プログラムPROGRAM

年別アーカイブ: 2011

プラネット・アーカイヴズ 5
啄木と賢治と東北
【プラネット・シネマテーク】
2011年7月9日(土)・10日(日)
神戸映画資料館は、大阪のプラネット映画資料図書館が長年収集してきたフィルムなどの映画資料を収蔵管理しています。これらのフィルム整理作業と並行して上映を行っていこうというのが、この「プラネット・アーカイヴズ」です。
第5回目は、東北への想いを深めるため石川啄木と宮沢賢治に関する作品や東北を描いた記録映画などを集めて上映。
Aプログラム 
「情熱の詩人啄木 ふるさと篇」
(1936/70分/巻頭約20分欠落/16mm)
監督:熊谷久虎 原作・脚色:小田喬 安達伸男 撮影:永塚一栄 
出演:島耕二、小杉勇、黒田記代、沢村貞子
「蒼氓」(1937)「阿部一族」(1938)「上海陸戦隊」(1939)などで知られ、原節子の義兄でもある熊谷久虎監督の代表作品のひとつ。石川啄木は郷里の渋民村(岩手県盛岡市)で代用教員を務め自由で進歩的な新しい教育を志すが、古い考えの校長や村の役員たちの反対にあい、ついに郷里の村を追われる。主演は後に大映で再映画化を監督した島耕二。残念ながら巻頭部分2巻が欠落。また、濃淡型サウンドトラックが充分な濃度ではなく、音声が聞き取り難い。
 
Bプログラム
「セロ弾きのゴーシュ」
(1953/45分/16mm)
演出:川尻泰司、森永健次郎  製作:厚木たか 脚色:田中澄江 、川尻泰司
原作:宮澤賢治 撮影:柿田勇 美術:人形劇団プーク  動画:村田安司 音楽:伊福部昭
宮澤賢治の有名な名作童話の映画化で日本最初のカラー人形映画(コニカラー)。ゴーシュが住むのは東北の小さな町はずれの古い水車小屋。ゴーシュは金星楽団のチェリストで、発表会にベートーベンの第六交響曲メ田園”を演奏するため猛練習。もぐら、リス、猫、狸等いろいろな動物が訪れて激励され、ついに発表会で満場の拍手を受ける。
 
Cプログラム
「東京から青森まで」
(1931/17分/サイレント/16mm)
横浜シネマ商会 指導:全日本活映教育研究会
監修:青地忠三 撮影:上野幸清
尋常小学校六年の読本に準拠した教育映画。汽車は上野駅から出発し、東北本線に沿って北上。日光、松島、平泉、盛岡、小岩井農場などを経て青森に到着。疾走する汽車や流れる線路の動きを織り交ぜながら東北の風物、都会、史跡などを読本だけでなく視覚を通して理解せしめようとした作品。鉄路の線画は画風から村田安司と推定される。
「日本のデンマーク農場」
(1954/20分/16mm)
内外映画社 演出:樋口源一郎
山形新庄市松本にあったデンマークのエミール・フェンガー氏による農法指導農場の紹介。演出は山形県天童市生まれで「女王蜂の神秘」(1962)や「細胞性粘菌の行動と分化」(1992)などで知られる樋口源一郎。
その他、おまけ上映作品もあり。
  

《会費》
1プログラムあたり
会員900円 学生会員・シニア会員700円
《割引》
2プログラム目より200円引き


ドキュメンタリー映画再見
2011年7月16日(土)〜18日(月・祝)
 
今回からスタートする連続講座《映画批評_新しい映画と観客のために》のテーマ「ドキュメンタリーを考える」にあわせて、ドキュメンタリーの傑作を上映。
古典的な名作に新たな魅力を発見するとともに、ドキュメンタリー映画の現在を再考する機会となるでしょう。
 
[関連企画]
連続講座:映画批評_新しい映画と観客のために
第1回ドキュメンタリー映画を考える
(7月16日)

 
「北京」
(1938/45分/16mm)
監督:亀井文夫
撮影:川口政一
日本軍が侵攻中の中国を記録した『上海』(1938)に続く亀井文夫の作品。紫禁城、景山、天壇などを紹介、そのあと市場、商店街、裏通りなどへカメラは入り、同時録音で延々と市民の表情を描く。巻頭を含め30分程度の欠落がある。
 
「カメラを持った男」Человек с киноаппаратом
(ソビエト/1929/100分[16fps]/無声/16mm)
監督:ジガ・ヴェルトフ
ロシア(旧ソビエト)の天才ジガ・ヴェルトフの代表作。映画における演劇的・物語的な要素を否定し、コラージュやモンタージュ、フラッシュ・バックなどの技術を駆使した実験的作品で、視覚表現としての映画の可能性を追求している。1970年前後の一時期、ゴダールらが「ジガ・ヴェルトフ」集団を名乗って政治的映画を製作した。
 
「意志の勝利」Triumph des Willens
(ドイツ/1935/114分/16mm)
監督:レニ・リーフェンシュタール
製作:レニ・リーフェンシュタール、アドルフ・ヒトラー
脚本:レニ・リーフェンシュタール、ヴァルター・ルットマン
音楽:ヘルベルト・ヴィント
ニュルンベルクで1934年に6日間行われたナチ党の全国党大会を記録した映画。リーフェンシュタール監督は、ヒトラー自身から直接の依頼により監督、戦後はプロパガンダによるナチズムへの協力者として排斥されることになった。リーフェンシュタール監督は「私は政治には全く興味はなかった。興味があったのは美だけ」と述べている。70年代以降は写真家として評価された。
 
