神戸映画資料館

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2023年5月20日(土)

連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見 第16回

ヒッチコックのまなざし、映画のまなざし

このシリーズ講座では、映画史の節目を刻んできた傑作を毎回一本ずつ上映し、検証してゆく。時代の中から生まれながら、時代を超えて生き残る。古典とはそういうものだ。それは、つねに〈来るべき〉作品であり、映画館のような場所でそのつど〈発見〉される。このような観点から、作品を映画史の中にきっちりと位置づけ、それがいかにして生まれ、どのように受容され、それ以後の映画にどんな影響を与えたのかを検証する一方で、あたかも新作を見るように、その映画を純粋に味わい、どこにその〈映画的〉魅力があるのかを探ってゆく。

 

13:30〜 参考上映

15:35〜 講座(終了予定17:05)
講師:井上正昭(翻訳・映画研究)
「映画とは何であろうか──男優と女優の、主人公と舞台装置の、言葉と顔の、手と事物の戯れでないとすれば?」
ヒッチコックについて言われたものではないが、ジャック・リヴェットのこの言葉はヒッチコックについても見事に当てはまるだろう。しかし、ヒッチコックの映画においては、その「戯れ」は完璧にコントロールされている。彼自身が「純粋映画」と呼ぶものの、その芸術(”art of pure cinema”)の、文字通りのマスター=支配者、それこそがヒッチコックであるのだ。しかし、はたしてそれは本当だろうか。ヒッチコックは、撮影の現場においても、彼が自ら作り上げたイメージ通りの完璧主義者であったのか。今回の講座では、ヒッチコック円熟期の代表的傑作の一つを取り上げ、様々な資料を通してその制作現場にも迫りながら、この映画作家の映像世界がいかに精緻を極めて構築されたものであるのかを、つぶさに見てゆく。

 

井上正昭
1964年生まれ。Planet Studyo + 1 で映画の自主上映にたずさわる。訳書に『映画監督に著作権はない』(フリッツ・ラング、ピーター・ボグダノヴィッチ/筑摩書房 リュミエール叢書)、『恐怖の詩学 ジョン・カーペンター』(ジル・ブーランジェ/フィルムアート社)、共著に『映画を撮った35の言葉たち』(フィルムアート社)がある。
ブログ「明るい部屋:映画についての覚書」

《参加費》 参考上映+講座
一般:1200円 ユース(25歳以下):700円 会員:1000円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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