2026年4月18日(土)
連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見 第24回『悪の力』
システムの悪夢、ノワールの詩学
──エイブラハム・ポロンスキー『悪の力』を再発見する
このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。
14:00〜 上映
『悪の力』 Force of Evil
(アメリカ/1948/79分/デジタル)
監督:エイブラハム・ポロンスキー 原作:アイラ・ウルファート
脚本:エイブラハム・ポロンスキー、アイラ・ウルファート
撮影:ジョージ・バーンズ 美術:リチャード・デイ
音楽:デヴィッド・ラクシン
出演:ジョン・ガーフィールド、ベアトリス・ピアソン、トーマス・ゴメス、ロイ・ロバーツ
15:35〜 講座(終了予定17:05)
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
フィルム・ノワールの傑作『悪の力』は、犯罪劇のかたちを借りながら、資本主義というシステムそのものを鋭く照射した作品である。脚本家・監督エイブラハム・ポロンスキーは、この映画の直後に、赤狩りとブラックリストによって創作の道を断たれることになる。本作には、新時代の俳優ジョン・ガーフィールドを始めとして、当時のハリウッドで同じく時代に翻弄されることになる映画人たちの影が刻まれている。 今回の講座では、この「罪と救済」の物語を、制作者たちの運命と重ね合わせて読み解くと同時に、この作品を唯一無二にしている「詩的ノワール」の美学を具体的に分析していく。散文詩のような台詞、デヴィッド・ラクシンの不協和音、バロック的なモノクロームの映像美──それらがいかに結びつき、“悪の力”の感触を立ち上げているのか。この講座が、不世出の脚本家・映画作家ポロンスキーを発見、あるいは再発見する機会になればと思う。
井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。訳書に『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)、共著に『映画を撮った35の言葉たち』(フィルムアート社)がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」
《参加費》 上映+講座
一般:2500円 ユース(25歳以下):1500円 会員:2000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039
協力:ダッサイ・フィルムズ