「ルイジアナ物語」Louisiana Story
(アメリカ/1948/77分/16mm)
監督:ロバート・フラハティ
脚本:ロバート&フランシス・フラハティ
撮影:リチャード・リーコック
ヴェネチア映画祭国際賞受賞したフラハティ最後の長編作品。ルイジアナ州の湿地帯(バイユー)を舞台に、そこに暮らす少年とともに油田の採掘工事を描く。現在は守るべきものとして認知される“自然”が“驚異”として描かれる。石油会社がスポンサーの産業PR映画でもある。
   
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 会員学生・シニア700円

《割引》
2本目は200円引き
講座「第1回ドキュメンタリー映画を考える」参加者は1本目も200円引き


アンドレ・マルロー監督作『希望 テルエルの山々』
2011年7月23日(土)・24日(日)

 
フランスの作家アンドレ・マルローが監督した唯一の映画『希望 テルエルの山々』。ゴダールの『フォーエバー・モーツアルト』のモティーフであり、ネオリアリズモの先駆的な作品とも称される。
今回参考上映するイタリアのネオリアリズモ、ロッセリーニ監督の『戦火のかなた』と併せてご覧いただきたい。
[関連企画] 神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外
第3回 映画の夜と戦争①_アンドレ・マルロー

 
「希望 テルエルの山々」Espoir__Sierra de Teruel
(フランス・スペイン/1939/73分/35mm)
監督:アンドレ・マルロー 脚本:アンドレ・マルロー、ドニ・マニオン
撮影:ルイ・パージュ
出演:アンドレス・メフト、ニコラス・ロドリゲス、ホセ・ラド
国際義勇軍を組織しスペイン市民戦争に参加したマルロー自身による小説『希望』が原作。俳優が出演し、演出もされているが、市街戦や空中戦など実際に戦闘が続くバルセロナで撮影された。物語の最後、山中に墜落した飛行士の遺体が村の教会に運ばれる。このシーンに共和国軍の兵士や地元の住民、千人のエキストラが参加した。延々と続く沈黙の葬列は、内戦の悲惨さ、人間の運命の残酷さを、現実と虚構を超えて観る者に訴えかける。
 
[参考上映]  
「戦火のかなた」Paisa
(イタリア/1949/114分/16mm)
監督:ロベルト・ロッセリーニ
脚本: セルジオ・アミディ、クラウス・マン、フェデリコ・フェリーニ、ヴィクター・ヘインズ、マルチェロ・パリエーロ、ロベルト・ロッセリーニ
撮影:オテッロ・マルテッリ
出演:マリア・ミーキ、ガール・ムア、ドッツ・M・ジョンソン
連合軍の上陸直前から解放まで、ナポリ、ローマ、フィレンチェ、ポオ河と、イタリアを北上しながら、各地の民衆と米兵の交流を中心に、パルチザンや従軍神父らの身に降りかかる悲劇を、六話のオムニバス形式で描く。ネオレアリズモの傑作で、『無防備都市』に続き、『ドイツ零年』とあわせてロッセリーニの「戦争三部作」第二弾。四名の職業俳優を除き、各地で市民や将兵が起用された。脚本にはフェリーニも参加している。 
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き
[レクチャー:第3回 映画の夜と戦争①_アンドレ・マルロー] 参加者は1本目も200円引き


『恐るべき子供たち』『蜂の巣の子供たち』
2011年8月6日(土)・7日(日)
「恐るべき子供たち」
Les Enfants terribles
(フランス/1950/105分/35mm)
監督:ジャン・ピエール・メルヴィル
脚色:ジャン・コクトー、ジャン・ピエール・メルヴィル
原作:ジャン・コクトー
撮影:アンリ・ドカエ
音楽:ポール・ボノー
出演:ニコール・ステファーヌ、エドゥアール・デルミ、ルネ・コジマ、ジャック・ベルナール、メルヴィル・マルタン、マリア・シリアキュス
フランス犯罪映画(フィルム・ノワール)を代表する『いぬ』(1962)、『仁義』(1970)などの傑作を生み出し、ヌーヴェル・ヴァーグにも大きな影響を与えたジャン=ピエール・メルヴィル監督。彼の1947年のデビュー作『海の沈黙』を見たジャン・コクトーの依頼を受け『恐るべき子供たち』を映画化した。奇妙な結びつきを持つ姉弟の二人だけの世界に、やがて崩壊が訪れる。
 
 
「蜂の巣の子供たち」
(1948/86分/35mm)
監督・脚本:清水宏 
撮影:古山三郎 
音楽:伊藤宣二
清水監督は戦災孤児を引き取りともに生活をしていたが、その子どもたちを出演させてオール・ロケーションで撮影した自主製作作品。下関に降り立った復員兵が出会った浮浪児たちを連れて広島、神戸と山陽道を歩いて行く。山中貞雄、小津安二郎、そして溝口健二が天才と呼んだ、清水宏監督の「子ども」と「旅」のテーマが凝縮されている。
    

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き


日本映画名画鑑賞会
2011年8月14日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》
一律500円


