現代映画作家 アブラム・ローム
2009年3月6日(金)〜8日(日)
アブラム・マトヴェイエヴィチ・ローム(1894—1976)は、サイレント期の1924年に監督デビューし、1970年代までの間に約20本の作品を発表したソビエトの映画作家。『ベッドとソファ』と『未来への迷宮』を観れば、その圧倒的な現代性に驚かされ、アブラム・ロームの全貌をいまだ確認できずにいることを嘆かずにはいられない。
「ベッドとソファ」Третья мещанская
(ソ連/1927/71分/35mm/無声)
監督:アブラム・ローム 原案・脚本:ヴィクトル・シクロフスキー 撮影:グリゴーリー・ギベル 美術:ワシーリー・ラハリス、セルゲイ・ユトケーヴィチ
出演:ニコライ・バターロフ、リュドミーラ・セミョーノワ、ウラジーミル・フォーゲリ
原題は『第三メシチャンスカヤ通り』(『三人目の俗物』『三人の愛』とも表記される)。この通りにあるアパートに住む若い夫婦の部屋に夫の戦友がころがりこみ、三角関係に陥って共同生活が破綻するという物語を軸に、モスクワに出てきた若者たちの姿と女性の自立を描く。公開当時、本国では、プチブル根性の賛美と、労働者階級への誹謗があると非難され論争を巻き起こした。
「未来への迷宮」Строгий юноша
(ソ連/1935/102分/35mm)
監督:アブラム・ローム
出演:ユーリー・ユリエフ、オリガ・ジズネワ
ユーリー・オレーシャの小説を原作に、革命後のソ連社会における世代間の葛藤を描き、上映禁止となった作品。原題は『きびしい青年』(『青年たちは許さない』とも表記される)。外科医夫妻の優雅で退廃的な世界と、その夫人に反発すると同時に惹かれるものも感じてしまう若者の男女の三角関係が洗練された手つきでもって演出される。幻想と現実の交錯する奇妙な舞台装置の中で、ソビエト社会の未来への模索が語られる。
《料金》
1本あたり
一般:1200円 学生・シニア:1000円
会員一般:1000円 会員学生・シニア:900円
《割引》
2本目は200円引き
フィルム提供:映画100年ロシア・ソビエト映画祭
協力:(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)
このほか日替わりで参考上映あり。
作品詳細は当日会場でご確認ください。
会費:500円
参考上映協力:映画侠区(しゃしんきょうく)
日本映画名画鑑賞会
2009年2月6日(金)
月1回の「日本映画名画鑑賞会」。上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
《料金》
一律500円
インディペンデント・ムーヴィーの作り方
2009年1月24日(土)・25日(日)
デジタル・ムービーカメラとパソコンさえあれば誰でも明日から映画監督になれるって?世の中そんなに甘かったろうか?気軽に製作を始めてしまえば意外にもに形にはなってしまう。それをちょっとしたコンテストに出して、その上、友人などが誉めたりしてしまえば、大きな勘違いが始まる。しかし、そんな甘い話はない。さてここからが勝負だ。「本気で映画を撮る」ためには覚悟が必要なのだ。あなたにその覚悟はあるのだろうか?
「赤い束縛」
(2005/74分/DV)
監督・脚本:唐津正樹
撮影:近藤龍人
美術:樋口麻衣
制作:松井敏喜、木村文洋
ラインプロデューサー:城内政芳
音楽:PROVOKE
出演:後藤直樹、平原夕馨、金本健吾、山本華菜子、武藤美帆、福森一世、島田大志
フリーターの傍らでWEBデザイナーを生活の糧とする浅井は、興味から偶然出会った澤田夫婦に接近。夫婦の悲惨な生活と妻に関心を示した浅井は、「悲惨さ」と「愛らしさ」が平行した愛着を妻に抱き始めるが・・。
現代的なテーマをモチーフに、シンプルな題材と画面構成で作られた現代ドラマ。貧富や階級などで問題視されてきた「格差」が、「感性」のレベルで起こっているという、かつてない切り口で、現代社会における無意識の価値観を揺さぶる。“人間関係の希薄” “同世代感覚の喪失”“若年性痴呆症”などのモチーフを日常の生活を舞台に繰り広げるダークファンタジー。MIDNIGHT EYE.com 2005年度日本映画BEST10。
「おそいひと」
(2004/83分/モノクロ/35mm)
監督:柴田剛
※「おそいひと」作品詳細はこちら
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
《割引》
2本目は200円引き
[関連イベント] インディペンデント・ムーヴィーの作り方 トーク・合評会(イベントは1/24土のみです)
日本映画名画鑑賞会
2009年1月23日(金)
月1回の「日本映画名画鑑賞会」。上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
《料金》
一律500円
震災体験を越えて パート1
『with・・・若き女性美術作家の生涯』上映
2009年1月16日(金)~18日(日)
「with・・・若き女性美術作家の生涯」
(2001/60分)
監督・プロデューサー:榛葉 健
