神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2023年8月5日(土)

隠れた名作上映会 vol.2

あまり知られていない隠れた名作を紹介するシリーズ。2回目の今回は、1920年代に作られた異色作を生伴奏と解説付きで上映。

 

『戦く影』 Schatten – Eine nächtliche Halluzination
(ドイツ/英語版/1923/85分[18fps]/16mm)
監督:アルトゥール・ロビソン
原作・美術:アルビン・グラウ
撮影:フリッツ・アルノ・ヴァグナー
出演:フリッツ・コルトナー、ルート・ワイヤー、グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイム、アレクサンダー・グラナック

ドイツで育ったアメリカ人監督アルトゥール・ロビソンによる、ワイマール時代の忘れられた傑作。愛と嫉妬が渦巻く館で催される宴のさなか、謎めいた影絵師の見せる影絵芝居が、悪夢のごとく、見る者の隠された欲望を浮き彫りにしてゆく。影の存在が特別な意味を持つドイツ表現主義の中でも、この作品ほど影が重要な役を演じた映画は他にないだろう。何しろここでは、実体ではなく影の方が主役なのだ。字幕を一切使わない純粋映画の試みとしても実に興味深い。
伴奏:カメイナホコ

 

『魔女』 Häxan
(デンマーク、スウェーデン/英語版/1922/110分[18fps]/16mm)
監督・脚本:ベンヤミン・クリステンセン
撮影:ヨハン・アンカースティアーナ
出演:マレン・ペダーセン、ベンヤミン・クリステンセン

デンマークの監督ベンヤミン・クリステンセンが、中世から現代にいたるまでの魔術の歴史を描いた、映画史上最も奇怪な作品の一つ。ドキュメンタリーのように始まった映画は、やがて現実とフィクションの間を自由に行き来し始め、画面にはボッシュやゴヤの絵画から抜け出してきたかのような魔女や悪魔たちが蠢き出す。これはドキュメンタリーなのかホラーなのか。いかなるジャンルにも分類し難い大胆な作風は、今見ても実に新鮮だ。必見のカルト映画。
伴奏:山本信記

各作品上映後 解説:井上正昭(翻訳・映画研究)

 

《料金》
一般:2000円 ユース(25歳以下):1500円 会員:1800円
予約受付

メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

作品解説:井上正昭
協力:プラネット・プラス・ワン、橋本英治

PageTop