佐藤央作品集
8月20日(土)・21日(日)
神戸映画資料館の製作で、昨年末にここ新長田で撮影を行い、今年4月に『MISSING』として作品を完成。新境地を開いたと好評を得て一般公開準備中の佐藤央監督。これまでにも洗練されたコメディ作品なども数多く手がけています。それら2008年以降の監督作品をまとめて上映。また、『MISSING』では脚本で参加した小出豊監督の短編も特別上映します。

より不可解な、より奇妙なものへ
            濱口竜介
(映画監督 『PASSION』『THE DEPTHS』)
 佐藤央は、上手い。そのことは厳然たる事実として確認しておきたい。おそらく日本で現在活動している映画監督の中でも2番目ぐらいに上手いし、そしてそのことはおそらく、世界で10本の指に入るぐらい上手い、ということでもある。
 しかし、佐藤央のフィルモグラフィを彼が手練れていく過程として捉えてはいけない(彼は劇場デビュー作『シャーリーの好色人生』の時点で既にその域に達している)。彼のフィルモグラフィはどちらかと言えば、彼の映画がより不可解な、より奇妙なものへと生成して行く過程である。その奇妙さがあまりに威風堂々たるもので、奇妙なのは映画の方ではなくむしろ我々の暮らすこの世界の方に思えて来るほどだ。案外、それこそ事実なのかも知れない。
 そして、まさかそんなわけはあるまいと思う貴方こそ、佐藤央の映画を見るのに最も相応しい観客でもある。神戸に急げ。

 
Aプログラム3本立て
「シャーリーの好色人生」
(2008/44分/DVCAM)製作:シネマパンチ
監督:佐藤央 脚本:佐藤央、冨永昌敬 
撮影・照明:芦澤明子(JSC)
美術:田中浩二 衣装:小磯和代 
音楽:近藤清明 編集:佐藤央、桝田亮
制作:渡辺裕子 企画:大内立子
プロデューサー:冨永昌敬、直井卓俊
制作協力:ユーロスペース、ぽんずフィルム
出演:福津屋兼蔵、夏生さち、杉山彦々、宮田亜紀、小田豊、中川安奈
姉の家に転がりこんだシャーリーを待っていたのは、女性たちからの誘惑だった。彼が選ぶ女性はいったい誰……?冨永昌敬の「シャーリー」シリーズの一篇で、同監督の『シャーリーの転落人生』とともに公開された。2008年水戸短編映像祭特別招待作品。
「結婚学入門(恋愛篇)」
(2009/18分/DVCAM)製作:gpm
監督:佐藤央 
脚本:チームナム(高木幹也・三宅唱・佐藤央)
撮影・照明:四宮秀俊 録音:新垣一平
美術:田中浩二 衣装:小磯和代 
メイク:小櫃香菜 編集:山崎梓 
音楽:近藤清明 制作:阿部史嗣、草野なつか
助監督:三宅唱  プロデューサー:佐々木利記
出演:汐見ゆかり、スズキジュンペイ、小野ゆり子、杉山彦々、小田豊
万田邦敏の呼びかけによるオムニバス映画『葉子の結婚』の一篇。ドタバタ喜劇でありながらソフィスティケイトされた作品。2009 大阪ヨーロッパ映画祭上映作品。
「結婚学入門(新婚篇)」(2011リマスター版)
(2010/31分/DVCAM)製作:gpm 
監督:佐藤央 
脚本:チームナム(高木幹也・佐藤央)
撮影・照明:四宮秀俊 録音:新垣一平
音楽:長嶌寛幸 美術:田中浩二
衣装:小磯和代 メイク:知野香那子
編集:桝田亮 助監督:堀切基和
スチール:鈴木淳哉
プロデューサー:佐々木利記、佐藤央
出演:汐見ゆかり、スズキジュンペイ、小野ゆり子、杉山彦々、小田豊
カツラ会社で働く新婚夫婦。新婚旅行を前日に控えた彼らだが、突然部長の命令により、自社の新型カツラを売り込むべく、長官も出席するカツラシンポジウムに乗り込む…。『結婚学入門(恋愛篇)』に続く作品。2011 ニッポンコネクション上映作品。
 
 
Bプログラム3本立て+小出豊監督作品
「月曜日にはゲバラを殺せ」
(2010/25分/DVCAM)月イチ金曜会企画
監督・編集:佐藤央 脚本:小山侑子
撮影:矢野正義 照明:倉本光佑
録音:舟木健児 音楽:近藤清明
製作・助監督:横田蕗子
プロデューサー:神野輝、小山侑子
アソシエート・プロデューサー:富岡邦彦(PLANET+1)
出演:一ノ瀬美和子、市原文太郎、今西洋貴、佐々木嘉子、小谷可南子
ナナはこれまで心も身体も満足させてくれる男に出会ったことがない。姉のモモが憧れの「本当の男、チェ・ゲバラ」を探しに旅に出ることを知ったナナは…。映画制作に携わる人、興味のある人の交流の場 “月イチ金曜会”(現・KINEMIC)から生まれた作品。
「MOANIN`(モーニン)」
(2010/31分/DVCAM)
製作:佐藤央ワークショップ
プロデューサー・原案・監督・編集:佐藤央
脚本:高木幹也 撮影:四宮秀俊、三宅唱
録音:渡辺一輝 音楽:山田耕治
助監督:三宅唱 制作:草野なつか
コーディネーター:松井宏
公園で死体が発見された。死体をめぐって様々な人物たちが集い、交錯するなか、誰かがひとりの男を死体にそっくりだと主張しはじめる……。佐藤監督を講師に迎えた俳優ワークショップの成果として作られた。 
 