撮影:丸山幸之輔、新家克巳、榛葉 健
編集:西村周也
制作:辰巳隆一
音楽:酒井 亮
配給:「with・・・若き女性美術作家の生涯」全国上映委員会
1975年神戸市長田区で生まれた佐野由美さんは、阪神大震災で神戸の自宅が全壊し、ガレキの中から命拾いしていました。そして、その時の多くの人々から支えられた経験が、彼女を変えたのです。大学卒業と同時にネパールに渡り、貧困地区の小学校でボランティアの美術教師になります。
美術作家であることを「世の中での自分の使命にしたかった」と志した彼女が、貧困下で生きる人々と日々ふれ合うことで、社会の矛盾に悩み苦しみながらも成長していきます。そんなみずみずしい姿に、誰もが本当の「生きる意味」を見つけるでしょう・・。
受賞歴
《映画版》
2002年
文部科学省特別選定作品
優秀映画鑑賞会推奨作品
2001年
国際連合児童基金(ユニセフ)推薦作品
《テレビ版》
2001年
アジア太平洋放送連合賞
ニューヨーク祭優秀賞
上海テレビ祭推薦作品
2000年
日本賞(NHK主催)特別賞(ユニセフ賞)
アジアテレビ賞最優秀ドキュメンタリー部門第2位
「放送と女性ネットワークin関西」最優秀賞
《料金》
一般1000円 学生・シニア900円
会員900円 学生会員・シニア会員700円
[関連イベント] 佐野由美 絵画展
[関連イベント] 震災体験を越えて パート2 『ダンシング・ウィズ・ライブズ』上映+トーク
グル・ダット傑作選
2008年12月20日(土)~23日(火・祝)
映画評論家 蓮實重彦さんが、本特集上映[グル・ダット傑作選]に対し、コメントを寄せてくださいました。
「グル・ダットを見るか見ないかは人生の問題である。
だが、いったんグル・ダットを見てしまうと、映画が人生の問題を遙かに超えてしまうことに誰もがたじろがざるをえない。
そのたじろぎも知らず、やたらに人生や映画のまわりをうろうろしてほしくない。」
(蓮實重彦・映画評論家)
「グル・ダットは天才であり、『渇き』は傑作である。この歌謡映画を見て背筋に震えが走らなければ、あなたは映画とは無縁の存在だ。その抒情の鮮烈さにおいて『シェルブールの雨傘』などを遙かに超えている。最良のダグラス・サーク、最良の成瀬巳喜男だけが『渇き』のグル・ダットにかろうじて拮抗しうるだろう。」
(蓮實重彦・映画評論家)[「季刊リュミエール12 1988夏」より抜粋]
1988年、「大インド映画祭」での『渇き』日本初上映の衝撃から2001年の「グル・ダットの全貌」(10作品)の巡回上映で、映画ファンを驚愕させたグル・ダット監督。彼の傑作3本を数年ぶりにスクリーンで堪能できる貴重な機会をお見逃し無く。
フィルム・写真提供及び協力:国際交流基金
協力:(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)
「表か裏か」AAR PAAR
(インド/1954/140分/35mm)
製作・監督:グル・ダット(Guru Dutt)
脚本:ナベーンドゥ・ゴーシュ
撮影:V.K.ムールティ
出演:グル・ダット、シャーマー、ジョニー・ウォーカー、ジャグディープ、シャキーラー
交通違反で刑務所に入っていたカールーは、出所後自動車整備ガレージに就職、持ち主の娘と恋仲になる。ところがそこを首になったカールーが、そうとは知らずギャング団の運転手に雇われたことから大騒動が・・。洒落た会話、スピーディーなアクションが楽しい、究極のソフィスティケイテッド・コメディ。
「渇き」PYAASA
(インド/1957/145分/35mm)
製作・監督:グル・ダット(Guru Dutt)
脚本:アブラール・アルヴィー
撮影:V.K.ムールティ
出演:グル・ダット、ワヒーダー・ラフマーン、マーラー・シンハー、ラフマーン、ジョニー・ウォーカー
売れない詩人ヴィジャイの詩を気に入ってくれるのは娼婦のグラーブだけ。自暴自棄になったヴィジャイは、ふとしたことから鉄道事故に巻き込まれ、発売された遺稿詩集はベストセラーになるが・・。ダット渾身の代表作。
「紙の花」KAAGAZ KE PHOOL
(インド/1959/148分/35mm)
製作・監督:グル・ダット(Guru Dutt)
脚本:アブラール・アルヴィー
撮影:V.K.ムールティ
出演:グル・ダット、ワヒーダー・ラフマーン、ジョニー・ウォーカー、ベビー・ナーズ、ヴィーナー
人気映画監督スレーシュは、偶然出会ったシャーンティを主演女優に抜擢する。映画は大ヒットし、二人は強く惹かれあうのだが、シャーンティは妻子あるスレーシュに別れを告げ・・。インド版『サンセット大通り』や『スタア誕生』『ライムライト』の趣もある最後の監督作品。
《料金》
1本あたり
一般1200円 学生・シニア1000円
会員1000円 学生会員・シニア会員900円
《割引》
2本目より200円引き
日本映画名画鑑賞会
2008年12月12日(金)
12月から月1回の「日本映画名画鑑賞会」をスタートします。上映作品は、当日のお楽しみとさせていただきますが、選りすぐりの傑作・名作を揃えて上映しますので、どうぞご期待ください。
《料金》
一律500円