じ
出演:黒川弥太郎、市川春代、堀正夫、加賀邦男、阿部九州男、徳川夢声、澤村國太郎、東龍子
玄蕃に父を殺された千浪が、兄の重蔵とともに江戸に出てきた。新九郎は、お光の方から離れ賭場を転々とし、巷では「御曹子の新九郎」と呼ばれていた。千浪と重蔵に出会えた新九郎は心機一転、信州の山奥で剣の修行に励む。お光の方の取り計らいで宿敵・自斉との御前試合が実現。千浪と病に伏した重蔵は剣の達人となった新九郎の勝利を祈った。
加藤泰は「チャンバラ映画への初心とウンチクを、この前後篇一万三千呎のチャンバラにつぐチャンバラへ、唯一筋に、何の衒いもなく傾けて、脇目もふらず撮りあげたと言えるのを、今でも嬉しく思っている」と回想している。総集版も存在するが、今回は一、二部別々の最長版を上映。
 
 
「神変美女峠 解決篇 又四郎笠」
(1951/70分[一部欠落]/16mm)
製作:高村将嗣 監督:萩原章 脚本:豊田栄、萩原章
原作:山手樹一郎 撮影:藤井春美
出演:黒川弥太郎、市川春代、花井蘭子、大友柳太郎、高山廣子
 
山手樹一郎原作「又四郎行状記」の映画化。萩原章監督のデビュー作『神変美女峠』の続篇で、松平家の三男・源三郎と多恵姫との縁組みを妨害し、お家乗っ取りを企てようとする陰謀を、黒川弥太郎が演じる主人公・笹井又四郎が阻止する勧善懲悪の物語。なお、萩原章は萩原遼監督の弟。プリント状態は不良で約13分欠落している。
 
 
「天草秘聞 南蛮頭巾」
(1952/76分/16mm)
製作:高村将嗣 監督:丸根賛太郎
脚本:木下藤吉、丸根賛太郎
撮影:喜多村幸三郎、近藤憲昭
音楽:高橋半 美術:鈴木正治
出演:黒川弥太郎、川喜多小六、大友柳太朗、宮城千賀子、御園裕子、菅井一郎、市川男女之助、鳳衣子、植村謙二郎、飯田覚三、加賀邦男、堀正夫、吉田義夫
 
寛永十四年(1637年)徳川三代将軍家光の治世、鎖国を断行して他国との交渉を断った徳川幕府はキリスト教を弾圧。それまでキリスト教徒の安住の地だった天草は迫害の地に変わった。領主の圧制に喘ぐ農漁村を舞台に、領主に叛逆する浪人たちと救世主のように現れた天草四郎の活躍を描く。『春秋一刀流』の丸根賛太郎監督が見せるサイレント時代劇風の画づくりは見事。
 
 
「ひよどり草紙」
(1952/73分[一部欠落]/16mm)
製作:高村将嗣 監督:加藤泰 原作:吉川英治 脚本:野島信吉
撮影:松井鴻 音楽:高橋半
出演:重光彬、星美千子、江見渉、沢村マサヒコ、沢村国太郎、朝雲照代、河野秋武、鳳衣子、故里ひびき、坊屋三郎、益田喜頓、山茶花究
 
徳川家康が一朝有事の際にと人知れず埋蔵した莫大な軍用金の在処を示す地図を秘めた紅ひよどりを求めて美剣士、美女が入り乱れる。坊屋三郎ら喜劇人の歌や踊りを盛り込んだ宝プロならではの娯楽大作で、子役の津川雅彦(沢村マサヒコ)が活躍するほか、配役には阿部九州男、綾小路絃三郎、河部五郎、市川男女之助など往年の大スターを起用し、活動写真ファンだった加藤泰が喜々として取り組んだ様子が読みとれる。加藤は「再びチャンバラにつぐチャンバラを、初心に帰り、丁寧に撮った映画である。撮影は昭和廿七年の夏の終りから秋にかけての、酷しい残暑の頃。その時かけずり廻った、京都近郊のロケ地の多くは、開発の嵐にのみこまれて、その頃の面影を失おうとしている」と回想。残念ながら約15分欠落したプリント。
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア800円

《割引》
2本目は200円引き


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