「MISSING」
(2011/55分/HD)製作:神戸映画資料館
監督・編集:佐藤央 脚本:小出豊
撮影・照明:四宮秀俊 録音:新垣一平
音楽:近藤清明 美術:大石佳奈
助監督:大岸智博 制作:唐津正樹
出演:土田愛恵、きく夏海、信國輝彦、昌本あつむ、八尾寛将、堀尾貞治
夫と1人息子のヒロと幸せな生活を送っていた清瀬晧子は、軽い気持ちからヒロとの約束を破ってしまう。その日以来、ヒロは二度と帰ってこず、「自分のせいだ」と自らを責める晧子は夫と別れ1人ヒロを待ち続ける。それから5年の月日が過ぎ…。
 
特別上映 「お城が見える」
(2006/11分/DV)
監督・脚本:小出豊
撮影:山岡太郎、深田晃司、四宮秀俊、川口力
出演:吉岡陸雄、おぞねせいこ、大谷伸
第4回CO2エキシビジョン・オープンコンペ部門優秀賞。夫による妻への暴力がきっかけで、妻は息子を殺してしまう。犯行を隠蔽しようと、息子の死体を海に遺棄する夫…。『MISSING』の脚本を手がけた小出豊監督の短編。

佐藤央
1978年大阪生れ。映画美学校フィクションコースを卒業後、2005年、短編ドキュメンタリー『キャメラマン 玉井正夫』を監督(フィルムセンター、三重映画フェスティバル、神戸映画資料館などで上映)。2007年、オムニバス映画『夢十夜 海賊版』の一本「不安」(第八夜)、2009年には『シャーリーの好色人生』を監督し、冨永昌敬(『パンドラの匣』『乱暴と待機』)との二本立て映画『シャーリーの好色人生と転落人生』として全国で公開。各方面で高い評価を得る。2009〜10年には自主制作で『結婚学入門(恋愛篇・新婚篇)』の2作を続けざまに監督。最新作『MISSING』の一般公開準備中である。

 

《料金》
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円

*神戸映画ワークショップ2011の参加者は無料
《割引》2プロ目は200円引き


神戸再上映!『AI〜ある彼女の世界征服!?』
2011年8月19日(金)〜23日(火)11:00〜
『AI〜ある彼女の世界征服!?』
(2011/104分/ブルーレイ)
脚本:澤田耕耶 監督:加藤謙司
プロデューサー:伊藤真一
出演:小泉麻耶、籠谷和樹、浅井純、こままりえ、真田せつこ、水井 真希、内野未来
 
パソコンのモニター上に、理想の女性の姿をした人工知能を生み出したひきこもりのオタク青年。彼女が求める“せかいせいふく”実現のため、現実世界に飛び出す。現代日本のビルドゥングスロマン。
 
2009年日テレジェニック小泉麻耶を主演に迎えたサイエンスロマンス
音楽監督には元ZIGGYのギタリスト松尾宗仁とねユニットZINXのボーカリスト妹尾研祐を迎えた。
液晶モニタの中で彼女は目覚めた。
彼女は目覚めると僕がプログラムした通り『貴方がマスターですか?』と笑顔で聞 いてきた。
「そ、そう。僕が君を創ったんだ」僕が満足そうにそう言ってやると彼女は笑顔を絶やさずに『死ね変態!』と言っ た。
『キモいんだよ!何この暗い部屋。ヲタクじゃん。ニートじゃん。引きこもりじゃん。』
僕は驚愕のあまり「こ、こんな口の悪いの創ってない!』そういうと、彼女の表情が変わった。
『そうよ、本当はこの娘を創りたかったのよね、マスター?』
『そっくりよ ねぇ?自分の欲求のためにこのアイドルに似せて私を創って、いやらしい事しようと考えていたんでしょう?キモいっつーの!』
僕はあまりの恥ずかしさのあまりマウスに手をかけた。
「失敗だ!こんなの消してやる!」『あら、私を消す気?でもその瞬間に貴 方の個人情報をの世界中に発信するわ!』
彼女はそう言って僕を嘲笑した。マウスの手が止まる。血の気が引いていくのが解った。
僕はとんでもないものを創ってしまった。しかし彼女は不敵に笑うと『私の言う事を聞いてくれればそんな事しな いわ』と囁く。
「な、何をする気だ」僕がそう聞くと、彼女の唇はこう動いた。
『セ・カ・イ・セ・イ・フ・ク』

《料金》
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1200円 会員学生・シニア1000円

[前売り]1200円


神戸・長田が生んだ人情ピンク作家 小松公典(こまつこうすけ) 特集!
2011年8月26日(金)〜28日(日)
神戸市長田区出身の脚本家・小松公典 氏の作品を、ピンキーリボン賞受賞作品から珠玉の3本をセレクト!
 小松公典さん来場によるゲストを迎えてのトークショーあり!
  トークゲストは、女優・倖田李梨と、
  ピンク読モ(「ぴんくりんく」読者モデル)の古本奇納子、町田翠

トークゲスト
小松 公典(こまつ こうすけ)
1970年3月6日生まれ。神戸市長田区出身。名倉小学校→丸山中学校→育英高校→にっかつ芸術学院。関根和美監督のもとで助監督、共同脚本を務める。単独での脚本デビュー作は、『女医ワイセツ逆療法』(脚本題:ストーカー/97年/関根和美監督)。竹洞哲也監督デビュー作『人妻の秘密 覗き覗かれ』(04年)以降、すべての竹洞監督作品の脚本を手がけている。ピンク映画大賞・脚本賞を05年度、06年度、10年度と3度も受賞している。
 
26日(金)倖田 李梨(こうだ りり)
1974年3月1日生まれ。東京都出身。左海未来(さかいみき)という名前で99年AVデビュー。その後、岩下美季名義を経て、05年、倖田李梨に改名。竹洞哲也監督・小松公典脚本『さびしい人妻 夜鳴く肉体』(05年)でピンク映画デビュー。ピンキーリボン賞2007・殊勲女優賞、同2008・最優秀助演女優賞、同2009・殊勲女優賞、同2010・最優秀助演女優賞を受賞。今最もピンク映画に出ている女優。
 
27日(土)古本 奇納子(ふるほん きなこ)
2010年2月、自主映画『ぴんくりんく緊縛篇』緊縛ヌードモデル募集オーディションにてグランプリ受賞。『ぴんくりんく緊縛篇 第弐部』(2010年/監督:ダーティ工藤)で映像作品のデビューを飾る。年齢非公表ながら奇跡のアラフォー美人! 大阪在住で、OL兼SM嬢として働きながら女優活動も。
28日(日)町田 翠(まちだ みどり)
2010年2月、自主映画『ぴんくりんく緊縛篇』緊縛ヌードモデル募集オーディションにてグランプリ受賞。『ぴんくりんく緊縛篇 第弐部』(2010年/監督:ダーティ工藤)で映像作品のデビューを飾る。平成世代の美少女! 現役女子大生として、性をテーマにした研究、映像制作をしている。

シナリオタイトル「恋味うどん」
「悩殺若女将 色っぽい腰つき」
(2010年改題:熱々お姉さん 極太こねまわす)
2006年/62分/35mm/OP映画[R18+]
監督:竹洞哲也 脚本:小松公典 撮影・照明:創優和
録音:シネキャビン 編集:フィルムクラフト
助監督:山口大輔
出演:吉沢明歩、青山えりな、倖田李梨、なかみつせいじ、柳東史、松浦祐也、岡田智宏、サーモン鮭山
<ピンキーリボン賞2006ゴールドぴんく賞>
 
シナリオタイトル「いつまでも どこまでも」
「不純な制服 悶えた太もも」
(2011年改題:早熟な制服 肉体の報酬)
2008年/61分/35mm/OP映画[R18+]
監督:竹洞哲也 脚本:当方ボーカル(=小松公典) 
撮影・照明:創優和 音楽:與語一平 
編集:フィルムクラフト 録音:シネキャビン
助監督:山口大輔
出演:Aya、青山えりな、田中繭子(=佐々木麻由子)、松浦祐也、吉岡睦雄、世志男、石川雄也
<ピンキーリボン賞2008最優秀新人女優賞:Aya>
  
シナリオタイトル「川の字」
「潮吹き花嫁の性白書」
2010年/59分/35mm/OP映画 [R18+]
監督:竹洞哲也 脚本:小松公典・山口大輔 
撮影監督:創優和 音楽:與語一平 
編集:有馬潜 録音:シネ・キャビン 
助監督:櫻井信太郎
出演:かすみ果穂、倖田李梨、LUNA、毘舎利敬、佐藤玄樹、久保田泰也、岩谷健司、岡田智宏
<ピンキーリボン賞2010ゴールドぴんく賞>

《料金》入れ替え制
1回券=800円 2回券=1500円 3回券=2000円
《割引》神戸プラネット会員は100円引き
*トークショー入場は映画半券が必要

共催:「ぴんくりんく」編集部
[関連企画]
神戸初公開『ぴんくりんく緊縛篇 第壱部』『ぴんくりんく緊縛篇 第弐部』
ダーティ工藤監督・舞台挨拶


神戸初公開 「ぴんくりんく緊縛篇」第壱部・第弐部
2011年8月26日(金)〜28日(日)
 
 ダーティ工藤監督・舞台挨拶

ダーティ工藤(だーてぃ くどう)
本名・工藤公一。1954年11月28日生まれ。北海道倶知安町出身。「シネマトグラフ」という映画誌の創刊にかかわり、映画評論家として「キネマ旬報」、「ぴあ」など様々な媒体へ寄稿。1990年「刺青緊縛地獄」でAV監督デビュー。2000年、DKプロダクションを設立し、“緊縛”に特化したインディーズ・レーベル“Dirty Factory”を立ち上げる。 著書に「光と影 映画監督 工藤栄一」、「大俳優 丹波哲郎」など。劇場公開作品に『縄文式』(99年)、『東陽片岡のルサンチマン』(07年)、『石井輝男映画魂』(09年)など。

「ぴんくりんく緊縛篇 第壱部」
2010年/62分/DV/[R18+]
監督・編集・緊縛:ダーティ工藤
脚本:シロート・シャブロル 撮影:クラウス・マンスキー
撮影協力:亀有名画座  銀河系
協力:バンビ・プロモーション、田添 健、井上真愉見 、林田義行、シマダタモツ
音楽:斎藤博人 プロデュース:太田耕耘キ
製作・配給・著作:DKプロダクション、「ぴんくりんく」編集部
<出演(登場順)>
若林美保、伊沢涼子、日高ゆりあ、佐倉 萌、上原 優、真咲南朋、伊藤清美
 
「ぴんくりんく緊縛篇 第弐部」
2010年/60分/DV/[R18+]
監督・編集・緊縛:ダーティ工藤
脚本:シロート・シャブロル 撮影:クラウス・マンスキー
撮影協力:シマダタモツ、PLANET+1、梅田日活劇場、SUN SHOP
協力:ノーザンライト、BAR際、安部孝則
特別協力:渡辺 護(挿入映画:『紅壺』)
音楽:GOLDMAN プロデュース:太田耕耘キ
製作・配給・著作:DKプロダクション、「ぴんくりんく」編集部
<出演>
古本奇納子、町田 翠、宮咲志帆

《料金》2本立て
一般1500円 学生・シニア1300円
会員1300円 会員学生・シニア1200円

*舞台挨拶入場は映画半券が必要

共催:「ぴんくりんく」編集部
[関連企画] 小松公典(こまつこうすけ) 特集!


新作ドキュメンタリー「まなざしの旅 土本典昭と大津幸四郎
     同時上映:「パルチザン前史」

2011年9月2日(金)~6日(火)

 
時代へのまなざし、人間へのまなざし。
 
ドキュメンタリー映画における
「まなざしの在り方」を問いつづけた
ふたりの男の記録である。
 
 
「まなざしの旅 土本典昭と大津幸四郎
(2010/92分/DV)
企画・製作:映画美学校
映画美学校2008年度ドキュメンタリー高等科コラボレーション作品
監督・編集:代島治彦
 
スタッフ:映画美学校2008年度ドキュメンタリー高等科生
 五十嵐恭子、今泉秀夫、木邨千尋、杉本暁子、鈴木洋三、舘野素子、環 健一郎
 中田 文、渕脇 勤、美野大輔、保田則子、吉田孝行、渡辺真吾
 
撮影指導・題字:大津幸四郎 録音指導:奥井義哉
整音:米山 靖(ヒポ・コミュニケーションズ)
音楽・演奏:パスカルズ
映像提供:映画同人シネ・アソシエ、ビジュアル・トラックス、記録映画保存センター、青林舎、シグロ、自由工房、ユーロスペース、アテネ・フランセ文化センター
写真提供:映画同人シネ・アソシエ、奥村祐治、井坂能行
協力:岩佐寿弥、久保田幸雄、東 陽一、土本典子、伏屋博雄、藤岡朝子
藤原敏史、山上徹二郎、山形国際ドキュメンタリー映画際
 
 映画美学校での受講生による大津幸四郎へのインタビューと生前にさまざまなかたちで記録された土本典昭の証言を時系列に絡ませ、1960年代からの映画作品を参照しながら、水俣シリーズで二人が「孤高の映画」に到達するまでを描く。
 第11回(2009年)山形国際ドキュメンタリ−映画祭の関連企画「日中ドキュメンタリ−映画道場」で若手映画作家に撮影術を教える大津幸四郎の姿を追う短編映像詩が冒頭と最終部に置かれ、また各章に合間に挿入される。
 
 
同時上映
「パルチザン前史」

(1969/120分/16mm)小川プロダクション
監督:土本典昭 撮影:大津幸四郎、一之瀬正史
関西小川プロが製作参加した作品。京都大学全共闘のノンセクト学生を組織する京都大学助手の滝田修の革命運動を追う。軍事訓練の様子のほか、家庭を持ち、予備校の教壇に立ちながら大学解体を唱えることの矛盾について率直に語る滝田の姿。60年代末の学生運動の空気を伝える歴史的作品。
 

《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円


セット券(「まなざしの旅」+「パルチザン前史」)
一般2000円 学生・シニア1800円
会員1800円 学生会員・シニア会員1600円


日本映画名画鑑賞会
2011年9月11日(日)
上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
 
(会員の皆様からの上映作品タイトルの問い合わせを、上映1週間前より電話・e-mailで受け付けます。会員番号をご確認の上、お問い合せください)

《料金》
一律500円


[貸館]映画『もういいよ』お披露目会
2011年09月11日(日)19:00開演 (18:30開場/20:30終演)
2011年3月から一年以上を地元神戸にて製作してきた映画「もういいよ」の関係者への映像お披露目会を行います。
未完成作品であることご了承ください。
本上映に向けてちょっと第三者の印象をきてみたいなって監督の遊び心で告知さしていただきます。
0号を目標にしています。
来て下さる方が楽しめるレベルの催しを考えています。
何か面白そうやなと思った方はお気軽にお越しくださいませ。
神戸で活躍するザローキックスさんの生歌が聴けます。
開演前と終演後にギター1本で歌う男前の美声に酔いしれましょう。
 
『もういいよ』
監督:吉田勝二
製作:神戸活動写真倶楽部港館、神戸クリエーターズサロン
主人公の陽子が記憶を取り戻すまでの物語。
両親が失踪した山に登ることになった陽子と婚約者の良太とそれに反対する兄の大地と過去の
記憶の自分たちと巨大な異物の出現と混沌としたサスペンスコメディです。
巨大な異物は何のために出現したのか?地球が巻き込まれる!!
主催・お問い合わせ:吉田勝二
Tel :090-9866-2575

《参加費》
無料


まぼろしの昭和独立プロ黄金伝説 前編
2011年9月16日(金)〜19日(月・祝)
2009年の2回にわたる特集上映「60年代・独立プロ伝説 西原儀一と香取環」から、はや2年が経過した。亡くなられた西原儀一監督を追悼、その作品の主演女優でもあった香取環さんにスポットを当て、熱烈な成人映画ファン、埋もれた日本映画に興味を持つ人々など、幅広い観客を集めました。
誰も書かない映画史を研究・検証することをライフワークとするルポライターで映画史家の鈴木義昭の新刊『昭和桃色映画館』(社会評論社)も遂に完成、刊行された。
戦後の日本映画史における「独立プロ」「成人映画」の実態と全貌が、ようやく明らかになろうとしている今、《まぼろしの昭和独立プロ黄金伝説》として、4つの上映プログラムを企画しました。まず今回は、「第一の伝説 名優・野上正義 追悼」「第二の伝説 知られざる若松孝二」。17日(土)の鈴木義昭氏のトークでは、秘蔵映像を参考上映します。
 
 
野上正義さん(左)と若松孝二監督
(2010年5月の久保新二「生前祭」にて)
 
[特設コーナー]野上正義 追悼
 
「第一の伝説 名優・野上正義 追悼」
9月16日(金)・17日(土)
「痴情の罠」
(1965/70分[欠落あり]/35mm)
北星映画/ゼネラル映画 監督:甲斐清二
脚本:柴田良夫 撮影:久芳信太郎
出演:野上正義、佐原しのぶ、香取環、津崎公平、木南清、加賀祐史、沢田実、南九州男、桂駒子
桃色映画デビュー翌年、既に野上正義は独立プロを代表する主演スターだった! チンピラやくざが、顔が瓜二つという理由で河盛組の跡目を相続する若親分として送り込まれる。組長の娘とのロマンス。組内部での権力抗争。野上正義の「知られざる名作」というべき作品。
 
 
「肌のもつれ」
(1969/69分/16mm)
葵映画 監督:佐々木元
脚本:井出川実範 撮影:池田清二
出演:白川和子、野上正義、火鳥こずえ、木南清、九重京司、浜祐子、中尾ユリ
肉体関係にある看護婦と工員。関連のない殺人事件。もつれた糸を手繰り寄せて見えてきた真相とは? サスペンスタッチで魅せる佐々木元監督絶頂期の佳作。元祖「団地妻」女優として昭和史に名を残す白川和子の独立プロ時代の名演技、それを引き出す野上正義の抑えた芝居に注目を。
  
「燃えたい女」
(1969/70分/16mm/パートカラー)
ワールド映画 監督:奥脇敏夫
脚本:喜良ヒト見 撮影:斎藤雅則
出演:火鳥こずえ、野上正義、近松敏夫、九重京司、国分二郎、高島和子、川松凡人、平野元
さびれた旅館の一室。好奇な客の前でシロクロショーをする二人。やくざ社会から逃れ辿り着いた小さな港町。二人を見守る老やくざ。日本的美人の火鳥こずえのはかなげな美しさ、桃色映画界随一の名優といわれた野上正義のひたむきさ。60年代独立プロ映画が到達した極北の哀切世界がそこにある。
   
「第二の伝説 知られざる若松孝二」
9月18日(日)・19日(月・祝) 
「赤い犯行」
(1964/90分/16mm)
日本シネマ 監督:若松孝二
脚本:吉岡道夫 撮影:伊東英男
出演:路加奈子、寺島幹夫、神山卓三、有川次郎、藤森和子、葵美香、明日香実
日活大部屋女優から武智鉄二『白日夢』(64年)のヒロインで一世を風靡、その後は松竹専属になる路加奈子、ピンク映画最後の主演作。平凡なセールスマンが落ち込む人間社会の落し穴。脱獄囚と人妻の逃避行の果てに待っていたものとは…。若くして巨匠だった若松孝二の巧みな演出から目が離せない。

「乾いた肌」
(1964/80分/16mm)
日本シネマ/ムービー配給社 監督:若松孝二
脚本:池田正一 撮影:伊東英男
出演:里見孝二、三井由紀子、宮村京子、公敦子、中島文子、大原譲二
若松孝二がその昔、いわゆるメロドラマの名手でありそのことによって頭角を現したことを証明する作品。新人賞を受賞し文壇の寵児となった人妻作家が、彼女の担当編集者と関係を持つように。撮影の伊東英男は東宝系から、俳優では松竹出身の里見孝二、新東宝出身の大原譲二ら撮影所組が骨格を固める。
 
「真昼の暴行劇」
(1970/70分/35mm/パートカラー)
日本シネマ 監督:若松孝二
脚本:出口 出 撮影:伊東英男
出演:芦川絵理、鏡 勘平、今泉 洋、一星ケミ、吉志譲二、日野輝男、吉 田 進、滝井 修
骨太な人間ドラマを志向していた若松孝二は、いつからか「アングラの巨匠」になった。流入してくるアングラ青年、政治と暴力の季節に突き動かされて独自の世界を屹立させた男。告白するヌードモデル、満たされぬ愛の惨劇。芦川絵里、一星ケミという人気女優を使い描く転形期若松映画、秘密の花園。
 

9月17日(土)トーク
《昭和独立プロ黄金伝説・その1 名優と巨匠の60年代・野上正義と若松孝二》
鈴木義昭
(映画史家・ルポライター)
若松孝二は言った、「あいつと組むとみんな当たったよ」。野上正義は言った、「若松組の若い衆になっていた」。ヤクザ渡世から活動屋の世界に転がり込んだ若松、新劇やテレビから桃色映画に迷い込んだ野上、60年代の独立プロを牽引する男ふたり。一人は死に、一人は映画を作り続ける。あの時代、互いに夢見た映画は、確かに同じだった……。昨年末に物故した桃色映画を代表する名優・野上正義と快作『キャタピラー』以後も休むことなく撮り続ける独立プロの巨匠・若松孝二、それぞれの軌跡を追い、「60年代」の映画的風景の核心へと迫る!
 参考上映 :野上正義出演の短編作品、「昭和桃色映画館」出版記念会記録映像(前篇)
 
鈴木義昭
1957年、東京都台東区生まれ。76年、「キネマ旬報事件」で竹中労と出会い、以後師事する。ルポライター、映画史研究家として芸能・人物ルポなどで精力的に執筆活動を展開中。
著書に「ピンク映画水滸伝」(青心社)、「風のアナキスト・竹中労」(現代書館)、「日活ロマンポルノ異聞 国家を嫉妬させた映画監督・山口清一郎」(社会評論社)、「若松孝二 性と暴力の革命」(現代書館)、「ちんこんか ピンク映画よどこへ行く」(野上正義著・責任編集/三一書房)、近刊に「昭和桃色映画館」(社会評論社)がある。

*プリント状態が悪く映写機にかからない場合は上映作品が急遽変更になる場合があります。
企画協力:鈴木義昭、東舎利樹

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

トークイベント 1000円
《割引》
2本目は200円引き

 
[関連企画] 10月
まぼろしの昭和独立プロ黄金伝説 後編
「特別編 伝説の女王・香取環」「第三の伝説 追憶 向井寛の世界」


没後10年 甦る相米慎二
2011年9月23日(金・祝)〜25日(日)

相米慎二という偉大な映画作家を失って、早10年が経ちました。享年53歳。1980年、薬師丸ひろ子主演『翔んだカップル』での監督デビューから、劇場映画の遺作となった『風花』(2001)まで、日本映画を牽引し続けた相米慎二監督を21世紀に召還します。
 
左:『朗読紀行 にっぽんの名作「月山」』撮影中の相米慎二監督
 
[関連企画] 9月24日(土)
連続講座:映画批評_新しい映画と観客のために 第2回 甦る相米慎二
講師:藤井仁子(映画批評) ゲスト:濱口竜介(映画監督)

 
「ラブホテル」
(1985/88分/35mm)
製作:ディレクターズ・カンパニー 配給:日活
監督:相米慎二 脚本:石井隆 撮影:篠田昇 音楽:林大輔
出演:速水典子、寺田農、志水季里子、益富信孝、中川梨絵
 
劇画作家・石井隆による、「天使のはらわた」シリーズの1作品。かつて死を決意した夜に出会った娼婦・名美と運命的に再会するタクシー運転手・村木の愛の物語。にっかつロマンポルノの現場で育った相米慎二が手がけた唯一のロマンポルノ作品。1985年は『ラブホテル』『台風クラブ』『雪の断章 情熱』と立て続けに公開され、相米の時代を印象づけた。
 

(C)日活

「朗読紀行 にっぽんの名作
「月山」」

(2001/50分/HD)劇場初上映
共同制作:NHKエンタープライズ21、カズモ
監督:相米慎二 撮影:町田博 照明:木村太朗 美術:横尾嘉良 朗読:柄本明
 
毎回異なる映画監督が演出を担当したNHKハイビジョン・衛星放送の朗読シリーズ「にっぽんの名作」の1本で、相米慎二監督の最後にして唯一のテレビ作品。森敦が、自身の体験を基につづった1974年発表の異色作「月山」を取り上げている。死の山といわれる月山で、一人の男が一冬を過ごし、生死の境を歩くような不思議な体験をする。演出するにあたり「月山」を再読した相米監督は、「生と死」というテーマが身近に感じられたと語っている。今回が劇場初上映。
   
 

《料金》入れ替え制
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 会員学生・シニア900円

《割引》
2本目は200円引き
講座「第2回 甦る相米慎二」参加者は1本目も200円引き

協力:東京国立近代美術館フィルセンター、インスクリプト


[貸館]『アリラン』上映会
2011年10月2日(日)13:30開演 (13:00開場)
朝鮮の最も有名な民謡の一つである「アリラン」。そのメロディーを知っているものは多いが、その歌に込められた意味や生い立ちを知る者は多くないであろう。そんな身近なようで知らないことが多い「アリラン」の意味するものを映画観賞しながら一緒に考えていきませんか。
 
『アリラン』(韓国/1968/16mm)
原作:羅雲奎 監督:兪賢穆
 
主催 在日朝鮮人大学生・専門学校生の集まり(留学同兵庫)
 
上映会に対するお問い合わせなどございましたら、代表の李までご連絡ください。
Tel :090-6827-1209
Mail :hongyun_lee@hotmail.com
    

《参加費》
大学生 1,000円(大学1回生以下 500円) 一般 1, 500円


これまでのプログラム|神戸映画資料館

※内容は予告無く変更する場合があります。

※作品によっては、経年退化で色褪せしている場合がございます。予めご理解ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。